保育のコラム

保育士は産休・育休中、給料をもらえるのでしょうか?もらえるとしたらどれくらい?

2021/03/02

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結婚と夫の転勤を機に別の保育園に転職を考えています。これから妊娠や出産があることを考えて、産休や育休の取得がきちんとできる保育園に転職したいというのが希望です。

今現在勤めている保育園はしっかりと産休や育休取得の制度が整っていましたし、先輩などの産休・育休取得を見てきたので、安心していましたが、転職先ではどうなのかが不安で…。

保育士の産休や育休などはどの保育園でもしっかり取れるのでしょうか?

また産休や育休中のお給料補償などはしてもらえるのでしょうか?

安心して働く上で、産休や育休については心配になりますよね。

では、今回は保育士の産休や育休について詳しく解説していきますね。

“ずっと保育士編集部”

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

基本的に産休・育休取得はできるもの!

確かに、過去の保育業界には、「出産を機に退職せざるを得ないような職場の雰囲気」があったことも事実です。

しかし、今では、女性の社会進出が進み、産休や育休の取得が当たり前にできる保育園がほとんどです。なので、そこまで心配する必要はありません。

また、産休や育休の取得が当たり前になり、「妊娠や出産を機に退職せざるを得なくなる雰囲気」もなく、昔に比べて産休や育休制度を安心して使える雰囲気になっています。

特に保育士は女性が約9割以上の職場なので、こういった制度は昔に比べてしっかりと整備されています。

また、産休や育休中にも、100%ではありませんがお給料がでます。お給料といっても、保育園からもらえる訳ではなく国から支給される手当です。

産休中にもらえるのが「出産手当金」と「出産育児一時金」、育休中にもらえるのが「育児休業給付金」です。

給付を受けるには一定の条件があるので、それは後ほど解説しますね。

ただ、産休は義務化されているので、特に条件なく取得することができますが育休を取るためには、ある程度条件を満たしていなければならないので、その点だけ注意が必要です。

保育士が産休・育休を取れる条件とは?

産休や育休を取れる条件とはどんな条件なのですか?

産休については、「取らなければならない」と義務化されている制度なので、特に条件はなく、出産を控えた女性全てが取得できます。

育休については、次のように雇用形態によって取得できる条件が異なります。

表1:雇用形態による育休取得ができる条件の違い

正社員

・同一事業主で1年以上働いている

・1週間に3日以上勤務している

期間雇用(契約社員・パート・派遣社員など)

・同一事業主で1年以上働いている(日々雇用される者を除く)

・1週間に3日以上勤務している

・子どもが1歳6ヶ月になるまでに契約期間が満了することが明らかでない

・契約が更新される場合は、更新後の契約期間が子どもが1歳6ヶ月になるまでに満了することが明らかでない

保育士が産休・育休中にもらえる手当は、お給料と比べてどれくらい?

産休・育休中にもらえる手当は、今までもらっていたお給料と同じくらいの額なのですか?

残念ながら、お給料と全く同じとは言えません。次のような金額が支給されます。

出産手当金

出産日の42日前から出産日の56日後までの間、欠勤1日につき賃金の3分の2に相当する金額が支給されます。

出産育児一時金

妊娠4ヶ月以上で出産をした時に、健康保険の加入者、もしくは扶養家族であれば、子ども1人あたり42万円が支給されます。

なお、産科医療補償制度の対象外になる出産の場合、40.4万円が支給されます。早産や死産、流産、人工妊娠中絶も支給の対象になります。

育児休業給付金

育休に入ってから最初の180日分は、月給の67%、その後は50%が支給されます。

ただし、「また、育休前の賃金月額は44万7300円が上限のため、育休前の月給がこれ以上の金額の場合でも、44万7300円の67%もしくは50%までしか受け取ることができません。

なお、育休前の賃金が月額7万4100円を下回る場合は、賃金がいくらであっても7万4100円が給付額となります。

なるほど。思ったよりたくさんもらえるんですね。

そうですね。産休・育休中も給付金があることで、安心してお休みすることができます。

これらの制度はすべて国が運用していることもあり、保育園側の負担はなく、それもあって産休・育休が取りやすくなっているんですよ。

また、これは保育園によって様々ですが、産休や育休中に、保育園側からいくらか給料に足りない分の補填分としてお金が支給される場合もあります。

どの雇用形態でも産休・育休中にもらえる手当は同じ?雇用形態でお給料は減らない

雇用形態によっても、手当の金額は変わるんですか?

出産手当金や、出産育児一時金、育児休業給付は国の制度なので、雇用形態によって、手当の金額割合は変わりません。

ただし、手当の給付基準がこれまでのお給料を基準にするため、元々もらっていた給料によってもらえる金額は大きく変動します。

一律の支給ではないのでもらえる金額は個人によって異なりますが、雇用形態によって支給額の割合が左右するということはありません。

産休・育休中の手当の受給手続き方法と申請期間について

産休・育休中の手当はどのように受給手続きをするのでしょうか?

「出産手当金」「出産育児一時金」「育児休業給付金」の受給手続きに関しては、基本的に会社の担当者が代行してくれるのが一般的です。

勤務先の保育園や派遣元の担当者などに申請について確認しておきましょう。

申請書自体は自分で書かなければいけないので、育児休業給付受給資格確認票や育児休業給付金支給申請書などの必要書類を事前に欲しいと伝えておくのが良いでしょう。

また、受給が始まると2ヶ月ごとに追加申請が必要となります。

勤務先が自動的にやってくれる場合もありますが、個人で申請するように言われる場合もあります。

申請忘れにはくれぐれも注意してください。

育休中の「育児休業給付金」は、原則として職場復帰するまで、もしくは子どもが満1歳の誕生日を迎えるまで受給できますが、子どもが1歳の時点で以下いずれかに当てはまる場合は、受給期間を1歳6ヶ月、または2歳までに延長することもできます。

  • 保育所への入園を希望しているのに入園できない場合
  • 配偶者が死亡した場合
  • 離婚などの事情で配偶者と同居しないことになった場合
  • 病気やケガなどで養育困難になった場合
  • 6週間以内に出産予定がある場合、または産後8週間を経過しない場合

産休や育休は基本的に取得できるが!それを取りやすい園の雰囲気があるかどうかを見極めるのが大切!

産休・育休制度はわかったのですが、やっぱり取れる雰囲気があるかどうか、自分がやっていけるのかどうかが心配です。

そうですね。制度自体が整備されていても「担任の間は休まないで」とか「卒園児を前に休むなんて」など、保育士の産育休に対するマタハラのニュースなどもありました。

今後、出産や子育てを考えている方にとっては悩ましい問題です。

転職の時などにきちんと産休・育休が取れる保育園かどうか見極める方法はありますか。

保育園での面接の時に、過去の産休・育休の取得実績などを聞いてみるのが良いでしょう。実績がある保育園はきちんと教えてもらえると思います。

また、産休や育休中に国の手当や給付金以外に、独自で補償を用意しているかどうかも判断基準になります。補償を用意しているところであれば、それだけ産休や育休の取得に積極的と考えられます。

もし、「面接では聞きにくい」という場合は、私たちのような、保育士キャリアコンサルタントに相談して転職先を決めるのもおすすめです。

私たちは日頃から保育園と密なやり取りをしているため、その保育園が気持ちよく産休・育休が取れる保育園かどうかなどの雰囲気も熟知しています。なので、気軽に「この保育園は産休や育休の取得は普通にできる雰囲気なのでしょうか?」など相談していただければ、調べることもできます。

なるほど。やはりしっかりとこちら側でも転職した先の保育園で産休や育休取得に積極的な雰囲気かどうかを探っていく必要があるという事ですね。

はい。昔に比べるとそこまで気にする必要もなく、産休や育休の取得は普通にできるところがほとんどですが、ニュースなどであるように一部の保育園ではいまだにマタハラなどが現実にあるようです。そういった保育園を選ばないように、しっかりと事前に情報収集をしておくのが良いと思います。

ありがとうございます。とても参考になりました!

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