保育のコラム

お給料はこれから上がる?上がらない?気になる保育士の平均年収について

2017/10/05

気になる保育士の平均年収

 

保育士を目指している方や、保育士として働いている方にとって、今後のお給料アップは気になるポイントではないでしょうか。

また、保育士の平均年収は一体どのくらいなのでしょうか。

年収は、就職先や転職先を決める重要な要素のひとつ。

そこで今回は、保育士のお給料に関する動向と、気になる平均年収についてご紹介します。

 

ずっと保育士編集部

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ30年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

 

保育士の平均年収

 

保育士の平均年収

厚生労働省「令和6年度 賃金構造基本統計調査」によると、保育士全体の平均年収は406万円で、平均月収は27万円、賞与(ボーナス)は74万円でした。

保育士の給料は、勤務先が公立か私立かによっても異なります。

公立保育園の場合、地方公務員と同じ扱いとなり、年功序列で給料やボーナスが上がります。

一方、私立保育園は、運営会社の規模や、経営方針で給料や賞与(ボーナス)の額が変わる傾向にあります。

 

保育士のお給料の仕組み

 

「なぜ保育士のお給料は上がらないのか?」

そんな声を疑問に思う方もいるでしょう。

しかし、そこには保育園の努力だけでは給料を上げられない仕組みがあるのです。

公立保育園の場合、保育園の運営費は「国からの負担金・補助金」「都道府県からの負担金・補助金」「保護者からの保育料」の3つの収入源から成り立っています。

しかし、1人あたりの保育料が決まっているため、国や都道府県からは子どもの年齢や人数に合わせた補助金しか受け取ることができないのです。

保育園は児童福祉施設であるため、所得差に関係なく利用できなくてはいけません。

そのため、オプションでお金を取ることが制限されています。

このような仕組みから、保育園の収入額は決まっており、保育園の努力だけで給料を上げることに限界があるのです。

保育園の支出の7~8割は人件費です。

「超労働集約型産業」ともいわれ、保育園は人件費を抑えることでしか利益を高めることができません。

とはいえ、児童の数に対して配置できる保育士の数が決まっており、保育士を減らして取り分を増やすこともできないのです。

 

厚生労働省の取り組みで平均年収は改善傾向!

 

平均年収は改善傾向

 

近年、保育園に入りたくても入れない「待機児童」が問題になりました。

待機児童解消のためには、保育士の確保が必要として、国は給料の改善などの取り組みを積極的に行ってきました。

厚生労働省は平成27年に「子ども・子育て支援新制度」をスタート。

幼児期の学校教育や保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進することを目的とした制度です。

この制度により、民間保育士の給料が平均3%改善しました。

それに加え、平成26年度の公務員給料の見直しに準拠して保育士のお給料が約2%改善されたため、合計5%の改善が実現されました。

直近では、法改正によって「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」を実施。

令和4年2月より、保育士の収入を3%程度(月額9,000円ほど)引き上げるための補助金が支給されました。

2024年度補正予算では、保育士の人件費を10.7%引き上げる施策が盛り込まれました。

これは、人事院勧告に基づくもので、過去10年間で最大の引き上げとなります。

ほかにも、都道府県の「保育士・保育所支援センター」では、ブランクがあって保育士として働くことに不安を感じている方のための、保育実技研修などを行っています。

職場復帰に不安を感じる方は、このような制度を活用してはいかがでしょうか。

 

おわりに

 

今回ご紹介したように、保育士のお給料は簡単には引き上げられない仕組みになっています。

しかし、給料改善をはじめとする保育士確保に向けた積極的な取り組みを行っています。

保育士にとって、今後の展開は大いに期待できると言えるでしょう。

 

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