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「保育」のお役立ちコラム

保育士は応援団(3月)

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 子どもの特性に気がついている保護者にとって3月は特別な季節です。

幼稚園・保育所から小学校へと進む子どもたちの進路選択は、迷いの連続です。

安心して安全な学校を楽しめる基盤が学校教育にはあるのかと心配をする親御さんは少なくありません。

今回は進路の選択肢について考えてみたいと思います。

これから紹介する事例は個人が特定されないよう一部を修正してあります。

 


A子さんの特性

 質問の内容を理解して的確に答えようとします。

机、椅子などのない場所での運動遊びなどは制止して待つことができませんが、机上での制作などは集中してすることができます。気に入った友達と遊ぼうとしますが断られると泣き出し、諦めるまでに時間がかかり、断る方が悪いとなかなか非を認めることができません。年長組になり、ますます特性が目立ち体育などの時間に友達とのトラブルで注意されることが多くなりました。言語面では「そうとも言えるね」などと大人顔負けのことばを使うことがあります。反面、伝言遊びでは「オレンジジュース」を「オレンジチーズ」と答えていました。

 


就学時健診を迎える時期だからこそ

 例年、年長児には10月頃になりますと各学校から就学時健診の案内が届きます。

この頃のA子さんは、友達との関わり方に問題を抱えていました。そんなA子さんの特性が気になり始めた両親に、できることならば特性に応じた支援ができる専門機関を保育園以外にも探してみるメリットを伝えさせてもらいました。

物事には「時期を得る」ということがありますが、A子さんの両親にとりまして小学校に進学するこの時期が、A子さんの特性を知る時期として適切だったのかも知れません。

 


通常級?特別支援級?それとも通級?

 A子さんの両親には特別支援級にしろ通級にしろA子さんが在籍することでデメリットとして、周りからの障がいへの偏見、就学・就職などの将来の不安が重くのしかかっていました。

 


保育者に求める進路の選択

「先生ならどうしますか?」

保護者が進路を選択するにあたりよく質問される言葉です。

そのたびに私は、一体どの程度、学校現場を知っているのだろうかと考えさせられます。

通常学級という場にも個別的なニーズを抱えた子どもが通っています。

特別支援教育の対象になる子どもたちの数が増え続け、その子どもたちの大半がきちんと診断名をもっているそうです。

学校とは、特別支援学校・通常学級・特別支援級・そして通級のそれぞれの場に生きづらさを抱える子ども達が自由に行けるようになり、判定結果で決められる場ではなく、自らが望む場であって欲しいと思います。


 たまたま知人の特別支援教育コーディネーターのアドバイスを聞くことができました。その言葉の中に無理をして通常級で頑張る児童が、高学年になり通級に来ることがあるそうですが、残念ながら辛い体験により自己評価を大きく低下させてしまっているそうです。話を聞いて低学年の内にスキルを身につけることの大切さを感じました。

 


やっと決めた通級の選択

 特別支援教育を望むことでA子さんがいじめにあうのではと心配をしたり、将来の就学・就職に影響を及ぼすのではと深刻に考え込んだりと辛い時期を乗り越えて両親は、A子さんの生きづらさを助ける場として通級を選ぶことにしました。

どんなことでも一つを選ぶとは、それ以外のことを手放す、諦めることを意味します。

人は、えてして諦めた方に宝物が隠れていたのではないかと思うものです。だからこそ両親が悩んだ末に選んだ道が、一番良い方向に向かうように保育士として応援したいと思います。

通級を選択したことを報告に来てくれ「もう少し早く専門機関に行っていれば良かった」と涙するA子さんの母に「遅いということはない」と言いたかったのですが掛ける言葉が見つかりませんでした。

 


育ちと学びをつなぐ

平 成20年3月に幼稚園教育要領、保育園保育指針、学習指導要領が改訂され、それぞれに、幼児期の教育は、その後の小学校における土台となるということ、そして、幼稚園・保育園と小学校との育ちや学びをつなぐ連携の重要性が明記されました。保育士は就学がゴールに見えるものですが、就学前の子どもの育ちを上手に引き継いでいくことが求められます。

 


小学校になにをつないでいくか

  1. A子さんのこと

    A子さんの苦手な点、気になる点のみでなく、苦手なことをカバーできるような得意なこと、好きなことをつなげる

  2. 保護者のこと

    A子さんの特性を知った保護者の心情は、保護者の心身の健康状態はどうかをつなげる

  3. 支援のこと

    保育園での支援の成功、失敗をつなげる


おわりに

 就学を前に子どもの障がいを受容しなければならない局面に立たされている保護者の方にとって我が子に対して下した決断と選択を後悔することのないように、そして、あのとき仕事を辞めていたら、あのとき支援学校を選んでいたら等々、戻ってやり直すことの不可能な問に直面しないように、できるだけ学校現場の情報を伝えられるように保育の現場は、幼保小との連携を一層進めていくことが必要になります。そして、保護者支援にかかわる保育の専門性が求められる今、保育士の質の向上は言うまでもありません。


 今後ますます保育の現場に明るく元気な未来を担う子どもたちの声が響き渡ることを願います。

最後に、コラムの連載の機会を頂きましたこと、一年余お読み頂きましたことに深く感謝申し上げます。ありがとうございました。





田倉 輝子 先生
(たくら てるこ 先生)
 
森幼児園 主任保育士

【経歴】
・横浜私立 青葉幼稚園
・池田市立 社会福祉施設 やまばと学園
・横浜市 認可保育所 森幼児園
・公益社団法人 神奈川学習障害教育研究協会 会員

障害児保育に携わること30年。
療育センターでの経験を活かし、森幼児園では統合保育を実践されております。

2014.03.03
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