保育士パートは割り切るべき？疎外感を感じる立ち位置との向き合い方 | 保育士・幼稚園教諭・ベビーシッターの求人専門サービス「ずっと保育士」

「パートだから仕方ないと割り切るべきなのだろうか」
「正職員との間に壁を感じて、自分の立ち位置がわからない」

保育士パートとして働く中で、正職員との関係や園内での自分の立ち位置に悩み、疎外感を感じていませんか。割り切って働くべきなのか、それとも改善を求めるべきなのか、判断に迷うこともあるでしょう。

この記事では、保育士パートが感じやすい疎外感の原因と、自分の立ち位置を見つけながら心地よく働くための考え方について解説します。

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

保育士パートが疎外感を感じる立ち位置の実態

保育士パートとして働く中で、どのような場面で疎外感を感じるのでしょうか。

保育士パートが疎外感を感じる瞬間

会議や打ち合わせに参加できない、重要な決定事項が後から知らされる、保育方針の話し合いに入れない、行事の企画段階から関われない、職員間の交流の輪に入りづらいなど、園内での情報共有や意思決定の場から除外されることで疎外感を覚えます。

保育士パートの立ち位置の曖昧さ

保育補助なのか保育士なのか、どこまで責任を持つべきなのか、正職員にどこまで意見を言っていいのか、子どもや保護者からはどう見られているのかなど、自分の立ち位置が明確でないことが不安や疎外感につながります。

疎外感が生まれる園の体制

パートを戦力として見ていない、正職員とパートで明確な線引きがある、パートには必要最低限の情報しか伝えない、パートの意見を聞く機会がないなど、園の体制そのものが疎外感を生み出している場合もあります。

保育士パートが疎外感を感じる立ち位置になる原因

なぜ保育士パートは疎外感を感じやすい立ち位置に置かれるのでしょうか。

勤務時間の制約による立ち位置の違い

短時間勤務のため、会議の時間帯に勤務していない、朝礼や終礼に参加できない、引き継ぎの時間が十分に取れないなど、勤務時間の制約が情報格差を生み、結果として疎外感につながる立ち位置になってしまいます。

正職員との役割分担が生む疎外感

「重要な業務は正職員、補助的な業務はパート」という役割分担が、保育の中心から外れた立ち位置にいるような疎外感を生みます。保育士資格を持っていても、その専門性を活かせない立ち位置に置かれることで、疎外感が強まります。

コミュニケーション不足から生まれる疎外感

正職員が忙しく、パートとコミュニケーションを取る時間がない、指示が一方的で対話がない、雑談する機会が少ないなど、日常的なコミュニケーションの不足が、園内で孤立した立ち位置にいるような疎外感を生み出します。

園の組織文化による立ち位置の固定化

「パートは補助要員」という考え方が根強い、長年変わらない組織の慣習がある、正職員とパートの間に見えない階層があるなど、園の組織文化そのものが、パートを周辺的な立ち位置に固定化している場合があります。

保育士パートとして割り切ることの意味

疎外感を感じる立ち位置の中で、「割り切る」という選択肢について考えてみましょう。

割り切ることのメリット

「パートだから」と割り切ることで、過度な責任を負わずに済む、精神的な負担が軽くなる、プライベートとの両立がしやすくなる、必要以上に悩まなくなるなど、心の平穏を保てる面があります。

割り切ることで失うもの

一方で、割り切りすぎると、仕事へのやりがいが感じられなくなる、保育士としての成長機会を逃す、子どもたちへの関わりが浅くなる、職場での存在感が薄れるなど、デメリットも存在します。

健全な割り切り方とは

大切なのは、「自分の立ち位置を理解した上での割り切り」です。できること、できないことを明確にし、自分の役割の範囲内で最善を尽くしながら、過度な期待や責任は持たないという、バランスの取れた割り切り方が理想的です。

割り切れない気持ちの正体

「割り切れない」と感じるのは、保育への情熱や専門性を活かしたいという前向きな気持ちの表れです。その気持ちを無理に押し殺す必要はありません。割り切れない気持ちと向き合い、どう行動するかを考えることが大切です。

保育士パートの疎外感を軽減し心地よい立ち位置を見つける方法

疎外感を感じる立ち位置から抜け出し、自分らしく働くための方法を考えましょう。

自分から積極的にコミュニケーションを取る

疎外感を感じているときこそ、自分から積極的に話しかける、質問する、報告を丁寧にするなど、コミュニケーションの量を増やしましょう。正職員の忙しさに配慮しながら、少しずつ関係を築いていくことで、立ち位置が変わっていきます。

自分の役割を明確にして立ち位置を確立する

雇用契約や業務内容を確認し、自分の役割を明確にしましょう。その上で、「この範囲では責任を持って対応します」という姿勢を示すことで、園内での立ち位置が確立され、疎外感が軽減されます。

できる範囲で貢献する姿勢を示す

短時間勤務でも、自分にできることを見つけて積極的に提案する、得意なことを活かして園に貢献する、子どもたちとの関わりで成果を出すなど、存在価値を示すことで、立ち位置が変わり疎外感が薄れていきます。

情報共有を依頼する

「パートですが、子どもたちのためにより良い保育をしたいので、できる範囲で情報を共有していただけますか」と、前向きな姿勢で依頼してみましょう。必要な情報が得られることで、疎外感が軽減され、より良い立ち位置で働けるようになります。

同じ立場の仲間とつながる

園内外で、同じようにパートとして働く保育士と交流を持ちましょう。悩みや工夫を共有することで、疎外感が和らぎ、自分の立ち位置を客観的に見つめ直すことができます。

疎外感が強い立ち位置から抜け出せないときの判断

改善の努力をしても疎外感が解消されない場合は、次のような判断も必要です。

園の体制が変わる見込みがあるか見極める

園側に改善の意思があるか、パートの立ち位置を見直す動きがあるか、コミュニケーションが取りやすくなる兆しがあるかなど、変化の可能性を見極めましょう。変わる見込みがなければ、割り切るか環境を変えるかの判断が必要です。

割り切って働き続けるという選択

疎外感はあっても、勤務条件や通勤の便利さ、給与面などで満足している場合は、「この立ち位置で割り切る」という選択もあります。仕事以外でやりがいを見つけ、園ではあくまで仕事として割り切るという考え方です。

自分を活かせる環境への転職を考える

パートの立ち位置を尊重し、疎外感を感じさせない環境の園も多く存在します。パート保育士を戦力として大切にしている園、情報共有や意見交換を重視している園では、より良い立ち位置で働けるでしょう。

正職員へのキャリアチェンジも視野に

もし時間的な余裕ができ、より深く保育に関わりたいと考えるなら、正職員への転換も選択肢です。立ち位置が変わることで、疎外感から解放され、やりがいのある働き方ができる可能性があります。

保育士パートとして自分らしい立ち位置を見つけるために

保育士パートとして疎外感を感じる立ち位置にいることは、決してあなただけの問題ではありません。多くのパート保育士が同じような悩みを抱えています。

大切なのは、疎外感を感じながらも無理に割り切ろうとせず、自分がどのような立ち位置で働きたいのかを明確にすることです。完全に割り切ることも、すべてに関わることも難しいかもしれませんが、その中間で自分らしいバランスを見つけることができます。

改善の努力をしても状況が変わらない場合は、割り切って働き続けるか、より良い立ち位置で働ける環境を探すか、前向きに判断しましょう。あなたが保育士として、疎外感なく働ける場所はきっと見つかります。自分の気持ちを大切にしながら、納得できる立ち位置を見つけてください。