【保育士の給料事情が丸っとわかる！】保育士給料ガイド | 保育士・幼稚園教諭・ベビーシッターの求人専門サービス「ずっと保育士」

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「保育士は給料が低い」という話をよく聞くのではないでしょうか。

その待遇の悪さは国会でも問題になり、現場で苦労しながらも報われない保育士の実態についてよく話されていました。

とは言え、保育士として働いている方からはこんな言葉も聞こえてきます。

「給料は低いと思っているけど、ほかの保育士はどうなのか知らない」

「どれくらいの給料が保育士の適正なのかわからない」

「給料がいつ、どのくらい上がるのかわからないので転職を躊躇する」

そこで、今回は保育士の給料相場について具体的に解説していきます。

あなたの給料は、ほかの保育士と比べてどのくらいなのか、気になる方はぜひチェックしてみてください。

 

保育士の給料相場はどれぐらい？

 

厚生労働省「令和６年賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均給与は約408万円となっています。

一方、国税庁「令和５年分民間給与実態統計調査」では、全職種を対象とした平均給与は460万円でした。

比べると、保育士の平均年収は、全職種よりも52万円ほど低くなっています。

しかし、保育士単体では、令和2年から令和6年の4年間で、約23万円の給与アップがされているのです。

＞＞「保育士の平均年収や給料相場ってどれくらい？」の記事を見る

 

男女による給料の違い

 

次に、保育士の平均年収を男女別に見ていきましょう。

下記の表1をご覧ください。

年収ベースで24万円ほど男性保育士が多く、約1ヶ月分の程度の違いがあることがわかります。

実は、保育士の仕事は男女平等で、一般保育士の給与自体に違いはありません。

なぜ違いがあるのかというと、男性保育士の勤務する保育園の差です。

女性が9割の保育士業界の中で、まだまだ男性保育士の割合は少なく、男性保育士として勤務している人の多くが公務員、もしくは役職者です。

そのため、男女比で統計を取った時に給与差が発生していると考えられています。

 

表1：保育士の男女による給料の違い

性別	年収
女性	約392万円
男性	約416万円

参考：厚生労働省「令和６年賃金構造基本統計調査」

計算方法：（きまって支給する現金給与額×12）+年間賞与その他特別給与額

 

都道府県別による給料の違い

 

まず、都道府県が定めている最低賃金に差があることが前提にあります。

人口や雇用状況、産業、経済力に地域差があるため、賃金の差はどの業種でも起こり得ます。

そして、保育士ならではの事情もあります。

それは、保育士の給与の大部分は国や自治体からの補助金だということ。

人口が多かったり物価が高かったりする地域には、多くの補助金が支給されます。

そのため、勤務する都道府県や各エリアは、保育士の給与を左右する大きな要因となるのです。

また、保育は福祉の分野に当たるため、各自治体が福祉にどれくらいの予算を割いているかによっても異なります。

＞＞「保育士の給料が高い地域・都道府県ってあるのでしょうか？」の記事を見る

 

職種による給料の違い

 

保育士が活躍する場所は、なにも保育園だけではありません。

幼稚園をはじめ、乳児を保育する乳児院、児童福祉施設、学童保育など、活躍の場がたくさんあります。

また、職種によって給料形態も大きく異なります。

特に高いとされている職種と、その理由を次の表2にまとめました。

 

表2：職種による給料の違い

職種	給料相場と給料が高い理由
【1】公立保育士（公務員）	一般行政職という公務員に該当するため、給料が高くなります。 ＞＞「公務員の保育士の給料はどれくらいですか？他の保育士と比べて高いですか？」の記事を見る
【2】院内保育士	看護師と同等の給与水準になることが多く、給料は高めに設定されていることが多い。 ＞＞「院内保育が保育士に人気な理由とは？気になる仕事内容や給料について」の記事を見る
【3】企業内保育士	運営元企業によりバラツキはあるが、大手企業が多く、給与テーブル自体が高めに設定されていることが多い。 ＞＞「企業内保育所で働く保育士の仕事内容とは？給料や求人は？」の記事を見る
【4】乳児院保育士	夜勤などが恒常的に発生するため、深夜割増手当を含む給与になる。 ＞＞「乳児院の保育士の仕事内容とは？求人の傾向や探し方について」の記事を見る

 

それぞれについて、詳しく書いた記事もありますので、参考にしてみてください。

＞＞「保育士資格が活かせる仕事の中で給料の高い仕事は何ですか？」の記事を見る

＞＞「幼稚園教諭と保育士ってどれくらい給料額が違ってくるのでしょうか？」の記事を見る

 

雇用形態による給料の違い

 

保育士の給料に最も影響を与えるのが雇用形態です。

雇用形態は、正職員、派遣、バイト、パートなどさまざま。

また、同じ給料であっても、ボーナスや手当の有無など、年収ベースでは差が出ることがあります。

 

表3：雇用形態による給料の違い

雇用形態	給料相場
正職員（正社員）	月給制。 新卒初任給は19万程度からとなります。 また、給与以外にも交通費、諸手当、ボーナス、役職手当などが付与されます。
臨時職員	月給もしくは日給制。 報酬相場は下記の通りです。 月給制16万円〜18万円前後 日給制7000円〜9000円前後 諸手当やボーナスの付与は契約内容に従うため、就業前の確認が必要。
契約職員	月給もしくは日給制。 報酬相場は下記の通りです。 月給制16万円〜18万円前後 日給制7000円〜9000円前後 諸手当やボーナスの付与は契約内容に従うため、就業前の確認が必要。
派遣保育士	時給制。 時給1,200円〜1,800円程度が相場です。 ＞＞「保育士の派遣の時給相場はどれくらいですか？普通の保育士に比べて給料は高いですか？」の記事を見る ＞＞「派遣保育士の給料は高い！？派遣保育士の給料体系と年収相場」の記事を見る
パート・アルバイト（有資格）	時給制。 時給1,200～1,500円前後が相場です。 諸手当やボーナスの付与は契約内容に従うため、就業前の確認が必要。
パート・アルバイト（無資格）	時給制。 時給1,000円〜が相場です。 諸手当やボーナスの付与は契約内容に従うため、就業前の確認が必要。

 

働く施設の規模による給料の違い

 

保育士は、所属する施設によっても給料は異なります。

一概には言えませんが、施設規模の大小によって給料が変わってくることがあります。

施設規模の違いによる給料の違いを次の表3にまとめました。

意外ですが、企業規模の小さい保育園の方が給料が高い場合があります。

保育士に対する補助金の増額や、保育士確保のための企業努力などが考えられます。

一方で、1,000人以上の保育園については、年収では見えない福利厚生などの待遇の良さもあります。

 

表4：働く施設の規模による給料の違い

施設の規模（従業員数）	平均年収
10〜99人	約409万円
100〜999人	約411万円
1,000人以上	約382万円

参考：厚生労働省「令和６年賃金構造基本統計調査」

計算方法：（きまって支給する現金給与額×12）+年間賞与その他特別給与額

 

保育士の給料体系と昇給の仕方

 

保育士の給料を決定する上で軸となるのが、経験年数と役職です。

経験年数が長く、役職に就いていると給料は上がります。

では、保育士はどのようなキャリアパスを辿っていくのでしょうか。

具体的なポジションを確認してみましょう。

 

表5：保育士の役職

キャリアポジション	経験年数	仕事内容
クラス担任、副担任	0〜2年	日常の保育業務 保育指導計画の立案・評価 2年目以降は初任者の保育指導など
職務分野別リーダー	3年以上	職務分野のリーダー業務 ＊担当する職務分野の研修を修了し、発令を受けたもののみ
副主任保育士、専門リーダー	7年以上	主任保育士の補佐、専門分野でのまとめ役 ＊職務分野別リーダーを経験、キャリアアップ研修の修了し発令を受けたもののみ
主任保育士	8年以上	園長の補佐、保育士をまとめるリーダー役
園長	10年以上	保育園の運営全般、保育士の管理指導

 

上の表4のように、役職やポジションによっても給料が上がっていきます。

実はかつて、職務分野別リーダー、専門リーダー、副主任保育士などの役職はありませんでした。

しかし、国が保育士の処遇改善に力を入れて生まれたのが上記のポジションです。

「保育士等キャリアアップ研修」を修了することで、下記のような収入が手当として支給されます。

 

役職	支給額
職務分野別リーダー	月額５千円
副主任保育士　専門リーダー	月額4万円

 

保育士のキャリアは、年功序列もありますが、研修の受講や資格の取得、転職やキャリアアップによっても可能です。

 

給料以外にもらえる手当

 

保育士は、給料以外にも様々な手当がつくことがあります。

主な手当の種類について次の表5をご覧ください。

 

表6：給料以外にもらえる手当

手当の種類	概要
保育士資格手当	保育士資格を保有していることに対する資格手当です。最近ではパート等で無資格者も働くことがあるため、資格保有者は優遇されています。
特殊業務手当	行事など、特に忙しく労力を使う業務に対して支給される保育士ならではの手当です。
賞与（ボーナス）	年２回、夏と冬の時期に支給されることが一般的です。
役職手当	役職に応じて支給される手当です。
通勤手当	通勤交通費を全額もしくは一部負担してもらう手当です。
住宅手当	家賃等を補助する手当です。

 

保育園の運営法人や、所属する自治体によっては、上記のほかにも手当が受けられる場合があります。

逆に、手当等がほとんどつかない場合もあります。

就業する際は、給料だけではなく、手当がどのように支給されるのか、しっかり確認した方が良いでしょう。

 

給料を上げるためにはどうすればいい？

 

保育士として働いていくために、お給料が上がるかどうかは大きな問題です。

ただ年功序列の階段を上がるのを待っているだけでは得策とは言えません。

そこで、実際にどのようにすれば給料が上がるのか見ていきましょう。

 

保育士の給料の今後！

 

平成25年から「保育士等のキャリアアップ研修」や「ベースアップ」などの施策が国によって実施され、保育士の平均年収は目に見えて上がってきています。

厚生労働省「令和６年賃金構造基本統計調査」によると、2020年〜2024年の4年間で、保育士（男女平均）の平均年収は、約21万円の上昇が見られました。

とはいえ、まだまだ保育士の給料は、全職種から見れば低いと言わざるを得ません。

保育士免許を持っていても、給料の低さから保育の仕事に従事しない潜在保育士の方も多数いらっしゃいます。

そのため、一層保育士の給料や待遇の改善に力を入れていくことが予想されます。

 

そもそも保育士の給料はなぜ安かったのか？

 

そもそも保育士の給料が安かった理由は、保育園が福祉施設であり、資金源である税金の公費が低かったことが原因です。

施設の運営費、保育経費、給食の食材などの必要経費を削ることができず、しわ寄せが人件費となっていました。

そのため、保育士は少ない給料でたくさん働かなければならない状態になっていたのです。

この給料の低さが保育士不足の一因になり、保育士業界が完全な負のスパイラルに陥っていました。

しかし、現在は国や自治体が予算を確保し、保育士の給料は格段に上がってきています。

保育士の給料がなぜ低いのかについて、次の記事に詳しく回答しています。

＞＞「保育士の給料は今後本当に上がるんですか？処遇改善でいつから引き上げが始まるのでしょうか？」の記事を見る

 

保育士の給料に関するよくある質問

 

ここでは、明日香の保育士キャリアコンサルタントがよく受ける、保育士の給料についての質問をご紹介します。

 

質問1：学歴によって給料が変わるの？

 

保育士は、公務員（公立）保育士を除き、学歴によって多少給料に差が出ます。

公務員は保育士であっても、一般行政職として自治体の給与テーブルに従います。

そのため、大卒と高卒では基本的な給与テーブルが異なり差があるのです。

また、一般的な保育園でも正職員であれば、大卒と短大卒・専門卒で給与が異なることが多いです。

ただし、パートやアルバイト、派遣保育士については学歴による給与差はほとんどないでしょう。

＞＞「保育士の給料は短大、大学、専門と、学歴によって違いはあるのでしょうか？」の記事を見る

 

質問2：産休や育休中の給料は出るの？

 

保育士も会社員と同じく、企業や団体に所属して給与を受けるサラリーマンです。

そのため、雇用条件により雇用保険や社会保険、健康保険等に加入しています。

産休や育休中は、お勤めの保育園からお給料は出ませんが、これらの保険から支払われる手当によってお給料の一定額が保証されています。

＞＞「保育士は産休・育休中、給料をもらえるのでしょうか？もらえるとしたらどれぐらい？」の記事を見る

 

質問3：幼保無償化による保育士の給料への影響は？

 

幼保無償化が2019年10月より始まりました。

しかし、この政策による保育士の給料への影響はありません。

保護者が保育園へ支払う金額がなくなっただけで保育施設への影響はないです。

＞＞「幼児教育無償化によって保育士の給料はどうなるのでしょうか？」の記事を見る

 

質問4：保育士の給料は平均水準と比べて高い？低い？

 

国税庁「令和５年分民間給与実態統計調査」によると、日本人の全職種の平均年収は460万円でした。

厚生労働省「令和６年賃金構造基本統計調査」では、保育士の平均年収は約408万円でしたので、実に52万円も差があります。

ただし、保育士の９割以上が女性です。

国税庁の調査で女性の平均年収が316万円だったことを考えると、92万円も高いと言えます。

 

保育士の給料水準は今後さらに向上する

 

今回は、保育士の給与事情について中心にまとめました。

保育士業界はこれまで、低賃金や処遇の悪さで保育士不足という問題を抱えてきました。

しかし、国の政策で処遇改善がなされ、徐々に給与と待遇は改善してきています。

ほかにも、転職によって環境や給料を変化できるようにもなっています。

明日香では、「現在の給料に満足していない人」のサポートも行なっており、保育士の地位と満足度の向上に努めています。

保育士として、今の環境や給料に満足していない方は、ぜひ相談してください。