保育のコラム

海外で派遣保育士として働ける?必要な資格や仕事内容を解説

2025/07/11

「保育士としての経験を活かして、海外で働いてみたい」と考えたことはありませんか。

派遣保育士として海外で働くには、求められる資格や語学力、仕事内容など、実際に行動に移す前に知っておきたいポイントがいくつもあります。

今回は、海外で派遣保育士として働くために必要なこうした知識を、詳しく解説していきます。

ずっと保育士編集部

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

そもそも海外で派遣保育士として働ける?

海外でも保育士は必要とされており、実際に多くの日本人保育士が海外で働いています。

ここでいう「派遣」とは、会社などを通して一時的に働く形のことを指します。

派遣という働き方は、日本だけでなくドイツやフランス、イギリスなど多くの国で法律によって制度化されています。

そのため、保育士の分野でも派遣という形で働く機会を得ることは十分に可能といえるでしょう。

ただし、何の準備もせずに海外に行き、すぐ働けるわけではありません。

海外で派遣保育士になるためには、次のような準備が必要になります。

  • ビザ(入国・滞在許可証)の取得
  • 現地で必要とされる資格の取得
  • 就職先を探すための活動

特に、初めて海外で働く場合には、海外就職に詳しい転職エージェントのサポートを受けると安心です。

また、日本で紹介された仕事でも、実際には現地で直接雇われるケースが基本です。

つまり、日本の会社に雇われて海外に派遣されるわけではないことに注意が必要なのです。

さらに、現地の派遣会社に登録して働く場合には、その国ごとの保育士資格やライセンス(資格証明)が求められることもあります。

海外で派遣保育士をする場合の仕事内容

海外でも日本でも、保育士の仕事内容には共通する点が多いです。

たとえば、次のような保育業務が主な内容になります。

  • 食事、着替え、トイレ、午睡など日常生活のサポート
  • 年齢や発達に応じた遊びの企画や実施
  • 日本人の子供たちに日本文化や日本語の教育
  • イベントの準備や引率
  • 保護者への連絡や報告
  • 急な人員不足への対応

保育士としての基本的なスキルや経験があれば、海外でも十分に活かすことができます。

ただし、現地の国の子どもたちを保育する施設では、その国の言葉や英語を使った保育、連携が必要です。

日本の童謡や昔話のように、海外でも親しまれている歌や物語があります。

そういった文化や習慣への理解を深めることも大切です。

海外で派遣保育士として活動するには何が必要?

海外で派遣保育士として働きたい場合、事前に確認しておくべきポイントは以下の通りです。

  • 就労ビザ
  • その国の保育士関連資格・ライセンス
  • 実務経験
  • 語学力

こうした準備がしっかりできていないと、スムーズに海外で働くことは難しくなります。

それぞれについて、以下から詳しく見ていきましょう。

就労ビザ

どの国で働くとしても、まず必要になるのが「就労ビザ」です。

就職先によっては就労ビザの申請をサポートしてくれるため、まずは就職活動から始めるのが一般的です。

ただし、就労ビザ申請のサポートがある求人は競争率が高いのも実情です。

就職先が決まらない場合は「ワーキングホリデービザ(若い方向けの滞在許可)」や「就学許可がついた学生ビザ」を取得する方法もあります。

ワーキングホリデーでの滞在は、通常1年間だけです。

しかしながら、海外保育を体験してみることで、将来について考える良いきっかけになるかもしれません。

また、オーストラリアやカナダなどでは、チャイルドケア留学(保育留学)があり、学びながら現地での就労を目指すことも可能です。

その国の保育士関連資格・ライセンス

日本の保育士資格だけでは、海外では働けない場合があります。

多くの国では、その国独自の保育士資格やライセンス・正式な許可証を取得する必要があります。

現地の学校に通い、半年から数年かけて学ぶのが一般的です。

ただし、国によっては日本の資格を一部活用できる場合があります。

たとえば、カナダでは、日本の資格をカナダの資格に変えられる、資格書き換えの制度が整っています。

一方で、駐在員(海外勤務している日本人)家庭向けの日本人幼稚園などでは、日本の保育士資格や幼稚園教諭免許で働ける場合が多いです。

どこで働きたいかによって、必要な資格が変わるため、事前にしっかり確認しておくことが大切です。

実務経験

海外で働く場合、即戦力として活躍できるかどうかが重視されます。

就労ビザを取得する際にも、保育士としての実務経験が問われることが多く、目安としては3年以上の経験があると有利になります。

また、担任経験や主任経験(リーダー役を務めた経験)があると、さらに高く評価されることも。

経験が豊富であればあるほど、就職先の選択肢も広がるため、今の職場でしっかり経験を積んでおくことが将来に役立ちます。

語学力

働く施設によって、必要な語学力には違いがあります。

日本人幼稚園など、日本語で保育を行う施設では、それほど高い語学力を求められないこともあります。

しかし、現地の子どもたちを預かる保育施設では、日常会話レベルの英語や現地の言葉が必要です。

保育士の仕事は、子どもの命を預かる責任の重い仕事なので、子どもたちや同僚と円滑にコミュニケーションを取れることが最重要。

TOEICで600〜740点、またはIELTS5.5以上の語学力が目安となりますが、スコアの高さよりも、会話ができることが重要です。

海外で日本人の派遣保育士が働ける施設

日本人の派遣保育士が実際に働くことができる主な施設として、以下が挙げられます。

  • 日本人向けの保育園・幼稚園
  • インターナショナルスクール
  • 企業内保育所(日系企業)
  • リゾート地での一時保育
  • 派遣型家庭保育(ベビーシッター)
  • 現地の保育園・幼稚園

この中でも採用されやすいのが、現地に暮らす日本人家庭の子どもを対象とした「日本人向けの保育園・幼稚園」です。

特に、シンガポールをはじめとするアジア諸国では、若い世代の駐在員がが増え、その子どもたちを対象とした日本人向けの保育施設の需要も高まっています。

現地の保育施設に子どもを預けることに不安を感じる保護者も多いため、信頼できる日本人保育士が求められているのです。

日本人向けの施設では、言葉や文化の面でなじみやすく、初めての海外就職でも比較的スムーズに働き始めることができます。

一方で、現地の子どもたちが通う施設で働く場合は、一定の語学力や、その国ごとに定められた保育士資格が必要となり、採用のハードルは高めになります。

派遣保育士として海外に行く前に確認すべき4つのこと

実際に行動を起こす前に、次の4つのポイントを確認しておくことが重要です。

  • その1:海外で働くためにかかる費用は用意できているか
  • その2:希望する施設の求人倍率はどれくらいか
  • その3:希望する国・施設の給料や待遇はどうなっているか
  • その4:どのようなスキル・経験が求められているか

以下からは、こうしたポイントをそれぞれ見ていきましょう。

その1:海外で働くためにかかる費用は用意できているか

海外で働くためには、さまざまな初期費用が必要になります。

具体的には、ビザ取得費用、渡航費、現地での住居費、生活資金などが挙げられます。

たとえば、タイやベトナムなど比較的物価が安い国でも、最低50万円以上は用意しておいた方が安全です。

アメリカの都市部やオーストラリアなど物価が高い地域では、少なくとも100万円程度は準備しておくことをおすすめします。

事前に必要な費用をしっかり把握し、無理のない計画を立てることが大切です。

その2:希望する施設の求人倍率はどれくらいか

海外といっても、国や施設によって就職のしやすさには差があります。

たとえば、日本人駐在員が多い国では、日本語を使える保育士の需要も高く、求人も比較的見つかりやすいかもしれません。

一方、現地の子どもたちを対象にした施設では、現地語や英語での保育が必要であるため、ハードルが上がることもあります。

詳しい情報を知りたい場合は、各国の専門機関や、海外転職に強い転職エージェントに問い合わせると、最新の求人状況を教えてもらえるでしょう。

その3:希望する国・施設の給料や待遇はどうなっているか

海外で安心して生活するためには、給与や待遇の確認は特に重要です。

たとえば、アメリカでは慢性的な保育士不足が続いていますが、物価に対して給与が低めであることが課題となっています。

こうした経済的な不安を減らすために、住居手当や交通費補助といった福利厚生を含め、詳細な条件を確認することが大切です。

また、カナダの保育士の時給は日本と比較して高めですが、生活費も高い傾向にあります。

特に、州や地域によって家賃相場が大きく違うため、給与だけでなく生活コストとのバランスをよく見極める必要があります。

その4:どのようなスキル・経験が求められているか

海外の保育施設では、即戦力となる人材が求められることがほとんどです。

たとえば、保育士として3年以上の実務経験があること、さまざまな年齢の子どもたちに対応できる柔軟なスキル、そして、保護者や同僚と良好な関係を築けるコミュニケーション能力が重要視されます。

日本での採用と違うのは、語学力が必須となる点です。

現地の子どもたちやスタッフと、スムーズにやり取りできる日常会話レベルの語学力が求められる場合が多いのです。

加えて、その国ならではの文化や価値観を理解し、受け入れる姿勢も、高く評価されるポイントになります。

海外でも派遣保育士として働くことは可能!

今回は、派遣保育士として海外で働くために知っておきたいポイントを詳しく解説しました。

これまで日本で積み上げてきた保育士経験を活かして、海外で働くことは可能です。

ただし、現地で必要とされる資格や語学、ビザ取得の問題など、準備には時間と労力がかかるのも事実です。

そのためには、焦らずしっかりと準備期間を設けながら、日本国内でも保育士としての多くの経験を積んでおくことが大切になります。

もし、英語力に自信がある場合、まずは日本国内で英語教育に力を入れている保育園・幼稚園で働いてみるのも準備として適しています。

2020年より、小学3年生での英語が必修化されたこともあり、英語教育に取り組む施設が以前より増えてきました。

私たち「ずっと保育士」でも、英語教育に力を入れている施設の求人を取り扱っています。

あなたのライフスタイルや目標に合わせた働き方を一緒に考え、丁寧にサポートいたします。

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