保育のコラム

40代保育士の年収はどれくらい?統計を元に男女・規模別の年収を解説

2024/04/12

肉体的に疲れを感じやすくなってきたり、保育の仕事以外にも悩みを抱えることが増えてきたりする40代。

年収に関しても、周りの保育士がどのくらいもらっているのか、気になるところではないでしょうか。

 

「40代保育士の平均年収ってどれくらいなの?」

「今より年収を上げたいけど、何か方法はあるの?」

 

など、生活に関わることだけに疑問がたくさん浮かんでくると思います。

 

そこで今回は、40代保育士の平均年収をさまざまな角度で比較しながら、年収を上げる方法についても紹介していきます。

40代保育士として年収が気になっている方、今より収入を上げたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

40代保育士の平均年収は434万7,050円

厚生労働省が発表している「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、40代保育士の平均月給・平均年収は以下の「表1」の通りになります。

 

同じ40代でも、前半の40~44歳、後半の45~49歳に分けて記載し、前半・後半を合わせた平均年収は「434万7,050円」となりました。

ご覧いただくと、40代前半の方が月給で1万7千円ほど、年収で17万円ほど多いことがわかります。

 

表1:40代保育士の平均月給・平均年収(男女計)

年齢

月給

年収

40〜44歳

29万8,400円

443万5,700円

45〜49歳

28万1,000円

425万8,400円

参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

※年収は「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で計算

 

男女別の平均年収

次に、40代保育士の平均月給・平均年収を、男女別に分けて下記の表にまとめました。

「表2」が40代の男性保育士、「表3」が40代の女性保育士になります。

 

まず、40代の男性保育士から見てみましょう。

月給に関しては40代前半(40~44歳)と比べて、40代後半(45~49歳)の方が3千円多いですが、ほとんど差はありません。

年収になると19万円ほど40代前半(40~44歳)の保育士が多くなるようです。

 

次に、40代の女性保育士の場合はどうでしょうか。

40代の女性保育士の場合、月給・年収ともに40代前半(40~44歳)の方が多くなっており、月給は1万5千円ほど、年収は13万円ほど違います。

40代保育士の平均年収は、男女ともに40代前半が多いという結果となりました。

 

では、男性保育士と女性保育士を平均して比較してみると、平均月給・平均年収ともに男性保育士が多く、月給では約7万円、年収はなんと約117万円も多くなっていました。

 

基本的に保育士は、勤続年数の長さや、手当などが給料に反映されます。

男性保育士の場合、出産などによる離職が少ないことや、家族をもつことによる扶養手当などの額が大きくなるためだと考えられます。

 

表2:40代保育士の平均月給・平均年収(男性)

年齢

月給

年収

40〜44歳

35万7,700円

557万5,400円

45〜49歳

36万700円

538万4,800円

参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

※年収は「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で計算

 

表3:40代保育士の平均月給・平均年収(女性)

年齢

月給

年収

40〜44歳

29万5,100円

437万2,300円

45~49歳

27万9,800円

424万1,300円

参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

※年収は「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で計算

 

規模別の平均年収

保育園の規模によっても保育士の年収は変化します。

基本的に、規模の大きい保育園の方が手当などが手厚くなり、保育士の給料が高くなる傾向にあります。

 

そして、保育園の規模による補助金の金額差も無視できません。

特に認可を受けている大規模の保育園であれば、補助金の額も大きく、保育士の給料に反映されやすくなります。

逆に小規模の保育園や、企業内の保育園では、補助金も少額となり、給料が少なくなってしまうケースがあります。

 

保育園の規模別による40代保育士の平均月給・平均年収の違いを「表4」40代前半(40~44歳)、「表5」40代後半(45~49歳)にそれぞれ記載しました。

 

平均月給・平均年収いずれも、100~999人規模の保育園の、40代前半(40~44歳)が最も多くなっていますが、それぞれの勤続年数にも注目してください。

 

勤続年数で給料が左右される保育業界のシステムを考えると、勤続年数が短くても規模が大きい保育園の方が、勤続年数に対して高い給料をもらえていることがわかります。

 

表4:保育園の規模別 40代前半の保育士の平均月給・平均年収(40~44歳)

保育園の規模

勤続年数

月給

年収

10〜99人

11.0年

27万6,800円

411万1,400円

100〜999人

14.2年

32万8,800円

490万500円

1000人以上

8.9年

30万9,500円

451万9,000円

参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

※年収は「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で計算

 

表5:保育園の規模別 40代後半の保育士の平均月給・平均年収(45~49歳)

保育園の規模

勤続年数

月給

年収

10〜99人

13.0年

27万2,200円

405万7,000円

100〜999人

11.6年

29万2,700円

463万7,400円

1000人以上

8.5年

30万1,100円

424万500円

参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

※年収は「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で計算

 

40代保育士が年収を上げる方法

ここからは、40代保育士が年収を上げる方法についてご紹介します。

いろんな条件や制限も絡んでくるため、すべてを行うことは難しいと思いますが、記事を読んであなたにあった方法を見つけてみてくださいね。

 

方法1:昇進・昇格を目指す

40代保育士が年収を上げるには、昇進・昇格を目指す方法があります。

園長や主任保育士といった役職に就くことで年収をアップさせることができるでしょう。

 

子ども家庭庁「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」によると、園長になった場合の平均年収は約697万円、主任保育士になった場合の平均年収は約476万円となっています。

 

同じく、子ども家庭庁「処遇改善等加算IIの仕組み」によれば、園長の平均勤続年数は24年、主任保育士の場合は21年となっており、特に経験年数は定められていないものの、園長や主任保育士になるには、相応のキャリアを積み重ねる必要がありそうです。

 

しかし、これまでは「園長」と「主任保育士」の2つの役職しかありませんでしたが、政府によって「副主任保育士」「専門リーダー」「職務分野別リーダー」という新しい役職が設立されました。

 

これによって、中堅・若手保育士でもキャリアアップを目指せるようになり、月5千円~4万円の給料アップが可能です。

 

方法2:キャリアアップ研修を修了する

キャリアアップ研修を修了することで、40代保育士が年収を上げることができます。

キャリアアップ研修とは、正式には「保育士等キャリアアップ研修」といい、保育士の処遇改善と専門性向上を目的とした「処遇改善加算制度」のひとつです。

 

処遇改善加算制度とは、保育士の給料アップや、労働環境の改善のために国が定めた制度のこと。

上記の「方法1」と少し被りますが、キャリアアップ研修を修了し、新しく設立された役職に就任すれば、月5千円~4万円の給料アップをすることができます。

 

前提として、キャリアアップ研修を受けることができるのは、ある程度の経験を積み、一定の条件をクリアした保育士になります。

 

下記の「表6」に、保育士が新役職にキャリアアップするための条件をまとめましたので、参考にされてください。

 

表6:保育士の新役職にキャリアアップするための条件

役職

キャリアアップの条件

副主任保育士

・経験年数がおおむね7年以上

・職務分野別リーダーを経験 

・マネジメント研修+3つ以上の分野研修を修了

 

専門リーダー

・経験年数がおおむね7年以上

・職務分野別リーダーを経験 

・4つ以上の分野研修を修了

 

職務分野別リーダー

・経験年数がおおむね3年以上

・担当する分野研修を修了

 

参考:子ども家庭庁「 処遇改善等加算IIの仕組み

 

さらに詳しく知りたい方は、過去の保育のコラム

保育士等キャリアアップ研修とは?処遇改善によって給料はどう変わるの?」をご覧ください。

 

方法3:資格を取得する

資格を取得することも40代保育士の年収アップにつなげられます。

ただし、取得する資格は、必ず保育に関連するものや、需要のあるものがよいでしょう。

 

保育の仕事に関係のない資格や、需要のない資格を取得しても評価はされません。

保育園や保護者に求められている資格を取得することで、必要な人材となり、年収アップの可能性が高まります。

 

資格を取得すれば、どの保育園でも必ず年収が上がるわけではありませんが、少しでも年収を上げたい場合は、勤務している保育園と相談したうえで資格取得を目指しましょう。

 

以下の「表7」に、保育士のオススメの資格をまとめましたので参考にしてみてください。

 

表7:保育士にオススメの資格5選

資格

理由

幼稚園教諭免許

幼稚園と保育所の両方の機能を持つ認定こども園では、資格手当が増える可能性があります。

 

臨床発達心理士

支援が必要な発達障害の児童が増えているので需要が高まっています。

 

リトミック指導員

音楽を通して子どもの感性や表現力を育てるリトミック。最近は導入している園や保護者からの希望も増えています。

 

幼児教育・保育英語検定(幼保英検)

グローバル化に伴い、英語教育を行う保育施設も増えており、需要が高まっています。

 

社会福祉士

(ソーシャルワーカー)

日常生活が困難で、サポートが必要な子どもがいるときなど、保護者に対して適切なアドバイスや支援を行うことができます。

 

 

方法4:公立保育園の保育士を目指す

公立保育園の保育士(公務員保育士)になれば、年収を引き上げることができるでしょう。

 

私立保育園は、学校法人や社会福祉法人、民間企業など様々な組織が運営していますが、公立保育園は、地方自治体(市区町村)の運営となっています。

そのため、地方公務員と同じ給料のシステムとなっているので、勤続年数に応じて毎年給料が上がっていきます。

 

公立保育園の保育士の場合、保育園以外にも児童発達支援センターや、障がい児入所施設、児童養護施設、乳児院など、自治体が運営する施設に配属される可能性があることも念頭に置いておきましょう。

 

公立保育園の保育士を目指すなら、まず地方自治体で公務員試験を受けて合格する必要があります。

くわえて、年齢制限や居住制限などを設定している場合もありますので注意してください。

事前に各自治体の窓口(区役所や市役所など)に問い合わせをしておくとよいかもしれません。

 

方法5:転職する

40代保育士として年収を上げるには、思い切って転職することも視野に入れてみてください。

 

転職することで、現在より給料の高い職場を見つけることができるかもしれません。

40代という年齢から、即戦力として歓迎されるだけでなく、これまでの経験年数が手当などに反映される可能性もあります。

 

自分自身に合った職場を探すには、保育専門の求人サイトを活用するとよいでしょう。

いろんな保育施設の求人情報や、それぞれの施設の様子がわかるはずです。

 

保育専門求人サイト「ずっと保育士」は、保育士や幼稚園教諭、ベビーシッターを対象にした求人専門サービス。

きっとあなたに合う求人情報が見つかると思いますので、ぜひ活用してみてください。

 

保育士の年収は40代前半が最も多い!

いかがでしたか?

 

今回は、40代保育士の年収について見てきましたが、40代前半が最も多いことがわかりましたね。

 

40代保育士は、何かの役職に就く人や、手当が増えたことで平均年収を引き上げていると考えられます。

最近では、保育士のキャリアアップ制度により、新しい役職も追加されて年収が底上げされていることも見逃せません。

 

冒頭にも書きましたが、40代の保育士は年収が増える反面、たくさんの悩みや体力的な衰えを感じ始める年代でもあります。

しかし、これまでに培ったスキルや経験は、何ものにも代えがたい財産になっているはずですので、現在の年収に満足していない方は、今回ご紹介した年収を上げる方法を参考にチャレンジされてみてはいかがでしょうか。

 

 

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