【頻発する不適切保育のニュース】約9割の保護者が「保育現場の対応を気にするようになった」と回答、保育・幼児教育に求められる「社会的水準」の高まりも実感
今、保育園に求められる対応とは?
子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」を運営する株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)は、保育園に子ども(0歳から小学校入学前まで)を預けている親109名を対象に、不適切保育と社会的水準に関する調査を実施しましたので、お知らせいたします。
■調査サマリー
■調査概要
調査概要:不適切保育と社会的水準に関する調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年7月21日〜同年7月22日
有効回答:保育園に子ども(0歳から小学校入学前まで)を預けている親109名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「子ねくとラボ」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
■子どもとの接し方について、9割以上が「社会的に求められている水準が高まっている」と回答
「Q1.あなたは、子育てに際する子どもとの接し方において、社会的に求められている水準が高まっていると思いますか。」(n=109)と質問したところ、「非常にそう思う」が41.3%、「ややそう思う」が52.3%という回答となりました。
・非常にそう思う:41.3%
・ややそう思う:52.3%
・あまりそう思わない:5.5%
・全くそう思わない:0.9%
・わからない:0.0%
■具体的には、「自己表現を引き出せる質問」や「優しい口調の声掛け」など
Q1で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q2.具体的にどのような部分で社会的水準が高まっていると思うか教えてください。(複数回答)」(n=102)と質問したところ、「自己表現を引き出せる質問」が49.0%、「優しい口調の声掛け」が49.0%、「子どもへの傾聴」が47.1%という回答となりました。
・自己表現を引き出せる質問:49.0%
・優しい口調の声掛け:49.0%
・子どもへの傾聴:47.1%
・一人ひとりを尊重した声掛け:43.1%
・肯定を心掛けた受け答え:40.2%
・声掛けの頻度:36.3%
・自ら起こす意欲と挑戦する気持ちの尊重:29.4%
・「介入」ではなく「支援」の心がけと接し方:26.5%
・その他:2.0%
ー28歳:安全重視、イジメに進まないよう、目を配る
・わからない/答えられない:0.0%
■「しつけの仕方が昔と変わった」や「情報の真偽など含めてしっかりした教育が必要だと感じるから」などの理由も
Q2で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q3.Q2で回答した以外に、社会的水準が高まっていると思う理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=102)と質問したところ、「しつけの仕方が昔と変わった」や「情報の真偽など含めてしっかりした教育が必要だと感じるから」など47の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・36歳:しつけの仕方が昔と変わった。
・36歳:発達障害も多くなってきているし、保育士に求められることは多いと思う。
・40歳:全体的な保育の質が事件等をきっかけに上がっているような感触は感じられる。
・36歳:スマホやタブレットなどで世界中の情報が瞬時に手に入る時代なので、情報の真偽など含めてしっかりした教育が必要だと感じるから。
・28歳:人数点呼など、当たり前の気配りが無い。自分の子供や孫を見ているつもりでいて欲しい。
・39歳:声かけを優しい言葉で返してくれるようになっている。
・29歳:不適切保育!という声が沢山あがっているから。
■85.3%の保護者が、不適切保育のニュースをきっかけに、子どもを預けている保育現場での対応に関して「以前よりも気にするようになった」と回答
「Q4.あなたは、不適切保育のニュースをきっかけに、子どもを預けている保育現場での対応に関して以前よりも気にする(注目する)ようになりましたか。」(n=109)と質問したところ、「非常に気にする(注目する)ようになった」が41.3%、「やや気にする(注目する)ようになった」が44.0%という回答となりました。
・非常に気にする(注目する)ようになった:41.3%
・やや気にする(注目する)ようになった:44.0%
・あまり気にするように(注目する)ようにはなっていない:11.0%
・全く気にするように(注目する)ようにはなっていない:2.8%
・あてはまるものはない:0.9%
■保育現場の対応で気にするようになったこと、「保育士の子どもへの叱り方を気にするようになった」が52.7%で最多
Q4で「非常に気にする(注目する)ようになった」「やや気にする(注目する)ようになった」と回答した方に、「Q5.子どもを預けている保育現場の対応で「気にするようになったこと」について、どのような変化があったのか教えてください。(複数回答)」(n=93)と質問したところ、「保育士の子どもへの叱り方を気にするようになった」が52.7%、「子どもへの普段の接し方を気にするようになった」が51.6%、「保育士が子どもにどのような保育をしているのか気にするようになった」が50.5%という回答となりました。
・保育士の子どもへの叱り方を気にするようになった:52.7%
・子どもへの普段の接し方を気にするようになった:51.6%
・保育士が子どもにどのような保育をしているのか気にするようになった:50.5%
・保育現場の雰囲気を気にするようになった:48.4%
・子どもが放置されていないか気にするようになった:34.4%
・保育士が強い口調になっていないか気にするようになった:33.3%
・保育士が疲弊していないか気にするようになった:24.7%
・保育士の労働環境(賃金・待遇など)を気にするようになった:19.4%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:0.0%
■保育園(保育士)に求めていること、「子ども一人ひとりの人格の尊重」や「物事を強要しない配慮」など
「Q6.保育園(保育士)に対してどのようなことを求めているか教えてください。(複数回答)」(n=109)と質問したところ、「子ども一人ひとりの人格の尊重」が48.6%、「物事を強要しない配慮」が45.9%、「子どもの発達や家庭環境に関する配慮」が45.9%という回答となりました。
・子ども一人ひとりの人格の尊重:48.6%
・物事を強要しない配慮:45.9%
・子どもの発達や家庭環境に関する配慮:45.9%
・子どもへの笑顔や優しさ:45.0%
・適度な声掛け:42.2%
・一人ひとりのペースに合わせた食事介助:36.7%
・肯定的な声掛け:36.7%
・小学校就学に向けた学問的教育要素:21.1%
・自身の仕事を妨げない預かり対応:13.8%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:1.8%
■「叱ることも必要」や「子供の個性を伸ばして欲しい」なども求めていることが明らかに
Q6で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q7.Q6で回答した以外に、求めていることがあれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=107)と質問したところ、「叱ることも必要」や「子供の個性を伸ばして欲しい」など49の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・40歳:叱ることも必要だと思う。
・36歳:体調への気づかい。
・35歳:苦手を補う生活補助。
・39歳:保育士を増やして給料を上げる。
・36歳:子供の個性を伸ばして欲しい。日本特有の軍隊のような教育はもうダメだと思う。
・36歳:子供がのびのびと過ごせるような環境があれば良いと思う。
・35歳:子供の目線で優しく接してほしい。
■保育士に一人ひとりの人格の尊重を求めている理由、「自主性が芽生えるきっかけになるから」が73.6%で最多
Q6で「子ども一人ひとりの人格の尊重」と回答した方に、「Q8.保育士に一人ひとりの人格の尊重を求めている理由を教えてください。(複数回答)」(n=53)と質問したところ、「自主性が芽生えるきっかけになるから」が73.6%、「自尊感情や自信の向上に繋がるから」が60.4%、「保育士と子どもの信頼関係が高まるから」が52.8%という回答となりました。
・自主性が芽生えるきっかけになるから:73.6%
・自尊感情や自信の向上に繋がるから:60.4%
・保育士と子どもの信頼関係が高まるから:52.8%
・子どもの可能性を拡げられるから:49.1%
・子どもがより保育園を好きになれるから:43.4%
・個性が認められることで、他人への思いやりも芽生えるから:41.5%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:0.0%
■保育士に物事を強要しない配慮を求めている理由、「子どもの個性を大切にしてほしいから」が78.0%で最多
Q6で「物事を強要しない配慮」と回答した方に、「Q9.保育士に物事を強要しない配慮を求めている理由を教えてください。(複数回答)」(n=50)と質問したところ、「子どもの個性を大切にしてほしいから」が78.0%、「強要は子どもにとってストレスになるから」が64.0%、「子どもの自主性や意欲を育ててほしいから」が44.0%という回答となりました。
・子どもの個性を大切にしてほしいから:78.0%
・強要は子どもにとってストレスになるから:64.0%
・子どもの自主性や意欲を育ててほしいから:44.0%
・強要は子どもの意思や人権を無視した行為だから:44.0%
・子どもが保育園に行きたくなくなるから:42.0%
・子どもの好きなようにさせてあげたいから:28.0%
・家庭内で子どもに強要をしていないので、それに合わせてほしいから:24.0%
・家庭内ではしつけとして強要しているが、他人である保育園にはしてほしくないから:18.0%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:0.0%
■まとめ
今回は、保育園に子ども(0歳から小学校入学前まで)を預けている親109名を対象に、不適切保育と社会的水準に関する調査を実施しました。
まず、子育てに際する子どもとの接し方において、9割以上の保護者が、「社会的に求められている水準の高まり」を実感していることが分かりました。具体的には、「自己表現を引き出せる質問」(49.0%)や「優しい口調の声掛け」(49.0%)、「子どもへの傾聴」(47.1%)などが挙がり、その背景として、「しつけの仕方が昔と変わった」や「情報の真偽など含めてしっかりした教育が必要だと感じるから」などの理由があることが明らかとなりました。また、85.3%の保護者が、昨今の不適切保育のニュースをきっかけに、子どもを預けている保育現場での対応に関して「以前よりも気にするようになった」と回答しており、「保育士の子どもへの叱り方」や「子どもへの普段の接し方」など、保育士に対する目が厳しくなったことが分かりました。このような社会的な流れを受け、「子ども一人ひとりの人格の尊重」や「物事を強要しない配慮」を保育園・保育士に求めているようです。
今回の調査では、相次ぐ不適切保育関連の報道を背景として、今の子育てに求められている水準の高まりを実感している保護者の実態が見えてきました。保育園や保育士に対して求める内容にも変化が起こっており、「自主性を芽生えさせるために一人ひとりの人格を尊重してほしい」、「子どもの個性を大切にするために物事を強要しないでほしい」などの声が寄せられました。少子化を一因とする保育・幼児教育のニーズ多様化によって、カリキュラムの豊富さや特徴のある保育などが魅力的に感じられていた中、今改めて保育の根底にあるべき姿勢が重要視されることになったと言えるでしょう。保育・子育てを取り巻く環境が未だ目まぐるしく変化する中、子ども、保護者、保育士の信頼関係を深める取り組みがますます求められていると言えるのではないでしょうか。