保育のコラム

男性保育士の現状は?平均給料や、働きやすい職場の特徴を徹底解説!

2021/12/17

 

男性保育士の現状は?平均給料や、働きやすい職場の特徴を徹底解説!

 

保育士というと、まだまだ女性のイメージが強いのではないでしょうか。

そんな中、保育士を目指す男性にとって不安を持つ方がとても多いです。

そこで今回は、男性保育士を取り巻く環境や、男性保育士のメリット・デメリット、就職状況などを詳しくまとめました。

 

ずっと保育士編集部

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ30年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

 

現在の男性保育士の割合は?

 

子ども家庭庁「保育士登録者数等(男女別)」によると、令和6年4月時点での保育士登録者数は1,898,019人、そのうち男性保育士の登録者は98,676人となっています。

この数字から、男性保育士の割合は、全体の5%ほどしかありません。

同じく、厚生労働省「保育士の現状と主な取組」の資料によると、保育施設全体の54.8%は女性保育士のみの施設でした。

つまり、男性保育士が全く存在しない保育園が半数以上あるということです。

 

男性保育士の平均給料・年収はどれくらい?

 

男性保育士の平均年収は、下記の表1の通りとなります。

女性保育士の平均年収と比較すると、男性保育士の方が高く見えます。

圧倒的に人数の少ない男性保育士は、地方よりも都会に多く勤務しており、その地域差から高くなっています。

これは、男女共通で言えることですが、ここ数年だけで10万円以上の賃金上昇をしています。

保育士不足の対策として、保育士の報酬をアップさせる施策の結果が反映されていることがわかります。

 

表1:保育士平均年収(男女別)

 

2022年

2023年

2024年

男性

約389万円

約448万円

約438万円

女性

約382万円

約393万円

約404万円

参考①:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

参考②:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査

参考③:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査

 

男性が保育士になるメリット

 

保育士は従来、女性向きの仕事とされてきました。

しかし、時代とともにその認識が変わり、男性だからと言って保育士に不向きと決めつけない風潮になっています。

ここからは、具体的に男性が保育士になるメリットについてご紹介します。

 

メリット1:女性保育士にはない感性で子どもと接することができる

 

保育園は学校とは異なり、子どもたちは生活の場としての日々を送っています。

女性保育士が中心だった保育園ですが、男性保育士ならではの感性を活かして働くことで、子どもたちはバランスの良い成長が見込めます。

例えば、女性のみの保育園に通っていた子どもが小学校に入学した際に、男性教諭に躊躇するケースが少なくありません。

しかし、保育園時代に男性保育士とふれあった子どもたちは免疫ができ、小学校の入学準備として保護者からとても喜ばれています。

 

メリット2:体力面や防犯面で頼りにされる

 

女性に比べ、男性は体格もよく、体力面で優位性があります。

高いところに手が届いたり、重い荷物を運んだり、いろいろと頼りにされます。

ほかにも、女性ばかりの保育園は防犯上の不安があるため、男性保育士がいるだけで安心感が高まります。

男性保育士にとっても、頼りにされている実感が持てるでしょう。

 

メリット3:男性保護者や男の子の良き相談相手になれる

 

男性の育児参加が増えているとはいえ、女性保育士メインの保育園で、男性の保護者は相談しにくい悩みを抱えています。

女性保育士に相談しないわけではないですが、同性への相談のしやすさは圧倒的でしょう。

最近では、シングルファザーの家庭も増えてきました。

家事や育児、仕事を両立する中で、男性ならではの悩みもあります。

女性保育士に相談できない悩みを打ち明ける存在としても、男性保育士への注目が高まっているのです。

 

メリット4:男性保育士がいるだけで場が和やかになる

 

保育業界は今まで女性が中心となっており、その中で人間関係の難しさを抱えてきました。

女性同士は、うまくいっているときは良いですが、一旦こじれるとギスギスした人間関係になりやすいものです。

しかし、男性がその輪に加わることで場が和やかになり、歓迎されているのです。

 

男性が保育士になるデメリット

 

男性が保育士になるメリットがあれば、デメリットもあります。

ここからは、男性が保育士になった際のデメリットについてご紹介します。

 

デメリット1:保護者に警戒される場合がある

 

保護者の中には、男性保育士を信頼できず、警戒したりクレームを入れたりする方がいます。

これは過去に、男性の保育士やベビーシッターによるわいせつ事件の発生が原因でしょう。

警戒心を持つ保護者の気持ちは一旦受け止め、誠実に接するしか不安を解消できません。

「理不尽だ」と思う気持ちもあるでしょうが、行動で理解してもらえるような誠実な対応をしていきましょう。

 

デメリット2:給料アップの基準が明確でない

 

男性保育士は、もともと給料アップの基準が明確ではなく、給料設定が低めの職業でした。

データが多く残っている女性保育士の給料と比べても、年齢による昇給は少なめ。

しかし、役職に就くと手当が大きく加算されます。

国によって新たな役職も追加され、年齢問わず給料アップできるチャンスは広がっています。

給料を上げたいという方は、役職を狙うのもひとつの方法です。

 

デメリット3:男性用のトイレや更衣室がない場合がる

 

保育士という職業は、今でも9割が女性です。

過去に男性保育士が働いていた事例がない保育園も珍しくなく、トイレや更衣室が女性用しかない保育園も存在します。

そのため、用具室で着替える男性保育士もおり、肩身が狭い思いをすることもあるでしょう。

しかし、今は男性保育士が増える過渡期とも言われています。

保育士不足を解消するためにも、今後は男性保育士を受け入れる対策が加速していくでしょう。

 

男性保育士は人間関係に良い影響を与えられるが、疎外感を感じることも

 

男性保育士がいるだけで場が和み、保育園の人間関係に良い風が吹きます。

一方で、「会話に入れない」といった疎外感を感じるケースも少なくありません。

特に女性は群れることを好むため、輪に入れないこともあります。

ただし、決して排除しているわけではありません。

「自分は自分」とやり過ごすうちに、打ち解ける雰囲気ができてくるでしょう。

 

男性保育士が保護者や女性保育士と良好な人間関係を築くためのポイント

 

子どもたちの送迎に来る保護者の多くは女性です。

男性の育児参加が増えたとはいえ、まだまだ女性が育児の大部分を担っています。

そのため、女性の保護者とのコミュニケーションは欠かせません。

ここからは、保育園で関わることが多い女性と、良好な人間関係を築くためのポイントをご紹介します。

 

コミュニケーションを大切にする

 

男性保育士に限らず、コミュニケーションをとることはとても大切です。

挨拶や誠実な受け答えを心がけることが良好な人間関係を作る基本です。

また、女性は、何気ない言葉でも乱暴と捉えることがあります。

言葉に敏感な保護者もいるため、軽口であっても、なるべく丁寧な言葉づかいを心がけましょう。

 

仕事とプライベートをきちんと線引きする

 

女性保育士に対して、馴れ馴れしい態度を取ったり、ボディータッチをしたりすると「セクハラ」と捉えられることがあります。

無実であっても、そのような噂が流れれば、保護者から警戒されて信頼関係が崩れます。

働きやすい関係を保つためにも、仕事とプライベートはきちんと線引きしましょう。

 

男性保育士の将来性

 

保育業界は、慢性的な人手不足です。

そんな中、男性保育士は結婚や妊娠による離職が少なく、キャリアを積み上げやすいことから歓迎されています。

国や自治体による男性保育士への支援もあり、待遇の改善が期待できるでしょう。

多様性が叫ばれている昨今、保育業界は大きく変わろうとしています。

そのため、男性保育士を積極的に採用する動きが活発化し、将来の展望は明るいと言えます。

 

男性保育士が働きやすい保育園の特徴は?

 

男性保育士が働く保育園を選ぶ際のポイントは、男性保育士に対して理解があるかどうかです。

すでに男性保育士が在籍していることはもちろん、男性保育士を歓迎する表記がある求人が望ましいでしょう。

一方、現時点で男性保育士が在籍していない保育園も歓迎していないわけではありません。

昨今の保育士不足や、多様性の時代ということもあり、積極的に男性保育士を受け入れる保育園も増えてきました。

保育士専門のキャリアコンサルタントに相談すれば、男性保育士が働きやすい職場を提案してもらうことができます。

 

男性保育士を採用する園は増えている!

 

今回は、男性保育士の現状や展望についてまとめました。

男性保育士を取り巻く環境は、まだまだ一部の保守的な保育園や警戒心を持つ保護者がいることは否めません。

しかし、SDGsの浸透もあり、男女の性差ではなく、人柄で保育士を採用する保育園も増えてきました。

今後、多様な保育ニーズが高まり、男性保育士が活躍できる場はますます増えていくでしょう。

 

 

保育士求人_記事下バナー

カテゴリ
保育士ライフ
保育士・幼稚園教諭・ベビーシッターの求人専門サービス「ずっと保育士」