保育のコラム

【東京都保育士特集】給料や補助制度、求人の特徴など

2021/06/30

【東京都保育士特集】給料や補助制度、求人の特徴など

日本一の人口を誇る東京都。

その人口の多さに伴って、保育ニーズが高く、大企業が運営母体の保育園も多く、多種多様な保育を実施しています。

とはいえ、保育士として働くなら、給料や就労環境も気になるところではないでしょうか。

今回は、東京都で働く保育士の給料、就労状況、補助金制度について詳しくご紹介していきます。

 

ずっと保育士編集部

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ30年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

東京都の保育士の就労状況

まず、保育士として気になる就労状況です。

どんなにやりがいがあっても、長時間労働や薄給では生活が成り立ちません。

では、東京都の保育士はどんな働き方をしているのでしょうか。

基本的な就労状況を、勤務時間と平均給与データから確認してみましょう。

 

勤務時間

厚生労働省「令和6年度賃金構造基本統計調査」によると、東京都の保育士の平均勤務時間は、所定内労働で158~160時間、時間外労働が4~5時間程度となっています。

単純に月の出勤日数を20日とすると、1日の労働時間は平均して残業込みで、約8.1~8.25時間でした。

詳しくは、下記の表1をご覧ください。

 

表1:東京都の保育士(男女別)労働時間

 

所定内実労働時間数(時間)

超過実労働時間数(時間)

男性

160

5

女性

158

4

参考:厚生労働省「令和6年度賃金構造基本統計調査

 

平均給料

同じく、厚生労働省の調査する「令和6年度賃金構造基本統計調査」によると、東京都の保育士の平均年収は約415万円(女性)となっています。

国税庁の民間給与実態調査によれば、日本人の平均年収は平均年収は441万円とされていますので、平均よりも少し低いものの、東京都の保育士と他業種との年収の差はほとんどありません。

 

表2:東京都の保育士(男女別)平均年収

 

平均年収(万円)

労働者数

勤続年数(年)

男性

約4036万円

4,590人

6.6年

女性

約405万円

49,000人

6.8年

参考:厚生労働省「令和6年度賃金構造基本統計調査

※平均年収の計算:(きまって支給する現金給与額×12)+年間賞与その他特別給与額

 

東京都の保育士求人は多い?少ない?

東京都は、言わずとしれた日本の人口トップの都市です。

それに伴って、子どもの数が多く、保育サービスも充実しています。

東京都「都内の保育サービスの状況について」(令和6年)によると、認可保育園の数は、令和2年からの約5年間で、4,478ヶ所増加しています。

保育園が新しく開園されると、保育士の確保が求められ、オープニングスタッフの保育士求人が多くなります。

東京都は、前例にとらわれない保育方針を掲げる保育園が多いことも特徴のひとつ。

新しい環境にチャレンジしたい保育士の方には、魅力的な地域ではないでしょうか。

 

東京都が行っている5つの補助制度

東京都は、保育士が働くための補助制度が充実しています。

ここからは、東京都の代表的な補助制度についてご紹介していきます。

 

東京都保育士等キャリアアップ補助金

保育士等が、保育の専門性を高めながら、やりがいを持って働くことができるように設置されました。

保育士等のキャリアアップに向けた取組に要する費用の一部を補助することにより、保育サービスの質の向上を図ります。

具体的な概要は下記の通りです。

 

表3:キャリアアップ補助金概要

対象施設

認可保育所、認証保育所、認定こども園、家庭的保育事業(国制度及び都制度)、

 小規模保育事業、居宅訪問型保育事業、事業所内保育事業、定期利用保育事業及び一時預かり事業(緊急一時預かり)、病児保育事業、企業主導型保育事業(地域枠)

支給要件

キャリアアップ研修への参加を行い、キャリアパス要件及び補助要件を満たすこと

【補助要件】

(1) キャリアパス要件

(2) 福祉サービス第三者評価の受審・結果の公表

(3) 情報公開等の取組

①財務情報の公表

②モデル賃金等の公表

③非常勤職員の賃金改善

対象経費

交付対象施設に勤務する職員(非常勤職員及び法人の役員等を兼務

している職員を含む)の人件費(ただし2分の1以上を賃金改善に充てる)

参考:東京都福祉局「東京都保育士等キャリアアップ補助金

 

保育従事職員宿舎借り上げ支援事業

東京都には、保育士や保育園で働く社員に、借り上げ住宅を提供する保育園に対して、家賃の補助をするという制度があります。

一人暮らしや家庭を持つ保育士にとって家賃は大きな出費。

貴重な保育人材の確保・定着・離職防止のために、負担を減らす取り組みです。

 

表4:保育従事職員宿舎借り上げ支援事業概要

対象者

認可保育所、認定こども園、認証保育所、認可を受けた小規模保育事業等の常勤保育従事職員

補助基準額

一戸あたり 82,000円/月

負担割合

都3/4、区市町村1/8、事業者1/8

参考:東京都福祉局「保育従事職員宿舎借り上げ支援事業

 

潜在保育士の再就職支援事業

 

潜在保育士が保育所等への勤務が決定した場合に就職準備金の貸付をする制度です。

この制度では、一定期間の勤務により返還免除規定があります。

そのため、これから保育士に復帰したい方にとって、仕事を再開するための必要な金銭の心配をしなくても良い利点があります。

 

表5:潜在保育士の再就職支援事業概要

貸付上限額

40万円以内(再就職に必要な経費等を一人一回限り)

貸付条件

以下の要件を満たす者。ただし、週20時間以上保育士として勤務すること。

①養成施設の卒業若しくは保育士試験の合格から1年以上経過した者

②以下の対象施設又は事業を離職した又は勤務経験のない者

認可保育所、幼保連携型認定こども園、家庭的保育事業、小規模保育事業、事業所内保育事業、幼稚園、認証保育所

③以下の対象施設又は事業に新たに勤務する保育士

上記2の「<貸付対象>■対象施設又は事業」と同様

■対象施設又は事業

認可保育所、幼稚園(預かり保育常時実施など条件有)、認定こども園、家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業、事業所内保育事業、病児保育事業、一時預かり事業、特例保育、地方単独保育施策、認証保育所、企業主導型保育事業

返還免除規定

当該保育士が保育所等において、引き続き2年以上勤務すること 等

参考:東京都福祉局「潜在保育士の再就職支援事業

 

未就学児をもつ潜在保育士に対する保育所復帰支援事業

潜在保育士等が保育所等への復帰にあたり、当該保育士の子供を保育所等へ入所させた場合に、その保育料の一部について貸付けを行う制度です。

 

表6:未就学児をもつ潜在保育士に対する保育所復帰支援事業(貸付)概要

貸付上限額

 保育料の半額で月額27,000円上限

 (貸付期間は保育士が勤務する期間(最長1年間貸付))

貸付条件

週20時間以上保育士として勤務すること

 (1)対象施設又は事業に新たに勤務する保育士

 (2)対象施設又は事業に雇用され産後休暇又は育児休業から復帰する保育士等

返還免除規定

当該保育士が保育所等において、引き続き2年以上勤務すること

参考:東京都福祉局「未就学児をもつ潜在保育士に対する保育所復帰支援事業

 

未就学児をもつ保育士の子供の預かり支援事業利用料金の一部貸付け

育所等に勤務する未就学児を持つ保育士について、勤務時間(早朝または夜間)により、自身の子供の預け先がない場合があることから、ファミリー・サポート・センター事業やベビーシッター派遣事業を利用する際の利用料金の一部について貸付けを行う制度です。

 

表7:未就学児をもつ保育士の子供の預かり支援事業利用料金の一部貸付け事業概要

貸付上限額

子どもの預かり支援事業利用料の半額(年123,000円以内)(最長2年)

貸付条件

対象施設又は事業に雇用されている保育士で以下の要件を満たす者。

①未就学児を持ち、対象施設又は事業を利用している者

②対象施設又は事業における勤務の時間帯により、子供の預かり支援に関する事業を利用する必要がある者

■対象施設又は事業

認可保育所、幼稚園(預かり保育常時実施など条件有)、認定こども園、家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業、事業所内保育事業、病児保育事業、一時預かり事業、特例保育、地方単独保育施策、認証保育所、企業主導型保育事業

返還免除規定

2年間保育士として引き続き就労すること

東京都福祉局「未就学児をもつ保育士の子供の預かり支援事業利用料金の一部貸付け

 

東京都は補助制度が充実しているから保育士として働きやすい地域!

東京都は、全国トップの人口を抱えながら、共働き、核家族の世帯が多く、保育施設へのニーズは非常に高いです。

そんな背景から、保育士を確保するための取り組みとして、補助制度を充実させています。

不安定な世界情勢や円安、急激な物価高で、日々の生活が脅かされている昨今。

補助制度を上手く活用することで、安心して働くことができるでしょう。

保育士の仕事をするならば、東京都はおすすめの地域です。

 

 

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