保育のコラム

保育士として働いていますが、仕事量が多すぎて辞めたいです。仕事量が理由で辞めるのはおかしいことですか

2023/05/29

保育士の仕事は、保育業務も保育以外の事務や雑用業務も想像以上に多く、1人の保育士さんにかかる負担が大きいです。

そのため、仕事量が理由で辞めたいと考える保育士は後を断ちません。

ですから、決しておかしなことではありません。

この記事では、そのような保育士の現状と、「辞めたい」と思った時どのように行動していけばよいか解説いたします。

 

「仕事量が多い」は保育士の離職理由の第3位!

 

参考資料 保育士の現状と主な取り組み  によると、P24の「過去に保育士として就業した者が退職した理由」では、保育士の離職理由の第3位に「仕事量が多い」ことがあげられています。加えて、第4位の「労働時間が長い」に関しても、仕事量が多く勤務時間内にとうてい終わらない量であるためサービス残業等をしているケースが考えられます。

 

また、P18の「保育士試験合格者が、保育士として働く場合に求める条件や重視する点」によると、「仕事量が適性」が最も多く63.3%となっています。

その他の回答でも、家事や子育て・介護との両立や勤務時間を重視する声が多く寄せられており、仕事量は保育士として働くための重要なポイントになっています。

 

<参考資料>

保育士の現状と主な取り組み(厚生労働省 保育の現場・職業の魅力向上検討会(令和2年8月)

 

保育士が仕事量が多くて辞めたいと思う主な理由

 

保育士はおおむね仕事量が多いですが、保育園の方針により対応は様々です。

充分な人員配置で適切に仕事量を分散したり、業務効率化を図ったりすることで、勤務時間内で仕事が終わるような取り組みをしている保育園もあります。

しかし、そんな園ばかりではない現状もあります。

 

それでは、実際に仕事量が多くて辞めたい、と思う主な理由を見てみましょう。

理由1:休息時間が少なくて体力的にも精神的にもつらい

 

保育士の仕事は、当然子ども達から目を離す事は難しいので、1日中息つく暇もありません。

昼食時間が子ども達と一緒だったり、別に休憩時間があっても事務業務や行事準備・会議等に追われたりといった状況の事が多いです。

ひとり担任や人員配置に余裕のない園、配置基準通りでも時間によって保育士が不足する時の補助員がいない、などの理由からトイレにもいけない状況という事もあります。

そういった現状に、体力的にも精神的にもつらいと感じるようです。

 

理由2:プライベートの時間が取れない

 

保育士の仕事は、保育をしている時間以外に、事務業務・保育教材準備・行事準備・保護者対応・清掃や環境整備等の雑務、等々たくさんやらなければいけないことがあります。

しかし、勤務時間内に到底終わらないのでサービス残業や持ち帰り仕事になるケースが多いです。

そのため、物理的にプライベートの時間が削られます。

さらにそんな状況ですと、休日でもゆっくり心と体を休める余裕もないでしょう。

家事や育児、プライベートが犠牲となって疲弊してしまう保育士は少なくありません。

そこで、「辞めたい」と悩むのです。

 

理由3:仕事量が給料に見合っていない

 

前述した、勤務時間内にろくに休憩時間も取れずでしかもプライベートを犠牲にしてしまっているような状況なのに「給料が仕事量に見合っていない」と感じると「辞めたい」と思うようです。

企業であれば、残業するほどの仕事量だとそれに見合った手当がつくことが一般的です。

しかし保育士は残業や持ち帰り仕事は手当がつきませんし、保育園によっては基本給も納得のいかないほど安いこともあります。

保育士の基本給や手当については経営主体によっても異なります。

 

仕事量が多いことが原因で保育士を辞めたい場合の2つの選択肢

 

仕事量が多い事が原因で保育士を辞めたいと悩んだ時には、2つの選択肢があります。

どのように行動していけばよいか見てみましょう。

 

【1】上司や園長に相談できる場合は、まずは仕事量を調節できないか相談する

 

上司や園長に相談することが可能であれば、まずは正直に仕事量が多くて限界だということを相談してみましょう。または仕事量の調節が可能かどうか話し合う事もおすすめします。

人員配置や、他の保育士への仕事の分散など、改善策を練ってくれるかもしれません。

 

【2】上司や園長に相談できない場合は、休職や転職を考える

 

もしも職場環境や人間関係が悪くて上司や園長に相談しにくい場合は、休職または転職を考えてみましょう。

 

仕事量が多すぎるのはなぜか考えてみてください。

その理由は、保育士としてどうしようもない事ではなく、園の方針や取り組みによって随分働きやすくなるはずの事が多いです。

1人で抱え込んでしまうと改善は難しいですし状況は悪くなるばかりです。

もっと働きやすい園はあるものです。

 

体力やメンタルに余裕がある時は、時間がある時に転職を考えよう

 

まだ体力やメンタルに余裕がある時は、じっくり考える時間がある時に転職を考えてみましょう。

まずは情報を収集し、じっくりと自分に合う保育園はどんなところか考え、転職の準備をしても良いかもしれません。

 

もうすでに体力やメンタルに余裕がなく、転職活動などもできない状態であれば、休職や退職をしよう

 

転職活動には、パワーが必要です。

もう、すでに体力やメンタルに余裕がない場合は、転職活動も出来ない状態だと思います。

そういった時は休職や退職をして、まずは心と体の回復を最優先し、じっくり休養することが大切です。

休職や退職の相談が出来ないか相談しづらい場合は、直接メンタルクリニックを受診して診断を受け、可能であれば診断書をとって休職または退職を申し出るとスムーズです。

 

保育士が辞める場合の一般的なフロー

 

保育士が辞める時の一般的なフローについて解説します。

 

まずは退職の意思を伝えることから始まります。

 

退職の意思は、法的には退職希望日の14日前までに申告をするよう法律で定められていますが、一般的には1ヶ月程度前に申告するのが良いとされています。

 

また、保育園の場合は担任等の人員配置に影響があるため、年度末退職を視野に入れて年末までに(12月頃)伝えるケースもあります。

 

まずは直属の上司(保育主任など)に退職意思を伝え、その後園長に伝えます。

保育主任に言いづらい時などは園長に直接相談することになります。

 

園長に伝えた後に、保育園側から退職に関する書類等が発行されますので提出します。

 

退職日には保険証や貸与品の返却を行い退職となります。

 

一緒に働く同僚などに伝えるタイミング等は、保育園側の指示に従うようにしましょう。

職場の環境などに配慮して情報の解禁日を設ける保育園もあります。

 

また、引き継ぎについても、後任者が困ることのないようにできる限りしっかりと行いましょう。最後までしっかり責任を持つことで、あなた自身の今後へ繋がります。

 

子どもたちや保護者へ退職を伝えるかどうかも保育園の方針によります。

 

直接自分から伝えたいという思いがあったとしても、今後の影響を考えて退職日に掲示して通知または退職後にプリントなどで伝えるのみにするなど保育園側にも方針があります。

 

周囲への混乱を招かないためにも、退職についてどのように伝えるかは園長や上司に確認してから進めるようにしましょう。

 

仕事量が多いことが原因で保育士を辞めたいと思った時は、体力や精神力に余裕があるうちに判断しよう!

 

いかがでしたでしょうか。

仕事量が多い事が原因で保育士を辞めたいと思う保育士は多くいますので、おかしいことだとは思わないでください。

「私だけかな」とか「そんな風に思うのは我儘かな、我慢が足りないのかな」なんて思わないことです。

 

無理をしてつぶれてしまう前に、体力や精神力に余裕があるうちに判断して行動しましょう。

 

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