保育のコラム

慣らし保育の園児が泣く…慣らし保育期間を笑顔で乗り切るコツ

2017/10/05

慣らし保育期間を笑顔で乗り切るコツ

 

子どもたちが保育園に入園するとすぐに始まる「慣らし保育」。慣らし保育とは、新しく入園した子どもが保育園での生活に慣れるために行う、短時間保育のことです。

 

慣らし保育の期間は数日だけの場合もあれば、1カ月間行う園もあるなど、園によってさまざまです。

今回は、初めて慣らし保育を行う保育士の方向けに、慣らし保育を笑顔で乗り切るコツなどについてご紹介します。

 

 

慣らし保育とは

 

 

 

慣らし保育は、園によって時間数や期間は異なりますが、通常保育よりも短い時間からスタートします。1日に1時間や2時間、午前のみなどという風に徐々に子どもの様子を見て時間を長く延ばしていきます。はじめのうちは、保護者が付き添う場合もあります。

 

保育時間が長くなり、お昼を食べるところまで慣れたら、午睡まで。さらにペースがつかめるようになったら最後まで、といった具合に子どものペースに合わせて進めていきます。

1日の保育の流れに子どもが慣れることを目的として行うものですので、保育士も焦らず、その子のペースを見て無理なく進めていくと良いでしょう。

 

また、保護者にとっても慣らし保育の期間は重要です。

 

入園前に見学しただけでは実際の園の雰囲気、保育士の人柄や様子について、つかみにくい部分もあるでしょう。慣らし保育期間中に、保護者に園のことを知っていただくことが、保護者にとっても子どもにとっても、新生活に慣れていくために大切なのです。

ですので、保育士は慣らし保育中の子どもたちや保護者の不安な気持ちを少しでも拭い、安心してもらえるようにはたらきかけていきましょう。

 

 

慣らし保育中の子どもが泣く理由

 

 

 

慣らし保育の子どもが泣く理由

 

年齢にもよりますが、慣らし保育中、特に初日は子どもたちの多くが大泣きします。不安に思う気持ちの表れですから、逆にいうと最初から泣かない方が奇跡に近いとさえいえるでしょう。

では、慣らし保育中の子どもはなぜ泣くのでしょうか。慣らし保育中に泣く理由とその対処法をまとめました。

 

 

 

【理由1】保護者に置いていかれたと思ったから

 

 

 

保育園などに預けられた経験のない子どもは、保護者が自分を残して保育園から立ち去ってしまうと、知らないところに置いていかれてしまったと思って泣いてしまうことが数多くあります。

 

そのような場合は、「お昼ごはんの時間になったら、ママがお迎えにきてくれるよ」などのように、保護者が必ず迎えにくると何度でも教えてあげましょう。

 

保護者にも、子どもと離れるときは不安な表情をせずに笑顔で送り出してもらうようにお願いをしましょう。保護者の方が園を出るときに子どもと笑顔でタッチをするなど、送り迎え時の儀式を決めておくとすんなりお見送りできるといったアドバイスもしておくと良いでしょう。

 

【理由2】慣れない環境に戸惑っているから

 

今までほとんどの時間を家庭で保護者と過ごしていた子どもは、同世代の子どもがたくさんいる環境に驚いて泣いてしまう場合があります。

また、笑顔で積極的に関わってくる保育士を怖いと感じて泣いてしまうことも考えられます。

 

お友達と一緒に過ごすことについては、慣れてもらうほかありませんが、子ども同士が一緒に仲良く遊べるように遊びの内容などを工夫すると良いでしょう。

 

保育士を怖がる様子のある子どもには、穏やかに話し掛けるよう心掛けるなど、子どもに合わせた配慮をしましょう。

 

【理由3】体調不良やオムツが濡れていて不快だから

 

子どもが泣いてしまうと、泣きやませることに集中しがちですが、身体の不調や不快に思うことがないかなどをよく見てあげましょう。オムツをしている乳児の場合、オムツが濡れているのが気持ち悪くて泣いている場合もあります。

 

不安から知恵熱が出てしまうこともあるので、あまり長時間泣いているようならば水分をとらせたり、触って熱いと感じたら熱を測ってあげたりすることも大切です。高熱でひきつけを起こすケースもあるので、慣らし保育の前にひきつけの既往歴を保護者に確認しておきましょう。

 

また、オムツについては、濡れていないかどうか定期的にチェックをしてあげましょう。

 

【理由4】周りの子どもにつられて泣く

 

上記のような理由で泣いている子どもにつられて不安な気持ちになってしまい、泣き始める子どももいます。

 

何が嫌で泣いているのか、またどうすれば機嫌がなおるのかなどは、子どもたち一人ひとりをよく観察すると徐々に見えてきます。子どもと関わりながら様子を観察しているうちに、解決策が見いだせることも少なくありません。

 

焦らずに、少しずつ打開策を見つけていきましょう。

 

 

保育士が慣らし保育を乗り切るためのコツ

 

 

 

慣らし保育を乗り切るコツ

 

泣いて、背中を向けてしまっている子どもの心を開くのはとても根気のいることですが、保育士が諦めなければ、子どもはいつしか心を開いてくれるものです。いつも泣いていた子が心を開いてくれたときの喜びは、言葉では表せないほど。保育士の仕事に、今まで以上にやりがいを感じることでしょう。

では、慣らし保育期間を乗り切るためにはどのような対応をしていけば良いのでしょうか。

 

「園に慣れてもらう」という目的を見失わず、ドーンと構える

 

慣らし保育で大事なことは、保育園に入園した子どもたちが少しずつでも園に慣れてくれることです。保育園は怖いところではなく、楽しいところだということを体感できるよう笑顔で接し、心からの愛情を持って保育をしていましょう。

 

しかし、子どもが激しく泣くだけでなく、置いていかれたショックから暴れ出してしまうこともあります。そのような状態になったときは、どうしたら良いのでしょうか?

 

叱ると、心が離れてしまうだけです。危ないことをしたときに叱ることは大切ですが、けがなどの危険がない場合は、心を落ち着かせて仏のような気持ちでドーンと構え、さまざまな遊びに誘ってみましょう。

声の強弱を変えたり、歌を歌ってみせたり、手遊びしたり、パペットを出したり、紙芝居や絵本を読んだり。子どもが一瞬でもこちらに興味を示してくれたら、あなたのペースに引き込んでその子どもと密に接していきましょう。

 

子どもの好みをつかみ、保護者と良い関係を築く

 

子どもが好きなもの、好きなことについて、事前に保護者へリサーチしておくと良いでしょう。

例えば、家庭だとどのような場所で遊ぶことを好むか、子守歌にしている歌は何か、寝かしつけの導入はあるのか、お気に入りの毛布があるかなど。子どもの趣味や好みをしっかりリサーチしてインプットしておくことが大事です。

 

また、保護者にとっても新生活の不安は大きいものです。早くから保護者と何でも気兼ねなく話せるような関係を作っておけば、保護者も安心して保育士に子どもを任せてくれることでしょう。

 

保護者から保育士への信頼感は、そのまま子どもから保育士への信頼へとつながります。

 

 

おわりに

 

 

 

慣らし保育中の園児が泣く理由や、慣らし保育期間を上手に乗り切るコツをご紹介しました。

 

慣らし保育に大切なのは、子どもたちの不安な気持ちを受け止め、保育園は楽しいところだと教えてあげることです。笑顔を絶やさずに、愛情を持って慣らし保育に取り組んでいきましょう。

 

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