保育のコラム

正社員保育士ですが、仕事量が多く、つらくて辞めたいです。辞めた後はどのような選択肢がありますか?

2023/04/24

保育士に憧れて、勉強して実習も頑張って、晴れて保育士になったのに、想像していたのとあまりにも違い、つらい、辞めたいと思う保育士は多いようです。

しかし、保育士にも様々な雇用形態があり、正社員の保育士を辞めてもいくつか選択肢があります。

本記事では、正社員の保育士を辞めた後の選択肢について、解説いたします。

 

正社員の保育士が辞めたいと思う主な理由

 

まずは、正社員の保育士が保育園を辞めたいと思う、主な理由を見てみましょう。

辞めたい理由は人それぞれではありますが、多くの方が感じている退職理由をまとめてご紹介いたします。

 

理由1:責任や仕事量が給料に見合わない

 

保育士の仕事は、子どもの命を預かり、その成長をサポートする、非常に重要で責任のある仕事です。

そこにやりがいもありますし、プレッシャーもありますが、多くの場合それに見合った給料ではない現状があります。

保育士の仕事自体は好きだけれど、責任や仕事量がお給料と見合わないと感じる保育士は多いようです。

 

また、仕事量もやることがとにかく多くて、勤務時間外に及ぶこともあり、その仕事量で給料これだけ?と不満に感じることがあります。

どんなに保育士の仕事が好きでも、プライベートを削って頑張っているのにそれに見合った報酬を受け取れないとなると、モチベーションも下がるのが人の心です。

あまりにも給料が低いと感じる場合は、まずは保育士養成の学校時代の同期に聞いたり、転職情報などを調べたりして、他の保育園ではどの程度の水準なのか、平均はどのくらいかを確認してみましょう。

 

現状の報酬体系はすぐに変えられるものではありません。

相談もしづらいと思います。

そのため、自分の理想に沿うお給料の出る保育園に転職することで解決になることが多いです。

 

昨今の保育士の給料や待遇が問題視されており、保育士不足解消のため、国を挙げて対策に取り組んでいます。

徐々に改善されており、保育園によっては、しっかりとした取り組みをしているところもあります。

 

理由2:持ち帰り残業やサービス残業が多い

 

保育士の仕事は、持ち帰り仕事やサービス残業が当たり前、となっている保育園も多く存在し、疲弊している保育士は多いようです。

 

事務仕事や保育準備・行事準備など、保育以外の業務はどうしても園児が退園してから、または自分が勤務時間を過ぎてからやらざるを得ない事が多く、保育園側から残業代は発生しないので、サービス残業や持ち帰り仕事となってしまうのです。

先輩保育士もそうしているので当たり前、といった考えが横行している事もあります。

平日の夜や休日まで返上することになり、プライベートの時間が削られるため、リフレッシュ出来ない、休養出来ない、などの問題が発生します。

対処法としては、現状を正直に伝え、業務量の調整が必要であることや効率化出来ないか、業務負担が偏っていないか、などを上司に相談することです。

 

また、上司自身が持ち帰り残業を問題と思っていないケースの場合は同僚などと一緒に園全体の仕事環境の改善を提案することも必要です。

 

保育士不足の現在、保育士に長く働き続けて欲しいと願う保育園側は保育士からの要望を無下にすることは少なくなっています。

勤務時間内に、交代で事務作業時間を設けている、業務効率化に取り組み時間短縮の試みをしている、などの園も多く存在します。

まずは相談してみましょう。

 

理由3:保護者からのクレーム対応がつらい

 

保育士の大事な仕事のひとつに、『保護者との信頼関係を築く』ということがあげられますが、クレーム対応はつらいものです。

 

大事な子どもを預けているのですから、手厳しいご意見もあるでしょう。

いったんは受けとめ、保育士も園全体としても、真摯な姿勢を見せることで、信頼を築くこともできるでしょう。

しかしながら、理不尽なクレーム、無茶な要望も少なくありません。

 

現代では、モンスターペアレンツという言葉も生まれるほどのクレーマーも存在します。

「自分や自分の子どもさえ良ければ」といった、他の園児や保護者、保育園側の立場を全く理解しないクレーマーも存在します。

そんな時は、困惑してしまうでしょう。

対処法としては、一人で抱えず、園全体の問題として毅然と対応することです。

一人に対し特別を許可すると、全体でのルールを危うくします。

振り回されることなく、上司や園長と協議しながら、園としての姿勢をしっかりと打ち出しましょう。

 

理由4:休みを取得しづらい

 

保育士は、休みを取得しづらい職種です。

担任を受け持つと、どうしても自分が休んでも変わりがいない、などの理由で休みづらいです。また、配置基準ギリギリで余裕がない場合も、体調を崩したら他の職員に迷惑がかかる、園児が心配、などの理由から体調を崩しても無理をしてしまいがちです。

 

また、大事な園行事とプライベートの用事が重なっても、園行事を優先させなければいけない、とか、そこまで強制されずとも休みづらいなど、プライベートを犠牲にしなければならない部分が少なからずあります。

 

そのような時、保育士を辞めたいと考えます。

保育士をしている以上、どうしても休めない日はあります。諦めるしかない部分もあるのは事実です。

しかし、プライベートの充実や健康こそが日々のエネルギーになる、との考えでバランスを重要視する園もあります。

保育園全体の意識改革で変えていくことができるため、相談して積極的に取り組んでいける可能性もあります。

また、派遣保育士という働き方など働き方を変えることで休みの申請がしやすくなることもあります。

職場全体の空気が変わらない、自分から言い出しにくい、などの問題があった場合は雇用形態を変更させてみるというのも一つの手段です。

 

理由5:人間関係がわずらわしい

 

保育士の悩みとして最も多いのが、この人間関係です。

保育士の職場は、男性保育士も増えてきているとはいえ、まだまだ基本的には女性社会です。女性社会は、男性がいる場合よりきつくなりがちです。

 

また、外部業者の出入りはほとんどなく、保育士も外出や出張などはほとんどありません。

さらに、大規模な保育園でない限り、職員数は少数です。

そのため常に閉ざされた人間関係の中で仕事が進みます。

 

保育士の仕事は多忙で一人一人の負担も重く、ストレスを抱えていて心に余裕のない方もいるでしょう。

そんな中では、イライラをぶつけてしまったり、妬みや気に入らないといった理由から強くあたったり、といった人もいます。

 

女性は、きめ細やかな配慮ができ周囲と合わせていく協調性があるので、それが良い方向に活かされていると良いのですが、それがゆえに少し違うと目に付く、注意したくなる、陰口を言ってしまう、など、悪い方向に出てしまう事があります。

 

このような人間関係は、自分が直接の被害はなくても見ていても気持ちの良いものではありません。ましてや当事者になってしまうと、つらくて辞めたいと思うでしょう。

人間関係のストレスは自分だけではコントロールし難いことです。職場全体で人間関係の改善に取り組めるように意識できると良いでしょう。

そのためには、1人で抱え込まずに上司や園長などに、現状を思い切って相談してみることをおすすめします。

 

また、人間関係では相手を変えることはできませんが、自分が関わり方や言葉・態度を変える工夫は出来ます。自分の考え方が変わって接し方が変わったら、相手の態度が変わったという事もあります。

園とは関係ない第三者に相談をすることで、ストレスが軽くなったり、冷静な意見をもらえてあなたがやるべきことが見つかったり、といったこともあります。

 

これらを試した上で変化がないようであれば、転職など環境を変えることも選択してみましょう。

 

そもそも正社員という働き方が合っていないのではなく、今の保育園での働き方が合っていない場合も!

 

正社員だからこそ、業務負担が大きかったり責任が重かったり、といった事も多いですが、そもそも今の園があなたに合っていないだけ、ということも考えられます。

正社員という働き方をやめれば自分の今のつらい状況を改善出来そうか、保育園が変われば改善出来そうか、考えてみましょう。

正社員という働き方のまま、あなたの希望にマッチした園はあるかもしれません。

 

正社員以外の働き方とは?どのような選択肢があるの?

 

ここからは、正社員以外の保育士の働き方は、どのような選択肢があるのか、見てみましょう。

保育士は働き方改革も進み、多様なキャリアが選べるようになっています。

まずは自分自身に合った働き方を考えることが大切です。

 

選択肢1:今の保育園でパートなどの雇用形態に変更して働き続ける

 

現在働いている保育園で、正社員から雇用形態の変更を申し出て働き続ける、という選択肢があります。

正社員から、契約社員やパートなどに変更します。

 

そのような場合自分の意思を伝えるだけでは変更は難しく、保育園側との話し合いが必要になります。

話し合い後、双方の合意があれば雇用形態を変更することが可能となります。

 

ただし、就職時の契約や保育園側の都合等様々な理由で、話し合いがスムーズにいかないケースもあります。

 

選択肢2:転職して派遣保育士やパートなど他の雇用形態で働く

 

現在働いている園での雇用形態の変更の話し合いが上手くいかない、そもそも相談を持ち帰ることが難しい、などの場合、転職して派遣保育士やパートなど他の雇用形態で働く、といった選択肢があります。

その場合、自分で転職活動を行ってパート・アルバイトとして入社する方法と、保育士専門の派遣会社に登録してサポートを受け、派遣保育士として働く方法があります。

 

正社員の保育士を辞めたい場合は、正社員を辞めたいと思った理由によって転職・継続を判断しよう!

 

正社員の保育士を辞めたいと思った時は、その理由をよく考えてみます。辞めたいと思った理由によって、転職するのか今の園で雇用形態を変更し継続して働くのかを判断しましょう。

 

【1】持ち帰り残業や人間関係など、自分1人では変えにくいものが主な理由になっている場合は、転職をしよう

 

サービス残業や持ち帰り残業が当たり前になっている、人間関係がしんどい、などが理由の場合、自分一人では状況を変えるのはなかなか難しいです。園の体質事態が問題であることもあります。

そのような時は、転職を検討しましょう。

 

【2】仕事量や責任など、雇用形態を変えることで負担が軽くなるものが主な理由になっている場合は、今の保育園で雇用形態の変更を相談しよう

 

仕事量が多すぎる、責任が重くてつらい、などが原因であれば、雇用形態を変える事で負担が軽くなります。

また、フルタイム勤務や交代勤務(早番・遅番など)が家庭の事情で難しい場合も同様です。

今の保育園で、雇用形態の変更を相談しましょう。

 

今の保育園は好きで、ここで仕事を続けたいという意欲をしっかり伝えたうえで、自分の事情も伝えて話し合う事です。

 

正社員にこだわらず、無理なく保育士を続けよう!

 

保育士という仕事は好きだけど、仕事量が多く、つらくて辞めたい、と今悩んでいるかもしれません。

辞める、という選択肢だけではなく、無理なく働く事が出来る雇用形態も存在します。

 

保育士の仕事が好きなら、正社員保育士という形にこだわらず、あなたが無理なく保育士を続けていける選択肢をしましょう。

 

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