保育のコラム

うつ病になる前に!知っておいて欲しい保育士のストレス要因

2021/03/10

うつ病になる前に!知っておいて欲しい保育士のストレス要因

「仕事に行きたくない」「毎日ぼんやりして頭が回ってない気がする」「やらなきゃと思うことがうまくできない」など悩んでいることはありませんか。

実は保育士など人を助ける仕事をする献身的な人にうつ病の人が増えています。

ついつい相手のため、子どものため、と自分を犠牲にして先回りして考えがちな保育士。

その姿勢は素晴らしいのですが、気をつけないと最悪うつ病により社会生活がままならないこともあります。

この記事は「ストレスが多くてつらい」「もしかしてうつ病なのでは」と感じている保育士に向けて、保育士とうつ病について詳しく解説します。

ずっと保育士編集部

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

そもそもうつ病ってどんな病気?

現代人にとって、うつ病とは非常に身近に聞く病気となりました。

ですが、一体どう言った状況がうつ病なのでしょうか?

厚生労働省が運営する「みんなのメンタルヘルス」というサイトではうつ病とは下記の通り定義されています。

眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといったことが続いている場合、うつ病の可能性があります。うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、自分がダメな人間だと感じてしまいます。そのため普段なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じられるという、悪循環が起きてきます。

厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」より

うつ病の主な原因とは?

うつ病の原因についてはまだまだ解明されていないことが多いです。

現在言われている主な原因は下記3点です。

・心理的なストレス

・脳内の変化

・なりやすい体質(遺伝性)

心理的ストレスは、過労やトラブルによる心理的負担が原因です。

これらのストレスが脳内の変化をもたらすことで、うつ状態になりやすくなります。

また、体質はまだはっきりと解明されていませんが、親や兄弟など身近な人にうつ病の人がいると発症しやすいことがわかっており、体質によるうつ病発症があるのではないかと考えられています。

うつ病になるとどんな症状が出るの?

うつ病の代表的な症状とは、「憂うつな気分」と「何に対しても興味が持てない」という2つの症状です。

医師の判断では、この2つのうち、どちらかひとつでも、ほとんど一日中、ほとんど毎日、2週間以上続いている場合、うつ病の可能性が高いと考ると言われています。

ただし、うつ病の症状は個人によっても異なりますし、気がつくにも時間がかかります。

うつ病と診断される方の多くは食欲不信、疲れやすさなど体の不調からうつ病が発覚するケースが多いです。

保育士にはうつ病が多い職業

保育士にはうつ病になる方が多いと言われています。

とある調査によると、なんとうつ病と診断された過去がある方が30%弱、病院へは受診していないが、うつの自覚症状がある人を含めると50%がうつ病に悩んでいるという結果が出ました。

職場でも一度はうつ病と診断された同僚の方をみたこともあるのではないでしょうか。

もともと保育士には子どもが好きで、お世話や成長を支援したいという心が優しい人が多く、生真面目な方が多いです。

そのため、仕事上で多くのストレスに対し真面目に取り組むことからうつ状態になってしまうことがあります。

では、実際に保育士がどのような場面で心理的ストレスがかかり「精神的にきつい」と感じてしまうかについて解説していきます。

保育士業務を「精神的にきつい」と感じる保育士が多い

うつ病になる前に!知っておいて欲しい保育士のストレス要因

保育士がうつ病を疑う症状を発症する原因の多くが仕事のストレスと言われます。

保育士の仕事は、単に子供と遊べばいい、保育時間を過ごせばいいという単純なものではなく、対人業務、事務業務など幅広く兼務しなければなりません。

そのため、全てが並行業務となり精神的にきついと感じることが多いのです。

ここからは具体的に保育士が抱えるストレス要因を探っていきます。

保育士が抱える4つのストレス要因

保育士が抱えるストレス要因は大きく分類すると4つに分けられます。

1、子どもを預かることへの責任

2、職場の人間関係

3、保護者との信頼関係

4、残業や持ち帰り業務

ここからはそれぞれについて具体的にどのようなものか解説します。

子どもを預かることへの責任

保育士の仕事は、常に気を張った状態、緊張状態にあります。

なぜなら、保育とは子どもの成長を支援する仕事ですが、同時に安全配慮など命を預かる仕事です。

子どもたちの予測不可能な行動を常に予見し、先回りして行動しなければなりません。

また、仮に予見できた場合でも事柄によってはすぐに手助けをするのではなく、見守りをすることで成長を促さなければならないこともあるでしょう。

常にその匙加減を瞬時に判断し、多くの子どもが安全かつ成長を支援するという仕事という責任は保育士ならではのやりがいであると同時に大きなストレス要因になります。

職場の人間関係

保育士の職場は基本的には女性社会です。

また、外部業者の出入りはほとんどなく、保育士も外出や出張などはほとんどありません。

そのため常に閉ざされた人間関係の中で仕事が進みます。

女性社会はうまく回っているときは心地よいのですが、一旦関係がこじれると一気に環境が変化します。

女性特有のマウンティングや嫉妬、生理的に嫌いと言った理不尽な感情が渦巻く中で業務を円滑に行い、子どもたちにその姿を見せないように配慮するなどは大きなストレスです。

実際、保育士の転職や退職のきっかけには職場の人間関係がよく上がります。

人間関係のストレスは自分だけではコントロールし難いことのため、出口が見えないストレスに感じるでしょう。

保護者との信頼関係

保育園に子どもを預けている多くの保護者は忙しく、送迎のわずかな時間でしかコミュニケーションが取れません。

そのわずかな時間と連絡帳という文字によるやり取りで信頼関係を築くということは大変なことです。

また最近ではモンスターペアレントと言われるクレーマーのような保護者も一部に存在しています。

どんなに心を尽くしても信頼関係を築けない場合、精神的に大きなストレスになり大きな負担になるでしょう。

残業や持ち帰り業務

ストレスや精神的負担を軽減するために必要なことは休息です。

休息は何も長期休暇のことだけではありません。

毎日ゆっくりと湯船に浸かる、友人とご飯を食べに行く、気を抜いて何もしない時間を作る、睡眠時間をたっぷりと確保するなど日常にできることはたくさんあります。

しかし、保育業界には慢性的な問題として残業による長時間労働、持ち帰り業務などがあります。

そのため、日々のちょっとした休息時間が奪われてしまいストレス軽減のための時間が取れないことから、ストレスを緩和することができなくなってしまうのです。

ストレスを軽減することができない状態が長期化することは、精神的に追い込まれてしまい事態を悪化させてしまうため、大変危険な状態となります。

ストレスを感じたら一人で抱え込まず、自分をいたわろう!

うつ病になる前に!知っておいて欲しい保育士のストレス要因

保育士にとってうつ病は対岸の火事ではありません。

頑張ってしまう人ほどかかると言われるうつ病は、どんな人にもある日突然訪れる病気なのです。

そしてその原因の一つがストレスです。

解説したストレス原因について思い当たることがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もしも現在ストレスを感じているのであれば、一人で抱え込まず身近な人に相談したり、自分を追い込まないようにしましょう。

一人で抱えていても解決できないことも、第三者の意見により一気に解決することもあります。

また、環境を変えるなどの変化を起こすことも良いでしょう。

自分でできるだけ意識して自分のストレス状態を測るようにし、自分自身が自分を労るように日頃から心がけましょう。

 

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