保育のコラム

保育士に必要な英語力って?保育に役立つ英語資格とは?

2021/01/04

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今、英語力のある保育士の求人が増えています。

「自分の英語力が保育士として活かせるのか知りたい」「保育士の英語力はどの程度必要なのか知りたい」「保育士としてのキャリアアップにつながるなら英語を勉強してみたい」などとお考えの方のために、ここでは保育士として働くうえで英語がどのように役立つのか、どの程度の英語力が必要なのかについて詳しく解説いたします。

“ずっと保育士編集部”

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

保育士にも英語力は必要?求められる英語スキルとは?

社会がグローバル化していると言われ始めて久しいですが、平成30年末の日本における在留外国人数は,過去最高の273万1,093人となり、前年末に比べて16万9,245人(6.6%)増加となりました。(※1)

保育現場も決して例外ではなく、全国的に見ても約半数以上の保育園に外国人の子どもが在籍しており、東京都においては約8割以上の保育園での在籍が確認されています。(※2)

また、子どもへの英語教育を希望する保護者が増えており、多くの保育園で指導要領外の英語教育を行なっています。

このように、外国人の子どもの増加と日本人の子どもへの英語教育への注目度アップを背景として、保育士にも英語力が求められる傾向が徐々に強くなっています。

保育士に求められる英語力は、仕事の内容や職場によって様々です。

通常の日本人向けの保育園であれば、定期的に訪問してくる英語講師や外国人保護者と片言でもコミュニケーションを取れることが求められますし、日常のコミュニケーションを全て英語で行うプリスクールやインターナショナルスクールであれば、一通りの日常会話ができる英語力が求められます。

保育園で英語力が活きるシーンとは?

日常生活の中で「英語が話せないと困る」というほどの切迫感がないためか、世界的に見ても日本人の英語能力は100か国調査したうちの53位となっており、残念ながら低めにランキングされています。(※3)

しかし、今後ますます加速するであろうグローバル化に対応するため、文部科学省は学校教育における「英語教育改革」を行う方針を打ち出しています。

「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を活用して、英語で実際のコミュニケーションを行えるようにより一層注力していくことになります。

これに伴い、2020年から小学3・4年生で「外国語活動」、小学5・6年生で教科として「外国語」が導入されました。

学校教育での英語習得が低年齢化したことも後押しとなり、保護者たちによる英語の早期教育熱も以前より上昇しています。

子どもたちにとって初めて英語に触れる場所が保育園であることも多くなっている中、保育士の英語力が活きるシーンを以下に紹介します。

保育園での英語教育

子どもへの英語教育を導入する保育園は急速に増加しています。

外部から英語講師を招く保育園

日常の保育は日本語で行い、定期的に英語の活動時間を設けている保育園では、多くの場合英語活動を行う時間限定で外部から講師を招き、英語教育を行っています。

外部講師は日本で生活をしているため、ネイティブスピーカーであってもある程度の日本語を話せることも多く、保育士は身振り手振りを交えて片言の英語でなんとなくのコミュニケーションが取れれば問題ありません。

また、英語の活動中に子どもたちと一緒に英語の歌を歌ったり、英語の曲にあわせてダンスを踊ったりする際に、簡単な英語で子どもをサポートしてあげられると良いでしょう。

プリスクール

プリスクールとは、日本人家庭の子どもを対象にしているものの日常のコミュニケーションのほぼ全てを英語で行う保育園です。多くの場合、認可外保育園となりますが、子どもに英語教育を早期から行いたいと考える保護者が増えていることから近年人気が上昇中です。

プリスクールの保育士として働く場合は、日常会話レベルの英会話ができることが求められます。

インターナショナルスクール

インターナショナルスクールは、基本的に日本に住む外国人の子どもを対象にしています。スクール内は外国同然ですので、英語教育というよりは日常的に全てのコミュニケーションを英語で行います。

インターナショナルスクールで保育士として働く場合は、園の方針などにもよりますが、最低でも日常会話レベルの英会話ができることが必要になります。場合によってはより高度なレベルの英語力を求められることもあるでしょう。

外国人の子ども・保護者への対応

先に述べた通り、日本における平成30年末の在留外国人数は、過去最高を記録しており、着実にグローバル化が進んでいます。

これに伴い外国人の子どもが在籍している保育園は全国的にも5割を超えており、数年前と比べて増加傾向にあります。

現時点において、日本人を対象とした通常の保育園に在籍する外国人の子どもの保護者は、一人は日本人である、もしくは日本語を理解することが多く、保育士の英語力がさほど高くなくてもなんとかコミュニケーションを取ることができているようです。

しかし、今後は両親ともに日本語を理解しない家庭の子どもが入園するケースが増えると予想され、そうした場合に備えて保育士の英語力はますます必要となるでしょう。

また、外国人の子どもを対象としたインターナショナルスクールの保育士は、子どもや保護者とのコミュニケーションを全て英語で行う必要があります。

ただでさえ文化や習慣が全く異なる日本で慣れない生活を送ることは、子どもにとっても保護者にとっても負担が大きいものです。

実際に、日本語での指導内容を理解できない子どもは集団行動をすることが難しかったり、言葉が通じないストレスから暴力的になってしまったりという問題が報告されています。

また、保護者に関しても、園からのおたよりの内容が理解できない、保育士からの伝達事項を理解できない、日本人対象の保育園の場合は他の子どもの保護者とコミュニケーションが取れずに孤立してしまうなどの問題を抱えることがあります。

このような状況に直面した際に、保育士が英語を話して子どもや保護者とコミュニケーションを取ることができれば、不安な親子の心に寄り添うことができ、日本での生活に慣れる助けとなることができます。

また、子どもたちが社会に出るころには、今よりもグローバル化が進んでいることは確実です。幼いころから国による文化・習慣の違い、考え方や人種の多様性に関する国際理解を保育士が積極的に教え、橋渡しをすることはとても価値のあることといえます。

持っていると有利!保育士に役立つ英語資格とは?

近年の保育園による指導要領外の積極的な英語教育を受けて、保育経験と英語力のある保育士の需要は日を追うごとに増えています。

保育士の英語力を証明し、持っていると有利な英語資格を以下に紹介します。

保育英語検定

保育英語検定とは、一般社団法人保育英語検定協会が行っている検定試験です。

一般的な英語の検定との大きな違いとして、保育英語検定では乳幼児と触れ合う際に使える赤ちゃん言葉や幼児言葉を含む保育英語の習得度合いを測るところにあります。検定試験はレベルごとに6段階に分かれています。

受験資格は特になく、だれでも受験可能ですが、保育士資格を持つ人が検定に合格すると「イングリッシュエキスパート保育士証」が発行され、保育英語を習得している証明になります。

表1:保育検定試験レベル別、必要な英語力の程度・試験内容等

必要な英語力の程度・試験内容等

5級

(入門レベル)

内容

初歩的な単語やフレーズを理解できているかの確認

語彙力

約200語

試験形式

筆記試験(マークシート方式)

試験時間

30分

検定料金

2,300円

4級

(初級レベル)

内容

簡単な定形型のフレーズを使って子どもとコミュニケーションが取れるかの確認

語彙力 約500語
試験形式 筆記試験(マークシート方式)
試験時間 50分
検定料金 2,800円

3級

(基礎レベル)

内容 保育英語の基礎文法を理解しているか、基礎文法をもとに子どもとコミュニケーションが取れ、保護者の簡単なトークが聞き取れるかについての確認
語彙力 約1,000語
試験形式 筆記試験(マークシート方式、リスニングを含む)
試験時間 70分
検定時間 3,300円

2級

(補助レベル)

内容 子どもや保護者とコミュニケーショが取れるか、簡単な文章作成ができるかの確認
語彙力 約2,000語

試験形式

筆記試験(記述式、リスニングを含む)
試験時間 75分
検定料金 3,800円

準1級

(実務レベル)

内容 英語で子どもや保護者との円滑なコミュニケーションが取れるか、活動のための文章作成も難なくできるかの確認
語彙力 約3,000語
試験形式

1次試験:筆記試験(記述式、リスニング・英作文を含む)

2次試験:面接

試験料金 1次試験:80分、2次試験:10分
検定料金 5,500円

1級

(専門レベル)

内容 中核的役割を担える存在となれる英語力を有しているかの確認
語彙力 約5,000語
試験形式

1次試験:筆記試験(記述式、リスニング・英作文を含む)

2次試験:面接

試験料金 1次試験:80分、2次試験:10分
検定料金 6,000円

※2020年6月現在のデータです。

TOEIC

TOEICは、仕事・日常生活などの一般的な社会生活で必要となる実践的な英語コミュニケーション能力を幅広く測定するテストです。

世界160か国で実施されており、他の英語テストに比べて社会的認知・信頼性ともに高く、一般企業でも従業員の昇進や配属、入社時の選考基準として使われています。

保育士がTOEICを取得することにも大きなメリットがあります。

採用試験の際に、広く知られた客観的な基準で英語力を証明することができること、また実際の求人の条件として「TOEIC600点以上」などのスコアを提示されることが多いため、直接的にアピールしやすい材料にすることができます。

プリスクールで働く場合は、日常会話が問題なくできるとされる600点以上、インターナショナルスクールで働くのであれば、どんな状況でも適切にコミュニケーションができる素地があるとされる730点以上のスコアがあると好ましいでしょう。

英語検定

「英検」の略称で親しまれる英語検定も信頼性が高く、高校卒業程度の英語力を証明する2級以上を取得している場合はアピール材料とすることができます。

プリスクール・インターナショナルスクールで働く場合は、準1級以上あると高い英語力を証明することができ、就職・転職の際に有利になるでしょう。

英語力を活かした求人はどこで探せばいい?

保育士の求人情報は、インターネット上の保育士専門の求人サイトなどで広く探すことができます。しかし、求人の量自体は多くはないため、求人は自分で探すよりも、希望に合った求人が見つかったら、直接問い合わせや応募をしてみると良いでしょう。

また、保育士専門のコンサルタントに相談してみるという方法もあります。「英語力を活かしたい」などの希望を直接コンサルタントに伝えると具体的なアドバイスをもらえたり、サイトではオープンになっていない求人を紹介してもらえたりすることもあるので、積極的に利用してみると良いです。

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今後保育現場での英語力がさらに求められる時代に!

保育現場もグローバル化が進んでおり、保育士にもますますの英語力のスキルアップが求められる時代になりました。

保育士が英語力を身につけることで、現在勤めている保育園での一層のキャリアアップを見込めるだけでなく、転職やブランク後の再就職に活かすことも十分可能です。

また、海外では各家庭でベビーシッターを雇い、家で保育をすることも一般的です。海外から赴任や移住をしてきた外国人家庭ではベビーシッターを希望することもあるでしょうし、今後日本人の保育に対する考え方が海外のものに近付いていくことも考えられます。

こうした中、英語力があれば、保育士として保育園に勤務するだけではなく、ベビーシッターとして働くこともできるようになり、活躍の場を広げ、働き方の選択肢を増やすことにつながるでしょう。

保育士にとって英語の習得は今後必須になっていくことが予想され、今からでも少しずつ取り組んでおけば将来のキャリアアップに役立ちます。

また、留学や海外生活の経験や英語の習得に力を入れてきたことがあり、既にある程度の英語力がある場合は、英語力を活かした転職活動にチャレンジしてみるのもおすすめです。

英語力を活かした保育士としての転職活動にご興味のある方は、ぜひチャレンジしてみてください。

※1:参考元:法務省入国管理局「平成30年末現在における在留外国人数について」

※2:参考元:公益社団法人全国幼児教育研究協会「外国人幼児の受入れにおける現状と課題について

※3:参考元:EF(Education First) EF EPI 英語能力指数 世界100か国・地域の英語力ランキング2019年版

 

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