保育のコラム

保育士が年収800万円を目指すのは不可能ではない!達成するにはどう行動すべき?

2024/04/17

国家資格だけでなく、専門知識や体力も必要なわりに、年収が低い傾向にある保育士。

保育士が年収800万円を目指すと聞くと、どのようなイメージを持たれるでしょうか。

 

「年収800万円に憧れはあるけど、さすがにムリなのでは・・・」

「いったい何時間働けばいいのか想像がつかない・・・」

 

など、いろいろ思われるかもしれません。

 

国税庁が発表する「令和4年分 民間給与実態調査統計」によると、年収800万円超~900万円以下の人は、給与所得者のうちのわずか3.3%しかいませんでした。

 

年収が800万円に到達することは、保育士に限らず、おそらく多くの人たちの憧れであり、高い収入を得ることで、より良い生活を送ることができるでしょう。

 

しかし、保育士が年収800万円を目指すには、どのような経験やスキルなどが必要なのでしょうか。

そこで今回は、保育士として年収800万円を目指すために必要な方法を解説していきます。

 

憧れの年収800万円を目指したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

保育士が年収800万円を目指すのは不可能ではない!

結論から言うと、保育士が年収800万円を目指すことは不可能ではありません!

 

しかしながら、保育士の平均年収は年々上がってきているとはいえ、日本の平均年収と比べると、まだまだ低い傾向にあります。

 

そのため、勤務先を適当に選んだり、何の専門スキルもキャリアもない状態で働き続けても、年収800万円を目指すのは難しいと言えるでしょう。

 

逆に、新しい環境に挑戦したり、専門性の高いスキルを習得したりすることで、年収800万円は夢ではなくなります。

 

そもそも保育士の平均年収はどれくらいなの?

まず、そもそも保育士の平均年収はどれくらいなのでしょうか。

 

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、男女を合わせた保育士の平均年収は「382万」でした(「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で計算)。

 

比較するために、国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」を見てみると、日本の平均年収は「458万円」となっています。

 

これらのデータをもとに計算すると、保育士の平均年収は、日本の平均年収と比べて「76万円」も少ないことがわかります。

 

保育士が年収800万円を達成する方法

ここからは、実際に保育士が年収800万円を達成する方法について見ていきましょう。

 

冒頭でもお伝えしたように、保育士で年収800万円は不可能ではありません。

ただし、保育士のフルタイム勤務だけでは達成は難しく、役職に就くことや専門スキルの習得、副業などを行っていく必要があります。

 

保育士の平均年収の2倍以上を稼ぐわけですので、決して楽ではありませんが、達成した場合は、あなたの価値は上がり、大きな自信につながることは間違いありません。

 

保育士で年収800万円を達成したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

方法1:保育士の年収が高い地域にある保育園の園長・主任になる

保育士が年収800万円を目指す方法の1つ目は、保育士の年収が高い地域にある保育園の園長・主任保育士になることが挙げられます。

 

同じ保育士という職業でも、地域によって年収に違いがあることをご存知ですか?

たとえば、大都市や児童の数に対して保育士が不足しているような地域は、年収が高くなる傾向にあります。

 

以下の「表1」は、年収が高い地域をランキング形式でまとめましたので、参考までにご覧ください。

 

表1:保育士の平均年収の高い地域ランキング

順位

地域

平均年収

1位

東京都

441万3,700円

2位

神奈川県

434万4,900円

3位

京都府

433万400円

4位

石川県

431万2,600円

5位

青森県

427万0000円

参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

 

では、保育園の最高役職でもある「園長」や「主任保育士」になった場合の平均年収を見てみましょう。保育士全体の平均年収と比較するために、下記の「表2」をご覧ください。

 

表2:園長・主任保育士・保育士全体の平均年収

役職

平均年収

園長

697万円

主任保育士

476万円

保育士全体(男女計)

382万円

参考①:子ども家庭庁「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査

参考②:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

 

子ども家庭庁「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」によると、園長になった場合の平均年収は約「697万円」、主任保育士になった場合の平均年収は約「476万円」となっています。

 

保育士の平均年収「382万円」に対して、園長になれば約1.82倍、主任保育士で約1.25倍の年収アップとなります。

特に公立保育園の園長になれれば、平均年収が700~750万円となり、年収800万円にずいぶん近づくのではないでしょうか。

 

ただし、子ども家庭庁「処遇改善等加算IIの仕組み」によれば、園長の平均勤続年数は24年、主任保育士の場合は21年となっています。

経験年数は特に定められていませんが、相応のキャリアを積み重ねる必要があるでしょう。

 

方法2:副業をする

2つ目の方法は、副業をすることです。

 

公立保育園で働く保育士は公務員となるため、副業が禁止されていますので注意しましょう。

私立保育園の保育士は、勤務する保育園によっては副業がOKなところもありますが、必ず就業規則を確認するようにしてください。

 

副業は、原則として一定の金額以上(年間収入と所得の合計が20万円を超える場合)を稼いだ場合は「確定申告」が必要になります。

 

 確定申告をすると、副業をした収入分が加算されて、所得税や住民税の金額が増えます。

そのため、住民税の金額で保育園側に副業がバレてしまう可能性が高くなることも念頭に置いておきましょう。

 

保育士としての本業がある以上、副業をするには日ごろからの体調管理がとても大切です。

特に保育士は、子どもの命を預かる責任の重い仕事。副業をしたことで体調を崩してしまい、本業に支障をきたしては本末転倒です。

 

自分自身としっかり向き合い、無理のない範囲で副業を行いましょう。

 

方法3:専門性の高いスキルを習得する

3つ目は、専門性の高いスキルを習得することです。

 

ただし、取得する資格は、保育に関連するものや需要のあるものに限ります。

関係のない資格や、需要のない資格を取得しても評価されず、手当が増えることはほとんどありません。

 

保育園や保護者に求められている資格を取得することで、保育園にとって必要な人材と見なされ、年収アップできる可能性が高まります。

 

くわえて、難易度が低い資格も避けた方がよいでしょう。難易度が低いということは、誰でも取得しやすい資格ということです。

 

そのため、保育士で年収800万円を目指すのであれば、需要がありながら難易度が高く、簡単には取得できない資格を選ぶ必要があります。

 

そして、資格を取得したからといって、現在勤務している保育園が必ず給料をあげてくれるとは限りません。

場合によっては、取得した資格を持つ保育士を欲している保育園に移るということを考える必要もあります。

 

いずれにせよ、まずは勤務している保育園と相談した上で資格取得を目指しましょう。

 

以下の「表3」では、保育士の年収を上げるためにオススメの資格をまとめましたので参考にしてみてください。

 

表3:保育士にオススメの資格

資格

理由

幼稚園教諭免許

・保育園と幼稚園の機能をもった「認定こども園」への移行が進んでいます。

 

・保育士資格と幼稚園教諭の免許の両方を取得している「保育教諭」が今後の主流となっていくことが考えられます。

 

臨床発達心理士

・臨床発達心理士とは、子どもから高齢者に至るまで、心の問題を支援できます。

 

・保育業界では、子育て支援や、発達障害を持つ子どもへのサポートなどの需要が高まっています。

 

・需要の高さから、活躍の場が広がると同時に、昇格や昇給が見込めます。

 

・受験資格は厳しく、資格取得までの難易度は高いです。

 

リトミック指導員

・リトミックとは、音楽を通して子どもの感性や表現力を育てる教育です。

 

・近年、導入している園や保護者からの希望も増えて需要が高まっています。

 

・ほかの保育士に対して指導を行うことができ、保育園側としても資格手当を払ってでも欲しい人材となりそうです。

 

幼児教育・保育英語検定(幼保英検)

・グローバル化に伴い、英語教育を行う保育施設が増えてきています。

 

・保護者としても、子どもの頃から英語に慣れ親しんでほしいとのことから需要が高まっています。

 

・保育士として英語ができることで、外国人が多い地域では、保護者とのコミュニケーションなどで重宝されるでしょう。

 

社会福祉士

(ソーシャルワーカー)

・日常生活が困難で、サポートが必要な子どもがいるときなど、保護者に対して適切なアドバイスや支援を行うことができます。

 

・受験資格は厳しく、合格率も低いので、難易度が高い資格になります。

 

モンテッソーリ教員

・モンテッソーリ教育は、プロ棋士の藤井聡太さんをはじめ、世界の著名人たちも受けていた教育方法です。

 

・子どもの自主性や集中力、柔軟な対応力を育てることができることで注目が集まっています。

 

・導入している園は今のところ限られていますが、子どもの教育のためなら教育費をいとわないと考える教育熱心な親が多く、資格を持つことで、貴重な人材となるでしょう。

 

 

方法4:保育関連の一般企業に転職する

4つ目の方法は、保育関連の一般企業に転職することです。

 

保育士だからといって、必ずしも未就学の子どもを対象にしなければいけないわけではありません。

保育士資格を取得する上で学んだ知識や、実際の保育の現場で積み上げてきた経験は、保育関連の一般企業に身をおくことでも大いに活かすことができるでしょう。

 

ただし、ふつうに転職するだけではなく、必ず役職に就くことが必要です。

役職に就いて役職手当をもらうことで、給料を一気に引き上げることができ、年収800万円を目指すことが可能となります。

 

そのためには、リーダーシップ能力やコミュニケーション能力、円滑な協力関係を築く能力などが必要ですが、今まで保育士として培ってきた経験があなたの助けてくれるはずです。

 

以下の「表4」は、年収800万円を目指すためにオススメの業種を紹介しますので、参考にしてみてください。

 

表4:保育士関連のオススメの業種

業種

理由

保育用具の商材メーカー

・子どものための玩具や絵本など、保育に必要な用具を販売するメーカーであれば、保育の現場で働いてきた保育士の経験はとても参考になります。

 

・子どもの喜ぶポイントや危険な部分などを熟知しているため、商品開発として重宝される可能性もあります。

子ども服のアパレル企業

・保育の現場に関わってきた経験から、子ども服としての機能やデザインなど商品開発としての意見を反映させることができます。

 

・店内での接客では、保育士時代で培ってきた保護者への対応力が活きてきます。

 

・子どもの気持ちも、親の気持ちも理解できるので、企業として重宝される可能性が高いです。

写真館

・泣いている子どもをあやしたり、子どもの笑顔を引き出したりする必要がある職場なので即戦力として活躍できます。

子ども向けの教室

・幼児教室やピアノ教室、書道教室などで保育士の能力が活かせます。

 

・子どもにわかりやすい言葉で説明をしたり、子どもの好奇心を引き出したりするスキルが役立ちます。

 

方法5:運営会社の本部スタッフとして働く

最後の5つ目は、保育園運営会社の本部スタッフとして働くことです。

 

保育園運営会社とは、その名の通り保育園を運営するための会社のこと。

一般企業と同じように、営業や人事、事務など、保育園の運営をサポートするための仕事もあれば、系列の保育園を巡回しながら保育士として働く場合もあります。

 

運営会社の本部スタッフとして働けば、保育士の経験を活かして保育現場での課題を解決したり、人事や職員の教育に役立てたりできるでしょう。

 

ただし、運営会社の本部スタッフになるだけでは年収は増えません。

保育関連の一般企業に転職する場合と同じく、役職に就くことで年収800万円の道が開けるようになります。

 

年収800万円を目指すためには、新しい分野や環境に挑戦することが重要!

いかがだったでしょうか?

 

保育士が年収800万円を目指せるかという問いに対しては、一概に断言しづらく、誰もが目指せるわけではありません。

 

しかし、役職への昇進、副業、専門スキルの習得、働き方の変更などの方法を通じて、年収を上げることは可能です。

 

いずれにせよ、保育士としてフルタイム勤務するだけでは、年収800万円を手にすることはかなり難しいでしょう。

そのためには、積極的に新しい分野や、新しい環境に挑戦することが重要になります。

 

けっして簡単な道ではありませんが、挑戦することで自分自身の価値を大きく高めることができるでしょう。

年収800万円を目指す方は、この記事を参考にしてトライしてみてください!

 

 

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