保育のコラム

ミスが多い保育士です。辞めたいと思っているのですが、ミスが原因で辞めるなんで甘えでしょうか?

2023/06/29

ミスを繰り返してしまい、それを上司に報告しづらい雰囲気が怖くて萎縮し、さらにミスを繰り返してしまう、といった状況に悩む保育士は多くいます。

この状況だと「辞めたい」と思ってしまうのは自然な事です。

 

本記事では、ミスが原因で「辞めたい」と思うのはどんな時か、主な理由とどのように行動していけば良いかを解説します。

休職や退職を選択した時によくあるトラブルと、その対処法も合わせて解説しますので、この記事を読み終わる頃には、スムーズに行動できるようになるでしょう。

 

ミスが原因で保育士を辞めるのはベストな判断!心身ともに萎縮している場合は、主に人間関係などの職場環境を変えることが最も大切!

 

「ミスが原因で辞めるなんて甘えでしょうか?」などと悩む必要はありません。

 

先輩や上司が取るべき行動は、ミスを起こした事をきつく怒るのではなく適切に叱り、今後どうすればミスが起きないかにフォーカスする事です。

 

ミスは経験年数に関係なく誰にでも起こりうることなので、園全体で情報を共有し、なぜミスが起きたのかを掘り下げ、他の保育士も含めて今後同じような事が起きないよう取り組んでいく事にあります。

 

ですから、ミスが起きた時に強く怒って相手を萎縮させ、報告しづらい環境にしてしまう上司にも問題があると言えます。

ミスが起きるのは、必ずしもミスを起こした本人の注意力や責任感が足りないのが理由ではなく、園の環境自体に問題がある可能性もあるのです。

 

報告しづらい環境になっている、強く怒られてしまう、などの場合、どうしても心身ともに萎縮してしまい、自信をなくして仕事をするのが怖くなってしまいがちです。

その結果、先輩や上司・園長の顔色ばかりうかがってのびのび仕事ができず、さらにミスを繰り返すという悪循環に陥ってしまい、心身ともに追い詰められてしまいます。

 

このような状態では「辞めたい」と思うでしょう。

 

このまま、我慢していては、精神的にも体力的にもつぶれてしまうかもしれません。

ミスが原因で辞めるのはベストな判断です。

心身ともに萎縮している場合は、退職や転職を視野に入れ、人間関係などの職場環境を変えることが最も大切です。

 

ミスが原因で保育士を辞めたいと思う主な理由

 

ミスが原因で保育士を「辞めたい」と思う時、どんな気持ちになっているのでしょうか?

主な辞めたい理由を見てみましょう。

 

理由1:人間関係が悪く上司や園長に報告するのが怖い

 

上司や園長の性格がきつく、いつも強く怒られている場合、報告するのが怖いと感じるでしょう。

普段からきつい言い方をされていて人間関係が上手くいってない、萎縮してしまう、という状態であれば、言いづらいのは仕方のない事です。

 

本来ならば、ミスはするもの、という前提でミスが発生しない取り組みをして環境を整えていく、ミスが起きてしまったらどうして起きてしまったのか考え、改善に取り組んでいく、という園の姿勢が大切になります。

それが、保育士の働きやすさに繋がるでしょう。

 

しかし、ミスをした本人にのみ責任を押し付けるような環境であれば、怖くて報告できない、となってしまい「辞めたい」と思うでしょう。

 

理由2:ミスが続いていて保育士としての自信がない

 

保育士のミスは、子どもの命にかかわることもあります。

例えば

「風邪気味なので室内遊びでお願いします、と言われていたのに忘れてしまって戸外遊びに連れ出してしまった」

「ちょっと目を離した隙に子どもが怪我をした」

「給食でアレルギー食の子にあげるものを間違えた」

など、危険と隣り合わせの重大な結果になってしまうミスもあります。

 

また、朝の登園時の連絡を忘れた、保護者への伝達を忘れた、なども、保護者からの信頼も失いかねません。

 

ミスが続いた事で、いつか大きなミスをしてしまうのでは、と保育士としての自信をすっかりなくしてしまい「辞めたい」と思う保育士は多くいます。

 

理由3:仕事をすることよりミスをしないことに一生懸命になっている

 

先輩や上司、園長のあたりが強く、萎縮してしまうような状況では、出来るものも出来なくなり、ミスをしてしまうのは仕方のない事です。

萎縮してしまっては、人は能力を発揮することは出来ません。そうやって、さらにミスを連発するという悪循環になります。

仕事をする事や保育の事より、「ミスをしない事」「怒られない事」に一生懸命になり、顔色をうかがってしまうような状況に陥ってしまう自分に気付いた時、「辞めたい」と思います。

 

ミスが原因で保育士を辞めたいと思ったら体調や精神面の状態で今後の身の振り方を判断しよう

 

ミスが原因で保育士を辞めたいと思ったら、まずは自分の体調や精神面の状態を最優先に考えましょう。

ここからは、体調や精神面の状態別に、今後の身の振り方を判断するヒントをお伝えします。

 

判断1:体力や精神が限界で出勤するのがつらい場合は、すぐに休職や退職をしよう

 

体力や精神が限界で出勤するのがつらい場合は、すぐに休職や退職を決断して進めましょう。

出勤前に気持ちが不安定になったり、常にミスをしないように緊張していたりといった状態の場合は、すでに精神面が限界を迎えている証拠です。

そのような時は、すぐに休職や退職をしていったん保育現場を離れ、ゆっくり休養することをおすすめします。

その後の身の振り方は、気持ちや体調が落ち着いてから考えればよいのです。

 

判断2:体力や精神面に余裕がある場合は、3日以上の短期休暇を取得してリフレッシュしよう

 

体力や精神面にまだ余裕がある場合は、一度しっかりリフレッシュすることをおすすめします。

3日以上の短期休暇を取得して好きな事をしたり旅行したりしてリフレッシュすることで気持ちが落ち着きます。

そうすると、焦ってしまう、自信をなくす、といったネガティブな気持ちでミスを繰り返してしまう悪循環や、萎縮している気持ちをリセットする事が出来るでしょう。

 

リセットすると、「また頑張ろう」という気持ちになり、案外良い流れになることもあります。

それでも難しいなと思ったら、その時は転職を検討しましょう。

 

判断3:体力や精神面に問題がない場合は、転職に向けて動き出そう

 

退職に向けて転職活動をすることは、パワーがいる事です。

他の保育園に転職したいという意思があるならば、体力や精神面に問題がない場合は、転職活動を進めると良いでしょう。

 

先に述べたように、ミスは1人の保育士の責任ではなく、保育園の体制や環境、人間関係に問題があって起こる事もあります。

 

あなたに合った雰囲気の保育園が見つかれば、のびのびと働くことが出来てミスはなくなるかもしれません。

そういった保育園をじっくり探すためにも、体力や精神面に影響が出ていないうちに転職活動を進めるのがベターです。

 

保育士を辞める場合の一般的なフロー

 

保育士が辞める場合の一般的なフローを解説します。

退職を考えた時に、最初に行う事は退職の意思を伝える事です。

もしも無理な時は退職代行サービスを利用するのも手です。

まだ精神的にも体力的にも余裕があるのであれば、自分で順序だてて行います。

法的には退職希望日の14日前までに申告をするように法律で定められていますが、一般的には1ヶ月程度前に申告するのが良いとされています。

 

まずは直属の上司である主任保育士などに退職意思を伝え、その後園長に伝えます。

その後、保育園側から退職に関する書類等が発行されますので提出します。

退職日には保険証や貸与品の返却を行い退職となります。

 

一緒に働く同僚や先輩に伝える場合は、保育園側の指示に従うようにしましょう。

職場の環境などに配慮して情報の解禁日を設ける保育園もあります。

 

また、引き継ぎについても、後任者が困ることのないようにできる限りしっかりと行いましょう。そうすることで、あなた自身の今後の成長に繋がります。

 

子どもたちや保護者へ退職を伝えるかどうかも保育園の方針によります。

直接自分から伝えたいという気持ちがあったとしても、保育園側の指示に従います。

今後の影響を考えて、退職日に掲示板に貼りだしたり、退職後にプリントなどで伝えたりなど保育園側にも方針があります。

 

周囲への混乱を招かないためにも、退職についてどのように伝えるかは園長や上司に確認してから進めるようにしましょう。

 

ミスが原因で保育士を辞めたいと思った時によくあるトラブルと対処法

 

では、退職を決意した時に、どのようなトラブルが起きるのでしょうか。

ミスが原因で保育士を「辞めたい」と思った時によくあるトラブルと対処法をまとめました。

 

【1】体力的にも精神的にも限界で、休職や退職について相談する気力がない

 

体力的にも精神的にも限界が来ていて、もう相談する気力さえない、という場合はかなり深刻です。

このような場合は、思い切って直接メンタルクリニックを受診して診断してもらい、可能であれば診断書を取ると良いです。

診断書を持参すれば、上司や園長も納得せざるをえませんので、スムーズに休職や退職を進めることができるでしょう。

 

また、すでに出勤できなくなっている場合は、退職代行サービスを利用するのも手です。

 

【2】上司や園長との人間関係が悪く、退職や休職を切り出せない

 

上司や園長との人間関係が悪いと、また怒られるのではないか、責められるのではないか、と怖くて退職や休職の相談を切り出せない事もあるでしょう。

 

覚悟して、しっかり気持ちを持って話を切り出すことも大切です。

直接言葉で「相談があるのですが」と切り出せなかったら、付箋や手紙で「相談があるのでお時間いただけますか?」と書いておき、相手の指示を待つのも手です。

 

それでもどうしても直接話すのは無理だという場合は、退職代行サービスの利用も検討してみましょう。

 

【3】他の園に転職しても同じことを繰り返してしまうのではないかと転職を踏みとどまってしまう

 

他の園に転職しても同じことを繰り返してしまうのではないかと考えると怖くなり、転職を踏みとどまってしまうケースもあります。

 

こんな時は、なぜミスを繰り返したのか、その時先輩や上司、園長はどう対処したのか、自分は何が嫌で「辞めたい」という気持ちになったのか、深掘りしてみましょう。

 

気分が落ち込んだり萎縮してしまったりしてミスを連発してしまう、という悪循環だったのであれば、園の体制や雰囲気が問題かもしれません。

あるいは人員配置に余裕がないため、手薄になっていたのかもしれませんし、イライラしていたのかもしれません。

そういった環境が問題であれば、あなたのせいではありません。

 

自分にあった保育園でのびのび働くことができれば、同じ事を繰り返すことはないでしょう。

たとえミスしたとしても、報告できる保育園であれば、成長できる働きやすい保育園と言えます。

 

あなたに合った園を見つけるために、転職エージェントや保育士専門の派遣会社など転職の仲介をしてくれるプロに頼ってみるのも良いでしょう。

不安に思っているけれど面接では聞きにくい質問を、事前に確認できる場合もありますので、1人で転職活動するより情報を得られるかもしれません。

 

【4】金銭関係の不安から休職や退職をしたくてもできない

 

生活がかかっていますから、金銭面の不安から休職や退職をしたくてもできずに、我慢して働いてしまう事はよくある事です。

 

しかし、あなたが体調や精神面に不調をきたすと、家族も心配になるでしょう。

あなたがそのようになってまで働く事を望んでいないはずです。

「辞めたい」と思ったら、家族には思い切って相談し、当面の生活についてなどしっかり話し合っておきましょう。

 

どうしても金銭的な余裕がない場合は、大変ではありますが頑張って働きながら転職活動をして、次の就業先が決まってから退職するのが現実的です。

 

ミスが原因で保育士を辞めたい場合は、思い切って職場環境を変えることが大切!

 

ミスが続いて悩む保育士が「辞めたい」と思っている時、どうすれば良いのか、状況別に解説してきました。

 

必ずしもミスの連発は自分の責任だけではありません。自分を責める必要はないのです。

ミスを報告できる環境、お互いでカバーしあえる環境こそが、いきいきと働けて保育士として成長できる場所なのです。

 

ミスが原因で保育士を辞めたい場合は、思い切って職場環境を変える事が大切です。

自分の体調や精神面を最優先に選択して、早めに行動していきましょう。

 

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