保育のコラム

職場の雰囲気が悪く、保育士初日なのに不安でたまりません。初日で辞めることは可能ですか?

2023/07/27

保育士として就職した初日から辞めたいと悩む保育士は、少なくないと聞きます。

 

保育士に憧れて資格を取り、晴れて就職、出勤初日は期待に胸をふくらませてワクワク、のはずが……

「思っていたのと違う」「初日からつらい」などの気持ちが芽生えて「初日だけど辞めたい」と悩むようです。

そもそも初日で退職する事は可能でしょうか?

ここでは、初日で「辞めたい」と悩んだ時どう行動していくべきか、保育士が初日で退職する事は可能なのかについて解説いたします。

 

保育士を初日で辞めたいと感じる主な理由

 

保育士を目指したほとんどの人は、保育士に憧れを持ち、頑張って受験して養成校へ進学し、卒業して保育士資格を取得しています。

にもかかわらず、「辞めたい」とまで思ってしまう理由とはなんでしょうか?

初日で辞めたいと感じる主な理由を見てみましょう。

 

理由1:職場の雰囲気が悪い

 

面接や受験段階ではなかなかわかりづらいのが、こういった理由です。

子どもたちに対して、行き過ぎた厳しい指導やキツイ物言いをする保育士や、多忙で余裕がないためか常にイライラしている保育士が、残念ながらいます。

そういった雰囲気は、子どもたちが伸び伸びできず、職員もピリピリしがちで園全体を暗くしてしまいます。

期待でいっぱいの保育士としては、入った初日でそれらを察知し、理想と現実のギャップにがっかりしてしまう感情もあるでしょう。

 

理由2:人間関係が悪い

 

人間関係の良し悪しは、前述した職場環境の良し悪しにも関連してきます。

保育士が長く働く条件として、誰と一緒に働くか、ということは非常に大事な要素となるでしょう。

例えば、園長と主任が対立している、園長が現場の事をわかっておらず、園長と保育士が対立している、派閥がある、こそこそ陰で悪口を言っている文化があり同調できない、など、人間関係が悪い場合、初日で「辞めたい」と思わざるを得ません。

 

理由3:先輩保育士からの当たりが強い

 

新人保育士を温かく迎える雰囲気の園ではなく、先輩保育士が冷たい、またはキツイなどの場合、新人保育士にとっては居場所がないと感じるでしょう。

たとえ、それが指導の一環だとしても、やる気をそぐような言動や行き過ぎた厳しさは、適切ではありません。

また、新人保育士に対して、自分が新人だったころの事はすっかり忘れてしまい、「そんなことも出来ないの?」「そんなことも知らないの?」といった態度で、何かとあたりが強い保育士も残念ながらいます。

 

本来ならば、保育士1年目ましてや初日は、知らなくても当たり前、出来なくても当たり前、これから経験を積んで一人前になっていくのですが、初日からそのような態度を取られてしまうと、「辞めたい」と悩みます。

 

理由4:モンスターペアレントがいる

 

初日でいきなりモンスターペアレントに出くわしてしまうと、「辞めたい」と思わざるをえないでしょう。

大事な子どもを預けるのですから、いろいろと要望があるのは当たり前です。

しかし、時に理不尽なクレーム、無茶な要望を言ってくる保護者がいるのも事実です。

これらは、経験を積んでいくうちに適切な対応が出来るようになるのですが、新人のうちはどう対応したら良いのか、まったくわからなくて当然です。

 

また、保護者との信頼関係を積み重ねていくにも経験が必要になります。

新人保育士、ましてや初日では、これから関係構築をしていくわけです。

保護者も、新しい先生や若い先生は不安、と考えている可能性もあります。

そのため、なにか問題が起きた時は、先輩保育士や園長などに相談しながら園として対応していくのが望ましいです。

1人で抱え込まずに、共有しましょう。

 

そもそも保育士を初日で辞めることはできる?早期退職は可能?

 

そもそも、保育士は初日で辞める事は出来るのでしょうか?

年度単位で物事が動く保育士の業務では、1年は退職できないのでは?と不安になりますね。

結論から言えば、早期退職は可能です。

 

退職は労働者の権利!早期であっても退職できる

 

保育士も労働者です。

そして、退職は労働者の権利であり、早期であっても希望すれば退職できます。

保育士だから辞められない、という事はありません。

 

民法第627条により、退職の自由は労働者の権利として定められています。

退職の意思表示をしてから2週間経過すれば雇用関係が終了します。

 

もしも保育園側に、退職を認められなかったとしても強制力はありません。

保育士もまた、他業種と同様に法律に守られていますので、退職の意思が固まった際は、法律にのっとって、正しい手順を踏んで手続きすれば、退職する事が可能です。

 

無断で音信不通になるのはNG!必ず手順を踏んで退職しよう

 

ただし、無断で音信普通になるのはNGです。

良く言う「バックレ」など、突然無断欠勤し、連絡手段を断つ行為は絶対にやってはいけません。懲戒解雇処分になる、離職票をスムーズに発行してもらえなくなるなどの可能性があり、今後の転職活動に悪影響を及ぼすなどリスクが大きいからです。

 

また、横繋がりでの情報交換がないとは言い切れないため、突然辞めたことなどが知られてしまうと、同業種での転職は難しくなる、転職できたとしても転職先で冷たい目で見られるなど、今後のあなたの人生に大きく影響してしまいかねません。

必ず手順を踏んで退職しましょう。

 

保育士を初日で辞めると、今後の転職や保育士キャリアへの影響はある?

 

保育士を初日で辞めると今後の転職や保育士キャリアへの影響があるだろうか?と不安に思う保育士は多いでしょう。

結論から言うと、ほとんど影響はないと言えます。

 

なぜなら、保育士のニースは高まっている世の中で、人手不足の園も多いため、求人は常にあるからです。

初日で辞めたという事は、まだまだ伸びしろが多いにあるととらえる保育園もあるでしょう。

 

また、保育士を辞めたいわけではなく、今の保育園は合わないと感じて辞めるのであれば、あなたに合う保育園に出逢える可能性も高いと言えます。

保育士転職エージェント等に相談して見るのも良いかもしれません。

 

初日で辞めた理由を聞かれた時に、前向きな理由を答えられるかがカギ!

 

ただし、転職活動の際「なぜ初日に辞めようと思ったのか?」は必ず聞かれるでしょう。

相手は、「採用してもまたすぐやめてしまうのではないか?」「この人に問題はないのか?」という懸念があるかもしれません。

その時にポジティブな印象があれば懸念点は払拭されます。

つまり、初日で辞めた理由を聞かれた時に、前向きな理由を答えられるかがカギとなります。

 

マイナスの回答

プラスの回答

人間関係や園の雰囲気が合わないと感じた。

〇〇に力を入れている、〇〇といった保育方針を打ち出している保育園で経験を積み重ねてみたい。(転職先の方針や得意分野にチャレンジしてみたい気持ちをアピール)

1日の業務量が多すぎて、覚えられない、ついていけないと感じた。

小規模の保育園で、アットホームな環境の中、一人一人の子どもとじっくり向き合って保育してみたい。

 

<参考記事>

保育士1年目で転職しても大丈夫ですか?その後に影響はありますか?

 

保育士を初日で辞める場合によくあるトラブルと対処法

 

ここで、保育士を初日で辞める場合に想定される、よくあるトラブルについて対処法と合わせて紹介していきます。

 

<1>初日で辞めることへの自責の念から退職を踏みとどまってしまう

 

初日で辞めることは、いけない事なのではないかと自分を責めてしまい、踏みとどまってしまう例です。

多くの保育士は「たった1日で辞めたいと思うなんて」「もっと我慢強くないといけない」「こんな私はダメな人間だ」「保育士に向いていない」などと、自責の念に駆られます。

 

そんなことはありません。

多くの場合、初日から「嫌だな」と思ってしまう園の環境・雰囲気は、保育園側に原因があります。

 

我慢して続けていてもあなたがますますつらくなるばかりです。

この先病気になってしまうかもしれません。

初日に「嫌だ」と思ったのは、直感が「ここはダメだ」と知っているのかもしれません。

心の声に従って良いのです。

 

<2>園から退職に必要な書類を発行してもらえない

 

残念ながらこういった園の事例もあるようです。

人手不足から、引き止めを行うのです。

しかし、前述したように、法的にはあなたが退職の意思表示をすれば、保育園側は対応するしかありません。

保育園側にはなんの強制力もないので、場合によっては労働局や労働基準局に相談する、という手もあります。

お住まいの地域の相談窓口を調べてみてください。

 

<3>人間関係が悪く、上司や園長に相談できる状態ではない

 

初日から上司や園長と気まずいまま終わった、人間関係が悪い、など、上司や園長に相談できる状態ではないケースがあります。

 

このようなケースでは、経営主体によっては、それより上の幹部に直接相談する、などの方法があります。

例えば、いくつかの保育園を経営する株式会社や社会福祉法人であれば、雇用主は園長ではなく法人です。

そういった体系だと、本社や本部に相談窓口がある場合もあります。

 

また、退職代行サービスを利用するのも1つの手です。

 

<4>「初日で辞めるなんて…… 」と嫌味を言われる

 

「初日で辞めるなんて……」と嫌味を言われるのはよくあるケースです。

「初日で辞めるとどこへ行っても続かない」「あなたのためにならない」などと言われることでしょう。

本当に愛のある厳しい意見であれば良いのですが、多くはそうではありません。

このような言葉はスルーする強い気持ちでいましょう。

初日で辞めたくなるような空気を作ってしまっている、園側にも責任はあります。

 

<5>今後の転職先や金銭関係の不安から退職をしたくてもできない

 

「初日で辞めるのは今後の転職に不利なのではないか」「生活費はどうする?」といった不安から、退職をしたくても出来ない保育士は多いでしょう。

しかし、転職に関してはさほど悪影響はありません。無理をしてこのまま続けていれば、メンタルや体を壊して療養を余儀なくされ、復帰に時間がかかってしまう可能性が大いにあります。

 

金銭面に関しては、家族がいるなら相談してみましょう。

しばらく生活がなんとかなるのであれば、転職活動は焦らずじっくりできます。

1人の場合でも、ご実家等に相談してみましょう。

 

保育士を初日で辞める一般的な流れ

 

保育士を初日で辞める場合の一般的な流れを解説いたします。

 

退職を考えた時に、最初に行う事は退職の意思を伝える事です。

 

もしも無理な時は退職代行サービスを利用するのも手です。

まだ精神的にも体力的にも余裕があるのであれば、自分で順序だてて行います。

 

まずは直属の上司である主任保育士などに退職意思を伝え、その後園長に伝えます。

 

その後、保育園側から退職に関する書類等が発行されますので提出します。

退職日には保険証や貸与品の返却を行い退職となります。

 

法的には退職希望日の14日前までに申告をするように法律で定められていますので、初日に退職の意思を伝える場合、2週間後が退職日となります。

 

ただし、どうしてももう出勤できないという状況が考えられます。

第628条では「やむをえない事由がある時は直ちに契約の解除ができる」と定められています。やむをえない事由とは、本人の病気やケガ、家族の介護などです。

もう出勤できないとなった場合は申告しましょう。

初日となると、継続して勤務した場合と違って医師の診断書を取るには難しいかもしれません。

しかし、1日でぐったりした、精神面でダメージを受けたなどと、正直に主任や園長に伝え、意志が固い事を見せましょう。

 

一緒に働く同僚や先輩に伝える場合は、保育園側の指示に従うようにしましょう。

職場の環境などに配慮して情報の解禁日を設ける保育園もあります。

 

子どもたちや保護者へ退職を伝えるかどうかも保育園の方針によります。

直接自分から伝えたいという気持ちがあったとしても、保育園側の指示に従います。

周囲への混乱を招かないためにも、退職についてどのように伝えるかは園長や上司に確認してから進めるようにしましょう。

 

自分に合わない環境で無理をして働く必要はない!辞めたいと感じたら早めに退職手続きを進めよう!

 

自分に合わない環境で無理をして働く必要はありません。

あなたは保育士に向いていないのではなく、きっと真面目で優しくて責任感があるのでしょう。

だからこそ、悩むのです。

 

あなたは保育士を辞めたいのではなく、今の環境が合っていないだけ。

このまま我慢して働いていると、心と体のバランスを崩してしまうかもしれません。

辞める事は逃げる事ではありません。

傷が浅いうちに、「辞めたい」と感じたら早めに退職手続きを進めましょう。

 

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