保育のコラム

5歳児の室内遊びのねらいは?集団遊びや手遊びなどおすすめの室内遊びを紹介

2020/11/12

5歳児の室内遊び

保育園の中でも最年長となる5歳児は、集団遊びや室内遊びを通して、体力・知力ともに目を見張る発達をしていきます。

身の回りのことも一通り自分で行える生活力やお友だちと仲良くする社会性、自分で考えて判断・行動する力も身に着けてくる5歳児は、少し複雑な室内遊びを取り入れて過ごすことで、さらに成長し、卒園に向けて保育園での楽しい思い出づくりをしていくことができます。

ずっと保育士編集部

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

5歳児の室内遊びのねらいって何?

小学校入学を控え、保育園の中で最年長となる5歳児は、心も身体もどんどん成長し、以下のような能力を身に着けていきます。

体力・筋力などのバランス能力を身に着け、複雑な動きもできるようになる

手先が器用になり、ハサミ・ホチキス・スティックのりなどの細かい道具の用途を理解し、使いこなせるようになる

身の回りのことを一通り自分でできるようになる言語能力が発達して、自分の意思を文章にして伝える、質問に対する答えとその理由を述べることができるようになる

理解力が向上し、時間、曜日、数などの概念を覚えて比較することができる、文字の読み書きができるようになる

など

上記のような成長を遂げつつある5歳児は、室内遊び通してさらに以下のことを学び取っていきます。

集団で目的を達成することの喜びを知る

自分の欲求とお友だちの欲求のぶつかり合いから、自分ではない他者を理解することや意見の食い違いを自分たちで解決する

ごっこ遊びなどをする中で、お友だちとイメージを共有し、つくりあげていくことを楽しむ

道具を使って細かい指先の動きを反復して行い、複雑な作業を行う

保育士が適切に補助してあげることで、5歳児は楽しみながら多くのことを吸収し、遊びを発展させることができるようになります。

5歳児向けの室内遊びとは?

5歳児の室内遊び

暑い夏や寒い冬、また悪天候が続く梅雨や台風の時期は、どうしても外遊びができなくなります。

外に出られず、部屋の中にずっといると、どうしてもストレスを感じやすくなりますが、お友だちと一緒に楽しく室内遊びをして過ごすことで園児たちの動きたい欲求を満たしてあげることができます。

体力、社会性など多くの成長を遂げる5歳児は、身体の柔軟性を活かし、お友だちと一緒にルールを守りながらチーム戦のゲームなどを行うことで、楽しく室内遊びを行うことが大切です。

5歳児におすすめの室内遊び【集団遊び編】

社会性が発達してきている5歳児は、お友だちとチームをつくり、協力する集団遊びができます。

お友だちと協調して遊ぶ中で、自分とお友だちの意見が異なる場合でも、相手の気持ちを想像して譲り合う、ケンカになっても自分たちで解決をし、仲直りをするなどさらなる社会性を育んでいくことができます。

以下に、集団で楽しく行える室内遊びのアイデアを紹介します。

なんでもバスケット

遊び方

1.遊ぶ人数より1つ少ない数の椅子を輪になるように並べます。

2.鬼が輪の真ん中に立ち、残りの子は椅子に座ります。

3.鬼が「ピンクの服を着てる人!」などのお題を出します。

4.座っている子のうち、鬼が出したお題に当てはまる子は立ち上がり、違う椅子に移動します。もともと座っていた椅子とその隣の椅子には座ることができません。鬼も空いた椅子に座ります。

>5.椅子に座れなかった子に鬼が交代します。鬼になった子が次のお題を出し、繰り返して遊びます。

6.鬼が「なんでもバスケット!」と言ったときは、全員立ち上がって椅子を移動します。

ポイント・注意点

鬼になった子は、みんなに聞こえるように大きな声でお題をいうように促してあげましょう。

お題が浮かばない場合は、椅子に座っている子もヒントを出して助けてあげるようにしましょう。

イスとりゲーム

遊び方

1,参加する人数よりも少ない人数の椅子を輪になるように並べます。

2.音楽にあわせて椅子の周りをみんなでぐるぐる歩きます。

3.音楽が止まったら、椅子に座ります。

4.椅子に座れなかった子は負けです。輪から外れて外野から応援しましょう。

5.だんだん椅子の数を減らしていき、繰り返します。

6.最後の1つの椅子に座った子が優勝です!

ポイント・注意点

ひとつの椅子に二人が同時に座った場合は、じゃんけんをして決めるなどのルールを先に共有しておきましょう。

子ども同士の衝突や座る際の勢いで椅子が倒れて、ケガをしないように十分注意しましょう。

ハンカチ落とし

遊び方

1.じゃんけんをして鬼を一人決めます。

2.鬼以外の子たちは輪になって床に座ります。

3.鬼はハンカチを持ち、輪の周りをぐるぐるまわり、だれか一人の後ろにハンカチをそっと落とします。

4.ハンカチを落とされた子が気付いた場合:

ハンカチを持ってオニを追いかけます。ハンカチを落とされた子がもとにいた場所に鬼が座ったら、ハンカチを落とされた子が次の鬼になります。

鬼が座る前に追いかけてタッチできた場合は、ハンカチを落とした子がもう一度鬼になります。

5.ハンカチを落とされた子が気付かない場合:

鬼が一周してもハンカチを落とされたことに気付かない場合は、鬼がハンカチを落とされた子の背中をタッチして鬼を交代します。

ポイント・注意点

ハンカチを落とされたことに気付いて鬼を追いかけるときに転ばないように、広いスペースを確保するようにしましょう。

「鬼がハンカチ持ってない!」など、みんなで声をかけあいながら盛り上がれると楽しいですよ。

5歳児におすすめの室内遊び【運動系の遊び編】

複雑な動きをすることができるようになった5歳児は、室内でできる範囲の運動系の遊びも楽しく行えます。外に出られない季節でも、ストレス解消をすることができますね。

以下に運動系の室内遊びのアイデアを紹介します。

サーキット遊び

遊び方

サーキット遊びとは、マットやフラフープなどの障害物を並べたコースを子どもたちが回る遊びです。

体力・筋力が発達し、複雑な動きができるようになってきている5歳児が大喜びする遊びです。

マットを置いて床に高低差をつける、フラフープを床に立ててくぐってもらう、三角コーンを置いてジグザグに歩けるコースをつくるなど、サーキットコースを作ります。

台を離して置いて飛び石のようにする、ほふく前進をするコーナーをつくるなど、複雑な動きをする場所をつくるようにすると5歳児にはチャレンジしがいのあるサーキットコースができあがります。

また、「どんなサーキットコースにしようか?」とみんなで相談し、協力しながら子どもたちがコースをつくってみるのも楽しいです。

ポイント・注意点

複雑な動きも上手にできるようになってきているとはいえ、転倒しやすい障害物はないか十分に配慮するようにしましょう。

子どもたちが考えてサーキットコースをつくる場合は、転びやすい場所や足を滑らせやすい場所がないかなど、保育士が事前にチェックするようにしましょう。

サーキット遊び中は、保育士が園児の近くで目を配り、適宜「気を付けてね」などの注意を促す声かけをすることで、園児の注意力を高めるようにしましょう。

ころころドッジボール

遊び方

1.床にテープなどを貼って大きな輪を描きます。

2.輪の中の内野と外側の外野に子どもたちをチーム分けします。

3.外野の子の一人がボールを持ち、「はじめ!」の合図とともに内野の子に向けてボールを転がします。室内なので、投げずに転がすところがポイントです!

4.ボールを当てられた内野の子は外野へ、ボールを当てた外野の子は内野に交代します。

5.「終わり!」の合図とともに終了です。その際に、外野と内野の人数を比べて多いほうが勝ちになります。

ポイント・注意点

参加人数に応じて、ボールを増やす、円の大きさを変えるなどすると益々おもしろくなります。

ボールは投げずに「転がす」というルールを徹底して行うようにしましょう。

紙皿でアレンジ!「ピンポン玉リレー」

遊び方

1.同人数のチームを2~3つつくり、折り返し地点を設けておきます。

2.先頭の子と2番目の子は紙皿を持ちます。

3.各チームの先頭の子が紙皿の上にピンポン玉をのせ、「よーいドン!」で出発し、ピンポン玉を落とさないように折り返し地点を回って戻ってきます。

4.2番目の子の紙皿に手を使わずにピンポン玉を渡します。ピンポン玉を渡し終わったら先頭だった子は紙皿を3番目の子に渡しましょう。

5.同じことを繰り返してリレーを行い、最後の子がいちばん早く戻ってきたチームが勝ちです。

>ポイント・注意点

走って競争するので、広いスペースを確保し、床に物が落ちていないか先に確認しましょう。

「ピンポン玉は手で触らない」というルールを周知しましょう。紙皿から落ちたときだけ手で拾って紙皿に戻してOKです。

各チームで、ピンポン玉に色を塗る、絵を描くなどをしても楽しいです。

5歳児におすすめの室内遊び【ゲーム系の遊び】

ゲームの要素を取り入れた室内遊びもとても盛り上がります。

ゲームのルールを理解し、守ることができる5歳児ならではの室内遊びです;; 。

以下に、ゲーム系の室内遊びのアイデアを紹介します。

手遊び

5歳になると手遊びも複雑で動きの多いものができるようになってきます。手遊びを通して言葉を習得することもでき、保育園で最年長のお兄さんお姉さんが下のクラスの子に動きを教えてあげることもできるようになります。

アルプス一万尺

2人一組になって、単純な動きを組み合わせて行う定番の手遊びです。

歌に合わせてゆっくりの動きから始めて、一通り歌と動きを覚えたら、徐々にスピードアップして楽しみましょう。

歌詞

アルプス一万尺 小槍(こやり)の上で

アルペン踊りを さあ踊りましょう

ランラララ ララララ

ランラララ ラララ

ランラララ ララララ

ランランランランラーン

おべんとうばこのうた

手を動かしながら、おいしいおべんとうをつくる様子を歌いながら表現する、楽しくも定番の手遊びです。

上手にお弁当が作れるようになったら、アリさん用の小さいお弁当やゾウさん用の大きなお弁当をつくるのも楽しいですね。

歌詞

これっくらいの おべんとばこに

おにぎり おにぎり ちょいとつめて

きざみしょうがに ごましおふって

にんじんさん さくらんぼさん しいたけさん ごぼうさん

あなのあいた れんこんさん

すじのとおった ふき

迷探偵ゲーム

遊び方

1.探偵役を一人決めて、離れた場所で待機してもらいます。

2.探偵以外の子はみんなで輪になって椅子に座り、一人だけ「犯人」を決めます。

3.犯人が決まったら、探偵役に戻って来てもらいます。

4.みんなで「犯人」の動きを真似します。

5.探偵は、みんなが誰のマネをしているか観察して、犯人を当てます。

ポイント・注意点

犯人がだれだかわかりにくくするために、犯人の子をジロジロ見過ぎないように先に伝えておきましょう。

同じ動きばかりだとわかりにくいので、犯人役の子には複数の動きを組み合わせるように事前に伝えておくと良いでしょう。

人数が多くなればなるほど、犯人を当てるのが難しくなります。大盛り上がりしますよ!

ジェスチャーゲーム

遊び方

1.ジェスチャーする子(1人)、ジェスチャーする人にお題を出す子(1人)、なんのジェスチャーか回答する子(複数人)に別れます。回答する子は椅子に座り、振り向いてはいけないルールです。

2.お題を出す子は回答する子の席の後ろに立って、ジェスチャーをする子にスケッチブックのお題を見せます。

3.ジェスチャーをする子は、声を出さずに、体の動きでお題を表現します。

4.回答する子は、何を表現しているかを当てます。

5.正解が出たら、次のお題に進みます。

6.制限時間を設け、時間内に何問正解できるのかをチームで競っても楽しいです。

ポイント・注意点

どうしても答えが分からない場合は、「パス」をOKにするのか、事前に決めておきましょう。

事前準備として、スケッチブックにお題をたくさん用意しておきましょう。単純なものと少し難しいものを組み合わせるようにすると良いでしょう。

ジェスチャーをする子が、まだ文字を読めない場合は、保育士が周りの子に聞こえないように耳元で教えてあげるなどのサポートをしてあげましょう。

室内遊びで5歳児の発達をサポートしよう!

5歳児の室内遊び

保育園の中で最年長のおにいさん、おねえさんである5歳児は、体力・知力を組み合わせて幅広い活動をすることが可能です。

楽しい室内遊びを通して、5歳児どうしで遊ぶことはもちろん、年長児として年下の園児をサポートするなどのリーダーシップを発揮してくれることもあり、さらに心優しくたくましく発達を遂げていきます。

ぜひ本記事に紹介した室内遊びのアイデアを参考に、うまくアレンジも加えながら楽しい時間を過ごしてく

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