保育のコラム

【例文あり】保育士の退職挨拶のタイミングや順番などの伝え方のマナーを解説

2024/03/23

勤めていた保育園の退職が決まった際に、頭を抱えることのひとつが退職の挨拶ではないでしょうか。

 

「退職が決まったけど、挨拶ってどうすればいいの?」

「退職の挨拶をするのにマナーってあるの?」

 

などの疑問点が浮かんでくると思います。

 

そこで今回は、保育士が退職する際の挨拶のタイミングや順番、伝え方のマナーなど、例文を交えて詳しく解説していきます。

退職理由は人それぞれだと思いますが、「立つ鳥あとを濁さず」という言葉があるように、最後は印象よく退職したいもの。

退職挨拶の仕方を知ることで、気持ちよく退職日を迎えることができるでしょう。

 

辞める意思表示と退職の挨拶は異なる

退職を決意した保育士さんの中には、園側に辞める意思を伝えることと、退職の挨拶を同じように考えている人がいるかもしれません。

「辞める意思表示」と「退職の挨拶」は異なるものですので注意してください。

 

辞める意思表示とは、園の管理職に退職の意思を伝えること。

一方、退職の挨拶とは、具体的な退職日や今までの感謝の気持ちなどを含めて、職員や保護者、子どもたちにまで伝えることです。

そのため、退職の挨拶は、退職日に近い日程で行うのに対して、辞める意思表示は、園側の都合を考える必要があり、早めに伝えた方がよいでしょう。

 

民法の規定では、2週間前に退職を伝えればOKということになっています。

ですが、法律上は問題がなくても、業務の引継ぎや後任の採用、事務手続きなどを考えるとスムーズに退職できないかもしれません。

そのため、最低でも3ヶ月前~半年前には退職する意思を伝えることが大切です。

 

保育士が退職の挨拶をする際のマナー

式典や食事をする際にマナーがあるように、保育士が退職の挨拶をする際にもマナーがあります。

難しい知識は必要なく、あくまで人としての常識的な部分ですので、しっかり確認しておきましょう。

退職挨拶のマナーを守ることで、退職後に「素敵な先生だったね」といったようなポジティブな印象を与えられる可能性が高まります。

 

<1>最初は園長に挨拶する

保育園を退職することを決めたら、最初は園長に挨拶するようにしましょう。

その際、いきなり退職の挨拶に来られては園長も困惑してしまいますので、あらかじめアポを取って、人がいない静かな場所で伝えることをオススメします。

 

一般的に以下の順番で挨拶をすることがマナーとされています。

①園長

②主任保育士などの上司

③同僚の保育士

④保護者や園児

 

<2>直接会って挨拶する

健康上に何か問題があって足を運べないなどの特別な理由を除いて、直接会って挨拶をすることが望ましいでしょう。

最近は保育士に限らず、メールやLINEなどを使って退職の挨拶を済ませる人もいますが、本来相手に対して失礼にあたります。

 

退職理由は何であれ、プロの保育士として給料をもらっていた以上、何かしらでお世話になったことは間違いないはず。

退職が決まっても変わらず忙しいと思いますが、何とか時間を作って直接挨拶に伺いましょう。

 

保護者には園だよりや保護者会で伝える場合も

保護者には、園だよりや保護者会で退職を伝える場合もあります。

どちらの場合も、内容は簡潔にわかりやすく伝えましょう。

 

保護者会で話す場合は、メモなどを見ながら話すのも悪くはありませんが、きちんと自分自身の言葉で話すことで相手に気持ちが伝わります。

保護者から質問される場合もあるでしょうから、事前に質問に対する返答内容を考えておくとよいかもしれません。

 

保育士が退職の挨拶するときに伝えるべき3つのこと

それでは、保育士が退職の挨拶をするときに何を伝えるべきなのでしょうか。

保育士が退職の挨拶をする上で、大事なポイントを3つ紹介します。

何を伝えたらよいのかわからない人は、ぜひ参考にしてみてください。

 

【1】退職する日付

退職の挨拶をする際は、退職する日付をハッキリ伝えましょう。

その際、「○月○日をもちまして」や「○月○日付けで」と冒頭で伝えることで、その後の話をうまく進めることができます。

退職日がまだ先の場合には、残りの時間もお世話になるという旨を伝えることができます。

 

【2】前向きな退職理由

退職理由を聞かれたときは、必ず前向きな退職理由を伝えましょう。

保育士を退職する理由は人それぞれですので、保育園の方針や給料に不満があったり、上司や同僚との人間関係がうまくいかなかったりという場合もあると思います。

しかし、退職理由を伝える際は、どんなに不満があったとしても、決してネガティブな理由を口に出してはいけません。

保育士の世界は意外に狭いので、場合によっては悪い噂を流されて広まる可能性があります。

 

【3】感謝の気持ち

退職の挨拶は、園を辞めることの報告だけでなく、今までの感謝の気持ちをきちんと伝えることが大切です。

 

退職理由は何であれ、一緒に働いてきた職員や、大事な我が子を預けてくれた保護者、見守ってきた園児たちからも学ばせてもらったことがあったはず。

感謝の気持ちを述べることに得はあっても、損は一切ありません。

 

独りの時間を作って、今までのエピソードを思い出しながら、自分自身の気持ちを紙に書いてまとめてみるとよいでしょう。

年度途中で退職する場合は、最後まで務めることができなかった謝罪の気持ちも伝えるようにしてください。

 

【例文あり】保育士が退職挨拶をするときの伝え方のポイント

ここからは、保育士が退職の挨拶をするときの伝え方のポイントをご紹介します。

例文もありますので参考にしながら、あなた自身の挨拶を考えてみてください。

 

上司や同僚

【挨拶のポイント】

上司や同僚への退職挨拶は、今までの仕事の中で教えてもらったことや、支えてもらったことなどのお礼を伝えるとよいでしょう。

先述したように、退職理由については前向きな理由を述べることが大事ですが、どうしても見つからない場合は、「一身上の都合」としてまとめるとよいかもしれません。

年度途中で退職する場合も、業務の引継ぎなどで迷惑をかけることへの謝罪と感謝の気持ちを伝えると印象がよくなります。

 

【例文①】

「このたびは、私事ではございますが、結婚して引っ越すことになったため、○月○日をもって退職することとなりました。

 

新卒で入り、右も左もわからなかった私に対して、ときに優しく、ときに厳しく、保育の基本から指導していただきました。

 

クラス担任を受けもって悩んでいたときには、いつも先生方に相談の乗っていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。

ご迷惑をおかけしたことも多々あったかと思いますが、○年間、本当にお世話になりました」

 

【例文②】

「このたびは、一身上の都合により、○月○日をもちまして退職する運びとなりました。

 

○○保育園にお世話になってから○年、ここにいる先生方にたくさんのサポートをいただきながら、保育士として成長をすることができました。

年度途中に、このような形で退職することになり、ご迷惑をおかけして本当に申し訳ございません。

 

この保育園で経験させていただいたことは、今後の人生において活かしていきたいと思います。

最後に、今まで本当にありがとうございました」

 

保護者

【挨拶のポイント】

保護者への退職挨拶は、大切な子どもを預けてもらったことや、保育園の行事の協力などへのお礼を伝えることが大切です。

その際、子どもたちの成長を間近で見られたことへの喜びを一緒に伝えることで、保護者として嬉しく思うはず。

クラス担任をしていて年度途中で退職する場合、途中で担任が変わってしまうことに対して謝罪を伝え、後任のクラス担任に業務をしっかり引き継いでいることを説明すれば、保護者は安心するでしょう。

 

【例文①】

「このたびは、家庭の事情により、○月○日に退職することとなりました。

 

短い期間ではありましたが、○○組のクラス担任として、保護者のみなさまの大切なお子様を預けていただいたことに、心から嬉しく思っています。

また、お忙しい中にもかかわらず、保育園の行事にご協力いただき、併せて御礼を申し上げます。

 

至らない点もあり、ご迷惑をおかけしたこともあったと思いますが、保護者のみなさまの温かいご支援のおかげで、子どもたちと楽しく過ごすことができ、心から幸せ者だと思っております。

今まで本当にありがとうございました」

 

【例文②】

「このたびは、誠に勝手ではございますが、○月○日をもちまして退職する運びとなりました。

 

○○組の担任として、子どもたちから多くの笑顔と学びをもらうことができました。

保護者のみなさまには、保育園の行事へのご協力や、温かいご支援をいただき、心より感謝申し上げます。

 

家庭の事情とはいえ、この時期に退職することになってしまい大変申し訳ございません。

後任のクラス担任である○○先生には、しっかりと業務を引き継いでおりますので安心していただければと思います。

 

保育士として至らない点も多々あったかと思いますが、子どもたちとみなさまのお陰で楽しい毎日を過ごすことができました。

今まで本当にありがとうございました」

 

子どもたち

【挨拶のポイント】

子どもたちへの退職挨拶は、わかりやすく、ゆっくり丁寧な言葉で伝えることです。

 

たとえば、「退職する」といった言葉を使っても、子どもたちには難しくて理解できません。

そのため、わかりやすい言葉として、「バイバイする」「サヨナラする」などに言い換えましょう。

同様に、早口で話しても子どもたちには伝わりませんので、ゆっくり丁寧に話すことが大切です。

 

子どもたちの中には、寂しさのあまり泣き出してしまう場合もあるかもしれません。

今まで一緒に過ごしてきた先生がいなくなることで、不安を感じるのは誰よりも子供たちです。

 

できるだけ、楽しかった思い出や、がんばった出来事など、笑顔を交えながら話すことを意識して、子どもたちに不安を与えないようにすることが大切です。

 

【例文①】

「今日は、先生からみんなに大事なお話がありますので、よく聞いてくださいね。

先生は、今日でこの保育園や、みんなとバイバイすることになりました。

 

みんなとたくさんお歌を歌ったり、いろんなところにお散歩したり、とっても楽しかったです。

運動会でも、みんなは元気よくかけっこして本当に頑張りました。

先生にとって、どれも大切な思い出です。

 

これからも、○○組のみんなが元気いっぱいでいることを楽しみにしていますね。

今まで本当にありがとう」

 

【例文②】

「今日は、先生から大切なお話があります。

先生は、今日でこの保育園や、みんなとサヨナラすることになりました。

 

みんなと一緒に、鬼ごっこしたり、かくれんぼしたり、たくさんお遊びしましたね。

運動会は、みんなでかけっこ頑張ったし、発表会もたくさんお稽古しました。

○○組のみんなと過ごした思い出は、どれも先生の大事な宝物です。

 

明日からは、先生の代わりに○○先生が来てくれますから、元気よく笑顔でたくさん遊んでくださいね。今まで本当にありがとう」

 

退職挨拶のポイントを押さえてすっきりとした気持ちで退職しよう!

いかがだったでしょうか?

今回は、保育士の退職挨拶のタイミングや順番などの伝え方のマナーについて解説してきました。

 

今勤めている職場を去ることになっても、人の縁はどこでつながっているかわかりません。

退職挨拶の伝え方ひとつで相手の印象は大きく変わるもの。

よい印象を与えて退職できれば、今後あなたが困難にぶつかったときに、以前の職場の誰かが助けてくれる可能性が高まります。

 

退職挨拶のポイントをしっかりと押さえて、すっきりとした気持ちで退職しましょう!

 

 

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