保育のコラム

【保育士転職成功体験談9】細かいところまで聞くことが転職成功の秘訣!

2023/06/09

今の職場を辞めたい、転職したいと考える保育士さんの中には、人手不足や退職のタイミングなどにより、「今辞めたら園や他の保育士に迷惑がかかるのでは……」と二の足を踏んでしまっている方は多くいます。

保育士さんは責任感が強い方が多いため、「年度末まで」「あと1年は続けよう」とズルズルと働き続けてしまい体や心を壊してしまう方が多くいるのが現状です。

今回は、考えすぎてしまってなかなか転職に踏み切れない保育士さんの参考になればという思いで、実際に転職に成功されたHさんにインタビューし、体験談を聞かせていただきました。

【保育士転職成功体験談9】細かいところまで聞くことが転職成功の秘訣!

Hさんのこれまでの経歴

──これまでの経歴を簡単に教えてください。

1社目はカトリック系の幼稚園に勤めて、2社、3社目は保育園で働いていました。

3社目は現在働いている小規模保育園です。

小さいころから保育士になりたかった

──保育士になったきっかけや理由はなんですか?

小さいころから保育士になりたいなっていう気持ちがあったので、夢を叶える形で保育士になりました。

物心ついた時から両親に保育士になりたいと話していて、小学校の卒業文集みたいなものにも保育士になりたいと書いていたんです。

なので、小さい頃からピアノを習わせてもらったり保育の大学・学部に入ったりと、保育士になる流れに乗って進んできたような感じです。

──小さい頃に保育士になりたいと思い始めたきっかけはありますか?

私自身も幼稚園に通ってたんですけど、幼稚園の先生や実習で来る先生がとにかく大好きだった記憶があるので、そういうところからなりたいと思ったのかなと思います。

──保育士免許はどのように取得されたんですか?

進学した4年制大学の児童学部は、在学中に保育士資格と幼稚園教諭免許の第一種が取れるところだったので、在学中に取得しました。

1社目に幼稚園を選んだのは、自分自身が幼稚園通っていたから

──1社目の保育園にはどういったきっかけで就職したんですか?

私自身、幼稚園に通ってたのもあって何となく生活サイクルや働き方が想像しやすいというか、入っていきやすいのかなと思ったので幼稚園に就職しました。

1社目の保育園を転職した大きな理由は、事前に伝えられた情報との相違や人手不足

──1社目の保育園を転職したきっかけや理由を教えてください。

入社前に言われていたこととの相違が大きかったことや人手不足だったことが転職をした大きな理由です。

1社目の幼稚園はカトリック系の幼稚園で、宗教的な内容もカリキュラムに多く含まれていたり、モンテッソーリ教育を取り入れたりしている幼稚園だったんです。

前からモンテッソーリ教育に興味があったのでこともあって入職したんですけど、入職前はモンテッソーリ教育の資格取得について何も言われてなかったのに、入職後に実費で取ってくださいと言われて。

あとはどんどん新しい子どもが入園してくるので、本当に人手が足りていない状況でした。

発達に遅れがあって診断が下っている子たちも1クラス25人いる中に複数人いたりして、無理のある働き方が続いていたと思います。

教育内容自体はすごく興味がある幼稚園だったんですけど、ちょっと思ったような働き方ができなくて、1人1人に対して十分な配慮ができないままに1日が終わっていくみたいなことがすごく苦しかったです。

2社目の保育園を選んだ決め手は一人ひとりに丁寧に関われる職場だと思ったから

──2社目の保育園を選んだ理由はなんですか?

ゆったりとした保育ができるっていうところを売りにされていたので「いいな」と思って転職しました。

次に勤めるところはアットホームで、教育に力を入れすぎていない一人ひとりに丁寧に関われることを理念として掲げてらっしゃるところに行きたいなと思っていたのでちょうど希望に合っていたような感じです。

あとは、1社目は幼稚園で働かせてもらってたので、次は保育園の働き方はどういう感じなのかなっていう興味がありました。

実習で幼稚園も保育園もどちらも経験しましたが数週間だけなので、実際働いてみたいなっていう思いがあったので、2社目はそういった比較的ゆっくりと、専門教育みたいものも多少取り入れてはいるけど、いい意味で力を入れすぎていない感じの保育園で働きたいなと思っていたので、入職しました。

2社目では保育園ならではの流れや雰囲気、マネジメントを学べた

──2社目の保育園で実際に働いてみて良いと感じた点はありますか?

2社目の保育園では、保育園ならではの流れや雰囲気、人間関係が勉強になったり、副主任をやらせてもらってマネジメントなども学ぶことができたりしたのが働いてみてよかった点ですね。

人手不足や仕事量に見合わない給料により、2回目の転職を決意

──2社目の保育園を転職した理由を教えてください。

2社目を転職したのは、人手不足や仕事量に見合わない給料が理由です。

2社目は4年勤めたんですけど、3年目、4年目が1社目と比べものにならないぐらい人手不足になっていて。

途中で辞める先生もいるので、ギリギリというか、なんならちょっとアウトじゃないかなっていう回し方をせざるを得ない場面もあって。

休憩も取れない上に残業は毎日1〜2時間、体調が悪くても休めないような状況が続いていました。

その時は副主任をしていたんですけど、役職がついているからこそなおさら忙しかったり。

それなのに給料はそんなに上がるわけじゃないっていう面もあったので、自分が理想としている働き方、保育ではないなという気持ちがどんどん強くなってきたし、心の余裕も保てない感じがあったので転職しました。

転職を伝えたあと、1年間頑張ったのちに転職

──転職はどのような流れで行いましたか?

2社目の保育園で働きはじめて3年目の頃から、実は転職を視野に入れていました。

でも、お世話になってる先輩や園長先生の存在もあったので、辞めたいと思ってはいるけど、辞めづらい感じもあったりして、「あと1年は頑張ります」という感じで最後の1年は頑張りました。

でも、特に大きく改善されることもなかったので、転職を本格的に考えて今の園に移ってきたという感じです。

──転職する際にエージェントや求人サイトを利用しましたか?

保育士専門の転職エージェントを利用しました。

実際に利用したところ以外にもいくつか登録をしたのですが、なかなか調整がつかなかったので、最終的に1つの転職エージェントに絞っていろいろ相談に乗ってもらいました。

いくつか候補を出していただいて、その中から現在働いている保育園を選んだ園見学に行かせてもらったという感じです。

実は今回の転職で保育以外の異業種の企業への転職を視野に入れていて何度か面接を受けさせてもらっていたんです。

でも、自分の今までのお話とかをさせていただいたりしてると、自分はすごく保育の仕事が好きなんだなっていうことに改めて気付いて。

理想的な働き方ができる企業さんと機会を得られなかったっていうのもあるんですけど、それ以上に「保育を続けてみるのもありかな」「いい条件の保育園があるならまだもう少し頑張ってみたいな」っていう気持ちの方が強くなってきたので、同時進行のような形で転職活動を進めていきました。

園見学では細かいところまで質問し、具体的な働き方を把握

──園見学行かれたとおっしゃっていましたが、園見学で気をつけていたことはありますか?

できる限り細かく質問をするようにしていました。

どういう感じで行事を進めているのか、1日の流れはどうなっているのか、何人体制で保育を進めているのかなど、本当に細かく聞かせていただきました。

職員の数をざっくりと教えてもらっても、正直全く想像がつかないことを1社目、2社目で経験していたので。

最近はドキュメンテーションと呼ばれる、日々の活動を写真や文章で記録してしているところがあるんです。

見学させてもらった園にはドキュメンテーションが保管してあったので、写真や文章を見ながら説明してもらえました。

ドキュメンテーションを通して、口頭での説明よりも働き方や子どもとの過ごし方を知ることができたと思います。

──保育園の方からではなく、Hさんの方から積極的に質問をしていったんですか?

そうですね。

わたしが積極的に質問していきました。

気になることはメモしてから見学に伺ったのもあって、「この時間はどう過ごされてるのかな」とか、本当に細かいことでも気になったことは片っ端から聞かせてもらっていました。

2回目の転職時に重視したのは「基本的なことを当たり前にさせてもらえること」

──転職時に重視した点を教えてください。

私は一人ひとりにできるだけ手厚く関わっていきたいと思っていて、やっぱり一人ひとりしたいことも違えば発達のスピードも違うと思うので、一人ひとりに寄り添える保育がしたいなっていうのは一番の理想だったので、重視していました。

働き方も残業はないと言っていても実際はかなりあるっていうことを経験してきたので、本当に残業がないとか休憩ちゃんと取れるとか、本当に基本的なことを当たり前にさせてもらえる保育園があったら一番嬉しいなっていうのを第一に転職活動をしました。

──転職を重ねる中で自分の理想の働き方を見つけていったような感じですね。

そうですね。

ざっくりと自分の中でこういう保育がしたいとかこういう働き方がしたいっていうのは元々あったんですけど、やっぱりキャリアもなかったり、実現するには難しかったりする面もあって。

とりあえず3年頑張ろうとか、4年頑張ろうっていうような感じで経験を積んでいく中で、何かこういう働き方ができたらいいなとか、これはやりたくないなとか、自分の中でよりはっきりしてきた面はあります。

だからこそ転職活動をする際も探しやすかったように感じます。

3社目の保育園には園見学の時の感じた先生たちの雰囲気に惹かれて入職

──3社目の保育園にはどういう点がよくて転職されましたか?

幅広い年齢の先生がいるのにみんな和気あいあいとしている雰囲気を園見学のときに見て、いいなと思いました。

あとは、退職者がここ数年はいないっていうことも惹かれたところです。

3社目保育園は配置基準+1〜2名の先生がつく!人手が十分に確保されているのが転職して良かった点

──3社目の保育園で実際に働いてみてよかった点を教えてください。

一番は人手が十分にありすぎるぐらい人手が確保されているところです。

恵まれてるなと感じます。

日本の保育園の配置基準って、1・2歳児は保育士1人に対して子どもは6人っていう決まりがあると思うんですけど、配置基準も余裕で満たしているような感じで。

フリーや補助の先生をつけてプラス1、2名ぐらい先生がいる状態で保育をするのが当たり前っていう感じの園なんです。

だから、一人ひとりに比較的手厚く、保育ができてるような実感がありますね。

あとは保育士も、気持ち的にも身体的にもゆとりを持って働けている感じが、ここに転職して本当によかったと思う部分です。

転職に成功した要因は自分の理想を突き詰めてから転職活動をしたこと

──転職に成功した要因はなんだと思いますか?

できるかぎり細かいところまで自分の理想を突き詰めてから転職活動をしたことだと思います。

自分の中でしっかりと理想があったから、園見学でも確認したいことが明確に出てきたので、スムーズに進めやすかったし、自分の理想に近しい保育園を見つけやすかったのかなと思います。

例えば、園の規模はこれぐらいがいいとか、働いている職員を子どもの人数と比べたときの割合とか、できる限り細かく理想を出していくといいと思います。

現在転職などに悩んでいる保育士の方に向けたアドバイス〜良い保育園はある!〜

──現在転職などに悩んでいる保育士の方にアドバイスするとしたら何を伝えますか?

「他の保育園も一緒じゃないかな」とか「人間関係は特に入ってからじゃないとわからないよね」とか思ってしまうし、実際表では良いように言っていても実は違うことって全然あるんですよね。

だから、確認やリサーチをしないままにもう、「他のところでまた1から経験するのもな」って転職を諦めてる先生とかも実際にいたりして。

でも、人手不足で保育士が保育園を選べる状況なので、自分が確認したいことはガンガン聞いてみるといいよ、良い保育園はあるよっていうことを言いたいです。

  • ポイント1:理想はしっかりと固めてから転職活動をする
  • ポイント2:とにかく自分が確認したいことはガンガン聞くといい
  • ポイント3:「他の保育園も一緒」と諦めがちだけど、良い保育園はある!

ー 取材協力:株式会社トビバコ

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