保育のコラム

先輩保育士からのパワハラがつらくて保育士を辞めたいです。これからどのように行動すればよいのでしょうか

2023/01/26

先輩保育士からパワハラを受け、つらくて悩んでいる保育士は多くいます。

加害者側が自覚なくパワハラを行っている場合もありますが、明らかな嫌がらせ行為のケースもあります。

このような状況になった時、受けた側は精神的に追い詰められ、辞めたいと考えるでしょう。

この記事では、パワハラを受けて悩んでいる保育士が、自分を責めることなく冷静な判断をして、自分を守るためにどのように行動をしていけばよいかをお伝えします。

ずっと保育士編集部

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

そもそもパワハラとは?どのような行為を指すの?

 

パワハラとは、パワーハラスメントの略です。

 

厚生労働省の定義では、以下の通りです。

 

職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる次のような要素を満たすものを言います。

 

  • 優越的な関係を背景とした言動であって、
  • 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
  • 労働者の就業環境が害されるものであり、

 

なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。

 

厚生労働省:ハラスメント対策の総合情報サイト あかるい職場応援団

 

つまり、職場の優位な立場を利用して、強い立場の人が弱い立場の人に対して、業務上必要な指導の範囲を超えて、身体的・精神的に苦痛を与えたり、働きにくい環境へ追い込む行為の事を言います。

パワハラに該当しそうな行為を主に6個あげているパワハラ6類型についてみてみましょう。

これは、すべてのパワハラ行為を網羅したものではありません。これら以外は問題ないということではなく、主にこの6個があげられる、ということです。

 

参考:厚生労働省 パワーハラスメントの定義について

 

 

【1】人格否定、人前での執拗な叱責など、精神的に攻撃する行為

 

・子どもや保護者、他の職員等の目の前で叱責する。

・必要以上に長時間繰り返し執拗に叱責する。

・「そんなこともできないの?」「保育士向いてないんじゃない?」などの暴言を吐く。

・これ見よがしにため息をつく。

・物を乱暴に置くなどして威圧的な態度を取る。

・人格を否定するような言葉で叱責する。

・充分な指導をしないで放置する。

 

【2】殴る、蹴るなど、身体的に攻撃する行為

 

・叩く、殴る、蹴るなどの暴行を加える。

・丸めたポスターを頭で叩く。

・指導に熱が入り、手が出てしまう。(頭を小突く。肩を叩くなど。)

・ミスをした職員に体罰を与える。

 

【3】無視や仲間はずれなど、人間関係から切り離す行為

 

・1人だけ意図的に会議や打ち合わせから外す。業務連絡をしない。

・仕事を割り振らない。

・他の職員との交流から疎外するなどして仲間外れをする。

・職場で無視するなどコミュニケーションをとらない。

 

【4】膨大な仕事量を課すなど、過大な要求行為

 

・新人保育士に充分な指導を行わないのに、一人で担任をさせる。

・仕事のやり方を教えていないのに膨大な仕事量を課す。

・自分の業務で手一杯と知っていながら、他の人の仕事まで押し付ける。

・休日出勤やサービス残業を強いる。

・無理なシフトを強いる。

 

【5】仕事を与えないなど、過小な要求行為

 

・保育士として採用されたのに、事務作業だけを命じる。

・経験豊富な中途採用保育士に、仕事を教えず掃除や雑用だけをさせる。

・実力があるのに(気に入らないなどの理由で)いつまでたってもリーダー等の役割を与えない。

 

【6】プライベートまで入り込むなど、個を侵害する行為

 

・交際相手やパートナーについてなど、プライベートな事を執拗に詮索する。

・私物や持ち物、私服など、業務に関係ないことに口出しをする。

・有給休暇の申請等で、理由を言う事を強要する。

・マイノリティに関する事などを執拗に詮索する。

 

保育士が「パワハラで辞めたい……」と思った時の対処法

 

「パワハラで辞めたい・・・」と思ったら、行動に移すべき4つの対処法についてお話していきます。

 

1、保育園全体の窓口に相談する

 

まずは相談しましょう。

1人で悩んでいては事態が悪くなるばかりです。

保育園で、パワハラ防止策を明示し、ガイドラインを共有して相談窓口を設置しているケースもあります。

相談窓口の利用方法は、事前に職員に周知されています。

第3者相談機関に委託していない、など相談しづらい環境であれば、次の公的機関の利用が望ましいです。

 

2、公的機関や法テラスに相談する

 

保育園内では相談しづらいケースもあるでしょう。

そのような時は、思い切って公的機関や法テラスを利用します。

専門家の的確な助言を受けることが出来ますので、対応策が見えてくるかもしれません。

 

法テラスは、弁護士が無料で様々な相談にのってくれる国の機関です。

 

また、他の公的機関、例えば労働基準監督署の労働相談コーナーなどを利用するのも手です。

 

法テラス

総合労働相談コーナーのご案内

 

3、休職する(体調に影響が出ている場合)

 

体調に影響が出ている場合は、まずは休職することが大事です。

自分の身体が第一です。

少し現場から離れ、ゆっくり休んで体調回復を最優先にしましょう。

 

4、他の保育園や保育施設に転職する

 

体力、気力とも、まだ転職活動出来そうであれば、他の保育園や保育施設への転職を検討しましょう。

パワハラは園の雰囲気に左右されることが多く、そういった事がない働きやすい職場は必ず見つかります。

 

パワハラで保育士を辞めたいと感じたら思い切って転職するのがおすすめ!

 

パワハラを受ける側は、「自分が至らないからだ」と自分を責めてしまうこともあります。

しかし、そうではありません。適切な指導は、相手を追い込むような行為や暴言はありません。

パワハラをする側の精神的未熟さや、理不尽な理由によるものが多いのです。

 

辞めたいと感じたら、そのような環境からはすぐ離れる方が得策です。

思い切って転職するのがおすすめです。

 

パワハラで保育園を辞める時に知っておきたい2つのこと

 

パワハラを受けて、保育園を辞めると決意した時に、ぜひ知っておいてほしい大事なことが2つあります。

 

その1:パワハラでの退職は自己都合ではなく会社都合が原則

 

パワハラで退職を決意したとき、我慢できなくて辞めるのは自分だから、自己都合かな?とあきらめている方もいるのではないでしょうか。

 

実は、明らかなパワハラ行為が繰り返されて退職を余儀なくされた場合、退職理由が会社都合になることがあります。

 

自己都合退職よりも会社都合退職の方が、退職後の生活補償の面でメリットがあるため、会社都合となるのが退職者にとって良いとされています。

具体的には、自己都合退職より、会社都合退職の方が、基本手当が早く受給できる、給付日数が長くなることがあるなどです。

 

参考サイト:労働問題弁護士ナビ

 

その2:保育園に行くのがつらい場合は退職代行サービスが便利

 

保育園に行くのがつらい、退職を言いづらい、すでに体調に支障をきたしているなどの場合、退職代行サービスを利用するのも手です。

パワハラが横行しているような職場ですと、退職を申し出るとさらにパワハラが悪化する場合もあります。

自分を守るためにも、退職代行サービスの利用も検討のひとつではないでしょうか。

 

公的機関に相談する場合や会社都合で退職する場合は証拠があるのが好ましい!ただ、証拠集めはリスクが大きいため状況に合わせて判断しよう

 

公的機関に相談する時は、証拠があるのが好ましいです。

さらには、会社都合での退職に持っていく場合は、証拠集めや、退職届に詳細を書くなど精神的にもきついことをしなければなりません。

 

一日も早く職場から離れたいと思っている時に証拠集めはリスクが大きいため、状況に合わせて判断しましょう。

 

職場に自己都合退職を強要されることもあります。

いったん自己都合退職をして、変更することもできます。

退職理由の変更には、意思の診断書提出と、監督機関から職場への事実調査が必要になります。まずはハローワークに相談してみましょう。

 

パワハラを受けたら自分の身を守ることが最優先!体調やメンタルに影響が出る前に転職を考えよう!

 

パワハラを受けてつらいと感じたら、自分の身を守ることが最優先です。

我慢したり、自分を責めてしまったり、一人で抱えてしまうと、心身を壊しかねません。

 

その場を離れ休む、転職するなどの決意も必要です。

体調やメンタルに影響が出る前に転職を考えましょう。

 

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