【保育士転職成功体験談】次の園で私を待ってる子どもたちがいる!
2023/10/13
今の職場を辞めたい、転職したいと考える保育士さんの中には、人手不足や退職のタイミングなどにより、「今辞めたら園や他の保育士に迷惑がかかるのでは……」と二の足を踏んでしまっている方は多くいます。
保育士さんは責任感が強い方が多いため、「年度末まで」「あと1年は続けよう」とズルズルと働き続けてしまい体や心を壊してしまう方が多くいるのが現状です。
今回は、考えすぎてしまってなかなか転職に踏み切れない保育士さんの参考になればという思いで、実際に転職に成功されたHさんにインタビューし、体験談を聞かせていただきました。
保育士になったきっかけは「子育てって楽しい」と思えたこと
──Hさんが保育士になったきっかけや理由、経緯などを教えてください。
子どもを産んだことが保育士になった大きなきっかけです。
子どもを産む前は、保育関係の仕事に全く興味がなくて、子どものこともあまり好きではありませんでした。
でも、育児本などを読んで実際にやってみたりして子どもの反応を見ているうちに、「子育てって楽しいな」と思うようになったんです。
家の周辺に子どもと同じ世代の子どもがたくさん住んでいて交流があったこともあり、「子どもってすごくかわいいな」という思いが大きくなっていきました。
その時は一般企業で事務をしていたのですが、やりがいを感じられず、通勤時間ももったいないと感じるようになっていたので、「保育士だったら資格も持てるし、子どもに関われるし、就職先にも困らないな」と漠然と考えるようになりました。
そのあとよく考えた結果、保育士に転職したいなという思いが強くなったので、2人目を妊娠して産休を取ってそのまま一般企業を退職し、保育士の勉強をして保育士資格を取得したという流れです。
1園目の保育園からこども園に転職
──これまでの経歴を教えてください。
保育士になって最初に勤めた保育園から転職して、今は2園目ですね。
こども園にパートとして勤めています。
前の保育園に入職したきっかけは地域で開催されていた保育の合同説明会
──前の保育園にはどういったきっかけで就職されたんですか?
私が住んでいる地域では年に2回ほど合同説明会があるんです。
幼稚園や保育園が30社〜40社ぐらい集まってそれぞれブースで区切られているようなイベントで、気になるブースに行けるので、「ちょっと行ってみよう」という軽い気持ちで行きました。
最初は家に近い職場がいいなと思ったので、近所の保育園のブースで話を聞いていたんですが、そこの保育園は今すぐに人材が欲しいみたいで。
私が働き始めたいと思っていた4月の募集は未定ですっていう感じだったんです。
そのあと、とりあえず隣のブースで話を聞いてみたところ、今は人がいっぱいいるんだけど、来年の4月に系列園が新しくできるということだったので、そこに入職するという形になりました。
私も4月から就職したかったし、向こうも4月から人手がほしいということで上手くタイミングが合ったような感じでした。
──1社目からオープニングの園に入ったんですね。
そうなんです。私も保育業界のことをあまり知らなかったので、1社目の就活はそんなに他の園を色々見に行くこともなく決めました。
オープニングだったらみんなスタートは同じだし、逆に安心かなという感じでしたね。
あとは子育て中だったのでパートで採用してもらえたところも決め手になりました。
園長先生の人柄や保育に関われない環境に不満を感じ、転職を決意
──前の保育園から転職したきかっけや理由を教えてください。
園長先生の人柄が転職を決めた一番の理由です。
園長先生はあまり話が通じない人で。
例えば、園長先生は主体性を活かした保育というのを求めていたんですけど、先生たちが自分なりに考えてやると「それは違う」と言うんです。
なので園長先生にどうやったら良いのか聞くと、答えてくれないんですよね。
そうすると、正職の先生たちも迷ってしまって。
正職の先生たちが迷うと、今度はパートが迷ってしまうという悪循環に陥っていました。
そんな感じだから現場の先生たちに不満が溜まっていってしまって、あまり良い保育ができる環境ではなかったと思います。
あとは、正職とパートの仕事をがっつり分けていることも不満でした。
「パートの先生は掃除ができていればいい」ぐらいの感じだったんです。
働いているうちに、もうちょっと責任を持って保育に関わりたいなという気持ちが大きくなっていき、この園では自分は成長できないなと思ったので、転職を決めました。
──掃除だけできていれば良いというのはちょっとひどい言い方ですね。
パートも子どもに関わっていることは同じなのに、情報共有もされないし……。
そのあたりも納得がいきませんでした。
11月末にあった面談で退職する旨を伝える
──転職はどのような流れで行いましたか?
辞めようと決めたのが10月ぐらいで、11月末にあった面談のときに辞める旨を伝えました。
色々不満はあったけど、辞める時は本心は話さず、当たり障りのない理由をさらっと伝えた感じです。
パートの引き留めはしない雰囲気があったので、案外スムーズに辞められた
──転職する際に保育園側から引き留めはありましたか?
そこまで強く引き止められることはありませんでした。
正職の先生が辞めるときは引き留められるという話を聞いていましたが、パートの先生は事情がある先生も多いので、あまり引き留めはしない雰囲気がありました。
転職を決めた直後の合同説明会で今働いているこども園と出会う
──転職先はどのように探されましたか?
合同説明会で転職先を見つけました。
転職を決めた直後の11月に保育の合同説明会があったので、事前にエリアや雇用形態などで求人を検索して、何社かピックアップして行きました。
実は転職先を探している時に何人かに「あそこの園いいよ」と教えてもらっていた保育園が、11月にあった保育の合同説明会にブースを出していたんです。
ちょっと話を聞いてみようと思ってブースに行ったら、スムーズに園見学の日程を調整してくださいました。
実際に園見学に行って面接をして採用していただき、4月から入職した感じです。
転職時に重視した点は土台がしっかりしているかどうか
──転職時に重視した点を教えてください。
1園目はオープニングで入ったんですけど、次は土台がしっかりしているところで働きたいっていう気持ちが強くて。
なので、「歴史がある園か」「先生たちはしっかりと知識や経験があるか」という点を重視して選びました。
今の園はパートもがっつりと保育に関われるからやりがいを感じる
──事前アンケートで、「今の職場で自分らしく働けている」とご回答いただいていますが、どのような点で自分らしく働けていると感じますか?
1園目の保育園と真逆で、正職でもパートでも、保護者や子どもはから見れ先生っていう立場は変わらないから、しっかりと責任を持ってやってくださいっていう方針なんです。
パートの先生たちだけの会議があって、そこで正職の先生たちが会議をした内容が共有されたり、アプリで常に情報共有されたりするんですよね。
保護者対応をすることは少ないけど、でもいざというときに情報共有されていると、保護者にんきちんとお伝えすることができるんです。
子どもと関わっている先生という立場は正職でもパートでも一緒という方針の園で責任を持ってできるのは、やりがいがあるなと思っています。
──園の体制がしっかり整っていることが、自分らしく働ける要因になっているのかもしれませんね。
そうですね。
園自体はもう50年以上あるところなので、土台がしっかりと整っていると感じます。
園見学の時は教室の雰囲気や案内してくれた先生の受け答えを見ていた
──園見学のときに注意して見たポイントや質問したことはありますか?
パートの先生がどこまで保育業務に関われるのかという点がすごく気になっていたので質問しました。
注意して見たのは教室の中の雰囲気です。
主体性を大切にした保育をしている園ということは聞いていたので、どんな感じなのかなと見させてもらいました。
どんな感じなのか見せてもらった時は、そんなに整理されていなくて。
画材や製作に必要な材料、製作中の作品がワーッと置いてあったんですよね。
でも他の教室は雰囲気が違ったりして、自由な園なんだなぁと肌で感じることができたんです。
そういうところも前の保育園とは対照的だなと思って見ていました。
──保育士さんにとって人間関係は非常に重要なポイントだと思いますが、Hさんはあまり気にせず入職できたという感じでしょうか?
正直なところ、人間関係は入ってみないとわからないと思っています。
当たり外れは天のみぞ知るという感じで、あまり気にしていませんでした。
ただ、園見学の時の対応や、質問にどう返してくれるかで、保育観や人間関係は大体伝わってくると思うんですよね。
なので、そのあたりは見ておくといいんじゃないかなと思います。
今の園では1園目ではできていなかった保育ができていると感じる
──保育観が合うかどうかは保育士さんにとって重要なポイントなんですね。
そうですね。保育観が合うことはもちろんですが、園が打ち出している保育観が定まっているかどうかも重要だと思います。
保育観によって子どもに対する対応がすごく変わってくるので、しっかりと保育観が定まっているかどうかはすごく大事ですね。
──現在の保育園で実際に働いてみて良いと感じた点はありますか?
1園目ではできなかった保育ができているところです。
みんなで何かやらなければいけない時に気がそれてしまった子どもがいても、どうしたいのかをちゃんと聞いてあげられるとか、そういう基本的なことが今の園ではできています。
また、今の園ではほかの先生の子どもとの関わり方を見て、「こうすればいいんだ」って勉強になるので、自分のスキルを磨くという点でも、今働いているこども園は良い園だなと思います。
転職に成功した要因は、転職を経験している保育士が周りにたくさんいたこと
──転職に成功した要因はなんだと思いますか?
保育士転職を経験している人たちが周りにたくさんいたことが大きいと思います。
何園か経験してる先生の話がたくさん聞ける環境があったので、転職のハードルはそれほど高くありませんでした。
今転職などに悩んでいる保育士の方に向けたHさんからのアドバイス
──保育士さんの中には、辞めたくても辞められない、なかなか踏ん切りがつかない方が多くいると思いますが、Hさんも前の職場から転職することに対して葛藤はありましたか?
ありました。結局前の保育園に2年いたのも、子どもたちが可愛かったからなんです。
でも、自分が今後どうなりたいかと、子どもたちがかわいいことを天秤にかけたときに、「今の子どもたちはかわいいけど、私じゃなくてものびのびと過ごせるんだろうな」と思ったんです。
子どものことも大切だけど、そこだけを見てズルズルと働いていると成長できないなと感じたので、保育士として自分がどうなりたいかを優先しました。
──葛藤はあったけど、「子どもは他の保育士さんのもとでものびのびと過ごしていける」ご自身の中で踏ん切りをつけて、自分がやりたい保育にフォーカスしたような感じですね。
そうですね。あとは、すごくポジティブに「次の園で私を待ってる子どもたちがいる」と考えるようにしていました。
自分がどこの園に行っても、子どもたちはいてくれるから、そこでよりよい保育をして還元していくことが大事かなと思いました。
──「私を待ってる子どもたちがいる」ってすごくいい言葉ですね。
ありがとうございます。でも実際に他の園で働いても「先生、先生」って言ってくれる子どもは絶対いるんですよね。
もっと世の中にはたくさんの子どもがいて、手が足りていないところもたくさんあるので、今の状況が苦しいんだったら「私を待っている子どもたちがいる」という感じで突き進んでいってもいいんじゃないかなと思います。
- ポイント1:子どもへの心残りだけを重視してズルズル働くよりも、自分がどうなりたいかを優先する!
- ポイント2:「次の園で私を待っている子どもたちがいる」ぐらいの気持ちで突き進む!
ー 取材協力:株式会社トビバコ
カテゴリ
保育士インタビュー
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今の職場を辞めたい、転職したいと考える保育士さんの中には、人手不足や退職のタイミングなどにより、「今辞めたら園や他の保育士に迷惑がかかるのでは……」と二の足を踏んでしまっている方は多くいます。
保育士さんは責任感が強い方が多いため、「年度末まで」「あと1年は続けよう」とズルズルと働き続けてしまい体や心を壊してしまう方が多くいるのが現状です。
今回は、考えすぎてしまってなかなか転職に踏み切れない保育士さんの参考になればという思いで、実際に転職に成功されたHさんにインタビューし、体験談を聞かせていただきました。
保育士になったきっかけは「子育てって楽しい」と思えたこと
──Hさんが保育士になったきっかけや理由、経緯などを教えてください。
子どもを産んだことが保育士になった大きなきっかけです。
子どもを産む前は、保育関係の仕事に全く興味がなくて、子どものこともあまり好きではありませんでした。
でも、育児本などを読んで実際にやってみたりして子どもの反応を見ているうちに、「子育てって楽しいな」と思うようになったんです。
家の周辺に子どもと同じ世代の子どもがたくさん住んでいて交流があったこともあり、「子どもってすごくかわいいな」という思いが大きくなっていきました。
その時は一般企業で事務をしていたのですが、やりがいを感じられず、通勤時間ももったいないと感じるようになっていたので、「保育士だったら資格も持てるし、子どもに関われるし、就職先にも困らないな」と漠然と考えるようになりました。
そのあとよく考えた結果、保育士に転職したいなという思いが強くなったので、2人目を妊娠して産休を取ってそのまま一般企業を退職し、保育士の勉強をして保育士資格を取得したという流れです。
1園目の保育園からこども園に転職
──これまでの経歴を教えてください。
保育士になって最初に勤めた保育園から転職して、今は2園目ですね。
こども園にパートとして勤めています。
前の保育園に入職したきっかけは地域で開催されていた保育の合同説明会
──前の保育園にはどういったきっかけで就職されたんですか?
私が住んでいる地域では年に2回ほど合同説明会があるんです。
幼稚園や保育園が30社〜40社ぐらい集まってそれぞれブースで区切られているようなイベントで、気になるブースに行けるので、「ちょっと行ってみよう」という軽い気持ちで行きました。
最初は家に近い職場がいいなと思ったので、近所の保育園のブースで話を聞いていたんですが、そこの保育園は今すぐに人材が欲しいみたいで。
私が働き始めたいと思っていた4月の募集は未定ですっていう感じだったんです。
そのあと、とりあえず隣のブースで話を聞いてみたところ、今は人がいっぱいいるんだけど、来年の4月に系列園が新しくできるということだったので、そこに入職するという形になりました。
私も4月から就職したかったし、向こうも4月から人手がほしいということで上手くタイミングが合ったような感じでした。
──1社目からオープニングの園に入ったんですね。
そうなんです。私も保育業界のことをあまり知らなかったので、1社目の就活はそんなに他の園を色々見に行くこともなく決めました。
オープニングだったらみんなスタートは同じだし、逆に安心かなという感じでしたね。
あとは子育て中だったのでパートで採用してもらえたところも決め手になりました。
園長先生の人柄や保育に関われない環境に不満を感じ、転職を決意
──前の保育園から転職したきかっけや理由を教えてください。
園長先生の人柄が転職を決めた一番の理由です。
園長先生はあまり話が通じない人で。
例えば、園長先生は主体性を活かした保育というのを求めていたんですけど、先生たちが自分なりに考えてやると「それは違う」と言うんです。
なので園長先生にどうやったら良いのか聞くと、答えてくれないんですよね。
そうすると、正職の先生たちも迷ってしまって。
正職の先生たちが迷うと、今度はパートが迷ってしまうという悪循環に陥っていました。
そんな感じだから現場の先生たちに不満が溜まっていってしまって、あまり良い保育ができる環境ではなかったと思います。
あとは、正職とパートの仕事をがっつり分けていることも不満でした。
「パートの先生は掃除ができていればいい」ぐらいの感じだったんです。
働いているうちに、もうちょっと責任を持って保育に関わりたいなという気持ちが大きくなっていき、この園では自分は成長できないなと思ったので、転職を決めました。
──掃除だけできていれば良いというのはちょっとひどい言い方ですね。
パートも子どもに関わっていることは同じなのに、情報共有もされないし……。
そのあたりも納得がいきませんでした。
11月末にあった面談で退職する旨を伝える
──転職はどのような流れで行いましたか?
辞めようと決めたのが10月ぐらいで、11月末にあった面談のときに辞める旨を伝えました。
色々不満はあったけど、辞める時は本心は話さず、当たり障りのない理由をさらっと伝えた感じです。
パートの引き留めはしない雰囲気があったので、案外スムーズに辞められた
──転職する際に保育園側から引き留めはありましたか?
そこまで強く引き止められることはありませんでした。
正職の先生が辞めるときは引き留められるという話を聞いていましたが、パートの先生は事情がある先生も多いので、あまり引き留めはしない雰囲気がありました。
転職を決めた直後の合同説明会で今働いているこども園と出会う
──転職先はどのように探されましたか?
合同説明会で転職先を見つけました。
転職を決めた直後の11月に保育の合同説明会があったので、事前にエリアや雇用形態などで求人を検索して、何社かピックアップして行きました。
実は転職先を探している時に何人かに「あそこの園いいよ」と教えてもらっていた保育園が、11月にあった保育の合同説明会にブースを出していたんです。
ちょっと話を聞いてみようと思ってブースに行ったら、スムーズに園見学の日程を調整してくださいました。
実際に園見学に行って面接をして採用していただき、4月から入職した感じです。
転職時に重視した点は土台がしっかりしているかどうか
──転職時に重視した点を教えてください。
1園目はオープニングで入ったんですけど、次は土台がしっかりしているところで働きたいっていう気持ちが強くて。
なので、「歴史がある園か」「先生たちはしっかりと知識や経験があるか」という点を重視して選びました。
今の園はパートもがっつりと保育に関われるからやりがいを感じる
──事前アンケートで、「今の職場で自分らしく働けている」とご回答いただいていますが、どのような点で自分らしく働けていると感じますか?
1園目の保育園と真逆で、正職でもパートでも、保護者や子どもはから見れ先生っていう立場は変わらないから、しっかりと責任を持ってやってくださいっていう方針なんです。
パートの先生たちだけの会議があって、そこで正職の先生たちが会議をした内容が共有されたり、アプリで常に情報共有されたりするんですよね。
保護者対応をすることは少ないけど、でもいざというときに情報共有されていると、保護者にんきちんとお伝えすることができるんです。
子どもと関わっている先生という立場は正職でもパートでも一緒という方針の園で責任を持ってできるのは、やりがいがあるなと思っています。
──園の体制がしっかり整っていることが、自分らしく働ける要因になっているのかもしれませんね。
そうですね。
園自体はもう50年以上あるところなので、土台がしっかりと整っていると感じます。
園見学の時は教室の雰囲気や案内してくれた先生の受け答えを見ていた
──園見学のときに注意して見たポイントや質問したことはありますか?
パートの先生がどこまで保育業務に関われるのかという点がすごく気になっていたので質問しました。
注意して見たのは教室の中の雰囲気です。
主体性を大切にした保育をしている園ということは聞いていたので、どんな感じなのかなと見させてもらいました。
どんな感じなのか見せてもらった時は、そんなに整理されていなくて。
画材や製作に必要な材料、製作中の作品がワーッと置いてあったんですよね。
でも他の教室は雰囲気が違ったりして、自由な園なんだなぁと肌で感じることができたんです。
そういうところも前の保育園とは対照的だなと思って見ていました。
──保育士さんにとって人間関係は非常に重要なポイントだと思いますが、Hさんはあまり気にせず入職できたという感じでしょうか?
正直なところ、人間関係は入ってみないとわからないと思っています。
当たり外れは天のみぞ知るという感じで、あまり気にしていませんでした。
ただ、園見学の時の対応や、質問にどう返してくれるかで、保育観や人間関係は大体伝わってくると思うんですよね。
なので、そのあたりは見ておくといいんじゃないかなと思います。
今の園では1園目ではできていなかった保育ができていると感じる
──保育観が合うかどうかは保育士さんにとって重要なポイントなんですね。
そうですね。保育観が合うことはもちろんですが、園が打ち出している保育観が定まっているかどうかも重要だと思います。
保育観によって子どもに対する対応がすごく変わってくるので、しっかりと保育観が定まっているかどうかはすごく大事ですね。
──現在の保育園で実際に働いてみて良いと感じた点はありますか?
1園目ではできなかった保育ができているところです。
みんなで何かやらなければいけない時に気がそれてしまった子どもがいても、どうしたいのかをちゃんと聞いてあげられるとか、そういう基本的なことが今の園ではできています。
また、今の園ではほかの先生の子どもとの関わり方を見て、「こうすればいいんだ」って勉強になるので、自分のスキルを磨くという点でも、今働いているこども園は良い園だなと思います。
転職に成功した要因は、転職を経験している保育士が周りにたくさんいたこと
──転職に成功した要因はなんだと思いますか?
保育士転職を経験している人たちが周りにたくさんいたことが大きいと思います。
何園か経験してる先生の話がたくさん聞ける環境があったので、転職のハードルはそれほど高くありませんでした。
今転職などに悩んでいる保育士の方に向けたHさんからのアドバイス
──保育士さんの中には、辞めたくても辞められない、なかなか踏ん切りがつかない方が多くいると思いますが、Hさんも前の職場から転職することに対して葛藤はありましたか?
ありました。結局前の保育園に2年いたのも、子どもたちが可愛かったからなんです。
でも、自分が今後どうなりたいかと、子どもたちがかわいいことを天秤にかけたときに、「今の子どもたちはかわいいけど、私じゃなくてものびのびと過ごせるんだろうな」と思ったんです。
子どものことも大切だけど、そこだけを見てズルズルと働いていると成長できないなと感じたので、保育士として自分がどうなりたいかを優先しました。
──葛藤はあったけど、「子どもは他の保育士さんのもとでものびのびと過ごしていける」ご自身の中で踏ん切りをつけて、自分がやりたい保育にフォーカスしたような感じですね。
そうですね。あとは、すごくポジティブに「次の園で私を待ってる子どもたちがいる」と考えるようにしていました。
自分がどこの園に行っても、子どもたちはいてくれるから、そこでよりよい保育をして還元していくことが大事かなと思いました。
──「私を待ってる子どもたちがいる」ってすごくいい言葉ですね。
ありがとうございます。でも実際に他の園で働いても「先生、先生」って言ってくれる子どもは絶対いるんですよね。
もっと世の中にはたくさんの子どもがいて、手が足りていないところもたくさんあるので、今の状況が苦しいんだったら「私を待っている子どもたちがいる」という感じで突き進んでいってもいいんじゃないかなと思います。
- ポイント1:子どもへの心残りだけを重視してズルズル働くよりも、自分がどうなりたいかを優先する!
- ポイント2:「次の園で私を待っている子どもたちがいる」ぐらいの気持ちで突き進む!
ー 取材協力:株式会社トビバコ