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「保育」のお役立ちコラム

授乳の支援

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授乳の支援
 
 母乳の授業をするにあたって、学生に「あなたに赤ちゃんが生まれたら、母乳とミルクのどちらをあげたいですか?」と質問すると、全員が「母乳!」と答えます。赤ちゃんには母乳が最適。誰もがそう考えるのですが、残念ながら、母乳は完璧ではありません。今回は、母乳とミルク、そして授乳の支援について考えてみます。
 
○母乳の優れている点
まず、赤ちゃんが当面必要な栄養素はすべて含まれています。つまり母乳だけでよいということ。私たち大人には、ひとつだけで必要な栄養素の種類と量がまんべんなく摂れるという食品はありません。そして、その栄養素はほぼ100%消化吸収されるので、無駄がありません。
 
 また、免疫物質を豊富に含むので、赤ちゃんは多くの感染症から守られます。その他、スキンシップができる、母乳育児は産後の回復を早めるなどお母さんの健康にも役立つ、経済的など。本当に素晴らしいの一言です。
 
○母乳の注意点
 ところが、母乳に含まれる栄養素を詳しくみてみると、赤ちゃんにとって足りないものが二つあります。それはビタミンKと鉄。ビタミンKは、あまり耳慣れないかもしれませんが、赤ちゃんに不足が進むと脳出血を起こすことが知られています。このため、現在ではほとんどの医療機関で、ビタミンK2シロップを飲ませるという予防対策がとられているので、対策をしていれば欠乏症の心配はありません。
 
 母乳中の鉄もごく微量です。前の項で、赤ちゃんが当面必要な栄養素すべて含まれていると紹介したので、矛盾するかもしれませんが、赤ちゃんは生後5か月ころまでは母乳だけを飲んでいても、鉄不足による貧血にはなりません。それはお母さんから胎児のときにもらった鉄の貯金があるからです。
 
○母乳だけではいけない理由
 赤ちゃんは、鉄の貯金を少しずつ使って成長していきます。ところが貯金ですからいつまでもあるわけではなく、なくなったら補わなければなりません。この貯金が使える時期はちょうど離乳の開始ころまでなのです。 
 
 つまり生後5か月以降も母乳主体の栄養を続けていると、徐々に鉄の不足がおこりやすくなるので、離乳食で鉄を補う必要がでてきます。離乳食がうまく進まない場合、深刻な鉄不足は1歳前後に起こりやすくなります。離乳の大切さがわかりますね。
 
○育児用ミルクについて
 「ミルクは人工的なものなのでよくない。」という人がいますが、そんなことはありません。育児用ミルクのモデルは母乳。牛乳・乳製品を主体に、成分組成を母乳に近づけ、上に示した母乳の栄養面の欠点をカバーしているのが現在のミルクです。メーカーによって、脳の発育に大切なDHAや、免疫物質の一部などが添加されているものもあります。乳児用の特別用途食品に位置づけられてるので、安心して赤ちゃんに与えることができます。
 
 もちろん、育児ミルクではビタミンKや鉄の不足の心配はありません。常に正しく安全に調乳して、ゆったりとした気持ちで飲ませてあげてください。ただ、工場で生産する製品なので、原材料や製造工程での安全面での万一のリスクがあることは心得ておきましょう。
 
○授乳の支援
 このように、母乳とミルク、それぞれによい点と注意点があります。母乳なのかミルクなのかとモノにこだわるのではなく、母乳とミルクを通して育児をしていくことのかけがえのない大切さを伝えることが、保育者から保護者への授乳支援ではないでしょうか。

 

 曽根 眞理枝 先生

(そね まりえ 先生) 
 
横浜女子短期大学准教授・管理栄養士
専門:小児栄養学

神奈川県内の保育士を対象として、離乳食の進め方など乳幼児の食生活に関する研修の講師を務めるほか、
2009年度より横浜市港南区の委嘱を受け、区内保育園の食育研修講師として食育推進にもかかわっている。

〔著書〕
「子どもの食と栄養」建帛社、「最新子どもの食と栄養」学建書院 など




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2012.09.01
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