派遣保育士の契約期間は何年?更新できる?
2025/07/11
派遣保育士として働いてみたいと考えたとき、「契約期間はどれくらいなのか」「更新はできるのか」といった疑問を抱く方は多いものです。
一般的な派遣の仕事では、3〜6ヶ月ごとに契約を結び直すケースが多いですが、保育園で働く場合は事情が少し異なります。
というのも、保育園では「年度単位」で働く体制が多いため、契約のタイミングや期間が独特なパターンになっているのです。
また、派遣という働き方には「派遣会社(人材紹介会社)」が関わり、働く先の保育園と直接雇用関係を結ぶのではない仕組みとなっています。
この記事では、派遣保育士の契約期間の基本的な仕組み、契約更新の条件や注意点などを詳しく整理して、解説します。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
派遣保育士の契約期間は何年?
派遣保育士の契約期間は、「どこの保育園で、どのような理由で人を探しているか」によって変わります。
多くの場合は、契約年度の終わり(3月末など)までの契約になることが一般的です。
契約が年度末までである理由は、保育園では4月から新年度が始まり、職員の体制やクラス編成が毎年見直されるからです。
中には、保育士の急な退職や病気、産休などで、途中から1〜3ヶ月だけ働く形になることもあります。
また、最初の契約は1ヶ月など短く設定し、その方の働きぶりや保育園との相性を見てから契約を延長するという場合もあります。
働く前には、保育園・派遣会社・自分の3者で契約内容をよく確認し、「どれくらいの期間なのか」「延長の可能性があるのか」をはっきりさせておくことが大切です。
派遣保育士の契約期間に関する具体的な内容は、次の通りです。
- ・最長の契約期間は原則3年
- ・最短の契約期間は31日
以下からは、それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。
最長の契約期間は原則3年
労働者派遣法では、同じ保育園に派遣保育士として働ける期間は、原則として「3年まで」と決められています。
3年という期間がある理由は、同じ職場で長く働く方が「不安定なまま派遣で働き続ける」ことを避けるための仕組みです。
ただし、例外もあります。
保育園の職員全体の「過半数が所属する労働組合」から意見を聞いたうえで、特別に延長が認められるケースもあるのです。
とはいえ、この手続きは簡単ではないため、多くの場合は3年以内で働き終える形になります。
契約が終わる前には、派遣会社が「続けて働きたいかどうか」「次はどこで働きたいか」などを聞いてくれる面談があり、必要に応じて次の職場を紹介してくれるものなのです。
最短の契約期間は31日
派遣保育士の契約は、法律上「31日以上」でなければならないとされています。
そのため、どんなに短くても1ヶ月以上の契約となるのです。
保育園では、以下のような理由で短期の契約を結ぶことがあります。
- ・急に人手が足りなくなったとき
- ・産休や育休をとっている職員の代わりを探しているとき
- ・入園の多い時期など、一時的に忙しくなるとき
こうしたケースでは、まず1ヶ月などの短い契約を結び、その後の様子を見て契約を延長するという形がよくあります。
契約を延ばすかどうかは、保育士本人の希望や保育園の状況をもとに、派遣会社が調整してくれます。
派遣保育士の契約期間は更新できる?
契約の期間が終わる前に、「続けて働きたいかどうか」を確認する機会があります。
このとき、派遣保育士の契約は、法律上3年を超えない範囲であれば、何度でも更新が可能です。
つまり、数ヶ月ごとや1年ごとなど、必要に応じて契約を延長していくことができます。
派遣会社は、契約が終わりに近づくタイミングで、保育士本人と保育園の両方に「継続するかどうか」を確認し、それぞれの意見を聞いたうえで判断するのです。
もし、3年を超えて同じ保育園で働き続けたい場合は、法律に定められた「特別な手続き」が必要になります。
特別な手続きには、派遣先の保育園が労働組合(または労働者の代表)から正式な意見を聞き、意見に基づいて延長を検討する必要があります。
この手続きは必ずしも延長が約束されるものではなく、保育園と派遣会社、労働組合の三者の合意が必要です。
また、派遣保育士が3年を超えて勤務できない場合には、派遣会社が次の職場を探す責任を負っています。
派遣保育士の契約期間を更新する際に必要な手続き
派遣保育士の契約期間を更新するときには、契約がどのようなケースに該当するかによって必要な手続きが異なります。
具体的には、次の2つのケースに分かれます。
- ・契約期間が3年を超えない場合
- ・契約期間3年を超える場合
以下からは、契約期間それぞれのケースごとに、詳しく解説します。
契約期間が3年を超えない場合
契約期間が3年を超えない場合の、派遣保育士の更新は比較的スムーズです。
契約更新の主な流れは、以下の通りです。
- ・派遣会社が契約が終わる1〜2ヶ月前に、保育士本人と保育園の両方に「続ける意思があるか」を確認する
- ・保育士の希望や勤務態度、保育園の人手状況などをもとに、契約を更新するかどうかを判断する
- ・両者の意見が合えば、新しい契約書(雇用契約書)を作成する
- ・保育士は契約内容(働く日数、時間、給料など)を確認し、署名・押印をする
- ・更新された契約内容に基づき、勤務を続ける
契約内容や条件について不明点があれば、派遣会社に相談しましょう。
契約期間3年を超える場合
契約期間が3年を超える場合には、法律に定められた、以下のような手続きが必要です。
- ・派遣会社が、保育園側の労働組合(または労働者代表)に「3年を超えて派遣を続けていいか」を正式に意見聴取する
- ・意見の結果をもとに、保育園と派遣会社が協議して、延長の可否を判断する
- ・労働者の安定した雇用を守るため、いずれかの「雇用安定措置(派遣先での直接雇用の提案など)」を講じることが求められる
- ・最終的に手続きが完了し、3者の合意が取れた場合のみ、3年を超えて勤務が可能となる
契約期間が3年を超えるケースでは、手続きがやや複雑です。
したがって、不安がある場合は早めに派遣会社に相談しておくことが大切です。
派遣保育士の契約期間に関するよくある質問
派遣保育士としての働き方には、契約期間にまつわる疑問や不安がつきものです。
以下からは、契約途中での退職や契約満了後の働き方など、実際の現場でよく寄せられる質問について、詳しく解説します。
契約期間中に退職することはできる?
契約期間が残っていても、やむを得ない事情がある場合には、退職することは可能です。
民法第627条では、「退職したい」と思った日から2週間前に申し出れば、原則として契約を終了できるとされています。
ただし、突然辞めてしまうと、保育園にも派遣会社にも迷惑がかかるため、できる限り早く相談し、引き継ぎなども丁寧に行うようにしましょう。
なお、基本的に違約金(やめることで罰金が発生するような制度)はありませんが、契約書の内容は必ず確認してください。
契約期間終了後、次の仕事はどうなる?
契約が終わった後、次にどこで働くかは心配になるところです。
派遣保育士の場合、契約が終了する少し前の段階で、派遣会社が「次はどこで働きたいか」「どんな条件がいいか」を聞いてくれます。
その希望に合わせて、新しい保育園や施設の求人を紹介してくれるのが一般的です。
すぐに次の職場が決まることもあれば、少し間が空く場合もありますが、派遣会社は引き続き相談に乗ってくれるので安心です。
派遣保育士の契約期間は原則3年!3年以内であれば更新も可能
今回解説したように、派遣保育士の契約期間にははっきりと上限があり、同じ職場では原則3年まで働くことになっています。
ただし、その3年の中であれば、1ヶ月や数ヶ月ずつなど、柔軟に契約を延ばして働き続けることができます。
契約期間が終わるタイミングでは、派遣会社とよく話し合いながら、無理のない働き方を選ぶことが大切です。
また、契約中に退職することも可能ですが、その場合もできるだけ早く相談し、円滑に職場を離れられるように準備しましょう。
派遣保育士として安定して働き続けたい方は、信頼できる派遣会社に登録し、自分に合った働き方を相談するのが安心です。
私たちが提供する「ずっと保育士」では、契約期間や勤務条件に合わせた求人情報を多数掲載しています。
自分のペースに合った職場を探すための第一歩として、ぜひご覧になってみてください。
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派遣保育士として働いてみたいと考えたとき、「契約期間はどれくらいなのか」「更新はできるのか」といった疑問を抱く方は多いものです。
一般的な派遣の仕事では、3〜6ヶ月ごとに契約を結び直すケースが多いですが、保育園で働く場合は事情が少し異なります。
というのも、保育園では「年度単位」で働く体制が多いため、契約のタイミングや期間が独特なパターンになっているのです。
また、派遣という働き方には「派遣会社(人材紹介会社)」が関わり、働く先の保育園と直接雇用関係を結ぶのではない仕組みとなっています。
この記事では、派遣保育士の契約期間の基本的な仕組み、契約更新の条件や注意点などを詳しく整理して、解説します。

【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
派遣保育士の契約期間は何年?
派遣保育士の契約期間は、「どこの保育園で、どのような理由で人を探しているか」によって変わります。
多くの場合は、契約年度の終わり(3月末など)までの契約になることが一般的です。
契約が年度末までである理由は、保育園では4月から新年度が始まり、職員の体制やクラス編成が毎年見直されるからです。
中には、保育士の急な退職や病気、産休などで、途中から1〜3ヶ月だけ働く形になることもあります。
また、最初の契約は1ヶ月など短く設定し、その方の働きぶりや保育園との相性を見てから契約を延長するという場合もあります。
働く前には、保育園・派遣会社・自分の3者で契約内容をよく確認し、「どれくらいの期間なのか」「延長の可能性があるのか」をはっきりさせておくことが大切です。
派遣保育士の契約期間に関する具体的な内容は、次の通りです。
- ・最長の契約期間は原則3年
- ・最短の契約期間は31日
以下からは、それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。
最長の契約期間は原則3年
労働者派遣法では、同じ保育園に派遣保育士として働ける期間は、原則として「3年まで」と決められています。
3年という期間がある理由は、同じ職場で長く働く方が「不安定なまま派遣で働き続ける」ことを避けるための仕組みです。
ただし、例外もあります。
保育園の職員全体の「過半数が所属する労働組合」から意見を聞いたうえで、特別に延長が認められるケースもあるのです。
とはいえ、この手続きは簡単ではないため、多くの場合は3年以内で働き終える形になります。
契約が終わる前には、派遣会社が「続けて働きたいかどうか」「次はどこで働きたいか」などを聞いてくれる面談があり、必要に応じて次の職場を紹介してくれるものなのです。
最短の契約期間は31日
派遣保育士の契約は、法律上「31日以上」でなければならないとされています。
そのため、どんなに短くても1ヶ月以上の契約となるのです。
保育園では、以下のような理由で短期の契約を結ぶことがあります。
- ・急に人手が足りなくなったとき
- ・産休や育休をとっている職員の代わりを探しているとき
- ・入園の多い時期など、一時的に忙しくなるとき
こうしたケースでは、まず1ヶ月などの短い契約を結び、その後の様子を見て契約を延長するという形がよくあります。
契約を延ばすかどうかは、保育士本人の希望や保育園の状況をもとに、派遣会社が調整してくれます。
派遣保育士の契約期間は更新できる?
契約の期間が終わる前に、「続けて働きたいかどうか」を確認する機会があります。
このとき、派遣保育士の契約は、法律上3年を超えない範囲であれば、何度でも更新が可能です。
つまり、数ヶ月ごとや1年ごとなど、必要に応じて契約を延長していくことができます。
派遣会社は、契約が終わりに近づくタイミングで、保育士本人と保育園の両方に「継続するかどうか」を確認し、それぞれの意見を聞いたうえで判断するのです。
もし、3年を超えて同じ保育園で働き続けたい場合は、法律に定められた「特別な手続き」が必要になります。
特別な手続きには、派遣先の保育園が労働組合(または労働者の代表)から正式な意見を聞き、意見に基づいて延長を検討する必要があります。
この手続きは必ずしも延長が約束されるものではなく、保育園と派遣会社、労働組合の三者の合意が必要です。
また、派遣保育士が3年を超えて勤務できない場合には、派遣会社が次の職場を探す責任を負っています。
派遣保育士の契約期間を更新する際に必要な手続き
派遣保育士の契約期間を更新するときには、契約がどのようなケースに該当するかによって必要な手続きが異なります。
具体的には、次の2つのケースに分かれます。
- ・契約期間が3年を超えない場合
- ・契約期間3年を超える場合
以下からは、契約期間それぞれのケースごとに、詳しく解説します。
契約期間が3年を超えない場合
契約期間が3年を超えない場合の、派遣保育士の更新は比較的スムーズです。
契約更新の主な流れは、以下の通りです。
- ・派遣会社が契約が終わる1〜2ヶ月前に、保育士本人と保育園の両方に「続ける意思があるか」を確認する
- ・保育士の希望や勤務態度、保育園の人手状況などをもとに、契約を更新するかどうかを判断する
- ・両者の意見が合えば、新しい契約書(雇用契約書)を作成する
- ・保育士は契約内容(働く日数、時間、給料など)を確認し、署名・押印をする
- ・更新された契約内容に基づき、勤務を続ける
契約内容や条件について不明点があれば、派遣会社に相談しましょう。
契約期間3年を超える場合
契約期間が3年を超える場合には、法律に定められた、以下のような手続きが必要です。
- ・派遣会社が、保育園側の労働組合(または労働者代表)に「3年を超えて派遣を続けていいか」を正式に意見聴取する
- ・意見の結果をもとに、保育園と派遣会社が協議して、延長の可否を判断する
- ・労働者の安定した雇用を守るため、いずれかの「雇用安定措置(派遣先での直接雇用の提案など)」を講じることが求められる
- ・最終的に手続きが完了し、3者の合意が取れた場合のみ、3年を超えて勤務が可能となる
契約期間が3年を超えるケースでは、手続きがやや複雑です。
したがって、不安がある場合は早めに派遣会社に相談しておくことが大切です。
派遣保育士の契約期間に関するよくある質問
派遣保育士としての働き方には、契約期間にまつわる疑問や不安がつきものです。
以下からは、契約途中での退職や契約満了後の働き方など、実際の現場でよく寄せられる質問について、詳しく解説します。
契約期間中に退職することはできる?
契約期間が残っていても、やむを得ない事情がある場合には、退職することは可能です。
民法第627条では、「退職したい」と思った日から2週間前に申し出れば、原則として契約を終了できるとされています。
ただし、突然辞めてしまうと、保育園にも派遣会社にも迷惑がかかるため、できる限り早く相談し、引き継ぎなども丁寧に行うようにしましょう。
なお、基本的に違約金(やめることで罰金が発生するような制度)はありませんが、契約書の内容は必ず確認してください。
契約期間終了後、次の仕事はどうなる?
契約が終わった後、次にどこで働くかは心配になるところです。
派遣保育士の場合、契約が終了する少し前の段階で、派遣会社が「次はどこで働きたいか」「どんな条件がいいか」を聞いてくれます。
その希望に合わせて、新しい保育園や施設の求人を紹介してくれるのが一般的です。
すぐに次の職場が決まることもあれば、少し間が空く場合もありますが、派遣会社は引き続き相談に乗ってくれるので安心です。
派遣保育士の契約期間は原則3年!3年以内であれば更新も可能
今回解説したように、派遣保育士の契約期間にははっきりと上限があり、同じ職場では原則3年まで働くことになっています。
ただし、その3年の中であれば、1ヶ月や数ヶ月ずつなど、柔軟に契約を延ばして働き続けることができます。
契約期間が終わるタイミングでは、派遣会社とよく話し合いながら、無理のない働き方を選ぶことが大切です。
また、契約中に退職することも可能ですが、その場合もできるだけ早く相談し、円滑に職場を離れられるように準備しましょう。
派遣保育士として安定して働き続けたい方は、信頼できる派遣会社に登録し、自分に合った働き方を相談するのが安心です。
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