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「保育」のお役立ちコラム

子どもの心に触れるとは?

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子どもの心に触れたとき。私たち大人は胸が熱くなってきます。
6月では、小学校の子どもの例をあげて、
「子どもの心に触れるとは?」という内容を紹介したいと思います。
 
子どもたちは、どの子も何かしらの生活の重荷をランドセルと共に背負って学校にやってきます。
私たちは、子どもたちのそうした生活の重さを共有し、少しでもその重さが軽くなるようにしてあげる。
なさけないかもしれないけど、その程度しか出来ないことが多々あるように思うのです。
いや、せめてそのくらいしてあげたいとさえ思うのです。
次の子どもの詩を読んでみて下さい。
 
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                  と言ったら
     河田 隆一(4年・仮名)   母ちやんが
ぼくがイチゴに牛乳をかけて、     「どれ、どれ?」
砂糖を入れて食べると、        そう言ってコップをキ~キ~ならしました。
ガラスのちゃわんに          ぼくは、
鉄のスプーンがこすれて、       「まだ、まだ~」
ギ~ギ~、ギ~ギ~          と言ってしまいました。
音がなりました。           母ちゃんはニヤッと笑って、
ぼくにはこの音が、          もっとならしました。
心ぞうにひびくいや~な昔です。    ぼくはその時、
ぼくが、               「アンパンマ~ン。」
「うわー、鳥はだたつー」       とさけびたくなりました。
 
         * * * * * * * * * * * * * * * * * *
 
  いちごのために          そうしたら、
     河田 隆一(4年・仮名)   「宿題、おわったよねー」
今日のごはんは            とずうずうしく聞いてきた。
ブロッコリーだった。         ぼくが「まだ。」と言うと、
ぼくは無視して            「じやあ、宿題が終わってからね」
ほかのを食べようとしたら、      と言ってきたので、
母ちやんがいちごを見せびらかした。  宿題をやった。
「ブロッコリーを食べたら、      ぼくはどうして
 これをあげるよ」          食べ物に弱いんだろう?
と言ったから、なんとか食べた。
 
         * * * * * * * * * * * * * * * * * *
 
隆一くんは、毎回本当に笑えるような詩を書いてきました。
特に、「音」という詩でのお母さんとのやりとりは、絶妙と言って良いほど笑えてしまいます。
「いちごのために」の詩も、自分の性格を踏まえたうえで書けている素晴らしい詩だと思うのです。
しかし、隆一くんの詩を読んで不思議なことがありました。
それは、詩の中に父親の姿が全く見えないことでした。
 
この2つの詩のあと、その理由がはっきりしました。
お父さんとお母さんが離婚したのです。そのことを知った私は、隆一くんに尋ねてみました。
「いつもおもしろい詩を書いてきてくれたけど、その時お父さんとお母さんはどうだったの?」
すると、隆一くんは、
「実は毎日のように、ケンカしていたし、
 時には徹夜で僕とお母さんと弟の3人で市内を車でグルグル回ったりしていた」と言うのです。
「そんな苦しい状況だったのに、どうして君は毎回笑えるような詩を書いてきたの?」と聞くと、
「僕は、自分の詩を読んでみんなが笑ってくれる瞬間が大好きだったんだ。
 その時だけは、家でのつらい思いを忘れることが出来たの。
 だから、一生懸命笑えるような生活をお母さんとするようにしたし、
 その時の様子を詩に書くようにしてきたの!」と言ったのです。
 
私はその言葉を聞いて、「隆一くんは、なんて強い子なのだろう」と尊敬してしまいました。
そして、私はこの2つの詩の笑いの中に込められた哀しみが伝わってきたような気がすると同時に、
隆一くんの心のうずきに触れたような気がしました。
子どもは、本当につらいことをダイレクトに表現するのではなく、笑いに包んで表現することがあります。
教師の心のアンテナをもっともっと高くする必要性を感じた出来事でした。
 

 

増田 修治 先生
(ますだ しゅうじ 先生) 
 
白梅学園大学子ども学部子ども学科准教授。
小学校教諭、埼玉大学非常勤講師をご経験。
2001年に「児童詩教育賞」受賞。
こどもたちに「ユーモア詩」を書かせるなど、子育てに関
しての講演、著書出版などでご活躍され、NHK「にんげん
ドキュメント」、テレビ朝日「徹子の部屋」でも紹介されまし
た。
著書には『子どもが育つ言葉かけ』『笑って伸ばす子ども
の力』 『子どもが伸びる!親のユーモア練習帳』『子ども
が育つ言葉かけ』 『笑う子育て実例集』など。

2011.06.01
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