保育のコラム

0歳児クラスの複数の担任のリーダーが回ってくるのですが、苦痛です。どのようにすればよいのでしょうか?

2023/08/29

保育士の仕事は、複数担任であれば担任リーダーという業務は絶対に回ってきます。
リーダーは、その日1日クラスを引っ張り、他の職員に指示をだし、全体を把握しなければいけないため、プレッシャーに感じ「向いてない」と悩む保育士も多いようです。

本記事では、保育士が「リーダーに向いていない」と感じる原因と、リーダー業務をスムーズに進めるポイント、どうしても向いていないと感じたら取るべき行動についてお話します。

 

保育士が「リーダーに向いてない」と感じる原因

 

保育士が「リーダーに向いていない」と感じる原因は、主に4つあります。
そもそも出来ていないわけではなく、環境が原因の場合もあります。

 

原因1:クラス全体を見て行動することが求められるから

 

リーダーはクラス全体を見て行動する事が求められています。
子どもたちをまとめなければいけないのはもちろん、同じクラス担任の保育士に指示を出さなければいけません。

クラス全体がまとまるかどうか、子どもたちがバラバラにならないか、危険はないか、など、すべての責任がかかっているため、プレッシャーを感じずにはいられません。

 

原因2:イレギュラーな出来事にも対応する力が求められるから

 

保育園では、日々いろいろな事が起きます。

保育士は、ある程度子どもの姿やトラブルを想定して、それに対する保育士の動きや環境整備等を日々考え指導案にも盛り込んでいますが、どうしても予測不可能な事は起きます。
子どもが想定外の動きをした時や、突発的な事が起きた時は、対処せねばなりません。

また、トラブルに気を取られて他の子どもたちをおろそかにするわけにはいきません。
イレギュラーな出来事への対応力が、リーダーとして求められます。

 

原因3:周りの職員との密な連携が求められるから

 

担任リーダーは、同じクラス担当の保育士に指示を出す役目があり、密な連携が求められます。
設定保育時の準備するものや保育士の動きなどを、あらかじめお互いで共有しておくことで、保育がスムーズに行えます。

逆に言えば、共有を怠ると他の先生は困ってしまい密な連携ができません。

また、他のクラスの先生や主任、栄養士など給食の先生、年齢によってはナースなど、多くの職員とも連携していかなければなりません。
例えば早番の先生から引き継ぐ時、遅番の先生にお願いする時、クラスの子どもたちの様子など情報を共有する必要があります。
乳児クラスであれば月齢やその子の発達に合った離乳食について、給食の先生と連携します。
これら連携が苦手と感じる場合もあるでしょう。

 

原因4:リーダー業務をこなせているのに、できていないと思い込んでいるから

 

リーダー業務をこなしているのに、できていないと悩むケースがあります。

慣れていない、苦手意識が強い、自信がない、「これでいいのだろうか?」といつも模索している場合などです。
新人保育士や経験の浅い保育士、そもそも人の前にたつことや自分が中心になって動くことが苦手な保育士によくあるケースです。

向上心にあふれるのは良い事ですが、できていないと感じるのは思い込みかもしれません。
振り返りや反省は大事ですが、無事1日が終わったら、「何事もなく無事終わった事」「子どもたちが笑顔で遊べたこと」など、良かった事にフォーカスしてみましょう。

1日が無事終わるのはすごいことです。
リーダー業務をこなせた自分を労い褒めてあげてください。

 

保育士がリーダー業務をスムーズに進めるために押さえておきたい5つのポイント

 

それでは、保育士がリーダー業務をスムーズに進めるためには、どのような事に気を付ければよいのでしょうか?
押さえておきたいポイントを5つ紹介します。

 

ポイント1:一人ですべて進めようとせず他の職員に頼る

 

1人ですべて進めようとせず、他の職員を頼りましょう。
そもそもリーダーは、全体を見て他の先生に指示を出すのが基本なので、どんどんお願いしてしまいましょう。

自分より年上の先生や先輩が上司である場合やりにくいかもしれませんが、そのような時は相談する気持ちでお願いしてみましょう。
気持ちよく動いてくれるかもしれません。

 

ポイント2:1日の流れを他の職員に共有する

 

これはリーダーとして大事な事の基本中の基本とも言えますね。
1日の流れを他の職員としっかり共有しておきます。

月案・週案・日案を詳細にしっかりと作り、あらかじめ共有しておきましょう。

指導案は、自分的メモではなく、他の先生が一目見てどのような保育を行うかわかるもの、という意識を持って作ります。
前日までに『明日の保育』の内容や流れを共有しておけば、お互いにスムーズに進めることができるでしょう。
また、心にも余裕が生まれます。

 

ポイント3:余裕のあるスケジュールを組む

 

1日の流れについても、週ごとや月ごとのスケジュールについても、余裕のあるスケジュールを組みます。
例えば、準備や導入の時間を見越して計画を立てる、次の活動への移行時間を組む時、片付けを声掛けしてから片付くまで時間がかかることを予測して時間を取るなどです。
時間に追われるようにきっちりとしたスケジュールは、保育士自身も少し時間通りにならないと不安になったりイライラしたりするでしょう。

子どもたちを追い立ててしまうかもしれません。
そのような事態にならないために、余裕のあるスケジュールを心掛けます。

他の先生がどのように計画を立てて対応しているのか、普段から一つ一つの行動にどのくらいの時間がかかっているか、可能であればメモを取るなどしておくと良いでしょう。

 

ポイント4:普段からコミュニケーションを意識する

 

リーダー保育士は、他の先生との連携が必須です。
しかし、保育士同士の人間関係がぎくしゃくしていると、連携する事が難しくなってしまいます。
指示を出しても冷たい反応をされるなんて事があると、気が重くなってしまいます。
そのような空気は子どもたちも察するでしょう。

子どもたちのためにも、保育士同士が良好な関係を築く必要があります。
例えば、サブの保育士が先輩である場合、監視の目が怖いとか「どう思われているのだろう?」などと気になるかもしれません。
そのような時こそ、普段からコミュニケーションを意識し、時には相談するなど謙虚でポジティブな姿勢を示すと、サポートしてもらえるなどスムーズに物事が動くかもしれません。

 

ポイント5:普段から他のクラスのリーダーの動きを観察し、引き出しを増やす

 

普段から他のクラスのリーダーと情報交換をしたり動きを観察したりして、自分の引き出しを増やしておくことも大切です。
業務時間中、他のクラスのリーダーの動きを観察することは難しいかもしれませんが、自分のクラスで自分がリーダーではない時は、他の保育士がどのようにリーダーをしているか、動きを観察することができます。

ぜひ他の保育士から多く学び、引き出しを増やしてみてください。

 

どうしてもリーダー業務が苦痛で向いてないと悩んだ時の2つの解決策

 

リーダー業務をスムーズに行うためのポイントをいくつかご紹介しましたが、それでもどうしても苦痛で「向いていない」と感じる保育士もいるでしょう。

そのような時、2つの選択肢があります。
このまま苦痛を我慢するより、自分らしく働く道を選ぶのもひとつの手です。

 

解決策1:パートや派遣保育士など、リーダーになる可能性が低い働き方に変更する

 

パートや派遣保育士という立場に働き方を変更するか、転職を視野に入れます。
パートや派遣保育士は、リーダーになる可能性が低いからです。

保育園によって仕組みは様々で一概には言えませんが、多くの場合担任リーダーをパートや派遣保育士には任せません。
正社員や有期契約社員より、ぐっと負担は少なくなります。

 

解決策2:他の保育園や保育施設に転職する

 

現在あなたが「リーダーに向いてない。つらい」と感じるのは、あなたが出来ないのではなく周囲の環境が原因も知れません。
保育園によっては、慣れていない保育士がリーダー業務を任された時のサポート体制がしっかりしていて育てる仕組みが整っている、やりやすい保育園もあります。

今働いている保育園よりも、周囲の職員が協力的な保育園に転職することで、リーダー業務をスムーズに進められるようになる可能性もあります。

また、保育園以外の保育施設の場合、そもそもクラスリーダーというポジションがない職場もありますので、リーダー業務を行う必要がない保育施設に転職することも1つの方法です。

 

リーダーに向いてないと感じるのは職場環境が原因となっている可能性も!現在より自分に合った職場や働き方を選んで苦手意識を克服しよう!

 

いかがでしたでしょうか?
新人や経験が浅いうちは特に、リーダーに向いていないと悩む保育士は多いです。
前述したスムーズに進める工夫などを意識し、経験を積み重ねていく中で苦手を克服できる事ももちろんあります。

しかし、リーダーに向いていないと感じるのは、自分の性格などではなく職場環境が原因となっている可能性もあります。

現在、「リーダーが回ってくるたび苦痛でしかない」「努力してもどうしてもだめ」などと思う場合、現在より自分に合った職場や働き方を選んで、働きやすい環境の中で苦手意識を克服できればなお良いのではないでしょうか。

 

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