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「保育」のお役立ちコラム

食事で気になる子

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食事で気になる子
 
 私は、毎年2回程度、保育士の先生方を対象に子どもの食生活に関する研修の講師を務めています。
研修は、午前・午後のプログラムで、会場への往復時間を含めると当日はほとんど研修に費やされるという、ややハードなスケジュールなのにもかかわらず、会場には、終始程よい緊張感が漂っていて、学生の授業とはまた別の雰囲気です。
 
 研修が終わると、先生方から質問が寄せられます。食べ物の知識、栄養素の摂り方、個別の事例など内容は多岐にわたります。同じような疑問や課題、悩みを抱えていらっしゃる先生への参考になればと、質問は参加者で共有するように心がけています。
 
 「離乳がうまく進まない。」、「それまで上手に食べていたのに急に離乳食を噛まなくなった。」、「いつまでも食べ物を口の中にためていて飲み込まない。」、「食べる意欲が感じられない。」、「特定のものしか食べない。」、「突然、ばっかり食べをするようになった。」、「食物アレルギーの食事で家庭の協力が得られない。」等々、次々に寄せられる質問や相談に、答える側は内心ハラハラドキドキなのですが、同時に、私には子どもの食事にぴったりと寄り添っている先生方のようすが、ひしひしと伝わってきます。
 
子どもの食を扱った本の中に,Q&Aで,噛まない子,偏食の子などの対応を載せているのをよく見かけますが、先生方の質問や相談をよく聞いていくと、本に書いてあるようなことはとっくに実践済みで、そればかりか、いろいろ工夫してあれこれやってみたけれども、どうしても子どもの様子は変わらない。万策尽きて困り果てた結果、私のような者に相談してくださっていることが本当によく分かるのです。
 
 子どもは、大人からみたら些細なことにとても敏感で、感じ方も様々です。味覚が発達し、自己主張も盛んになります。保育園・幼稚園の生活が始まると、子どもなりにストレスを感じているのかもしれません。子どもの食欲は一定せず、変わりやすいものです。また、家庭の養育力の低下が指摘される中、保護者の育児や食事に関する考え方も、子どもに影響を与えます。子どもの食の問題の背景や程度は一人一人異なるので、同じ対策がどの子にも当てはまるはずはありません。
 
 子どもの食の問題に、安直なマニュアルは通用しません。食事で気になることがあれば、まず、その子の健康状態や発育、生活リズム、家庭や親子関係など、生活全般を見渡してみてください。食事で気になる問題は、発育するにつれて解消していくことが多いのですが、放っておくと健康が損なわれる場合もあります。医療機関や専門家の力を借りるような深刻なケースは別として、多くの場合、保育者は、これまで培ってきた子どもとの愛着関係をベースに、子どもの望ましい姿を目指して日々かかわりを続けていくことが必要です。試行錯誤の繰り返しが続くこともあるでしょう。しかし、そのかかわりはその保育者しかできない唯一のものです。時間はかかるかもしれませんが、子どもの育ちと保育者の子どもを思う気持ちの相互作用こそが、子どもの食事の問題の最善の解決策だと私は考えています。よりよい方法を一緒に見つけていきましょう。

 

 曽根 眞理枝 先生

(そね まりえ 先生) 
 
横浜女子短期大学准教授・管理栄養士
専門:小児栄養学

神奈川県内の保育士を対象として、離乳食の進め方など乳幼児の食生活に関する研修の講師を務めるほか、
2009年度より横浜市港南区の委嘱を受け、区内保育園の食育研修講師として食育推進にもかかわっている。

〔著書〕
「子どもの食と栄養」建帛社、「最新子どもの食と栄養」学建書院 など

2012.05.01
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