保育のコラム

保育園で使える1歳児におすすめの室内遊びアイデア10選

2020/11/03

1歳児の室内遊び

1歳児は、目にするもの耳にするもの全てが新鮮で、好奇心いっぱいです!

そんな1歳児の保育に、好奇心を上手に刺激する室内遊びを取り入れることで、想像力、集中力、豊かな感情、身体の動かし方など様々な成長を促すことができます。

また、保育中にお散歩や外遊びができない雨の日、日差しの強い夏、寒さの厳しい冬などは、積極的に室内遊びを行うことで、退屈することなく楽しい1日を過ごすことができます。

今回の記事では、1歳児の特徴を踏まえたうえで、クラスのみんなで楽しめて、なおかつ元気で快活に成長するきっかけになる室内遊びについてご紹介します。

“ずっと保育士編集部”

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

1歳児の室内遊びのねらいとは?

1歳児になると、一人で立つ、一人歩きができるようになるなど徐々に行動範囲が広がってきます。また、1語~2語の言葉を発することができるようになり、大人とのコミュニケーションが取れるようになってきます。

感情も表情もますます豊かになり、赤ちゃんから子どもへと成長するのが1歳児の特徴ですが、同じ1歳でも子どもの月齢によりできることが大きく異なることも確かです。

よく学び、よく眠り、よく遊ぶこの時期の室内遊びは、次のような成長を促すのがねらいです。

  • 成長1:友達や先生とのコミュニケーションの取り方を覚える
  • 成長2:順番を守るなど遊びのルールを覚える
  • 成長3:徐々に自由に動かせるようになってきた身体の動かし方を体得する
  • 成長4:身体を動かす楽しさを知る
  • 成長5:新しい言葉を吸収する
  • 成長6:手指の細かい動かし方を覚える

1歳児の成長を促す室内遊びってどんな遊び?

1歳児の成長を促す室内遊びは、大きく分けて2種類あります。

「体を動かして細かい動作をできるようになること」を目的とした運動能力を育むものと、「頭を使って言葉や数字を覚えること」を目的とした知能の発達を促すものです。

この2つをバランスよく取り入れて好奇心をくすぐることで、1歳児は多くのことを楽しく学ぶことができます。

運動編&保育園でできる!1歳児向け室内遊びのアイデア

運動系の遊びの効果は、走ったり跳んだりなど思いきり身体を動かすことによって、子どもの身体能力を高めることです。

以下に、運動系の室内遊びのアイデアを5つ紹介します。

<1>リズムに合わせて!「リトミック」

リトミックとは、音楽やリズムに合わせて、身体を動かし、表現をすることを特徴とした音楽教育です。

リトミックには以下の3つの効果があり、運動能力だけでなく精神面でも成長を促すことができます。

  • 効果1:音楽を通じてリズム感と俊敏性を向上させる
  • 効果2:友達や保育士と一緒に取り組むことで、コミュニケーション能力や協調性を養う
  • 効果3:音楽に合わせた動きから想像力・表現力・集中力を鍛える

1歳児がリトミックに取り組む際には、それぞれの月齢に応じて、音楽に合わせて身体を揺らす、手をたたく、ジャンプする、大人の真似をするなど、自由に身体を動かし、楽しめるように工夫をすると良いでしょう。

<2>ビリビリ破ろう「新聞遊び」

手に入れるのが簡単な新聞を使って、多彩な遊びができます。

1.新聞をビリビリ破る

一見なんでもなさそうな新聞を破るという遊びですが、1歳児にとっては刺激がいっぱいです。ビリッ!と破るときの快感を味わうのと同時に、手首のトレーニングにもなります。

2.新聞紙をくしゃくしゃに丸める

破いたときの音とは違う音を楽しむことができます。また、大きな新聞紙が丸められて小さくなっていく様子も子どもには大きな発見になります。

3.道具づくり

新聞紙を折って道具を作ることができます。簡単につくれる道具を保育士が作る様子を見せて、園児が真似をできるように促してみましょう。不器用でも自分で道具をつくることができると、大きな達成感を味わうことができます。

4.散らかった新聞をみんなでお片付けする

新聞で思う存分遊んだ後は、大きめのポリ袋などに散らかった新聞紙をみんなで集めて、お片付けも楽しみましょう。「競争だよ!」「だれがたくさん集められるかな?」などと声をかけるとますます楽しそうですね。最終的に集めた新聞をひとつの大きなボールにすると、達成感も味わえます。

<3>歩いてすべって「サーキット遊び」

1歳児の室内遊び

サーキット遊びとは、マットやフラフープなどの障害物を並べたコースを子どもたちが回る遊びです。

雨の日でも思い切り体を動かせて、子どもたちに人気の遊びの1つです。

マットを置いて床に高低差をつける、フラフープを床に立ててくぐってもらう、三角コーンを置いてジグザグに歩いてもらうなどを組み合わせて、オリジナルのサーキットコースをつくれます。

毎回コースに変化を加えることで、室内であってもさまざまな動き方や遊び方を楽しむことができます。

注意点としては、1歳児の子どもたちが転んだり、足を滑らせてケガをしないように、必ず保育士が子どもの近くで目を配るようにしましょう。

また、適宜保育士から「気を付けてね」などの注意を促す声かけをすることで、子どもの注意力を高めることにもつながります。

<4>遊び方は無限大「マット遊び」

動きが活発になってくる1歳児にとって、マット遊びは全身を使って楽しめる運動遊びです。

マットの上では、子どもが自由にハイハイするも良し、また寝っ転がってコロコロと回転するも良し。存分に動き回らせてあげましょう。

また、マットをたるませてトンネルを作り、その中をハイハイしてくぐったり、マットの下に箱などを置くことで高さを出し、傾斜をよじ上るのも楽しいです。

前述のサーキット遊びとも組み合わせやすいですね。

注意点としては、ホールや部屋の中心部などの広い場所を確保し、周囲に何も置いていない状態で安全に配慮して行うことです。

また、怪我のないように必ず保育士の目の届く範囲で行い、側でサポートしてあげるようにしましょう。

<5>簡単だけど夢中になる「フラフープにボール投げ」

保育士がフラフープを持ち、子どもがフラフープの輪の中にボールを投げます。

とても単純な遊びですが、フラフープの位置を低くしたり高くしたり、床に水平に持ったり垂直にしたり、とバリエーションはいろいろです。

シンプルでわかりやすいゲームなので、1歳児も夢中になって遊んでくれます。手軽にできて、子どもの集中力も磨ける室内遊びです。

ゲーム編&保育園でできる!1歳児向け室内遊びのアイデア

1歳児向けのゲーム性のある室内遊びには、指先や全身を使って遊びを楽しむ、遊びの中で言葉を発することでの言葉の意味や使い方、また数の数え方を覚えられるという効果が期待できます。

こちらではゲーム遊びを5つ紹介します。

<1>大きなわっかで!「輪投げ」

ペットボトルやトイレットペーパーの芯を立てて標的に見立て、輪投げゲームをしてみましょう。

わっかは新聞紙やチラシを細長く丸めたものをテープで丸めて作れば良いので、廃材を有効活用して手軽に行うことができます。

1歳児になると、物をつかんで離すという動作ができるようになってくるので、輪投げゲームをすることで、さらにこの能力を伸ばすことができます。

ペットボトルを的にする場合は、水や砂、ビー玉などを入れて重くすると、わっかが当たっても倒れにくくなります。

子どもたちと一緒にペットボトルの側面を画用紙やモールで飾り付けして、かわいらしい的を作るのも良いですね。

最初は子どもたちに近い距離から輪を投げてもらい、慣れてきたら徐々に離れたところから投げたり、入れた数を競い合ったりしてみても良いでしょう。

このゲームは、1歳後半くらいからを目安に楽しめます。

<2>手先の感覚を育む「つかみ取りゲーム」

中身の見えない箱に手を入れて中のものを取る「つかみ取りゲーム」をしてみましょう。身近なものを使った、手軽に楽しみやすいゲーム遊びです。

手順は以下を参考にしてみてください。

  • 手順1:まずは箱を作成しましょう
  • 手順2:箱の上部分を手が入るくらいの大きさに丸く切り取ります
  • 手順3:箱をカラフルに飾り付けます。側面にも穴をあけて、セロハンやビニールで埋めるのも良いですね!
  • 手順4:箱の中に「つかみ取りするもの」を入れます。ビー玉やスーパーボールなどの既製品でも良いですし、工作で作ったキャンディー・宝石の他に、ペットボトルのふたを二つビニールテープでくっつけたものでも良いでしょう
  • 手順5:つかみ取りして遊びましょう!

つかみ取りするものは景品にすることもできますし、取った数を数えて競うこともできます。バリエーションを広げやすく、みんなで盛り上がって楽しめるゲームです。

<3>ハイハイでくぐろう!「フラフープくぐり」

フラフープを使って、保育士と子どもが協力する素敵なゲームができます。

やり方は以下の通りです。

  • 手順1:チームにわかれ、子ども、保育士、子ども、保育士の順番に手をつないで横一列になる
  • 手順2:端の人からフープをくぐって隣の人にフープを渡す
  • 手順3:隣の人はそのフープをくぐってさらに隣の人に渡す(※この時、手はつないだままにします)
  • 手順4:先にゴール側のひとにフープが渡ったチームの勝ち!

自分がフープをくぐり終わった後も、隣の人がフープをくぐりやすいように協力してあげるのがポイントです。

その際に声を掛け合って助け合うので、協力することの大切さを学ぶこともできますね。

チームを分けずに、ひとつの輪になって行うこともできます。

<4>手をたくさん使って!「粘土遊び」

粘土で作品を作って一緒に遊ぶことも、子どもたちの想像力が発揮されるのでおすすめです。

子どもが好きなものを作っても良いですし、保育士が作ったお手本を見ながら子どもが粘土作品をつくっても良いですね。

でき上がった作品を使ってお友達と一緒に遊ぶ、家に飾って鑑賞するなど、さまざまな使い方ができます。

注意点としては、子どもが粘土を食べないようにすることです。

粘土の中には、万が一お子さんが口に入れてしまっても心配ないように、お米で作られたものもあります。

また、小麦粉粘土は手作りもでき、口に入れても問題ありません。但し、小麦アレルギーの子どもがいる場合は使用しないほうが良いでしょう。

<5>歌に合わせて体を動かす「手遊び歌」

手遊び歌とは、手を動かしながら歌を歌って楽しむ遊びです。

道具を必要としないうえに、5つの優れた点があります。

  • 優れた点1:指先を動かすので脳の発達によい
  • 優れた点2:体を動かすことでリズム感が身につく
  • 優れた点3:反射神経が養われる
  • 優れた点4:言葉を覚えるきっかけになる
  • 優れた点4:場所を問わずにできる

子どもの成長にもメリットが多い手遊び歌を3つ紹介します。

グーチョキパーでなにつくろう

グーチョキパーの3種類の指の動きを駆使して、カタツムリ、かに、ちょうちょうなど、子どもたちに馴染みのあるものを作っていく手遊びで、創造性を養うきっかけにもなる手遊びです。

グーチョキパーの手の動きは、まだ指先の発達が完全ではない子どもたちにとって、想像以上に難しいものです。グーチョキパーをひとつずつ覚えていく練習にはぴったりの手遊びで、左右異なる指の動きも、脳の発達には良い影響を及ぼします。

月齢の高い子どもには、手遊びをしながら「次は何を作る?」と尋ねてみても良いでしょう。子どもたちの口からは、大人が思いもしないようなものが飛び出てくるので、さらに遊びを膨らませて楽しめます。

まだ会話がままならない子どもでも、「あれをやりたい!」という意思は持っています。伝えようとしていることを、声や口の動き、今までの遊びの中での様子を思い浮かべながら、引き出してあげられると良いですね。

大きな栗の木の下で

体全体を使う手遊びです。老若男女幅広い世代が知っている歌なので、初めてでも歌いやすく、家に帰ってからも家族と一緒に楽しめます。

大きな栗を両手で作りながら、あたま、肩、膝とタッチしていく覚えやすいリズムだけでなく、保育士と子ども、または子ども同士で目を合わせながら楽しめるのも魅力です。

月齢の高い子どもは自分で手を動かして遊べますが、まだ月齢の低い子どもは、保育士の膝に乗せて、保育士が子どもの手や腕を持って動かしてあげましょう。

むすんでひらいて

「むすんでひらいて……」と歌に合わせて、両手をグーにしたりパーにしたりする手遊びです。

おもにグーとパーの繰り返しなので、月齢の低い子どもでも楽しんでできます。

「その手を上に……」「その手をおしりに……」など、手を上下に動かしたり体の部位につけたりすることで、飛行機やおさるさんなど、いろいろなものになりきってごっこ遊びにすることもできます。

手遊びにごっこ遊びが加わることで、子どもの空想力が存分に発揮されて、さまざまな変身を楽しみながら遊びを広げていけます。

この手遊びも、「どうする?」「何になる?」などの会話をしながら、子どもたちの想像力を膨らませる手助けをして、どんどんアイデアを引き出してあげましょう。

1歳児の室内遊び

今回の記事では、保育園や幼稚園で取り入れられる1歳児向けの室内遊びのアイデアを、ねらいとあわせて紹介しました。

1歳児は、0歳児よりも全身を使って遊ぶようになる時期なので、さまざまなものに興味や関心を抱くようになってきます。

また、保育士や友達の動作を真似することも上手になってきます。

このコラムで紹介した運動遊び、ゲーム性のある遊びや手遊びを取り入れて、雨の日や夏の暑い日、冬の寒い時期なども子どもたちと一緒に楽しんでみてください。

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