保育のコラム

保育士の給料はなぜ安いのでしょうか?原因や理由を教えてください。

2020/11/03

保育士になりたいと思って資格取得の勉強しているのですが、給料の安さにあまり良いイメージがありません。

 

今後の生活などにも直結する話なので正直不安です。

 

それにしても、一体なぜ保育士の給料は安いと言われているのでしょうか?原因や理由はあったりするのでしょうか?

 

 

はい。

 

それにはちゃんとした原因と理由があります。

 

ここでは保育士の給料が安い理由や原因について詳しく解説していきますね!

“ずっと保育士編集部”

【記事監修】ずっと保育士編集部

「ずっと保育士」は、保育ひとすじ28年の株式会社明日香が運営する保育専門のキャリアサポートサービスです。結婚や出産、育児など、目まぐるしく変わるライフステージの中で、その時その時にぴったり合うお仕事を紹介したい。そして、保育の仕事でずっと輝き続けるあなたを応援したい、という想いで保育士の就職、転職、復職などのキャリア支援を行っています。また、「ずっと保育士」では保育士さんの疑問や悩みなどを少しでも解決すべくコラムを通した情報発信も積極的に行っています。

保育士の給料はどれくらい安い?

 

 

 

実際に保育士のお給料ってどのくらいなのですか?

 

 

 

厚生労働省の発表する賃金構造基本統計調査によると、保育士の平均年収は約342万円とされています。

 

全職種の平均年収が約491万円であることを考えると平均で150万円近く差があるため、全国平均で見ると、保育士の給与は安いと言わざるを得ません。

 

ただし、保育士は公務員保育士と民間の保育士では大きな差があります。

 

例えば、東京都練馬区が昨年発表した「人事行政の運営等の状況の公表」の保育士の支払い実績によると、平均年収は約682万円となっています。

 

これは全職種の平均年収を大きく上回った実績と言えるでしょう。

 

ただし、公務員保育士は地方自治体の公務員給与に準じた支払いが行われるので、全ての公務員保育士が給与が高いとは一概に言えません。

 

つまり、公務員保育士になれば給与は高くなりますが、民間の保育士は一般平均よりも安い給与であるというのが実態です。

 

 

 

 

保育士の退職理由の一つは給料の安さ

 

 

 

給与の低さは退職にも影響するのですか?

 

 

 

はい。影響しています。

 

というのも「東京都保育士実態調査」 によると、保育士の退職理由のベスト5は下記のようになっています。

 

 

 

 

1:妊娠・出産

2:給料が安い

3:職場の人間関係

4:結婚

5:仕事量が多い

 

 

 

 

多くの人が給与が安いことを退職の理由としてあげており、このことは国会でも問題になる程大きな社会問題として捉えられています。

 

 

 

 

なぜ保育士の給料は安いの?原因や理由は?

 

 

 

保育士の給料が安いのには理由があるのですか?

 

 

 

保育士の給料が低い理由はもちろんあります。

 

先ほどもお伝えした通り、公務員保育士は地方公務員として給与が査定されているため、ここからは民間で働く保育士に限定してお伝えしますね。

 

民間の保育士の給料は、その保育園を運営する運営会社が決定します。

 

この民間の保育園の運営費は大きく2つの収入源があります。

 

国の決める「公定価格」がベースの公費と保護者が支払う保育料です。

 

この2つの収入の中から運営費用を確保し、残りが保育士の賃金です。

 

ところが、保育園は認可外保育園や認証保育園を除き、基本的には福祉施設であるため、その収入を保育園側が決められるわけではないのです。

 

公定価格は政府が決定している金額を子どもの数で配分していますし、保育料も地方自治体が一括で保護者より支払いを受け、子どもの人数に応じて保育園に支払いを行なっています。

 

また、この公費についても、税金で賄う施設である以上、過剰に利益が出る運営はよろしくないということで、あまり潤沢な利益が出る金額が設定されていませんでした。

 

つまり、民間の私立保育園と言っても、収益は公費のみであり、保育の必要経費や給食代などを引くと、人件費にかけられる金額はわずかしか残らないように初めからなっているのです。

 

そのため、保育士の給料は低いという現状が生まれてしまったのです。

 

この現状を考えると、保育士の給料を上げるためには、国からの公定価格を上げるか保育料を上げるかしかありませんが、民間所得が下がる現状の中で保育料を上げる政策は現実的ではありません。

 

そこで、公定価格を上げ、保育士の給与を上げるということに政府も取り組んでいるところです。

 

 

 

 

国からの補助金額は年々上がっている!

 

 

 

国からの補助金が上がるのはもう始まっているんですか?

 

 

 

はい。政府はすでに1兆円規模の予算を投じると決定しました。

 

ただ、現実には7,000億円の財源しか確保できなかったため、少しスローダウンしてしまったことは否定できませんが、少なくともこれまでとは異なり莫大な予算を投じる実績は進みました。

 

これを小さな一歩として、今後も様々な施策や予算が投じられることになっています。

 

これまで行われた、また今後行われる予定(2020/11/03時点)の給料の処遇改善については「保育士の給料は今後本当に上がるんですか?処遇改善でいつから引き上げが始まるのでしょうか?」というQ&A記事に詳しく解説してありますので、こちらも参考にしてみてください!

 

 

 

 

ということは、今から保育士の資格を取得するのは将来性があると考えても良いのでしょうか?

 

 

 

 

そうですね。給与に関しては、今後さらに改善が期待できるでしょう。

 

また、保育士不足によって売り手市場なため、保育士資格を取っておくと、就職面での苦労はないかもしれませんね。

 

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