保育のコラム

派遣保育士の具体的な年収はいくら?

2025/05/23

「派遣保育士として働くと、実際の年収はどれくらいになるの?」「正社員保育士と比べてどうなの?」派遣での勤務を検討している保育士の方にとって、収入面は大きな関心事ではないでしょうか。

このコラムでは、派遣保育士の年収について、勤務パターン別の具体的な金額や計算方法、収入アップのポイントなどを解説します。ご自身の希望する働き方で、どのくらいの収入が見込めるのかをイメージする参考にしてください。

 

派遣保育士の年収の計算方法

派遣保育士の年収は、基本的に「時給 × 勤務時間 × 勤務日数」で計算されます。正社員保育士のような固定給とは異なり、実際に働いた時間分だけ給与が支払われる仕組みです。

年収を計算する基本式は以下の通りです。

 

年収 = 時給 × 1日の勤務時間 × 週の勤務日数 × 年間勤務週数

 

例えば、時給1,600円で1日7時間、週5日働いた場合の年収は次のように計算できます。

 

1,600円 × 7時間 × 5日 × 48週 = 2,688,000円

 

ここでの48週というのは、年間52週から有給休暇や年末年始の休みなどを差し引いた概算の勤務週数です。実際には、祝日や休園日の影響も考慮する必要があります。

 

勤務パターン別の具体的な年収例

派遣保育士の勤務パターンは様々です。主な勤務パターン別に、具体的な年収例を見ていきましょう。

 

フルタイム派遣保育士の年収

フルタイム(週5日・1日8時間程度)で働く場合、派遣保育士の年収は地域や経験によって異なりますが、以下のような範囲が一般的です。

 

地域

時給相場

年収目安(フルタイム)

都市部(東京・大阪など)

1,700円〜2,000円

280万円〜330万円

地方都市

1,400円〜1,700円

230万円〜280万円

 

例えば、東京で時給1,800円、1日7.5時間、週5日、年間47週働いた場合の年収は約317万円となります。これは時給換算では正社員保育士よりも高いケースが多いですが、ボーナスがない分、年収全体では同等か若干低くなることもあります。

 

短時間派遣保育士の年収

短時間(週5日・1日4〜6時間程度)で働く場合の年収例です。

 

勤務パターン

時給

勤務時間

年収目安

午前のみ(9:00〜14:00)

1,600円

5時間×週5日

約190万円

午後のみ(14:00〜18:00)

1,700円

4時間×週5日

約170万円

早朝・夕方(7:00〜9:00, 16:00〜19:00)

1,800円

5時間×週5日

約210万円

 

短時間勤務の場合、総労働時間が少ない分、年収も比例して少なくなります。ただし、早朝や夕方などの時間帯は時給が割増されるケースも多いため、効率よく収入を得ることも可能です。

 

週3〜4日勤務の派遣保育士の年収

週5日フルタイムではなく、週3〜4日で働く場合の年収例です。

 

勤務日数

時給

勤務時間

年収目安

週4日

1,600円

7時間×週4日

約210万円

週3日

1,600円

7時間×週3日

約160万円

週3日

1,700円

8時間×週3日

約200万円

 

週3〜4日勤務は、家庭と仕事の両立を図りたい方や、副業として保育士の仕事をしたい方に人気のパターンです。勤務日数が少ない分、年収も比例して減少しますが、日々の負担が軽減され、長く働き続けられるメリットがあります。

 

派遣保育士の年収に影響する3つの要素

派遣保育士の年収は、様々な要素によって左右されます。年収アップを目指すなら、以下の点に注目してみましょう。

 

1. 勤務地域による違い

派遣保育士の時給は、勤務する地域によって大きく異なります。一般的に、都市部の方が地方よりも時給が高い傾向にあります。例えば、東京23区内では1,800円以上の時給が珍しくありませんが、地方では1,400円程度の場合もあります。

これは保育士の需要と生活コストの違いによるもので、同じ働き方でも地域によって年収に50万円以上の差が生じることもあります。ただし、生活コストも都市部の方が高いため、手取りの実質価値は地域間でそれほど変わらない場合もあります。

 

2. 経験・スキルによる時給の違い

派遣保育士の時給は、経験年数やスキルによっても変わってきます。未経験者や経験の浅い方に比べ、経験豊富な方や特別なスキルを持つ方は時給が高くなる傾向があります。

例えば、一般的な保育経験だけの場合と比較して、以下のようなスキルがあると時給アップにつながることが多いです。

 

  • 英語などの語学力(+100円〜200円程度)
  • ピアノなどの音楽スキル(+50円〜100円程度)
  • 障がい児保育の経験(+100円〜200円程度)
  • リトミックや体育指導のスキル(+50円〜150円程度)

 

こうした特別なスキルは、年間で10〜40万円程度の収入アップにつながる可能性があります。

 

3. 勤務時間帯による時給の違い

保育園では、早朝や夕方など、特定の時間帯は人手が必要でありながら、希望者が少ない傾向があります。そのため、こうした時間帯は時給が割増されることが多いです。

早朝(7:00〜9:00頃)や夕方(17:00〜20:00頃)の時間帯は、基本時給に100円〜200円程度上乗せされるケースが一般的です。また、土曜日や休日保育などでも割増時給が適用されることがあります。

うまく組み合わせることで、同じ労働時間でも年収を増やすことが可能です。例えば、平日の通常時間帯のみで週20時間働く場合と、早朝・夕方を含めて週20時間働く場合とでは、年間で20万円程度の差が生じることもあります。

 

派遣保育士の年収アップのコツ

派遣保育士として働きながら、年収をアップさせるためのコツをご紹介します。

 

高時給の求人を見つけるポイント

より高い時給の求人を見つけるためには、以下のポイントに注目しましょう。

都市部や人手不足が深刻な地域の求人は、比較的時給が高い傾向があります。特に認可保育園や企業主導型保育園などは、認可外施設と比べて時給が高めに設定されていることが多いです。

また、早朝・夕方の時間帯や、土曜日の勤務を含む求人は、時給が割増されているケースが多いため、効率よく収入を得られる可能性があります。さらに、特別なスキル(英語、リトミック、障がい児保育など)を求める求人も、通常より高時給の場合が多いです。

保育士専門の派遣会社や求人サイトを複数チェックし、待遇面を比較することも重要です。同じ条件でも派遣会社によって時給に100円以上の差がつくこともあります。

 

スキルアップで時給アップを目指す

自分のスキルを高めることで、より高い時給の求人に応募できるようになります。

保育士としての基本スキルを磨くことはもちろん、英語やピアノなどの特別なスキルを身につけると、専門性を活かした高時給の仕事につながりやすくなります。また、障がい児保育や病児保育など、専門的な分野の経験を積むことも有効です。

派遣会社が提供する研修や、独自に参加できる保育関連の研修・セミナーなどを活用して、スキルアップを図りましょう。資格取得(幼稚園教諭免許、チャイルドマインダー、リトミック指導者など)も、時給アップの材料になります。

 

勤務条件の交渉術

契約更新時や新たな求人に応募する際は、条件交渉の余地があることも覚えておきましょう。

実績や経験を具体的にアピールし、その価値に見合った時給を提案することが大切です。特に、前の職場で良い評価を得ていた場合や、特別なスキルがある場合は、具体的なエピソードとともに伝えると効果的です。

また、複数の派遣会社に登録し、より良い条件の求人を比較検討することで交渉力が高まります。ただし、時給だけでなく、通勤時間や職場環境、業務内容なども総合的に判断することが大切です。

 

派遣保育士の年収と働き方選び

派遣保育士の年収は、勤務条件や地域、スキルなどによって大きく変わります。フルタイムで働けば年収270万円〜330万円程度、短時間や週3〜4日勤務であれば150万円〜210万円程度が一般的な目安です。

時給ベースでは正社員保育士より高いことが多い派遣保育士ですが、ボーナスがない分、年収トータルでは正社員と同等か若干低くなるケースが多いでしょう。ただし、労働時間の柔軟性や残業の少なさを考えると、時間あたりの実質収入では派遣の方が有利な面もあります。

年収アップを目指すなら、高時給の求人を探す目を養い、自分のスキルを高め、適切な条件交渉を行うことが重要です。また、自分のライフスタイルや優先したい価値観に合わせて、勤務時間や日数を選ぶことも大切です。

 

※本コラムは一般的な情報提供を目的としており、具体的な条件や待遇は派遣会社や保育施設によって異なります。実際の収入は、勤務条件や個人の状況によって変動しますので、詳細は派遣会社にご確認ください。

 

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