保育のコラム

派遣保育士の履歴書の書き方|押さえておきたいポイントとは?

2025/07/11

自分のライフスタイルに合わせた働き方をしやすいなど、メリットが多いため、派遣保育士として働きたいと希望する方は、年々増えてきています。

一方で、派遣保育士として面接を受けるにあたって、履歴書の書き方で悩む方も少なくありません。

この記事では、志望先に良いイメージを持ってもらいやすい履歴書の書き方や、派遣保育士としてアピールできるポイントなどを解説します。

ずっと保育士編集部

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

派遣保育士として働くときに履歴書は必要?

派遣保育士として働くときも、正社員として働く場合と同じように、志望先への履歴書の提示は必要です。

保育園側も、即戦力となる保育士や、自分たちの保育園の雰囲気に合っている人材を雇用したいと考えています。

履歴書があれば、その内容を通じて、志望者の学歴や職歴だけでなく、人柄や仕事に対する熱意などが把握でき、志望者と向き合う準備が万端な状態で面接へと進むことができます。

このように、履歴書は、あなたがどのような経験を積み、どんな価値観を持ち、どれだけ保育に情熱を持っているかを相手に伝える大切な「自己紹介ツール」です。

書類の段階から「この人に会ってみたい」と思ってもらえるよう、丁寧に作成しましょう。

派遣保育士の履歴書の基本の書き方

一般的に、派遣保育士の履歴書には、下記の点を書くことになります。

  • 個人情報
  • 学歴
  • 職務経歴
  • 資格・免許
  • 志望動機・自己PR
  • 本人希望欄

以下からは、それぞれの書き方や、押さえたいポイントについて詳しく見ていきましょう。

1.個人情報

履歴書には、自分の氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、写真などの個人情報を記載することになります。

自分の氏名は、はっきりと大きな字で書き、苗字と名前にスペースを入れて見やすくなるように心がけましょう。

名前には、すぐ上の欄でふりがなをつけることが多いです。

「ふりがな」と、ひらがなで記されているときにはひらがなで記載し、「フリガナ」とカタカナで記されているならカタカナで書いてください。

また、郵便番号、メールアドレスなどの連絡先に間違いがないかも確認することも大切です。

一度その欄を書き終わってから見直すだけでなく、最終的に封筒などにしまう前にも、全体を見直して確かめましょう。

写真は、3か月以内に撮影したものを使い、裏に名前を書いておきましょう。

履歴書の写真は写りの良いものを選びたいと思うかもしれません。

しかしながら、加工しすぎたもの、ポーズをしているもの、横向きのものなどは避け、正面から撮ったものにすべきです。

2.学歴

学歴を書く際は、一般的に中退歴を含む「高校」の項目から書き始めます。

最終学歴が中卒の場合、それを書いてはいけないわけではありません。 保育士資格の取得には、原則として高卒以上の学歴が必要です。 ただし、中卒の方でも一定の条件を満たせば資格を取得することは可能です。 具体的には、都道府県に認可された児童福祉施設で5年以上(合計で7200時間以上)勤務することで、保育士試験の受験資格が得られます。 あるいは、高卒認定試験(いわゆる高認)に合格すれば、必要な実務経験の年数が短縮され、より早く保育士試験にチャレンジできるようになります。

入学、卒業した年を記入する際は、西暦か和暦を統一して書くことも大切です(次の「職務経歴」でも同様)。

また、学校名や学部、コースなどは正式名称で記載しましょう。

3.職務経歴

これまでの職歴(アルバイトや正社員として働いた経験)は、学歴とは別に「職務経歴」の欄にまとめて記載します。

もし短期間で退職した職歴がある場合でも、記入を省略せず、正直に記載することが大切です。

経歴を隠すことで、面接時や採用後のトラブルにつながる可能性があるからです。

過去に保育園で勤務した経験がある場合は、園の正式名称を記載し、具体的な担当業務、取り組んだ期間、実績や成果なども合わせて書きましょう。

たとえば、「0歳児クラスを担任し、保護者対応や日々の記録業務も担当」といった具合です。

また、職務経歴を書く際に特に注意したいのが、「入社」と「退社」、「入職」と「退職」の使い分けです。

株式会社や企業での勤務経験がある場合は、「入社」「退社」という表現を使います。

社会福祉法人・学校法人・公立保育園などの施設で働いた場合は、「入職」「退職」とするのが適切です。

たとえば、株式会社であれば「2020年4月 ○○株式会社に入社」「2022年3月 ○○株式会社を退社」と記載。

公立保育園であれば「2019年4月 △△市立保育園に入職」「2021年3月 △△市立保育園を退職」といった形にしましょう。

なお、現在も勤務している職場については「現在に至る」と記載し、職務経歴欄の最後には右下に「以上」と締めくくると、文書全体がきれいに整います。

履歴書とは別に「職務経歴書」の提出を求められるケースもあります。 その場合は、これまでの職歴をより詳細にまとめた文書を別途用意する必要があるため、求められた際には必ず提出するようにしましょう。

4.資格・免許

これまでに取得した資格や免許は、履歴書の「資格・免許欄」に記入しましょう。

このとき、保育の仕事に直接関係するものから順番に記載するのが基本です。

たとえば、派遣保育士の履歴書を作成する場合、一番最初に記載するべき資格は「保育士資格(国家資格)」です。

また、幼稚園教諭の免許状を保有している場合は、「幼稚園教諭二種免許状」「幼稚園教諭一種免許状」など、等級も含めて正式に記載するようにしましょう。

そのほか、「普通自動車運転免許」や「食品衛生責任者」など、保育に関連性がある資格も補足として記載して構いません。

記載にあたっては、通称ではなく資格の正式名称を使うようにしてください。

たとえば、「保育士」ではなく「保育士資格」「保育士(国家資格)」などの表現を心がけると、より丁寧で信頼性のある印象を相手方に持ってもらいやすくなるでしょう。

5.志望動機・自己PR

志望動機や自己PR欄は、保育園側に自分の強みや人柄が伝えられる、最も重要ともいえるアピールの場です。

特に派遣や契約といった雇用形態の場合、履歴書でどれだけ自分を理解してもらえるかが、採用の可否を左右することもあるためです。

まずは、志望する保育園のホームページやSNS、園便りなどをチェックし、理念・保育方針・日々の活動の様子を把握しましょう。

共感した内容や、自分が「この園で働きたい」と思った理由を、自分の言葉で具体的にまとめるのがポイントです。

また、自己PRでは趣味や特技を記載することがありますが、保育との関わりが見える形でアピールすることが重要です。

たとえば「読書」が趣味の場合は、以下のような要素が考えられます。

  • 好きな絵本作家とその理由
  • 子どもに読み聞かせる際に意識していること
  • (具体例として)本屋や図書館で絵本を探すことが趣味である、など

こうした要素を構成に加えると、保育園側も「絵本を活かして子どもたちに関わる応募者の姿」が具体的にイメージできます。

このように内容を充実させることで、履歴書を見た園側が、面接時にさらに深掘りして聞きたくなるようなきっかけが生まれ、会話も自然と広がるはず。

形式だけでなく、自分らしさや保育への思いが伝わるよう、丁寧に記入しましょう。

6.本人希望欄

履歴書の一番下にある「本人希望欄」は、「どんな働き方をしたいか」「どんな条件で働けるか」を書いて相手に伝えるスペースです。

たとえば正社員として応募する場合、特別な希望がなければ「貴社規定に従います」と書いておけばOKです。

これは「御社が決めた働き方に合わせます」という意味で、よく使われる定型文です。

一方、派遣保育士として応募する場合は、できるだけ詳しく希望を書いておくことが大切です。

派遣は「希望に合わせた働き方」ができるメリットがある反面、条件が曖昧だと保育園との間で勘違いが起きることもあります。

たとえば、以下のような書き方が考えられます。

  • 週3日、10:00~16:00で働きたい
  • 土日は勤務できません
  • 早番のみ希望します
  • 離乳食介助の経験があるので、0歳児クラス希望 など

また、保育園によっては「乳児クラスか幼児クラスか」「事務業務もあるか」など、担当する内容に違いがあることもあります。

したがって、自分がやってみたい内容や避けたいことがあれば、本人希望欄に書いておきましょう。

はっきり書くことで、働き始めてから「話が違う」と感じることを、双方ともに防げるようになるはずです。

派遣保育士の履歴書を書くときのポイント

保育園側が派遣保育士と契約する際は、即戦力を求めている可能性が高いです。

即戦力の求めに応えるためには、次のポイントを意識して履歴書を書きましょう。

  • 空欄を作らない
  • 派遣での勤務経験は明確に記載する
  • 結論、理由の順番でわかりやすく書く
  • 保育士としての経験やスキルは具体的に書く

ここからは、各ポイントについて詳しく解説します。

空欄を作らない

履歴書の項目に空欄があると、「自分にはアピールできるものがありません」と志望先に伝えてしまうことになります。

もし「書けることが少ない」と感じる場合は、あらかじめ自分が「書けそう」だと思える欄が多めの履歴書フォーマットを選ぶと良いでしょう。

最近では、自分の経歴に合ったテンプレートをネットで無料ダウンロードできるサイトもあります。

職歴が少ない方向けに「職務経歴書なしでOK」「志望動機重視」の履歴書フォーマットもあります。 派遣会社が用意してくれることもあるので、登録時などに確認を。

派遣での勤務経験は明確に記載する

派遣保育士として働いていた経験がある場合は、それが履歴書からはっきりと伝わるようにしましょう。

書き方の一例として、以下が挙げられます。

株式会社〇〇より派遣、△△保育園にて保育補助業務に従事(20XX年4月~20XX年9月)

このように、「どの派遣会社から、どこの保育園へ、いつからいつまで働いたか」を具体的に書くことで、経験が伝わります。

ただし、派遣契約の中には「就業先の保育園名は記載しない」といったルールがある場合もあります。

この場合は「都内認可保育園にて派遣勤務」など、契約に沿った書き方にしましょう。

結論、理由の順番でわかりやすく書く

履歴書の文章は、先に「何が言いたいのか(=結論)」を書き、あとから理由を添えると、読み手にとってわかりやすくなります。

まず、よくない例は以下の通りです。

私は、イベントの企画を通じてやりがいや達成感が得られ、子どもたちの成長に関わることに魅力を感じました。 そのため、行事が多い園で働きたいと思うようになりました。

続いて、よい例は以下の通りです。

行事が多い園で働きたいと思っています。 その理由は、イベントの企画を通じて子どもたちの成長に関われることに魅力を感じたからです。

理由を先に書くと文章が長くなってしまい、要点がぼやけやすくなります。

短くシンプルに伝える工夫が大切です。

保育士としての経験やスキルは具体的に書く

「保育士経験あり」とだけ書くのではなく、どんな内容に関わってきたかを具体的に書くことで、読み手にイメージしてもらいやすくなります。

たとえば、以下のような書き方をおすすめします。

  • 0歳児クラスの担任補助として勤務
  • おゆうぎ会の衣装作成や進行を担当
  • 毎月の壁面製作を担当し、子どもと一緒に制作を進めた
  • 保護者対応の経験あり(連絡帳、個別面談サポートなど)

また、経歴を書くときは職務経歴書との関係に注意しましょう。

履歴書と別に「職務経歴書」の提出を求められる場合、同じことを繰り返し書かないことがおすすめ。

履歴書では要点をまとめ、詳細は職務経歴書に記載するのが基本です。

派遣保育士の履歴書を書くときのよくある質問

これまで、派遣保育士の履歴書を作成する際のポイントについて解説してきました。

ここからは、実際に履歴書を用意する段階でよくある疑問について、詳しく答えていきます。

職務経歴書は必要?

派遣保育士として応募する場合、職務経歴書の提出が必要かどうかはケースバイケースです。

提出の有無は、応募先の保育園や派遣会社の方針によって異なるため、履歴書を準備する段階で派遣会社に必ず確認しておきましょう。

ただし、派遣先の保育園が「即戦力としての経験・スキル」を重視するケースでは、履歴書だけでは情報が足りないため、職務経歴書の提出を求められることが多いです。

履歴書と職務経歴書の違いを整理すると、以下の表のようになります。

書類名 目的・特徴
履歴書 学歴・職歴・資格・自己PRなどを簡潔に記載する。自分の基本情報を伝えるための「自己紹介」書類
職務経歴書 保育士としての具体的な実務経験、担当クラス、方針や成果などを詳しく記載し、「これまでの仕事の実績」をアピールする書類

履歴書だけを求められるケースでも、「保育士としての実務内容」や「担当年齢層」「得意な保育内容」などを履歴書内でしっかりと記載しましょう。

派遣先ごとに履歴書を書き直す必要はある?

はい、履歴書は派遣先ごとに内容を調整し、書き直すのが望ましいです。

「テンプレートのように同じものを何通も使い回す履歴書」は、読み手にすぐ見抜かれてしまいます。

保育園ごとに保育方針や取り組みは異なるため、それに合わせて自己PRや志望動機の内容も変える必要があります。

たとえば、以下のように書いてみてください。

  • 音楽教育に力を入れている園:「楽器の演奏経験」「リトミック指導」などがあれば、それをPRする
  • 自然体験を重視している園:「自然保育の関心」「野外活動の引率経験」などが自分の中にあれば、強調する

もちろん、氏名・住所・学歴・職歴といった基本情報は共通で構いません。

しかしながら、基本情報以外のパートについては「派遣先の園の特徴に合った内容」にすることで、採用担当の目に留まりやすくなります。

最近は、保育園のホームページやSNSで日常の活動が公開されているので、事前にチェックして共感できるポイントを履歴書に反映させましょう。

派遣保育士の履歴書はポイントを押さえてしっかり準備しよう

今回は、派遣保育士として働くために履歴書は必要なのかどうか、履歴書の書き方などについて解説しました。

履歴書は、面接前に自分についての自己紹介をするための大切な書類です。

以下の点をしっかり意識して書きましょう。

  • 空欄を作らず、丁寧に記入する
  • 経験やスキルは、派遣としての実績を含め具体的に記載する
  • 志望動機や自己PRは、園の特徴に合わせてアレンジする
  • 結論を先に、理由を後に書く構成を心がける

派遣会社によっては履歴書作成のフォーマット提供や添削サポートを行っている場合があります。

一人で悩まず、担当コーディネーターに相談するのもおすすめです。

株式会社明日香が運営する「ずっと保育士」は、1人でも多くの保育士の方が、自分にあった環境でイキイキと輝きながら働いて欲しいという思いから、資格やスキルを活かした職場探しや、その後のケアをしています。

「もう一度保育士として働きたい」「転職したい」「保育士の資格を活かした職種を探したい」と考えている方はお気軽にご相談ください。

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