保育のコラム

【保育士転職成功体験談10】「1年後もここにいたいか?」と問うた時に頭に浮かんだ言葉が答え!

2023/06/09

今の職場を辞めたい、転職したいと考える保育士さんの中には、人手不足や退職のタイミングなどにより、「今辞めたら園や他の保育士に迷惑がかかるのでは……」と二の足を踏んでしまっている方は多くいます。

保育士さんは責任感が強い方が多いため、「年度末まで」「あと1年は続けよう」とズルズルと働き続けてしまい体や心を壊してしまう方が多くいるのが現状です。

今回は、考えすぎてしまってなかなか転職に踏み切れない保育士さんの参考になればという思いで、実際に転職に成功されたAさんにインタビューし、体験談を聞かせていただきました。

【保育士転職成功体験談10】「1年後もここにいたいか?」と問うた時に頭に浮かんだ言葉が答え!

これまでの経歴〜日本の民間企業、保育園を経て海外へ〜

──Aさんは現在、ヨーロッパの某国で保育士として働かれているということですが、どのような経歴をお持ちですか?

大学の教職課程を卒業し小学校の教員免許を取得したあと、民間企業に就職。

民間企業に勤めながら保育士試験の勉強をしていました。

保育士資格を取得したあとは日本の保育園で働いていましたが、「海外の保育を見てみたい」という思いが強かったので、ヨーロッパにある某国へ行って保育士資格を取得し、現在はその国の保育園で保育士として働いています。

──いつごろから子どもと関わる仕事を目指していたんですか?

小さい頃から自分より年下の子たちと関わるのが好きで、中学・高校のころに進路を考える段階から保育士か小学校の先生になりたいなっていう思いを持っていました。

──保育士の専門学校や大学ではなく、小学校の教員免許が取れる大学に進学したのはなぜですか?

保育士の免許は独学でも取得できるけど教員免許は大学に行かないと取れないので、先に教員免許を取っておこうと思って、教員免許が取得できる大学に進学しました。

──子どもと関わる仕事を目指していたのに、大学卒業後は民間企業へ就職したのはなぜですか?

大学卒業後に民間企業に就職したのは、小学校の先生になってから民間企業に転職するのは難しいと思ったことと、いずれ子どもと関わる仕事に就くのであれば民間企業の仕事も1度は経験しておきたいなと思ったことが理由です。

民間企業の会社員から保育士になったきっかけ〜すぐにでも保育士になりたくて海外に目を向けた〜

──民間企業の会社員から保育士になったきっかけを教えてください。

民間企業に勤めていた時、そろそろ保育士資格を取って保育士になりたいと思っていたので、民間企業に勤めながら保育士試験の勉強をしていました。

でも1回目の保育士試験は不合格になってしまって。

すぐにでも保育士になりたかったけれど、保育士試験に合格するには時間がかかるかなと感じ、「日本の教員免許で海外の日本人学校・幼稚園に就職することは可能だろうか」と考え、アジアの某国に行こうかと思い下調べをしていました。

でも、行くと決めたと同時に日本の保育士試験に合格したので、日本の保育園で働き始めました。

海外の保育園へ転職した時の流れ〜保育士1年目の冬に海外行きを決定し園長・理事長に相談〜

──日本の保育園から海外の保育園に転職した時はどのような流れで行いましたか?

1年目の11月ぐらいには「ヨーロッパの某国に行きたい」と思っていたので、11月ぐらいにある来年度の体制を決めるための個人面談で相談をしました。

そして次年度の8月にその国に行くことが決定したので、一旦日本の保育園から離れました。

来年度には海外に行くと決めていたけど詳しい時期は決まっていなかったので、個人面談では「来年海外に行きたいけどいつになるかわからないので、来年度は担任ではなく保育補助として働けませんか?」と相談し、次年度は保育補助として働きました。

海外に行く時も休職扱いにしてもらえたので席は置いてある状態で行きましたね。

現在働いている国を選んだ理由〜教育先進国の保育を見てみたかった〜

──現在働いている国を選んだ理由を教えてください。

どこの国に行こうかなと考えた時に、まず教育先進国のヨーロッパが思い浮かびました。

日本を含むアジアなどとは全く違う考え方をしているところなので、行ってみたいという気持ちが大きかったです。

あと、私が現在住んでいる国は、昔父親が赴任していた国で私も0〜2歳のころに住んでいたので、親近感を持っていたんですよね。

だから最初に現在住んでいる国が候補に上がりました。

──ほとんど直感で決めたという感じですか?

そうですね。直感と、周りから聞いたり自分で調べたりしていたので、そういう情報も含めて行ってみようかなと思いました。

現在働いている国で保育資格を取るまでの道のり〜制度を上手く利用して語学スキルと保育ノウハウを身につける〜

──転職先の国の保育士になる場合は、改めて現地の保育士資格を取得しないと働けないという感じなんですか?

資格がなくてもボランティアとして保育園で働くことはできるんですけど、やっぱり正職員として働くには資格が必要ですね。

──移住してすぐに現地の保育士資格を取得したんですか?

現在働いている国に行く前に「保育士資格を取るためには、まず語学の習得が必須」「衣食住や生活をどうしていこう」と思っていたところ、インターネットで「オペア留学」という制度を見つけたので、申し込みました。

オペア留学というのは、現地のホストファミリーの家で子どもの面倒見る住み込みのベビーシッターっていう感じなんですけど、オペア留学の制度を使うと家も食事も保証されて、子どもとも関われて、現地の文化や言葉を知れるんです。

なので、いきなり保育園に就職ではなくて、最初の1年間オペア留学という制度を利用して住み込みのベビーシッターをしてました。

──どのように現地の保育士資格を取得したんですか?

日本の保育士の資格を現地の保育士の資格に書き換えられる制度があったので、挑戦してみました。

書き換えには日本の大学や保育士試験の成績が必要だったので、日本からいくつかの書類を取り寄せる必要がありました。

役所に提出して返ってきた書類に「6ヶ月間実習をしてレポートを書き、レポートが通れば書き換えらる」とあったので、所定のプロセスを踏んで現地の保育士資格を取得し、現在保育士として働いています。

現在働いている保育園の良い点〜プライベートと仕事のバランスが取れていると感じる〜

──現在働いている保育園の良い点を教えてください。

労働環境はすごく整備されていますね。

特に現在働いている国は休みが多くて、病欠をする時は規定の日数ある有給休暇以外に有給休暇をもらえるんです。

日本と比べるとプライベートと仕事のバランスが取れていると思います。

自分の時間が多く取れるってのはやっぱり心の余裕にも繋がりますね。

日本の保育園との違い〜日本は保育士1人あたりに対する子どもの数が多すぎる〜

──日本の保育園と「ここが違うな」と思った点はありますか?

子どもを保育する環境や労働環境はもちろんですが、保育士1人あたりに対する子どもの数に違いを感じました。

まず、日本は保育士1人あたりに対する子どもの数が多すぎると思います。

加えて人が足りていないので、1人当たりの業務量が多くなり、長時間労働をせざるを得なくなって、体を壊してしまう人が多いのかなと思います。

現在働いている国は配置基準にもっとゆとりがありますね。

例えば、現在私が働いている保育園は異年齢保育をしています。

1歳から3歳までの10人の子どもが同じグループにいて、10人の子どもを3人の保育士がみる感じなんです。

1歳児が10人いるのと、やっぱ1歳から3歳児ミックスでいるのでは全然違うんですよね。

3歳児が1歳児の面倒見てくれたりもするので、そういうところで配置基準にゆとりがあると感じます。

海外での求人の探し方〜ボランティア斡旋団体からの紹介で現在の保育園と出会う〜

──現在働いている国の保育士の求人はどのように探すのが一般的なんですか?

求人はインターネットで募集してるようなところもありますし、知り合いから保育園の雰囲気などを聞いて応募する人も多いですね。

──Aさん自身は現在の保育園をどのように探されたんですか?

私は今の保育園に入る前に別の保育園でボランティアをしていたんです。

その時に斡旋してもらった団体の人が「この保育園は保育士を募集してるよ」と紹介してくれました。

現在転職などに悩んでいる保育士の方に向けたアドバイス〜「このままここにいたいか」と自分に問いかける〜

──現在転職などに悩んでいる保育士の方に向けたアドバイスをするとしたらどのようなことを伝えますか?

「辞めたら保育園に迷惑をかけるのでは」と悩んでいる人も多いと思うけど、案外自分が抜けても保育園はなんとかなります。

だから、自分のことを大事にした方がいいっていうことを伝えたいです。

判断するのは自分だと思うので、後悔しないようにした方がいいと思います。

「1年後、3年後にこのままここにいたいか」と問いかけて、「いや、違うな」と思ったらもうそれが答えだと思うので。

もう決めたらあまり考えずに進めばいいかなと思います。

  • ポイント1:自分が抜けても保育園はなんとかなる!保育園のことよりも自分のことを大事にした方がいい
  • ポイント2:「1年後、3年後にこのままここにいたいか」と問いかけて出た答えを大切にする
  • ポイント3:もう決めたらあまり考えずに進めばいい!

ー 取材協力:株式会社トビバコ

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