保育のコラム

厚生労働省による法律の見直しも?保育園における保育士の配置基準について

2017/10/04

保育士の配置基準

 

保育園は法律で定められた「児童福祉施設最低基準」によって、保育士の配置数が決められています。これを保育士の配置基準といいますが、実際現場では、配置基準以上の保育士が必要だといわれているのが現状です。この現状を受けて、厚生労働省による保育士の配置基準に関わる法律の見直しを行う動きがでてきました。

 

今回は、保育士の配置基準の見直しとは実際どのようなものなのかを詳しくご紹介します。

 

 

保育士の配置基準とは?

 

 

 

保育士の配置数は、「児童福祉施設最低基準」によって定められており、子どもたちの年齢ごとに保育士の配置数の決まりがあります。

 

 

園児の年齢別保育士配置基準

 

0歳児3人につき保育士1人

1歳・2歳児6人につき保育士1人

3歳児20人につき保育士1人

4歳・5歳児30人につき保育士1人

 

さらに、「定員90人以下の施設は児童数に基づく配置基準のほか保育士を1名余分に配置する」「常時保育士は2人を下ってはならない」ということも法律で定められています。

 

 

しかし、それぞれの年齢の子どもたちに対し、保育士1人で対応するのは実際とても大変ですよね。たとえ保育士の人数が基準を満たしていたとしても、現場では「保育士の数が足りない」という声が多くあがっているのです。

 

そのため、多くの保育園は配置基準以上の保育士を雇用しているというのが現状です。

 

 

法律で定められている「児童福祉施設最低基準」とは?

 

 

 

児童福祉施設最低基準「児童福祉施設最低基準」とは、児童福祉法に定められた、保育所をはじめ、助産施設や乳児室、母子生活支援施設、児童養護施設など、子どもに関わる施設の運営基準のことです。

 

施設種別ごとに最低限守るべき基準が定められており、保育園に関しては「施設が明るく衛生的な環境である」「子どもたちが心身ともに健やかに育つような場所である」ということを基準とした内容となっています。

 

 

 

 

保育士の配置基準の見直し

 

保育士の配置基準の見直し現在の保育士の配置基準は、1947年(昭和22年)に定められたもので、今まで1度も見直されることがありませんでした。

 

しかし、この約70年の間に女性就業率は上昇し、子どもを預けながら仕事をする人が大幅に増えているのが現状です。

また「配置基準とされる保育士の人数だと職員1人の負担が重い」という実際の現場の声が近年広がりつつあり、最近ようやく厚生労働省は基準の見直しを開始しました。

 

 

・朝や夕方時の送り迎えの時間帯における保育士配置基準の緩和

 

 

・幼稚園教諭、小学校教諭、養護教諭の免許を有する者を保育士と見なす

 

要するに、基本的に常時2名以上の保育士がいないといけませんが、朝夕の時間帯だけは1人の保育士資格者がいれば、もう1人は無資格者でもOKということになったのです。

 

また、3歳から5歳までは幼稚園教諭、5歳以上は小学校教諭が保育士にかわって保育を行うことができるようになったほか、養護教諭に関しては年齢の制限がなく保育が可能となりました。

子どもの数に対して保育士が足りない現在、保育士1人に課せられる負担は大きいため、基準が緩和され健全なシフトを組めるようになることで、保育士の健康保持はもちろん、子どもの安全にもつながりますよね。

 

また、基準の見直しだけではなく、2016年から保育士試験の年2回化を実施したり、保育士の処遇改善なども行われたりしています。

 

今後さらに保育士が働きやすい環境となるよう、基準や処遇の見直し・改善を期待したいですね。

 

 

おわりに

 

 

 

今回は、保育士の配置基準やその見直しの詳細についてご紹介しました。

 

現在の日本では全国的に保育士が不足しているため、保育士1人の負担は大きく報酬もそれに見合わないケースが多いのが現状です。そのため、貴重な保育士資格保有者が健全に働けるよう、環境をはじめ、それを定める法律や待遇・処遇など、今後さらに見直されていくことでしょう。

 

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