保育のコラム

入社して3ヶ月未満の新人保育士ですが、辞めたいです。新人なのに辞めるなんて迷惑がかかりますよね?

2023/03/30

入社して間もない新人保育士は、覚える事も多くなにもかもわからなくて誰もが戸惑うことでしょう。

その上、先輩が厳しい、仕事が多すぎてしんどいなど様々な問題に直面し、つらいと悩む新人保育士は多くいます。

本記事では、新人保育士が辞めたいと悩む理由と3ヵ月も経っていないのに・・・と思い悩んだ時どう対処すればよいかを解説します。

 

新人保育士が辞めたいと思う主な理由

 

憧れて目指したはずの保育士なのに、いざ就職してみると「思っていたのと違う。」と感じる新人保育士は多いようです。

では、新人保育士はどのような時に辞めたいと思うのか見てみましょう。

 

理由1:人間関係にうまく馴染めない

 

保育士業界は、男性保育士も昨今増えてきているとはいえ、まだまだほとんど女性の職場です。

女性同士ですと、独特の人間関係の厳しさがあり、こじれやすいとも言われています。

また、保育園は激務のために心に余裕がない人が多く、殺伐とした雰囲気になりやすい職場です。

保育士の女性と言うと優しいイメージも世間的にはありますが、実はイジメやパワハラが横行するケースもあるのです。

 

そのような職場の雰囲気では、新人保育士は上手く馴染めず悩んでしまいます。

 

理由2:業務時間が長すぎる

 

保育園によって違いはありますが、保育士の勤務はたいていシフト制です。

これは一例ですが、おおよそ早番7:00~16:00 通常勤務が8:30~17:30 遅番 12:00~21:00などです。

時間ぴったりに上がれるとは限りません。時には会議や保護者対応で残ることもあります。

 

これに加えて、土曜保育があり当番出勤をしていますが代休はなく、たいていは4週6休制です。

週休2日制を希望している場合、休日が少ないと感じるでしょう。

 

また、これも園の方針や人員配置に左右されますが、サービス残業や持ち帰り仕事が多くて、実質のタイムカード以外の勤務時間に悩まされる保育士は多くいます。

 

理由3:業務量が多すぎる

 

保育士の仕事は、業界全体として業務量が多すぎて一人にかかる負担が大きい職業です。

新人保育士は覚えることが多くてただでさえ大変なのに、仕事量がかなり多くてつらいと感じるでしょう。

子ども達と楽しそうだなぁ、というイメージが世間的にはあるかもしれませんが、実は保育以外にたくさんの業務があります。

連絡帳の記入・清掃・先の保育準備・保護者対応・他の先生との報連相・会議・保育室の装飾・行事準備等々毎日盛りだくさんです。

また、事務作業も、保育日誌・一人一人の子どもの成長記録となる児童票・保育計画の月案・週案等あります。

これらを、保育時間以外でこなすことになり、慣れない新人保育士は段取りや効率よくという事もわからず大変な思いをしています。

 

理由4:休憩時間がない

 

保育士の休憩時間はあってないようなものです。

保育園によっては交代でしっかり休憩時間が保障される場合もありますが、まれです。

多くの保育園は、子ども達と一緒に慌てて食事をして、午睡時間になると事務仕事や会議を行います。

ゆっくり食事をする時間も取れず、トイレすら行く時間がない、といった現状で慣れない新人保育士は体調を壊しがちです。

 

理由5:先輩保育士からの当たりが強い

 

新人保育士は、当然先輩保育士や園長から日々指導を受けます。

大切な子どもの命を預かる仕事ですから、一人前の保育士になってほしいという気持ちでしっかり指導しているのでしょう。

しかし、中には言い方がきつく、当たりが強い先輩保育士もいて、言われた新人保育士はつらいでしょう。

 

さらに、とても厳しく指導の域を超えたパワハラが横行する園があるのも事実です。

激務で心に余裕のない先輩保育士が、イライラをぶつける、新人いじめをするなどの理不尽なケースもあります。

厳しすぎる指導は、怖くて萎縮してしまい、ますますミスを誘発してしまいます。

そのような場合も同僚と励ましあうことが出来れば良いのですが、同期がいない、同期は別の園に配属されている、など相談できる相手がいないとつらい状況になります。

 

理由6:仕事をなかなか覚えられない

 

理由3でお伝えしたように、保育士の業務は保育だけでなく多岐にわたります。

 

保育士養成校や実習でたくさん学んでいてもそれですぐに一人前ということはなく、実際に現場に出てから覚えながら保育士として成長していきます。

 

すべての業務が初めての経験ですから、日々の保育業務の他、掃除などの雑務、さらには事務や行事準備等々、覚えなくてはならない事はたくさんあります。

保育士としての専門的な知識だけでなく、社会人としてのマナーもこれから学んでスキルを上げていくのです。

 

新人保育士はまだまだわからないことばかりなのが普通の事なので焦る必要はありません。

一度聞いただけではなかなか覚えることは難しいものです。不安な時は恐れず確認の質問をしましょう。

 

しかし、保育園や先輩によっては、質問しにくい空気で悩んでしまい、精神的に辛くなるケースもあるようです。

 

理由7:保護者からのクレーム対応がしんどい

 

保護者の中には、出来ればベテランに預けられたら安心と思っている方もいます。

大事な子どもを預けるのですから、当然と言えば当然なのですが、あまりにも厳しい目で見られたらつらいでしょう。

中には、新人や若手の保育士に寛大で温かい目で見てくださる保護者もいますが、「新人」というだけで何かと厳しく言ってくる方もいます。

 

また、保護者も仕事に育児にと大変で心に余裕がない、今まで子育てしてこなかったので集団保育というものがわからない、といったところから、理不尽なクレームや無茶な要望を伝えてくるケースもあります。

新人保育士に限らず、そういったモンスターペアレンツの対応に悩む保育士は多くいますが、新人であればなおさらどう対応すればよいのか困惑してしんどいと感じるでしょう。

 

「入社してから3ヶ月も経っていない」ことが辞めることを踏みとどまる原因になっていることが多い

 

辞めたい、と思っても「入社してから3ヶ月も経っていないのに辞めるなんて!」という考えがよぎり、踏みとどまるケースはよくあるようです。

 

よくあるケース1:3ヶ月も経っていないのに辞めるのは園に迷惑がかかると感じてしまう

 

責任感があり、思いやりのある人ほど、「3ヶ月も経っていないのに辞めるのは園に迷惑がかかる。」と感じてしまいます。

しかし、一般企業であれば研修期間だったり試用期間だったりする頃です。

園にとっても新人保育士にとっても、最初の3ヶ月はお試しくらいのつもりで良いのです。

自分はこの仕事は合っていなかったと判断するのであれば、3ヶ月も経っていないのに辞めたら園に迷惑がかかる、と思う必要はありません。

 

よくあるケース2:3ヶ月も経っていないのに辞めるのは今後の転職や保育士キャリアに影響が出ると考えてしまう

 

新人で3ヶ月も経っていないのに辞めると今後の転職や保育士キャリアに影響が出ると考えてしまうケースはよくあります。

しかし、『第二新卒』という言葉もあるように、新人で辞めても今後の成長を見込んで採用してくれる保育園や保育施設はたくさんあります。

 

昭和の時代は、いわゆる終身雇用の時代で「いい会社に入って働き続ける。定年まで職務をまっとうする。」事が当たり前であり美徳とされていて、「早い段階で転職する人は飽きっぽい。我がままだ。」と思われることもある時代でした。しかし現代は多様性が認められる時代で、様々な働き方が受け入れられている時代です。

現代では、1年〜3年の新人のうちに退職する人の事を『第二新卒』と言い、一般でももう一度再教育して活躍して欲しいと期待される世代でもあります。

 

 保育士1年目は、まだまだ「伸びしろ」を見てもらえる段階なので、大きなつまずきになることはありません。

また、今は保育士不足で、求人もたくさんあります。そのため、3ヵ月経たずに転職をしたとしても特に不採用の理由にはならない事がほとんどですので、心配する必要はありません。

 

ただし、「なぜすぐにやめようと思ったのか?」という点について、転職の際の採用面接で必ず聞かれることになります。

保育園側に「また採用してもすぐに転職してしまうのではないか?」という懸念を与えてしまうことは事実です。

ポジティブな内容の回答を準備しておきましょう。

「あれが嫌だったから辞めた」とか、以前の園の悪口になってしまう回答は印象が悪く聞こえますが、「こういうことがやりたかった」「こういう保育士になりたいと思った」「こういう園で働きたいと思った」など、自分が経験したことから、スキルアップを目指すようなプラスの要素を話せるようにすると良いでしょう。

 

辞める・辞めないに期間は関係ない!自分を責めるのではなく、「この職場は合っていなかった」と考えよう

 

辞める、辞めないに勤続期間は関係ありません。

「辞めたい」と悩んだら、自分を責めたり我慢したりせず、「この職場は自分に合っていなかった。」と転職などを考えて良いのです。

 

新人なのだから業務が上手く出来なくて当たり前です。自分のスキルの少なさや能力不足を責めてはいけません。

自分で自分の監獄を作ってそこに自分を閉じ込めてしまっているのが一番良くないのです。

 

新人保育士が辞めたいと思ったときの2つの対処法

 

それでは、新人保育士が辞めたいと思った時にどう対処したら良いのでしょうか。

2つ紹介します。

 

【1】相談できる場合は、上司や園長に正直に話す

 

相談できるようであれば、まずは直属の上司である主任保育士か園長に相談してみましょう。

正直に現状と自分の体調や気持ちを伝えます。

精神的にも体力的にも不調を感じているようであれば、病院に受診しておくのも良いかもしれません。

 

【2】相談できない場合は、体力や気力があるうちから短期休暇を取得する、転職活動を進めておくなどの行動をとる

 

上司や園長に原因がある、日々忙しすぎて話している時間がない、などなかなか相談出来ない場合は、体力や気力があるうちから短期休暇を取得する、転職活動を進めておく等の行動を取ると良いでしょう。

転職活動や休暇取得の手続きにもパワーがいるので、体力・気力ともに限界を迎えてしまうと動けなくなってしまいます。

休職するという方法もありますが、就業規則によっては新人保育士は休職制度や有給休暇を利用できない場合があるので、相談してまとまった休暇を作ってもらうなどの対策をするのがベターです。

 

新人保育士が辞める時の一般的なフロー

 

新人保育士が辞める時の一般的なフローは、先輩保育士と同様です。

 

まずは退職の意思を伝えることから始まります。

 

退職の意思は、法的には退職希望日の14日前までに申告をするよう定められていますが、一般的には1ヶ月程度前に申告するのが良いとされています。

すぐに辞めたいといった場合も相談しましょう。

 

まずは直属の上司に退職意思を伝え、その後園長に伝えます。

その後、保育園側から退職に関する書類等が発行されますので提出します。

退職日には保険証や貸与品の返却を行い退職となります。

 

一緒に働く同僚などに伝える場合は、保育園側の指示に従うようにしましょう。

職場の環境などに配慮して情報の解禁日を設ける保育園もあります。

また、引き継ぎについても、後任者が困ることのないようにできる限りしっかりと行うことで、あなた自身の今後の成長に繋がります。

 

子どもたちや保護者へ退職を伝えるかどうかも保育園の方針によります。

せっかく関わりのあった方々へ直接自分から伝えたいという思いがあったとしても、今後の影響を考えて退職後にプリントなどで伝えるのみにするなど保育園側にも方針があります。

周囲への混乱を招かないためにも、退職についてどのように伝えるかは園長や上司に聞いてみてから進めるようにしましょう。

 

「3ヶ月も経ってないのに辞めるなんて……」と自分を自分でがんじがらめにせず、冷静に転職や短期休暇取得などの手段を取ろう!

 

新人保育士は、希望と不安を抱きながら毎日頑張っていると思います。

しかし、学生時代に憧れていた事とのギャップは必ずあります。

それがあまりにもつらくて辞めたいと思ったら、「3ヵ月も経ってないのに辞めるなんて・・・」と自分をがんじがらめにせず冷静に受け止め、自分の心や体を最優先に考えて、転職や短期休暇取得などの手段を取りましょう。

 

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