保育のコラム

50代の保育士です。退職を考えていますが、他の保育士への負担を考えるとなかなか踏ん切りがつきません。

2022/11/30

長年勤めた保育園からの退職の場合、多くの後輩や仲間のことが気になるものです。

 

とはいえ、辞めたいと考えるからには、それなりの理由があり、場合によっては体調やメンタル面に限界を感じていることもあります。

 

50代で長年責任を持って働いてきた保育士だからこそ抱える悩みについて、28年以上、保育士の働き方や転職をサポートし続けてきた明日香が、どう行動するのかお答えします。

ずっと保育士編集部

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

50代の保育士が辞めたいと考える主な理由

保育士として、20年以上のキャリアがあり、定年も後数年と先が見えてきた段階で辞めたいと考える理由は実に様々です。

 

長年一つの保育園で勤めてきた方や、子育てや家庭の都合で転職をした方もいらっしゃる中で、転職理由は人によって異なりますが、ここからはいくつか代表的な事例を挙げていきます。

理由1:体力が落ちてきて疲れが取れにくくなってきた

50代になり保育士の仕事をする上で体力的な衰えを自分自身で感じてしまうシーンも増えてきます。

 

また、保育士の職業病ともいわれる腰痛も悪化してくることもあります。

 

若い頃はなんとか気力でカバーしていたことも、身体が悲鳴をあげてしまうことも少なくありません。

 

身体が悲鳴をあげている場合は、時間を抑えて働くなどの工夫が必要です。

 

昨今は働き方が多様化しており、フルタイムだけではない選択肢もたくさんあります。

 

まずは短時間の派遣保育士などから、自分の体力に応じた働き方を探っていくのも一つの方法です。

 

理由2:親の介護など家庭の事情で長時間働きづらくなった

50代の保育士となると、親も高齢になってくるなどの事情から介護が必要になってくるケースが増えていきます。

 

パートナーの転勤により勤務が困難になったり、フルタイムで働くことが難しくなるケースも増え、家庭との両立を考えた上で転職を選択する場合もあります。

 

フルタイム勤務が難しくなった場合は、雇用形態の見直しなど無理のない働き方へ転職するのも1つの方法です。

理由3:職場は若い保育士ばかりでうまく馴染めない

厚生労働省発表の「保育士の現状と主な取組」によると、職員の32.9%が30歳未満、25.6%が30代であるとされています。

 

30代までの若い世代が6割近くいる保育園では、50代になると保育の常識やジェネレーションギャップなど居心地の悪さを感じてしまうこともあります。

 

居心地の悪さが転職を考える理由の1つとなるようです。

理由4:中間管理職のような役回りを担うことが多く、プレッシャーに耐えきれない

50代の保育士は、正職員であればほぼ管理職やそれに準ずる立場であることが多くなるため、園長などの管理職と保育士の間で板挟みに悩むことも増えます。

 

若い保育士とのジェネレーションギャップを感じたり、調整をしなければならなかったりすることが増え、精神的に疲れてしまうことが辞めたいと思う理由の1つとして考えられます。

50代の保育士は責任のある仕事に体力がついていかず、やりたい気持ちとのギャップで落ち込んでしまうことも。辞めたいと感じたら体調とメンタル面の不調を観察して総合的に判断することが大切!

体調やメンタルに不調があったとしても、まだ余裕があるのであれば、まずは短いまとまった休みや短期の休職を検討しましょう。

 

その間に休みながら考える時間を作り今後のことを冷静に考えることは大切なことです。 

 

一方、体調やメンタル面が限界に近い場合は、退職にも体力がいるので、休職や退職の相談をすぐに行う必要があります。

 

もし全てにおいて限界であれば、退職代行サービスなど第三者に相談し、対応を依頼するといった方法も視野に入れるべきです。

 

長年勤めてきた保育園に対して、なかなか決断をすることができないこともあります。しかし、体や心を壊してしまっても、保育園側は何も責任をとってはくれません。

 

自分の身体と心を大切にする決断をしてください。

体調やメンタルに限界が来ているのであれば、派遣保育士として働くのも1つの方法!

腰痛などの体調の変化やメンタルの不調を感じている場合は、保育補助などのサポート的な立ち位置で働くことができる派遣保育士という働き方を選ぶのも1つの方法です。

 

保育補助であれば、「自分が率先して仕事を回していかなければならない」「子どもと関わらなければいけない」というプレッシャーがない分、リーダーや担任などの業務よりも心身の負担が少なくなります。

 

保育士の職業病である腰痛を抱えている場合でも、負担を少なくしながら働くことが可能です。

 

また、基本的に残業や持ち帰り仕事はなく、残業になったとしても15分単位など決められた時間で残業代が出るため、サービス残業などをする必要がなく、家庭や休養を優先することができます。

 

このように、派遣保育士は50代で保育士を辞めたいと考えている人にとってメリットが多い働き方です。

 

「心身の負担を少なくしたい」「50代からは自分のペースで無理なく働きたい」という方は派遣保育士を視野に入れてみてください。

50代の保育士が辞める時の一般的な流れ

退職を考えたとき、まず最初に行うことは退職の意思を伝えることです。

 

法的には退職希望日の14日前までに申告をするようになっていますが、一般的には1ヶ月程度前に申告するのが良いとされています。

 

まずは直属の上司に退職意思を伝え、その後園長に伝えます。

 

その後、保育園側から退職に関する書類等が発行されますので提出します。

 

退職日には保険証や貸与品の返却を行い退職となります。

 

一緒に働く同僚などに伝える場合は、保育園側の指示に従うようにしましょう。

 

職場の環境などに配慮して情報の解禁日を設ける保育園もあります。

 

また、引き継ぎについても、後任者が困ることのないようにできる限りしっかりと行うことで、あなた自身の今後の成長に繋がります。 

 

子どもたちや保護者へ退職を伝えるかどうかも保育園の方針によります。

 

せっかく関わりのあった方々へ直接自分から伝えたいという思いがあったとしても、今後の影響を考えて退職後にプリントなどで伝えるのみにするなど保育園側にも方針があります。

 

周囲への混乱を招かないためにも、退職についてどのように伝えるかは園長や上司に聞いてみてから進めるようにしましょう。

50代の保育士が辞めたいと思った時に抱えがちなトラブルや悩み

仕事も完全に理解し、重要なポジションを任されるようになった50代の保育士が辞めたいと考え始めると、さまざまなトラブルがあります。

 

具体的にどのようなトラブルがあるか、事前に知っておくことで対応も変わります。

 

ここからはよくあるトラブルについて解説します。

その1:任せられている仕事内容的に園が退職を承諾してくれない

50代のベテラン保育士は保育園にとっても大切な人材です。

 

そのため、退職の意思を示しても受け取ってくれないことがあります。

 

できるだけ円満に退職を考えた場合、保育園からの要望を待ちたいと考えている様子が伝わってしまうことで、園側が退職意思を理由をつけて先延ばしにしてくることもあるようです。 

 

お世話になった保育園なので、円満退職が理想ではありますが、明確に退職意思を伝えて期限を区切るなど毅然とした対応をすることも必要です。

その2:園長や管理職などとの関係が悪いため、辞めることを相談できない

退職の第一歩は園長や上司へ退職意思を伝えることですが、そもそも人間関係が悪く退職の意思さえ伝えられない、聞いてもらえない場合もあります。 

 

退職の意思を伝えられない、聞いてもらえない場合は、まずはお住まいの地域の労働基準監督署にある退職相談窓口に相談してみることをおすすめします。

 

退職に関するトラブル自体は労働基準監督署が直接介入してくれる問題ではありませんが、窓口の相談員たちは数々の退職に関する相談を受けているため、個々の状況に応じた解決手段について相談に乗ってくれるはずです。 

 

また、最近では退職代行サービスを提供している業者もあります。

 

どうしても直接の交渉ができない場合は、退職代行サービスを利用することも検討してみましょう。

その3:辞めた時の他の保育士への負担を考えるとなかなか辞められない

50代の保育士は責任のあるポジションにいるだけに、今自分が抜けてしまうことによる周囲への迷惑を考えてしまいます。

 

人員不足と言われる保育業界で、自分のポジションをそのまま引き継ぐことのできる後任保育士がすぐに採用できるわけではないことも理解しているため、辞めるということを自分のわがままのように感じてしまい、退職の相談さえ踏みとどまってしまうこともあります。

 

しかし、そういった事情は保育士一個人が考えるべきことではなく、保育園側が考えるべきことです。

 

今回だけ、自分自身の気持ちを第一に大切に考えてみてはいかがでしょうか。

その4:今後の転職や復職のことを考えると不安で退職に踏み切れない

長年同じ保育園で続けていると、ある程度今の保育園に居心地の良さも感じている方も多いでしょう。

 

また、これまでの経験の中で途中入社してくる保育士などが新しい環境に馴染むために苦労している姿を見ています。 

 

そのため、転職したり、一旦お休みをした後に保育士に復職しても同じように心地よい環境ですぐに仕事ができるとは考えられず、辞めることをためらってしまうこともあります。 

 

新しい環境に向かうとき、どんな方でも不安が全くないことはありません。

 

自分がなぜ今の環境を離れると決めたのかや、これから最終のキャリアを見据えた決断であることを自分の中でしっかりと考えておくと良いでしょう。

その5:金銭的な不安から辞めたくても辞められない

仕事を辞めるということは、収入が途絶えるということになります。

 

自分の生活はもちろん、家族やその他のことなどを考えると金銭面に不安が襲ってくることは間違いないでしょう。

 

退職後の生活を考えて十分な貯蓄を用意しておくことや、次の職場を決めてから退職するなど事前の準備をしっかりと考えておきましょう。

 

また、急な退職であってもこれまで長年勤めてきた方であれば、失業保険などの手当が支給される要件に当てはまることがほとんどです。

 

行政の制度などを事前にしっかり確認しておきましょう。

 

また、派遣保育士やパート・アルバイトのような非正規雇用の場合、即戦力ですぐに入職できる可能性もあるので、金銭的な不安があるという方は、派遣保育士などすぐに働けて、比較的すぐにお金を得られる方法を検討してみるのも1つの手です。

これまで培ったスキルや経験は一生もの!現在の体調を第一に考えて判断しよう!

50代の保育士は、保育園でもベテランと言われる立場となり、責任感があるからこそ辞めたいと言い出せないこともあります。

 

また、仕事の全体が見えているからこそ、自分が辞めた後の保育園運営を心配する気持ちもあるでしょう。

 

長年勤めた保育園には少なからず愛着もあるはずです。

 

しかし、そんな思いを持った上で、なお辞めたいという気持ちを持っている場合、退職や転職は悪いことではありません。

 

責任感や周囲の目を気にしすぎることよりも、あなた自身の本心を大切にしましょう。

 

もしも、「保育士として働き続けたいけど、体調やメンタル、家庭の事情などで働き続けるのが難しい」という場合は、柔軟に働き方を選択できる派遣保育士という働き方もあります。

 

今後の保育士としての働き方について悩んでいる場合は、まずは次の登録フォームから保育士登録をして、専任コーディネーターに現在抱える悩みなどを相談してみてください。

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