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【障がいをお持ちのお子様をもつ親に調査】 子どもを保育園に通わせている保護者の95.5%が「インクルーシブ保育」が保育園選びのきっかけに

2023/12/25
ニュースリリース

居心地の良い居場所づくりは、「保育者・専門スタッフ増員」がポイント?児童館など地域社会には、「研修の実施」や「子ども同士の交流の推進」を求める声も〜

 子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」を運営する株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)は、0歳〜5歳の障がいを抱えている子どもを持つ親100名を対象に、子どもの居場所づくりに関する実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。

 

■調査サマリー

サマリー

▼本調査のレポートダウンロードはこちら

https://bit.ly/3Tyr5g4


 

■調査概要

調査概要:子どもの居場所づくりに関する実態調査

調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査

調査期間:2023年11月22日〜同年11月27日

有効回答:0歳〜5歳の障がいを抱えている子どもを持つ親100名

※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。

 

≪利用条件≫

1 情報の出典元として「子ねくとラボ」の名前を明記してください。

2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。

URL:https://konnect-labo.jp/


 

■73.0%の障がいをお持ちのお子様は、現在「保育園に通っている」実態

 「Q1.ご家庭内の、障がいをお持ちのお子様は現在保育園に通っていますか。」(n=100)と質問したところ、「保育園に通っている」が73.0%、「保育園に通っていない」が27.0%という回答となりました。

Q1

 

・保育園に通っている:73.0%

・保育園に通っていない:27.0%

 

■90.4%の保育園は、「インクルーシブ保育」を実施

 Q1で「保育園に通っている」と回答した方に、「Q2.お子様が通う保育園はインクルーシブ保育を行っていますか。 」(n=73)と質問したところ、「十分行っている」が61.6%

、「やや行っている」が28.8%という回答となりました。

Q2

 

・十分行っている:61.6%

・やや行っている:28.8%

・あまり行っていない:8.2%

・全く行っていない:1.4%

 

■95.5%が、インクルーシブ保育を行っていることが、「保育園選びのきっかけになった」と回答

 Q2で「十分行っている」「やや行っている」と回答した方に、「Q3.あなたは、インクルーシブ保育を行っていることが、保育園選びのきっかけとなったと感じますか。」 (n=66)と質問したところ、「非常にそう感じる」が59.1%、「ややそう感じる」が36.4%という回答となりました。

Q3

・非常にそう感じる:59.1%

・ややそう感じる:36.4%

・あまりそう感じない:4.5%

・全くそう感じない:0.0%

 

■障がいのあるお子様を保育園に通わせていない理由、「周囲の環境に馴染めるか不安があるから」が55.6%で最多

 Q1で「保育園に通っていない」と回答した方に、「Q4.障がいをお持ちのお子様を保育園に通わせていない理由として当てはまるものを教えてください。(複数回答)」(n=27)と質問したところ、「周囲の環境に馴染めるか不安があるから」が55.6%、「施設側の受け入れ条件に合わなかったから」が48.2%、「本人のペースで過ごせるか不安だから」が33.3%という回答となりました。

Q4

・周囲の環境に馴染めるか不安があるから:55.6%

・施設側の受け入れ条件に合わなかったから:48.2%

・本人のペースで過ごせるか不安だから:33.3%

・障がいに対する理解が適切にあるか不安だから:18.5%

・障がいに対応できる専門スタッフが配置されていなかったから:11.1%

・専門の施設に通わせたかったから:7.4%

・その他:3.7%

 

■約9割が、障がいのある我が子が、他のお子様との関係作りに「難しさを感じている」と回答

 「Q5.あなたは、障がいをお持ちのお子様が、他のお子様との関係作りに難しさを感じていると思いますか。」(n=100)と質問したところ、「非常にそう思う」が53.0%、「ややそう思う」が32.0%という回答となりました。

Q5

・非常にそう思う:53.0%

・ややそう思う:32.0%

・あまりそう思わない:12.0%

・全くそう思わない:3.0%

 

■障がいのある我が子にとっての、「より居心地の良い居場所づくり」のために必要だと思うこと、「適切な配慮ができる周囲の保育者・専門スタッフを増やす」や「子どもが自分で遊びを選択できるコーナーや設備の設置」など

 「Q6.障がいをお持ちのお子様にとっての、「より居心地の良い居場所づくり」のために必要だと思うことがあれば教えてください。(複数回答) 」(n=100)と質問したところ、「適切な配慮ができる周囲の保育者・専門スタッフを増やす」が58.0%、「子どもが自分で遊びを選択できるコーナーや設備の設置」が57.0%、クラス定員の削減(子ども一人ひとりへの一層手厚い対応)」が38.0%という回答となりました。

Q6

・適切な配慮ができる周囲の保育者・専門スタッフを増やす:58.0%

・子どもが自分で遊びを選択できるコーナーや設備の設置:57.0%

・クラス定員の削減(子ども一人ひとりへの一層手厚い対応):38.0%

・年齢でクラスを分けない縦割り保育の実践:33.0%

・同じ境遇にある家庭同士の交流の場提供:24.0%

・保護者への定期的な情報発信:22.0%

・専門家との連携:11.0%

・その他:0.0%

 

■「理解してくれる友達」や「親と子ども、保育者の連携」などの回答も

 「Q7.Q6で回答した以外に、障がいをお持ちのお子様にとっての「より居心地の良い居場所づくり」のために必要だと思うことがあれば、自由に教えてください。(自由回答) 」(n=100)と質問したところ、「理解してくれる友達」や「親と子ども、保育者の連携」など100の回答を得ることができました。

 

<自由回答・一部抜粋>

・44歳:障害者雇用による障害を持つ保育士の拡充。

・40歳:理解、対応。

・41歳:専門職の看護師の配置。

・38歳:理解してくれる友達。

・42歳:保育士の数を増やすこと。

・34歳:親と子ども、保育者の連携。

・38歳:理解と余裕のある環境。

 

■どのような子どもでも受け入れられる、「より居心地の良い居場所づくり」を行う上で、児童館や支援センターなど地域社会に求めること、「障がいを持つ子ども同士の交流の推進」や「障がいについての研修・ワークショップの実施」など

 「Q8.どのような子どもでも受け入れられる、「より居心地の良い居場所づくり」を行う上で、児童館や支援センターなど地域社会に求めることがあれば教えてください。(複数回答)」(n=100)と質問したところ、「障がいを持つ子ども同士の交流の推進」が44.0%、「障がいについての研修・ワークショップの実施」が41.0%、「手話やピクトグラムなどのコミュニケーション手段の多様化」が41.0%という回答となりました。   

Q8       

・障がいを持つ子ども同士の交流の推進:44.0%

・障がいについての研修・ワークショップの実施:41.0%

・手話やピクトグラムなどのコミュニケーション手段の多様化:41.0%

・障がいを持つ子どもを育児中の保護者同士の交流の推進:39.0%

・子どもそれぞれにパーソナライズされた子育て支援の促進:32.0%

・バリアフリーの推進:23.0%

・感覚過敏の方でも安心して利用できるセンサリールームの設置:22.0%

・誰もが利用できる遊具の導入:21.0%

・いつでも相談できる専門家の配置:18.0%

・その他:0.0%

 

■「より居心地の良い居場所づくり」を行う上で、児童館や支援センターなど地域社会に求めること、「送迎サービス」や「いろいろな障害の研修」なども

 「Q9.Q8で回答した以外に、「より居心地の良い居場所づくり」を行う上で、児童館や支援センターなど地域社会に求めることがあれば、自由に教えてください。(自由回答) 」(n=100)と質問したところ、「送迎サービス」や「いろいろな障害の研修」など100の回答を得ることができました。

 

<自由回答・一部抜粋>

・32歳:細かいサポート。

・30歳:ダイバーシティ政策。

・33歳:イベントなど交流の場を提供して欲しい。

・43歳:友達との環境作り。

・42歳:いろいろな障害の研修。

・30歳:介助サポートが受けられる、気軽に利用できること。

・34歳:送迎サービス。

 

■まとめ

 今回は、0歳〜5歳の障がいを抱えている子どもを持つ親100名を対象に、子どもの居場所づくりに関する実態調査を実施しました。

  まず、障がいをお持ちのお子様の73%は、現在保育園に通っており、その保育園の90.4%が「インクルーシブ保育」を行っていることがわかりました。加えて、95.5%の保護者が、「インクルーシブ保育を行っている」ことが、「保育園選びのきっかけ」となっていると回答しています。一方で、「周囲の環境に馴染めるか不安があるから」などの理由で、保育園に通わせていない保護者も約3割います。また、障がいをお持ちのお子様が、他のお子様との関係作りに「難しさ」を感じているのではないかと、約9割の保護者が心配しており、「より居心地の良い居場所づくり」のために必要だと思うこととして、「適切な配慮ができる周囲の保育者・専門スタッフを増やす」や「子どもが自分で遊びを選択できるコーナーや設備の設置」などが挙げられました。その上で、児童館や支援センターなどの地域社会には、「障がいを持つ子ども同士の交流の推進」や「障がいについての研修・ワークショップの実施」などが求められているようです。

 障がいの有無や国籍など、個人の違いを踏まえた上でそれぞれの在り方を認め合う「インクルーシブ教育」は、共生社会の形成に向け積極的に取り組むべき事項と言えます。今回の調査でも、障がいをお持ちのお子様を持つ保護者は、保育園にインクルーシブな接し方を求めており、周囲の環境を重要視していることが明らかとなりました。支援ニーズが多様化するなか、保育園が全てのお子様にとって居心地のよい居場所となるよう、多様な子ども一人ひとりの個性を丁寧に受け止めるための人員と環境の整備、そして保育士の学びの場が求められています。

 

▼本調査のレポートダウンロードはこちら

https://bit.ly/3Tyr5g4