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「保育」のお役立ちコラム

発達の基礎について

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最近、発達に気がかりな子どもが目立つようになっています。
そのような保育現場の現状から、特に気になる子どもが発達障害を抱えている可能性を予測して、
市町村の研修会でもこの話題が取り入れられることが増えています。
今回から3回にわたり「発達」という視点から具体的な子ども理解についてお話をしたいと思います。
 
まず、今回は発達とは何かといった発達の基本的な視点を
理論的な背景と実際の子どもの姿とを重ね合わせながらその重要性をお話したいと思います。
 
発達の基本と捉えるためには「発達の原理」について知っておくことが大切です。
多分、みなさんも保育の勉強をしていたころ学生時代にこの内容を学んだと思います。
気がかりな子どもを理解するときには大変役に立ちます。
しかし、実際の保育に入ると周知のこととして忘れられていることが少なくありません。
改めて以下に紹介しましょう。
 <発達の原理>
 1.個体と環境の相互作用
 2.分化と統合
 3.連続性
 4.順序性
 5.異なる速度
 6.個人差
 7.臨界期
 
気がかりな子どもは、上に挙げた発達の原理の何かがバランスが悪かったり、ゆっくりだったりと
その子どもの抱えている問題の基本が見えてきます。
 
そこで、参考までにハーヴィガストの発達課題も以下に示しましょう。
   1.歩行を開始すること
 2.固形食を食べるようになること
 3.話すこと
 4.からだを清潔にしておくこと
 5.性の違いを知り、性に対する慎みを形成すること
 6.生理的安定を得ること
 7.ものや社会について簡単な概念を形成すること
 8.両親、きょうだい、その他の人との情緒的な結びつきを形成すること
 9.善悪の判断と良心を身につけること
 
 
この内容を見ると愕然とすることがあります。
「歩く」ということは一般的に難しい事では無いように思います。
多少、ゆっくりの子どももいますが、ほとんどは1歳から1歳半ごろには歩くようになるものです。
ところが、巡回相談で今年に入り、
「歩くことがなかなかできないが大丈夫だろうか」といった相談が何件も舞い込んできて
実際に相談に伺うと、2歳近くになっても歩けないという現状がありました。
原因は不明なことが多く、
生まれて概ね2年間の経験に問題が有ったのか無かったのかははっきりしませんが、
発達の基本がすでに危機にさらされていると言えるでしょう。
そして、これらの子どもたちの親御さんのほとんどは、
そのことを重大と思っていないという共通点があります。
 
 
みなさんの保育園にはそのようなケースは有りますか。
「歩く」ということは「人になる」という
実はとても重要なことで、知能の発達にも大きく関連します。
寝た状態でみなさん周りの景色を見て下さい。
見える世界は限られています。
それが立って歩くことにより、一気に世界が広がるのです。
この世界観の広がりが人間の成長を加速化させ、興味関心の塊となって探索行動が増え、
多くの事を経験していくことができます。
 
このように、歩くといった当たり前のことが危機にさらされている現状で
どのように健全な発達が促進されるような援助をするかが問題となるでしょう。
何気ない当たり前のことが今、出来なくて困っている子どもがいるかも知れません。
このような盲点になっている子どもの基礎的な発達について
もう一度、見直してしてみましょう。
 




冨田 久枝 先生
(とみた ひさえ 先生) 
 
20年余にわたり幼稚園教諭として勤務。
その後カウンセリング及び保育内容の
指導者として活躍中。
現在は千葉大学教育学部にて指導。
編著「保育カウンセリングの原理」ほか。

2010.12.01
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