派遣保育士に転職するには?手順やベストな時期を解説
2025/07/11
保育士として働く中で「人間関係や残業が負担」「子育てと両立しづらい」と感じることはありませんか。
正職員としての働き方に限界を感じつつも、経験を活かしながら、保育士としての新しいキャリアを築く方法を模索している方は少なくありません。
近年、保育士の派遣登録者は増加傾向にあり、潜在保育士(保育士資格は持っていても、保育士として就業していない方)の数も増加しています。
この記事では、正職員から派遣への転職を考える際のメリット・デメリットや具体的な働き方の違いを解説します。
ぜひ、自分に合った働き方を見極め、転職を成功させましょう。
【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
派遣保育士に転職するという選択肢
正職員として毎日忙しく働いている保育士の中には、「体がつらい」「残業が多い」「家事や子育てとの両立が難しい」と感じている方がいるかもしれません。
そんな中で注目されているのが、「派遣保育士」という働き方です。
最近では、正職員から派遣へと転職する保育士が少しずつ増えてきています。
派遣保育士とは、保育園などの施設と直接契約を結ぶのではなく、派遣会社と契約して働く保育士のことです。
つまり、保育園ではなく派遣会社が雇い主になります。
そのため、働き方や勤務条件が正職員とはいくつか違う点があります。
たとえば、勤務時間の希望を出しやすいことや、働く園を変えることもできるという柔らかい働き方が魅力の一つです。
とくに、家庭の事情でフルタイムで働けない方や、職場の人間関係に悩んで転職を考えている方には、派遣という形が合っている可能性があります。
もちろん、派遣だからといってすべてがうまくいくわけではありません。
派遣期間が決まっているため、契約が終われば別の園を探す必要があるでしょう。
また、ボーナスや昇給がない場合もあります。
ただし、そういったデメリット以上に、「時間に余裕をもって保育の仕事を続けたい」と考える方にとっては、派遣という選択肢は現実的で便利な働き方ともいえます。
派遣保育士に転職するメリット・デメリット
派遣保育士への転職は、メリットとデメリットがあります。
メリットは、とにかく自由度が高い働き方ができるようになることです。
勤務時間や曜日を自分で選択できたり、人間関係のストレスを軽減しやすくなります。
デメリットは、正職員のような福利厚生が少なかったり、ひとつの園で長く働けないため、大事な行事や運営に深く関わりづらく、キャリアプランが制限されがちなことです。
派遣保育士に転職するメリット・デメリットをそれぞれ詳しく見ていきましょう。
メリット
派遣保育士に転職するメリットは、以下の通りです。
- ・勤務時間や曜日を自分の予定に合わせやすい
- ・職場の人間関係に長く悩まなくてよい
- ・引っ越しや家庭の変化にも柔軟に対応しやすい
- ・残業が少ないことが多く、自分の時間がとりやすい
- ・正社員よりも時給が高いことがある
派遣保育士は、自分に合った時間で働きやすいです。
たとえば、子育てや介護があっても、週3日や朝だけの勤務が相談しやすくなります。
正社員だと休みにくかったり、フルタイムが当たり前になりやすく、無理をする方もいるでしょう。
また、人間関係に長くしばられにくいのも安心材料です。
園長や同僚と合わなくても、契約が終われば他の園に変えることができるため、がまんを重ねて心の元気をなくすようなことを避けやすくなります。
また、東京都内では、資格手当を含む時給2,000円以上の求人も存在します。
さらに、複数の園を経験することで、幅広い年齢層や保育形態に対応するスキルが自然と身につく点もメリットです。
デメリット
派遣保育士に転職するデメリットは、以下の通りです。
- ・契約がある期間だけの勤務が多く、長く同じ園で働きにくい
- ・ボーナスや手当(通勤・住まいなど)が出ないことが多い
- ・保育の行事や園の運営に深く関われない
- ・働ける日数や時間が少ないと、月ごとの収入が少なくなることがある
- ・急なシフト変更への対応が必要
派遣保育士は契約の期間が決まっているため、園の事情で最長期間である3年よりも早く終わることもあります。
次の仕事がすぐに見つからないと、収入が止まり生活に影響が出る場合も。
また、ボーナスや手当がないことも多く、通勤費や家賃の負担が増えることがあります。
社会保険の加入条件を満たすには、週30時間以上の勤務が必要です。
そのため、フリーランスとの違いを理解しなければいけません。
思ったより手元にお金が残らないことも、少なくはないでしょう。
さらに、行事の準備などに関われない場合もあり、子どもとの関係を深めにくいまま終わることもあります。
長く同じ園で働きたい方には、物足りなく感じるかもしれません。
園によっては、行事の準備期間などで繁忙期が発生するため、臨機応変な対応力も必要です。
正職員保育士と派遣保育士の働き方の違いを比較
正職員保育士と派遣保育士の働き方の違いは、以下のとおりです。
正職員保育士
派遣保育士
雇用形態
保育園(施設)に直接雇用
派遣会社に雇用され、派遣先で勤務
契約期間
無期契約が基本
3ヶ月~1年の更新制が多い(ただし、同じ職場での契約は3年まで)
業務内容
クラス担任・保護者対応全般
補助業務中心の場合が多い(園側の事情により異なる)
収入・昇給
月給制(資格・経験による)
時給制(1,200〜1,800円ほど)
福利厚生
社会保険完備・退職金制度あり
条件次第で社会保険に加入可能
収入面では正職員の平均月収が26万円前後なのに対し、派遣は平均的な時給の場合、週5日勤務で月24万円ほどになる計算です。
ただし、派遣は夏季手当や賞与がないため、年収ベースで比較をする必要があります。
派遣保育士への転職が向いている人・向いていない人
保険保育士への転職は、向いている人と向いていない人がいます。
向いているのは、特定の曜日のみ働きたい・新しい環境での経験を積みたい人です。
向いていないのは、安定した収入を最優先する・園全体の運営に関わりたい人といえます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
向いている人
派遣保育士への転職が向いている人は、以下の通りです。
- ・子どもが小さい・介護をしている
- ・特定の曜日のみ働きたい
- ・新しい環境での経験を積みたい
- ・人間関係のストレスを軽減したい
派遣では、子育て中の方が保育時間帯のみ働くケースが多く、登録者の多くは育休明けの母親です。
また、さまざまな園の指導方針に触れれば、自分に合った職場を見極める術も身につき、以後のキャリアにも役立つことでしょう。
向いていない人
派遣保育士への転職が向いていない人は、以下の通りです。
- ・安定した収入を最優先する
- ・同じ園で長期勤務し、子どもの成長を見守りたい
- ・園全体の運営に関わりたい
- ・長期的なキャリア形成を重視する
行事の準備や進行、保護者との関わりをしっかり持ちたい人にとっては、補助の立場が多い派遣の仕事では「もっとやりたいのに」と感じるかもしれません。
そのため、ゆくゆくはリーダーや園長などを目指したい場合は、育てる制度がある正職員の働き方のほうが合っています。
派遣保育士に転職するベストな時期
派遣保育士に転職するベストな時期は、以下の3つの時期です。
・1月〜3月
・6月〜7月
・10月〜11月
1月〜3月は4月の新年度スタートに向けた人員確保のため、求人数が他の時期よりも突出しているため、「選択肢を増やしたい」という方にとってはベストな時期です。
担任配置や加配の最終調整が進むため、フルタイムから短時間勤務まで様々な条件の求人が一気に出そろいます。
次に求人数が多いのが、6月〜7月です。
夏のボーナスを受け取ってから正職員が退職するケースが増えるほか、産休・育休の代替要員を確保したい園からの依頼も集中します。
10〜11月になると、運動会やハロウィンといった大きな行事が終わり、園が来年度の職員配置を検討し始めます。
10月〜11月のタイミングで派遣契約を結ぶと、年度をまたいで継続的に働ける可能性が高い点が魅力です。
このように、派遣保育士への転職は「いつから転職活動をするか」で選択肢の幅が大きく変わります。
保育園は年度替わりや行事の前後に人員計画を見直すため、派遣会社に集まる求人にも季節的な波があるからです。
とはいえ、転職しようと思った時が一番ベストなタイミングです。
求人数や傾向はあくまで転職活動をスムーズに行うための目安として考えてみてください。
退職のタイミングは?
今の職場を円満に退職するには、年度末である3月末が無難です。
クラス担任や行事がひと段落し、保護者への説明や子どもたちへの区切りも付けやすいため、子どもたちや周りの保育士、管理者に与える影響を最小限に抑えられます。
ただし、体調面や家庭の事情などで年度途中での退職になってしまう場合は、引き継ぎをきちんと行うことでトラブルを防ぐことができます。
派遣保育士の場合、一般的に登録から就業決定まで平均で2~4週間かかるので、新しい職場が決まってから退職届を提出すると、収入が途切れるリスクを抑えることが可能です。
年度途中でも大丈夫?
結論から言えば、派遣保育士は年度途中の転職でも問題ありません。
むしろ急な欠員が出た園は「すぐにでも来てほしい」と考えているため、派遣の需要が最も高まるのは年度途中のタイミングと言えます。
年度途中に入職する場合、園側は即戦力を求めているため、時短勤務や曜日固定といった希望条件が通りやすいことが多い傾向があります。
ただし、運動会や発表会の直前など繁忙期に入職すると、業務量が増えている分フォローが手薄になることも。
入職前に行事スケジュールと業務内容を確認し、自分の経験と体力で無理なく対応できるかを考慮しておきましょう。
派遣保育士に転職する方法・手順
派遣保育士に転職するためのステップは、以下の通りです。
- ・ステップ1. 派遣会社の比較検討(3~5社)
- ・ステップ2. 求人条件の明確化(希望勤務地・時間帯)
- ・ステップ3. 体験登録による現場実習
転職を成功させるには、さまざまな情報をよく見くらべて、全体の流れを考えながら準備することが大切です。
まずは3〜5社ほどの派遣会社を比較してみましょう。
保育の仕事にくわしい担当者(キャリアアドバイザー)がいるかどうかも大事なポイントです。
お金のことだけでなく、急な休みのときのサポートや、働く前に学べる研修があるかも見ておくと安心です。
そして、「週3日だけ働きたい」「小さい子どものクラスだけがいい」といった、自分の希望をはっきりさせておきましょう。
こうしておくと、条件について話すときに役立ちます。
最後に、体験で少し働いてみられる制度があるなら、ぜひ使ってみてください。
実際の園の様子や仕事の流れがよくわかり、就業後のギャップを解消しやすくなります。
ステップ一つずつをしっかり踏まえ、自分に合った働き方をみつけましょう。
派遣保育士に転職するならどの派遣会社を選ぶべき?
派遣保育士としてうまく転職するためには、保育の仕事に詳しい、専門の派遣会社を選ぶことが大切です。
たとえば、病院で働く保育や、障がいのある子どもの支援、夜のお迎えがある保育など、会社によって扱う求人の内容は少しずつ違うものです。
中には、発達にかかわる支援を大事にしている会社もあり、「児童発達支援士」という資格をとるための支援をしてくれるケースもあります。
また、「どれくらいのペースで新しい求人が出ているか」「保育園とどれだけつながっているか」も、会社選びで大事なポイントです。
保育の求人が載っているサイトや会社によって、もらえる時給も変わってきます。
保育に特化した会社では、時給が2,300円くらいになることもありますが、雑多な職種をまとめて扱っている会社では2,000円くらいになることもあります。
派遣会社を選ぶときは、「時給が大事」「働く場所を重視したい」など、自分の中で何を一番大切にしたいかを考えて、いくつかの会社に相談してみるのが良い方法です。
派遣保育士への転職でよくある質問
ここでは派遣保育士への転職でよくある、以下3つの質問に回答します。
- ・派遣保育士でも社会保険や有給はある?
- ・派遣保育士はフルタイム以外も働ける?
- ・派遣保育士から正職員に戻れる可能性はある?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
派遣保育士でも社会保険や有給はある?
派遣保育士でも、社会保険や有給休暇を使える場合があります。
たとえば、派遣会社の中で「社会保険に入れる条件」を満たしていれば、派遣保育士でも加入できます。
一般的には、1週間に20時間以上働き、2ヶ月以上の契約があることなどが目安になります。
有給休暇についても、6ヶ月間続けて働き、決められた日数の8割以上(たとえば、月に20日働く人なら16日以上)出勤していれば、もらえるようになります。
ただし、こうした保険や有給の手続きは、保育園ではなく「派遣会社」が行います。
何かあったときの相談先も派遣会社になるので、事前に説明をよく聞いておくことが大切です。
派遣保育士はフルタイム以外も働ける?
派遣保育士は、フルタイム(1日8時間・週5日など)でなくても働けます。
たとえば、「朝の3時間だけ働く」「週1日だけ出勤する」といった短い働き方も選べます。
午前中だけの「モーニングシフト(早朝〜昼前の勤務)」を紹介している会社もあります。
「時間が短いとお金が減ってしまう」と心配になるかもしれません。
しかし、派遣では時給が高めに設定されていることがあるため、短い時間でも思ったよりしっかりとした収入になることもあります。
たとえば、時給1,600円で週3日・1日5時間なら、月に10万円以上になる計算です。
家計の足しや、家庭との両立をしたい方にとっては、働きやすい形です。
派遣保育士から正職員に戻れる可能性はある?
派遣保育士として働いたあとに、保育園から「うちで正職員にならない?」と声がかかることがあります。
こうしたケースは、前よりも増えてきていて、とくに人手が足りない保育園では、良い働きをしている派遣保育士にそのままいてほしいと思うことがあります。
たとえば、「子どもとの関わり方がやさしい」「チームでの仕事がうまい」など、園で高く評価された場合は、正職員への道もひらけることがあります。
そのため、「いずれは正職員に戻りたいけど、今はフルタイムはむずかしい」と考えている方にとっても、まずは派遣から始めるのはおすすめです。
保育士から派遣へ転職するなら自分らしい働き方を選ぼう
今回は、正職員から派遣保育士へ転職するメリットや注意点、向いている人の特徴などを紹介しました。
保育士のキャリアには、ひとつの道だけではなく、さまざまな形があります。
派遣という働き方を選ぶことで、これまでの経験を活かしながら、自分の生活に合った働き方に変えることができます。
たとえば、「子どもとの時間をもっと取りたい」「体力的にフルタイムがつらい」と感じている人にとって、週に少ない日数だけ働ける派遣という働き方は、現実的な道です。
無理をしながら正職員を続けるより、自分に合ったペースで働くことで、長く保育の仕事を続けられる人もたくさんいます。
保育士転職支援サービス「ずっと保育士」では、保育専門のキャリアアドバイザー(転職の相談役)が一人ひとりの悩みに合わせて相談にのります。
働きたい時間帯、通いやすい場所、希望する時給など、細かい条件にも丁寧に対応できるため、「こんな働き方がしたい」という思いがある人には心強い味方です。
派遣という形に少しでも興味がある方は、まずは無料の相談だけでも受けてみてください。
カテゴリ
保育士キャリア
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保育士として働く中で「人間関係や残業が負担」「子育てと両立しづらい」と感じることはありませんか。
正職員としての働き方に限界を感じつつも、経験を活かしながら、保育士としての新しいキャリアを築く方法を模索している方は少なくありません。
近年、保育士の派遣登録者は増加傾向にあり、潜在保育士(保育士資格は持っていても、保育士として就業していない方)の数も増加しています。
この記事では、正職員から派遣への転職を考える際のメリット・デメリットや具体的な働き方の違いを解説します。
ぜひ、自分に合った働き方を見極め、転職を成功させましょう。

【記事監修】ずっと保育士編集部
「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。
派遣保育士に転職するという選択肢
正職員として毎日忙しく働いている保育士の中には、「体がつらい」「残業が多い」「家事や子育てとの両立が難しい」と感じている方がいるかもしれません。
そんな中で注目されているのが、「派遣保育士」という働き方です。
最近では、正職員から派遣へと転職する保育士が少しずつ増えてきています。
派遣保育士とは、保育園などの施設と直接契約を結ぶのではなく、派遣会社と契約して働く保育士のことです。
つまり、保育園ではなく派遣会社が雇い主になります。
そのため、働き方や勤務条件が正職員とはいくつか違う点があります。
たとえば、勤務時間の希望を出しやすいことや、働く園を変えることもできるという柔らかい働き方が魅力の一つです。
とくに、家庭の事情でフルタイムで働けない方や、職場の人間関係に悩んで転職を考えている方には、派遣という形が合っている可能性があります。
もちろん、派遣だからといってすべてがうまくいくわけではありません。
派遣期間が決まっているため、契約が終われば別の園を探す必要があるでしょう。
また、ボーナスや昇給がない場合もあります。
ただし、そういったデメリット以上に、「時間に余裕をもって保育の仕事を続けたい」と考える方にとっては、派遣という選択肢は現実的で便利な働き方ともいえます。
派遣保育士に転職するメリット・デメリット
派遣保育士への転職は、メリットとデメリットがあります。
メリットは、とにかく自由度が高い働き方ができるようになることです。
勤務時間や曜日を自分で選択できたり、人間関係のストレスを軽減しやすくなります。
デメリットは、正職員のような福利厚生が少なかったり、ひとつの園で長く働けないため、大事な行事や運営に深く関わりづらく、キャリアプランが制限されがちなことです。
派遣保育士に転職するメリット・デメリットをそれぞれ詳しく見ていきましょう。
メリット
派遣保育士に転職するメリットは、以下の通りです。
- ・勤務時間や曜日を自分の予定に合わせやすい
- ・職場の人間関係に長く悩まなくてよい
- ・引っ越しや家庭の変化にも柔軟に対応しやすい
- ・残業が少ないことが多く、自分の時間がとりやすい
- ・正社員よりも時給が高いことがある
派遣保育士は、自分に合った時間で働きやすいです。
たとえば、子育てや介護があっても、週3日や朝だけの勤務が相談しやすくなります。
正社員だと休みにくかったり、フルタイムが当たり前になりやすく、無理をする方もいるでしょう。
また、人間関係に長くしばられにくいのも安心材料です。
園長や同僚と合わなくても、契約が終われば他の園に変えることができるため、がまんを重ねて心の元気をなくすようなことを避けやすくなります。
また、東京都内では、資格手当を含む時給2,000円以上の求人も存在します。
さらに、複数の園を経験することで、幅広い年齢層や保育形態に対応するスキルが自然と身につく点もメリットです。
デメリット
派遣保育士に転職するデメリットは、以下の通りです。
- ・契約がある期間だけの勤務が多く、長く同じ園で働きにくい
- ・ボーナスや手当(通勤・住まいなど)が出ないことが多い
- ・保育の行事や園の運営に深く関われない
- ・働ける日数や時間が少ないと、月ごとの収入が少なくなることがある
- ・急なシフト変更への対応が必要
派遣保育士は契約の期間が決まっているため、園の事情で最長期間である3年よりも早く終わることもあります。
次の仕事がすぐに見つからないと、収入が止まり生活に影響が出る場合も。
また、ボーナスや手当がないことも多く、通勤費や家賃の負担が増えることがあります。
社会保険の加入条件を満たすには、週30時間以上の勤務が必要です。
そのため、フリーランスとの違いを理解しなければいけません。
思ったより手元にお金が残らないことも、少なくはないでしょう。
さらに、行事の準備などに関われない場合もあり、子どもとの関係を深めにくいまま終わることもあります。
長く同じ園で働きたい方には、物足りなく感じるかもしれません。
園によっては、行事の準備期間などで繁忙期が発生するため、臨機応変な対応力も必要です。
正職員保育士と派遣保育士の働き方の違いを比較
正職員保育士と派遣保育士の働き方の違いは、以下のとおりです。
正職員保育士 | 派遣保育士 | |
---|---|---|
雇用形態 | 保育園(施設)に直接雇用 | 派遣会社に雇用され、派遣先で勤務 |
契約期間 | 無期契約が基本 | 3ヶ月~1年の更新制が多い(ただし、同じ職場での契約は3年まで) |
業務内容 | クラス担任・保護者対応全般 | 補助業務中心の場合が多い(園側の事情により異なる) |
収入・昇給 | 月給制(資格・経験による) | 時給制(1,200〜1,800円ほど) |
福利厚生 | 社会保険完備・退職金制度あり | 条件次第で社会保険に加入可能 |
収入面では正職員の平均月収が26万円前後なのに対し、派遣は平均的な時給の場合、週5日勤務で月24万円ほどになる計算です。
ただし、派遣は夏季手当や賞与がないため、年収ベースで比較をする必要があります。
派遣保育士への転職が向いている人・向いていない人
保険保育士への転職は、向いている人と向いていない人がいます。
向いているのは、特定の曜日のみ働きたい・新しい環境での経験を積みたい人です。
向いていないのは、安定した収入を最優先する・園全体の運営に関わりたい人といえます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
向いている人
派遣保育士への転職が向いている人は、以下の通りです。
- ・子どもが小さい・介護をしている
- ・特定の曜日のみ働きたい
- ・新しい環境での経験を積みたい
- ・人間関係のストレスを軽減したい
派遣では、子育て中の方が保育時間帯のみ働くケースが多く、登録者の多くは育休明けの母親です。
また、さまざまな園の指導方針に触れれば、自分に合った職場を見極める術も身につき、以後のキャリアにも役立つことでしょう。
向いていない人
派遣保育士への転職が向いていない人は、以下の通りです。
- ・安定した収入を最優先する
- ・同じ園で長期勤務し、子どもの成長を見守りたい
- ・園全体の運営に関わりたい
- ・長期的なキャリア形成を重視する
行事の準備や進行、保護者との関わりをしっかり持ちたい人にとっては、補助の立場が多い派遣の仕事では「もっとやりたいのに」と感じるかもしれません。
そのため、ゆくゆくはリーダーや園長などを目指したい場合は、育てる制度がある正職員の働き方のほうが合っています。
派遣保育士に転職するベストな時期
派遣保育士に転職するベストな時期は、以下の3つの時期です。
・1月〜3月
・6月〜7月
・10月〜11月
1月〜3月は4月の新年度スタートに向けた人員確保のため、求人数が他の時期よりも突出しているため、「選択肢を増やしたい」という方にとってはベストな時期です。
担任配置や加配の最終調整が進むため、フルタイムから短時間勤務まで様々な条件の求人が一気に出そろいます。
次に求人数が多いのが、6月〜7月です。
夏のボーナスを受け取ってから正職員が退職するケースが増えるほか、産休・育休の代替要員を確保したい園からの依頼も集中します。
10〜11月になると、運動会やハロウィンといった大きな行事が終わり、園が来年度の職員配置を検討し始めます。
10月〜11月のタイミングで派遣契約を結ぶと、年度をまたいで継続的に働ける可能性が高い点が魅力です。
このように、派遣保育士への転職は「いつから転職活動をするか」で選択肢の幅が大きく変わります。
保育園は年度替わりや行事の前後に人員計画を見直すため、派遣会社に集まる求人にも季節的な波があるからです。
とはいえ、転職しようと思った時が一番ベストなタイミングです。
求人数や傾向はあくまで転職活動をスムーズに行うための目安として考えてみてください。
退職のタイミングは?
今の職場を円満に退職するには、年度末である3月末が無難です。
クラス担任や行事がひと段落し、保護者への説明や子どもたちへの区切りも付けやすいため、子どもたちや周りの保育士、管理者に与える影響を最小限に抑えられます。
ただし、体調面や家庭の事情などで年度途中での退職になってしまう場合は、引き継ぎをきちんと行うことでトラブルを防ぐことができます。
派遣保育士の場合、一般的に登録から就業決定まで平均で2~4週間かかるので、新しい職場が決まってから退職届を提出すると、収入が途切れるリスクを抑えることが可能です。
年度途中でも大丈夫?
結論から言えば、派遣保育士は年度途中の転職でも問題ありません。
むしろ急な欠員が出た園は「すぐにでも来てほしい」と考えているため、派遣の需要が最も高まるのは年度途中のタイミングと言えます。
年度途中に入職する場合、園側は即戦力を求めているため、時短勤務や曜日固定といった希望条件が通りやすいことが多い傾向があります。
ただし、運動会や発表会の直前など繁忙期に入職すると、業務量が増えている分フォローが手薄になることも。
入職前に行事スケジュールと業務内容を確認し、自分の経験と体力で無理なく対応できるかを考慮しておきましょう。
派遣保育士に転職する方法・手順
派遣保育士に転職するためのステップは、以下の通りです。
- ・ステップ1. 派遣会社の比較検討(3~5社)
- ・ステップ2. 求人条件の明確化(希望勤務地・時間帯)
- ・ステップ3. 体験登録による現場実習
転職を成功させるには、さまざまな情報をよく見くらべて、全体の流れを考えながら準備することが大切です。
まずは3〜5社ほどの派遣会社を比較してみましょう。
保育の仕事にくわしい担当者(キャリアアドバイザー)がいるかどうかも大事なポイントです。
お金のことだけでなく、急な休みのときのサポートや、働く前に学べる研修があるかも見ておくと安心です。
そして、「週3日だけ働きたい」「小さい子どものクラスだけがいい」といった、自分の希望をはっきりさせておきましょう。
こうしておくと、条件について話すときに役立ちます。
最後に、体験で少し働いてみられる制度があるなら、ぜひ使ってみてください。
実際の園の様子や仕事の流れがよくわかり、就業後のギャップを解消しやすくなります。
ステップ一つずつをしっかり踏まえ、自分に合った働き方をみつけましょう。
派遣保育士に転職するならどの派遣会社を選ぶべき?
派遣保育士としてうまく転職するためには、保育の仕事に詳しい、専門の派遣会社を選ぶことが大切です。
たとえば、病院で働く保育や、障がいのある子どもの支援、夜のお迎えがある保育など、会社によって扱う求人の内容は少しずつ違うものです。
中には、発達にかかわる支援を大事にしている会社もあり、「児童発達支援士」という資格をとるための支援をしてくれるケースもあります。
また、「どれくらいのペースで新しい求人が出ているか」「保育園とどれだけつながっているか」も、会社選びで大事なポイントです。
保育の求人が載っているサイトや会社によって、もらえる時給も変わってきます。
保育に特化した会社では、時給が2,300円くらいになることもありますが、雑多な職種をまとめて扱っている会社では2,000円くらいになることもあります。
派遣会社を選ぶときは、「時給が大事」「働く場所を重視したい」など、自分の中で何を一番大切にしたいかを考えて、いくつかの会社に相談してみるのが良い方法です。
派遣保育士への転職でよくある質問
ここでは派遣保育士への転職でよくある、以下3つの質問に回答します。
- ・派遣保育士でも社会保険や有給はある?
- ・派遣保育士はフルタイム以外も働ける?
- ・派遣保育士から正職員に戻れる可能性はある?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
派遣保育士でも社会保険や有給はある?
派遣保育士でも、社会保険や有給休暇を使える場合があります。
たとえば、派遣会社の中で「社会保険に入れる条件」を満たしていれば、派遣保育士でも加入できます。
一般的には、1週間に20時間以上働き、2ヶ月以上の契約があることなどが目安になります。
有給休暇についても、6ヶ月間続けて働き、決められた日数の8割以上(たとえば、月に20日働く人なら16日以上)出勤していれば、もらえるようになります。
ただし、こうした保険や有給の手続きは、保育園ではなく「派遣会社」が行います。
何かあったときの相談先も派遣会社になるので、事前に説明をよく聞いておくことが大切です。
派遣保育士はフルタイム以外も働ける?
派遣保育士は、フルタイム(1日8時間・週5日など)でなくても働けます。
たとえば、「朝の3時間だけ働く」「週1日だけ出勤する」といった短い働き方も選べます。
午前中だけの「モーニングシフト(早朝〜昼前の勤務)」を紹介している会社もあります。
「時間が短いとお金が減ってしまう」と心配になるかもしれません。
しかし、派遣では時給が高めに設定されていることがあるため、短い時間でも思ったよりしっかりとした収入になることもあります。
たとえば、時給1,600円で週3日・1日5時間なら、月に10万円以上になる計算です。
家計の足しや、家庭との両立をしたい方にとっては、働きやすい形です。
派遣保育士から正職員に戻れる可能性はある?
派遣保育士として働いたあとに、保育園から「うちで正職員にならない?」と声がかかることがあります。
こうしたケースは、前よりも増えてきていて、とくに人手が足りない保育園では、良い働きをしている派遣保育士にそのままいてほしいと思うことがあります。
たとえば、「子どもとの関わり方がやさしい」「チームでの仕事がうまい」など、園で高く評価された場合は、正職員への道もひらけることがあります。
そのため、「いずれは正職員に戻りたいけど、今はフルタイムはむずかしい」と考えている方にとっても、まずは派遣から始めるのはおすすめです。
保育士から派遣へ転職するなら自分らしい働き方を選ぼう
今回は、正職員から派遣保育士へ転職するメリットや注意点、向いている人の特徴などを紹介しました。
保育士のキャリアには、ひとつの道だけではなく、さまざまな形があります。
派遣という働き方を選ぶことで、これまでの経験を活かしながら、自分の生活に合った働き方に変えることができます。
たとえば、「子どもとの時間をもっと取りたい」「体力的にフルタイムがつらい」と感じている人にとって、週に少ない日数だけ働ける派遣という働き方は、現実的な道です。
無理をしながら正職員を続けるより、自分に合ったペースで働くことで、長く保育の仕事を続けられる人もたくさんいます。
保育士転職支援サービス「ずっと保育士」では、保育専門のキャリアアドバイザー(転職の相談役)が一人ひとりの悩みに合わせて相談にのります。
働きたい時間帯、通いやすい場所、希望する時給など、細かい条件にも丁寧に対応できるため、「こんな働き方がしたい」という思いがある人には心強い味方です。
派遣という形に少しでも興味がある方は、まずは無料の相談だけでも受けてみてください。