保育のコラム

虐待のサインを見逃さないで!虐待の疑いがある園児を見つけた時の保育園の対応

2017/10/05

虐待の疑いがある園児

 

保育士は、子どもの小さな変化から虐待のサインを見つけるという大切な役目を担っています。保育園で子どもと一緒に過ごしている中で、態度や言動に違和感をおぼえた経験を持つ方もいるのではないでしょうか?

 

しかし、虐待の疑いがある子どもを見つけた場合、どのように対応すれば良いのか悩んでしまいますよね。

今回は、虐待の疑いがある園児を見つけた時の保育園の対応についてご紹介します。

ずっと保育士編集部

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

虐待の種類

 

 

 

虐待の種類

 

虐待と一言でいっても、その種類はさまざまです。下記では、「児童虐待防止法」により定められている「4種類の虐待」についてご紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【身体的虐待】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・打撲傷、あざ、骨折、やけど、頭部外傷、内臓損傷、刺し傷など、身体的に傷を生じさせる行為

 

・殴る、蹴る、突き落とす、熱湯をかける、首をしめる、逆さ吊りにするなど、生命に危険を及ぼす暴行

 

 

・意図的に子どもを病気にさせる行為

 

 

【性的虐待】

 

・性的行為の強要、教唆

 

・性器を触る、触らせる行為

 

 

・ポルノグラフィーの被写体にする

 

 

【ネグレクト】

 

・家に閉じ込める

 

・乳幼児を家に残したまま、外出する

 

 

・車の中に放置する

 

 

・食事を与えない

 

 

・ひどく不潔なままにする

 

 

・重大な病気になっても、病院に連れて行かない

 

 

【心理的虐待】

 

・言葉による脅迫

 

・兄弟間での著しい差別的な扱い

 

 

・子どもを無視したり、拒絶したりする態度を示す

 

 

・子ども目の前で、家族に暴力を振るう(DVなど)

 

 

 

虐待のサインを見逃さないで!

 

 

 

虐待のサインを見逃さない虐待を早期発見するためには、「虐待のサイン」を見落とさないことが大切です。虐待のサインに気付けるように、知識を身につけておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【子どもが出すサイン】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

分かりやすいサインとしては、まず不自然な箇所にある外傷が挙げられます。

腹部やこめかみ、背中、太ももなど、本来けがをしにくいはずの箇所に不自然な外傷がある場合は注意が必要です。

 

子どもに傷やけがの理由を聞いた時に、説明が曖昧で矛盾している時なども虐待の可能性が考えられます。

 

 

また、虐待のサインは子どもの態度にも表れます。

 

例えば、体に触れようとすると拒絶反応を示したり、服を脱ぐことに不安を感じたり、給食やおやつなど、食べ物に固執する態度が見られる場合は、注意深く見守る必要があります。

 

【保護者が出すサイン】

 

虐待のサインは子どもからだけでなく、保護者の言動や態度からも見て取れます。

例えば、子どもに対する態度が威圧的だったり、反対に無関心だったりした場合は、親子の様子を注意深く見て気を配ることが大切です。

 

また、しつけといって子どもを殴ったり、子どもの傷やけがの説明が不自然だったりする場合なども虐待が疑われます。

 

 

 

虐待の疑いがあった時の保育園の対応は?

 

 

 

保育士は、虐待の疑いがある子どもを見つけたとき、行政や児童相談所に通報する義務があります。しかし、虐待は非常にデリケートな問題であるため、慎重に対応しなくてはなりません。

 

 

虐待は園全体で取り組むべき問題です。

 

1人で抱え込み、万が一対応が遅れては取り返しの付かないことになりかねません。クラス担任だからといって1人で抱え込まずに、必ず先輩や園長に相談するようにしてください。園内で情報を共有して、経過観察するか通告するかなどを協議しましょう。

虐待の疑いがある場合には共通認識の元、園全体で子どもや保護者と関わっていくことが重要となります。

 

虐待が起きる背景には、保護者の子育てに対する悩みや不安があります。誰にも相談できずに孤立してしまうこともあるため、保育士は保護者の悩みを気兼ねなく聞ける環境を整える必要があります。

 

 

子育てに不安を感じてイライラしていたり、周囲に親族や親しい人がおらず孤立したりしている保護者がいたら、積極的にコミュニケーションをとるよう意識しましょう。

 

日ごろから保護者とコミュニケーションをとることができれば、潜在的な虐待のリスクを軽減させることができるかもしれません。

 

 

おわりに

 

 

 

子どもの心に深いダメージを与える虐待は非常にデリケートな問題であるため、保育園側は慎重に対応しなくてはなりません。虐待の疑いがある園児を見つけた時は1人で問題を抱え込むのではなく、先輩や園長などに相談し、園全体で問題の解決にあたることが大切です。

 

子どもが健やかに成長していけるよう、虐待のサインを見逃さないようにしましょう。

 

保育士求人_記事下バナー

カテゴリ
保育の知識
保育士・幼稚園教諭・ベビーシッターの求人専門サービス「ずっと保育士」