保育のコラム

いつ言えばいいの?仕事はどうなる?保育士が妊娠したら考えたいポイント

2021/02/01

キャリアコンサルタントに相談する

保育士は人手不足などの影響から休みがとりづらいと言われています。

その中で不安になることが、「妊娠しても本当に働き続けることが可能なのかどうか」ということです。

体調に大きな変化がおとずれる妊娠。

大きなお腹で働き続けることが可能なのか、いつからおやすみに入れるのか、また妊娠を機に退職も視野に入れているかもしれません。

そこで今回は「妊娠中の仕事について気をつけたいこと」について詳しくまとめます。

“ずっと保育士編集部”

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

いつ言えばいいの?妊娠報告の流れ

妊娠報告は一般的には安定期(妊娠12週)に入ってから、と言われます。

しかし、安定期に入る前、妊娠8週目前後はつわりやホルモンバランスの変化に伴う体調変化が起こりやすい時期で仕事に支障をきたす場合もあります。

切迫流産などの可能性がある場合、絶対安静が医師より指示されることもあるでしょう。

その場合、通常の勤務ができるとは誰もいえないのが現状です。

特に、保育士はデスクワークなどと異なり、常に座っている仕事ではありません。

また、子どもたちは悪気なくお腹辺りに抱きついてきたりもします。

特につわりや症状がない人にとっても、デリケートな時期なので、周り方のフォローが必要と考え、できるだけ園長などには早めに伝える方が良いでしょう。

全ての保育士や同僚に伝えるかどうかは園長の判断になります。

一昔前は、妊娠するとやめなければならないという風潮にある保育園もありましたが、現在ではまれです。

できるだけ環境を整え、産休育休中の人員補充など、今後の働き方にとってベストな方向を探ってくれる保育園がほとんどですので、妊娠判明した頃に伝えておくと良いでしょう。

気を付けるべき保護者への配慮

妊娠を伝えるのは、何も園長や上司、同僚の先生ばかりではありません。

保育士の職場では保護者へも伝えなければならないでしょう。

特に担任を受け持っている保育士は、クラスの保護者からは1年間子どもを任されているわけです。

学年の途中で育休、産休に入ってしまうことを心苦しく思うかもしれません。

保育士の中にはそういったことを考慮し、妊娠時期の計算をする方もいらっしゃいます。

しかし、妊娠は授かりものですので、計画通りというわけにもいきません。

どんな時であれ、安定期に入った頃から、少しづつ朝や帰りのお迎えなどで挨拶していけば良いでしょう。

今、保育園に子どもを預けている保護者はほとんどが就労を理由にされている方ばかりです。

そのため、仕事を持って産休育休を取得された方、妊娠中も仕事を続けられた方も多くいらっしゃいますので、丁寧に説明すればトラブルになることもほとんどないでしょう。

妊娠初期は特に注意。考えられる仕事への影響

妊娠中は体調が不安定になりがちです。

また、安定期に入ったからといって、流産の危険がないわけではありません。

ここからは妊娠したことで出る仕事への影響について大きく3つに分けてご紹介します。

つわりでの欠勤

つわりは妊娠8週目から安定期にかけて最も多くの人が苦しむ症状です。

人によっては多少の”気持ち悪さ”だけで済んだり、全く症状のない人もいますが、症状が重い場合は全く食事を受け入れられず吐き気が止まらないなど深刻な症状が現れます。

そのため、出勤もままならず欠勤が続くこともあります。

また、この時期は安定期前が多いので職場全体に妊娠のことを告げていない場合もあります。

そのことが職場内で誤解を生んだり、無理をした出勤につながったりと精神的ストレスにもつながりることがあります。

仕事中の体調不良

妊娠中はホルモンバランスの乱れや食事のバランスも崩れやすい時期になります。

そのため、仕事中に急な体調不良になり業務がままならなくなることも珍しいことではありません。

職場内に休憩できる場所があれば一時休憩をさせてもらうことや遅刻早退などで迷惑をかけてしまうこともあるかもしれません。

今まで出来ていたことができなくなる

妊娠20週を超えるあたりから、お腹のふくらみも目立ちはじめ、普通に歩いているだけでも転けやすかったり、身体のバランスを取り辛くなります。

保育士は散歩や園庭遊びなどデスクワークの人に比べて体を動かす仕事が多いので、身体を自由に動かしづらいことで、仕事がしにくいなどの悩みが出てくるでしょう。

また、園児の突然の抱っこ要求や悪気ないぶつかりなど、配慮しなければならないこともあります。

周りの保育士のフォローを得ながら、無理をしないことが大切です。

妊娠中の仕事で気をつけなければならない赤ちゃんへの影響

妊娠中は自分の体だけではなく、赤ちゃんのことも守らなければならなくなります。しかし、仕事をしていると、妊婦や赤ちゃんに対するさまざまな影響やリスクが考えられます。

ここからは、妊娠中に気をつけることを3つに分けてご紹介します。

行事などでの重労働

妊婦にとって重いものを持つという行為は大変負担が大きいです。

お腹に力が入ることで、子宮の収縮が起こり、お腹の張りを感じたり、出血が起こることもあります。

また、妊娠中はホルモンの影響で靭帯が緩んでくるため、腰痛を起こしやすくなります。

しかし、保育園の運動会や発表会など行事ではどうしても重いものを運んだりしなくてはなりません。

周りの保育士もフォローをしてくれたとしても、責任感の強い人ほどついつい頑張ってしまうものです。

「抱っこ」と子どもたちにせがまれれば、ついつい応えたくなることもあるでしょう。

重いと感じるかどうかは人それぞれではありますが、これまでの習慣の中でついついやっていたことも控えていかなければなりません。

子どもと接する際に起きる思わぬ事故

保育園に通う子どもたちは、まだまだ保育士の介助が必要な年齢です。

低年齢の子どもであれば抱っこを要求することもありますし、高年齢の子どもも遊びに夢中で危機に気がつかない子もいます。

咄嗟に助けようとした時、力が入ってしまうことでお腹に負担がかかると危険です。

感染症のリスク

幼い子どもたちは免疫力が弱く感染症にかかりやすいものです。

保育園では季節を問わず感染症のリスクが高いです。

よく知られているのは風疹などです。

妊娠初期にかかると、胎児に影響が出やすく、難聴、心疾患、白内障、緑内障、精神や身体の発達の遅れなどの障がいをもった赤ちゃんが生まれる頻度が高くなります。

それ以外にも、母子感染の危険がある感染症は多く、厚生労働省からも危険について周知されています。(※1)

働けるのはいつまで?休むor辞めるタイミングは?

保育士も最近では妊娠しても勤務する人は増えています。

通常、産休に入るタイミングは出産予定日の8週前からとなりますので、妊娠8ヶ月前後までは働く人が多いです。

妊娠中の体調は個人によって異なりますので、いつまで働ける、ということはありませんが、無理のないタイミングで休みに入るようにしましょう。

保育園にもよりますが、産休を早めに取れるように配慮してくれたりする制度がある保育園も増えてきました。

ただ、妊娠をきっかけに退職を考える方もいます。

つわり等が重く、休暇を取らざる得ないまま退職してしまう方や出産を機に家庭に専念する方もいます。

妊娠中は特に自分の意思だけでは決めることが難しいので、体調や家族と相談しながら休みに入ったり、退職を検討する方が良いでしょう。

産休か退職かを選択する時のポイント

妊娠中はホルモンバランスが崩れやすく、身体が思うように動かないことから心身ともに不安定になりやすいです。

「もう仕事なんて辞めてしまいたい」と思うことも多々あるでしょう。

ただ、心身ともに弱っている時に感情のままに動くことは得策ではありません。

産休まで働き続けるか、退職するか選択するポイントを紹介しますので、まずは冷静に考えてみましょう。

将来の働き方を考える

今後のキャリアについて、どのように考えているかをまずは書き出してみましょう。

具体的には子どもが産まれたのち、保育園に預けて働きたいのか、もしくは少し長く子どものそばにいたいと考えているのか、などです。

保育士は今後も需要が伸びる仕事です。

多少空白期間があったとしても、再び保育士として勤務することは可能です。

ただ、空白期間は当然お給料は入ってきません。

子育ては経済的にも負担があります。

そのことも考慮した上で、どのような働き方、1年後、3年後、5年後仕事をどうしていきたいのかをじっくり考えましょう。

周囲の人と話し合う

子育ては基本的には夫婦で行うものです。

共働きで育てるには、パートナーの協力が欠かせません。

また、実際に共働きをするのであれば、近隣に両親がいらっしゃれば助けを借りられるかどうかも重要なことです。

今後についてどのように考えているのか、協力はどのように得られるのか、あなた自身のキャリアについて周囲がどのように考えているのかなど、周囲の意見を含めて話し合うと良いでしょう。

保育士の妊娠には周囲のフォローが必要不可欠!

保育士の妊娠についてまとめました。

妊娠中はホルモンバランスが通常とは異なり、心身ともに万全ではありません。

加えてお腹が大きくなるにつれてバランスを崩しやすく、足元も見えにくくなったりします。

仕事を続ける女性が増え、それが当然のような風潮も世の中にはありますが、妊娠中の症状は個人によって大きく異なりますので、自分にとって、またお腹の赤ちゃんにとって大切な環境を選ぶことが重要です。

そして、そのためには周囲のフォローが不可欠です。

周囲のフォローは妊娠したからすぐに得られるわけではありません。

普段からの信頼関係があってこそという面もあります。

いざ妊娠した時に周囲の助けが得られるように、人間関係や協力者を増やしておくことこそ、妊娠した時に働きやすい環境を得られるでしょう。

※1:参考元:厚生労働省「妊娠と感染症」」

 

保育士求人_記事下バナー

カテゴリ
保育士キャリア
保育士・幼稚園教諭・ベビーシッターの求人専門サービス「ずっと保育士」