保育のコラム

公立保育園で派遣保育士として働ける?仕事内容や給料、待遇を解説

2025/07/11

公立保育園で「派遣保育士」として働くことに関心があるものの、実際の仕事内容や給料、待遇がよく分からず、不安に感じることはありませんか。

特に、派遣という働き方に馴染みがない方にとっては、「正規職員」とどう違うのか、「安定しているのか」「続けられるのか」など、わからない点が多いことでしょう。

最近では、保育士の人手不足を背景に、フルタイムで働く以外のさまざまな働き方が求められるようになってきました。

その中で、公立保育園でも「派遣保育士」を活用するケースが増えています。

この記事では、公立保育園での派遣保育士の仕事内容や給料、待遇の特徴を、できるだけ分かりやすく丁寧に説明します。

ずっと保育士編集部

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

公立保育園でも派遣保育士として働ける?

公立保育園とは、各市区町村などの地方自治体が運営している保育園のことです。

公立保育園で働く正規の保育士は、通常、公務員試験に合格してから採用されます。

つまり、役所が選んで雇う「公務員の保育士」というわけです。

一方で、近年では保育士の人数が足りていない現場が多くなってきました。

そのため、自治体が運営する保育園でも、足りない分を補うために「人材派遣会社」を通じて保育士を受け入れることが増えています。

この仕組みでは、保育士は派遣会社に雇われていて、派遣先として指定された公立保育園で働くという形になります。

この働き方の良い点は、「公務員試験を受けなくても、公立保育園で働けるチャンスがある」ということです。

派遣会社に登録し、自分の希望(時間帯や通勤距離など)を伝えた上で、条件に合う保育園に紹介されれば、公立保育園で働き始めることができます。

また、公立保育園への派遣でも、民間の保育園と同様に、担任を持たずにサポートに入る「保育補助」や、複数のクラスを行き来する「フリー保育士」として働くのが主な役割です。

そのため、責任が重すぎず、比較的負担の少ない立場で働くことができます。

公立保育園の派遣保育士は、「安定した環境」でありながら、「時間や曜日を柔軟に選べる働き方」ができるという点で、バランスのとれた選択肢といえるでしょう。

公立保育園で働く派遣保育士の仕事内容

公立保育園で働く派遣保育士の仕事内容は、以下の通りです。

  • 子どもたちの保育補助(登園・降園のサポート、遊びや活動の見守り)
  • 食事やおやつの介助、オムツ替えやトイレのサポート
  • 保育室や遊具の清掃・消毒
  • 保護者への連絡帳記入や報告
  • 行事やイベントの準備や片付け
  • クラス担任のサポートやフリー保育士としての支援
  • 必要に応じて制作物の準備や環境設定

こうした仕事はすべて「保育補助」という立場で行うことが基本です。

派遣の保育士がクラス担任になることはまれで、あくまで担任をサポートしたり、保育園全体を支えたりすることが役割の中心です。

たとえば、子どもが朝来たときの受け入れ対応や、遊んでいるときの安全確認、食事のときの手助けやトイレの付き添いなど。

子どもが一日を安心して過ごせるようにすることが、大切な仕事です。

また、園によっては個別経過記録や連絡帳(子どもの様子を保護者に伝えるノート)への記入を任されることもあります。

全体的に、正規職員と比べて責任の重さは軽くなっています。

保育園のルールや派遣会社の方針に沿って行動するため、ある程度決まった業務に集中しやすく、家庭やプライベートとの両立がしやすいのも特徴です。

公立保育園で働く派遣保育士の給料や待遇

公立保育園で働く派遣保育士の給料や待遇については、働く地域や派遣会社ごとに少しずつ違いがあります。

ただし、基本的な考え方や実態は共通しているため、次の大事なポイントを把握しておきましょう。

  • 公立保育園で働く派遣保育士の給料はどれぐらい?
  • 残業や持ち帰り業務はある?
  • 有給休暇や産休・育休は取得できる?
  • 短時間勤務は可能?

以下からは各項目について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

公立保育園で働く派遣保育士の給料はどれぐらい?

派遣保育士の平均的な時給は、おおよそ1,400円前後です。

東京や大阪など都市部、あるいは保育士が不足している地域では、1,600円以上の求人がみられることもあります。

また、保育士の資格を持っている方や、実務経験がある方は、時給が優遇されることもあるでしょう。

派遣会社によっては、交通費を全額出してくれるところや、勤務年数に応じて時給が上がる「昇給制度」を設けているところもあります。

正規職員のようなボーナスや退職金は基本的にないものの、時給ベースでは民間保育園より高めの傾向となっているのです。

残業や持ち帰り業務はある?

派遣保育士は、「契約された時間」だけ働くことが基本です。

そのため、保育園の行事や準備があっても、正規職員のように残業を任されることはほとんどありません。

仮に残業が発生した場合でも、派遣会社が正確に管理するため、必ず残業代(追加の時給)が支払われます。

また、自宅に仕事を持ち帰る「持ち帰り業務」や「サービス残業(給料が出ない残業)」も、発生しないように契約上で配慮されています。

有給休暇や産休・育休は取得できる?

有給休暇(働きながら給料がもらえるお休み)は、6ヶ月以上同じ派遣会社で働いた人には、法律に基づいて付与されます。

そのため、しっかり続けて働けば、有給を使って休むことができます。

また、出産や子育てに関する「産休(出産のための休み)」や「育休(子育てのための休み)」も、派遣会社との雇用契約に基づいて申請可能です。

派遣会社によってサポート体制に違いはありますが、多くの会社は申請方法を教えてくれたり、手続きの相談に乗るものです。

短時間勤務は可能?

派遣保育士の働き方には、午前中だけ、午後だけ、週3日だけなど、短い時間で働ける求人が多くあります。

こうした特徴は、家庭の事情や体力的な負担を考慮して働きたい方にとってメリットです。

たとえば「朝9時〜午後2時まで」「週3日だけ」など、自分にとって無理のないシフトを希望することができます。

派遣会社に登録する時に、そのような条件をあらかじめ伝えると、自分に合った働き方を提案してもらいやすくなります。

公立保育園で派遣保育士として働く方法は?

公立保育園で派遣保育士として働くには、次の表のようにいくつかの段階があります。

手順番号 手順名 内容
1 保育士資格の取得 国家試験の合格、または指定の保育士養成施設の卒業で資格を取得する。
2 派遣会社の情報収集 派遣先に公立保育園を扱っているか、条件交渉の柔軟性、サポート体制などを確認する。
3 派遣会社への仮登録 ウェブサイトや電話で仮登録し、面談日を予約する。
4 面談・本登録 履歴書・資格証の提出後、担当者と希望条件の面談を行い、本登録を完了する。
5 希望条件のヒアリング 希望する勤務時間、曜日、勤務地、保育内容、園の雰囲気などを詳しく伝える。
6 求人の提案・マッチング 派遣会社が希望条件に合う公立保育園の求人を提案し、応募意思を確認する。
7 園との顔合わせ・条件確認 保育園側との顔合わせ(職場見学を含む)を行い、最終的な業務内容や勤務条件を確認する。
8 雇用契約の締結 派遣会社との間で正式な雇用契約書を取り交わし、派遣条件が明文化される。
9 勤務開始 指定された公立保育園での勤務がスタート。初日は派遣会社スタッフが同行することもある。
10 アフターフォロー・相談対応 勤務開始後も定期的な面談・連絡が行われ、不安やトラブル時は派遣会社が対応・調整する。
11 スキルアップ支援(任意)を受ける 希望者にはオンライン研修やセミナーの紹介があり、経験や知識を深める機会が提供される。

流れをひとつずつ、順に説明します。

まず必要なのは、保育士資格の取得です。

保育士資格は、国家試験に合格するか、指定された保育士養成校を卒業することで得られます。

資格を持っていないと、保育士の仕事には就けません。

次に、自分に合った「派遣会社」を選びます。

派遣会社(人材派遣会社)とは、保育園と働き手をつなぐ仲介役のような存在です。

会社ごとに紹介先やサポート体制が違うため、信頼できる会社を選ぶことが大切。

派遣会社への登録では、履歴書や保育士資格証の提出が必要です。

登録時には面談が行われ、自分の希望する働き方について丁寧に確認されます。

たとえば、「家の近くの園がいい」「朝だけ働きたい」「週3日だけにしたい」といった条件を細かく伝えることで、自分に合った園が紹介されやすくなるでしょう。

条件が合えば、公立保育園での勤務が始まります。

公立の保育園では、民間園よりも自治体(市区町村など)のルールに沿って仕事が進められるため、比較的安定した環境で働けるのが特徴です。

勤務開始後も、派遣会社のサポートは続きます。

職場での困りごとや契約内容に関する相談があれば、派遣会社に連絡すれば、間に入って対応してもらえる仕組みがあります。

また、派遣会社によっては、定期的に面談を行ったり、スキルアップのための研修(勉強会)を用意している場合もあります。

研修を活用することで、より良い働き方につなげていくことも可能です。

派遣保育士が公立保育園で働くメリット・デメリット

公立保育園での派遣保育士には、メリットとデメリットがあります。

それぞれを事前に知っておくことで、自分にとって納得のいく働き方を選びやすくなります。

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

メリット

派遣保育士が公立保育園で働くメリットは、以下の通りです。

  • 公立保育園は自治体運営のため、安定した環境で働きやすい
  • 時給が比較的高めに設定されている求人が多い
  • 残業や持ち帰り業務が少なく、ワークライフバランスを保ちやすい
  • 社会保険や交通費支給など、福利厚生が充実している派遣会社が多い
  • 短時間勤務やシフト調整がしやすく、家庭や学業と両立しやすい
  • 派遣会社のサポートがあるため、困ったことがあればすぐに相談できる

このように、公立保育園で派遣保育士として働くことは、働きやすさとサポート体制の両立といった点に魅力があるといえます。

初めて保育の仕事に関わる方にとっても、こうした点は安心材料になるでしょう。

デメリット

派遣保育士が公立保育園で働くデメリットは、以下の通りです。

  • 正規職員に比べて昇給や賞与、退職金が少ない
  • 担任業務を任されることは少なく、保育士としてのキャリアアップの機会が限定される
  • 派遣契約の更新が必要なため、長期的な雇用が不安定になりやすい
  • 派遣先の方針やルールに従う必要があるため、園ごとの柔軟性が求められる
  • 業務内容が補助に限られがちなため、やりがいを感じにくい場合がある

ただし、このような点は「どんな働き方が自分に合っているか」を考える上での材料に過ぎません。

ライフステージや優先したいことを見直し、自分なりに納得のいく形を選ぶことが重要です。

公立保育園の派遣保育士は、働きやすい環境や高時給が魅力!

今回は、公立保育園における派遣保育士の働き方について、仕事内容・給料・待遇・メリットとデメリットなどを具体的に解説しました。

自治体が運営しているという点から、働く環境は安定しているといえ、設備や支援体制も比較的整っています。

また、派遣という形態であっても時給が高めに設定されていることが多く、短時間や週数回の勤務といった柔軟なシフトを選びやすい点も魅力です。

一方で、長期的な雇用やキャリアアップの面では正規職員と異なる部分もあるため、自分に合った働き方を見極めて選ぶことが大切です。

派遣保育士の求人を探す際には、信頼できる派遣会社を通じて探すことが安心につながります。

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